ブルターニュ地方

2009年9月 9日 (水)

BordierのCaramel au beurre sale

 

Img_31951_2  我らがレ・ブル、大ピンチ!
 なかなか得点に結びつかない。
 アンリの苦々しい表情から悔しさが伝わってくるようだ。この苦い結果をバネにしてセルビア戦に挑んでほしい(←偉そうですね)。
 アンリ、がんばれ!

 苦いといえば、この琥珀色に輝く、caramel au beurre sale(塩バターキャラメル)

 フランスのおみやげでいただいた。
 ブルターニュ地方キブロンの名物、アンリ・ル・ルーさんのC.B.S.ではなく、サン・マロのボルディエさんの有塩バターで作られたものらしい。
 (ボルディエのオリジナル商品ではないのかな?)

 スプーンでなめてみると、しっかりとした苦みと甘さ、そしてこくがなめらかにひろがる。
 「そうそう、フランスってこんな感じ」
 帰国してもうじき2年。ずいぶん遠い存在になってしまったフランスを突然に思い出す。私にとっては、それほどインパクトのある味だ。
 ”ボルディエのバター”云々は、正直なところよくわからないが、舌の上で溶けていく滑らかさがそうなのかもしれない。

Img_3220  

 さっそくクレープに塗っていただいた。(写真右)

 クレープに使ったバターがボルディエでないのが残念なところだが。
 キャラメルの濃厚な甘さとなめらかさがクレープと相性が良く、苦みが印象的で、とてもおいしかった。(←『シルシルミシル』のAD堀くん風に)

 

 クレープやパンはもちろん、アイスクリームやいろいろなデザートと相性が良いという。
 イチジクやフランボワーズ、バナナなどフルーツのソテーにかけてもおいしそうだ。

 冷蔵庫にあった食べ残しのリンゴをソテーし、キャラメルで和えてみた。(写真左下)
 リンゴの酸味と濃厚なキャラメルの風味がよく合っていて、とてもおいしかった。(←再び、堀くん風に)
Img_3233 苦みのせいだろうか、濃い飴色に焼かれたタルト・タタンが無性に食べたくなってしまった・・・。

 罪作りなおみやげをありがとうございました。

 

 ○Les Comptoirs de Saint Malo
   http://www.comptoirs-saint-malo.com

 

|

2008年11月10日 (月)

星に”疲れた”男

 11月9日付朝日新聞朝刊によると、ブルターニュ地方カンカルのレストラン「メゾン・ド・ブリクール」のシェフ、オリヴィエ・ローランジェ氏は同店を12月15日に閉店し、2006年以来キープしているミシュランの三つ星も返上すると発表した。肉体的についていけないのが理由だという。

 1996年のジョエル・ロビュションに始まり、アラン・サンドランス、アンワーヌ・ウエステルマンが星を返上してきた。それだけ、シェフたちにとってミシュランの星がもたらすプレッシャーは大きいということだ。「三つ星は時に、アキレス腱にもなり得る」とローランジェ氏は話す。(参考)

Img  このニュースで、久しぶりに手に取った本が、『星に憑かれた男』
 ブルゴーニュの今はなき名店「ラ・コート・ドール」のオーナー・シェフ、ベルナール・ロワゾーが悪戦苦闘しながらも三つ星を獲得するまでのサクセス・ストーリーだ。
 ご存知の通り、ロワゾー氏は2003年に猟銃自殺。原因は不明だが、ゴー・ミヨーやミシュランでの降格が理由のひとつとうわさされたものだ。

 おいしい料理を提供するだけでは、ミシュラン3つ星を獲ることができない。この本を読むとそんな裏事情が見えてくる。
 そして、ミシュランの星に”憑かれる”と、本当に”疲れる”ことがよくわかる。

 栄光の座を自ら降りたローランジェ氏。
 メゾンは閉めるが、「今後はもっと広く、多くの人々に向けて料理をしたい」と、ビストロ「Le Coquillage」でその創作活動は続けるという。スパイスの研究も。

 思い切った”かじ切り”に拍手を送りたい。

|

2006年4月24日 (月)

ブルターニュをおおまたぎ。 -Le Roux-

 モン・サン・ミシェルを後にし、カーナビに新たな行き先をセットする。半島のちょうど真南にあたる町、Quiberon(キブロン)だ。

Cbs_1 キブロンには、有塩バター入りキャラメル(C.B.S/Caramel au Beurre Sale)を発明したアンリ・ル・ルーさんのショコラティエがあるのだ。

 昨年のサロン・デュ・ショコラでル・ルーさんとお話して以来、彼のお店を訪ねるのは、フランス滞在中に成し遂げるべき事柄のひとつ、になっていたのだ。 (←大げさ)。 (過去記事http://farafel.cocolog-nifty.com/escargot/2005/10/salon_de_chocol.html

 直線距離だと近く見えるが、高速だとレンヌ経由になる。結構遠い。

 途中は牛、牛、牛。農業見本市で見たような巨大な牛がLr3牧場に寝そべっている。

 牛が途切れると、ピンク色の花崗岩がむき出しになった景色。騎士のモニュメントがあったりして、ケルトの雰囲気も。

 目指すキブロンは"Quiberon,la Presqu'ile(キブロン、ほとんど、島)"というコピーを観光協会が使うほど、ブルターニュ半島から突起した先端にある。Lr2

 ル・ルーさんの店は、キブロンの港に近い商店街の一角にあった。パックの休暇中ということもあり、周囲は観光客でにぎわっている。

 店内は結構広く、店員さんも多 い。奥にある工房もガラス窓を通して見ることができる。到着したのは夕方。その日の作業は終了したらしく、がらんとしていた。全て手作りという、キャラメル作りも見えただろうに。残念。

 キャラメル、チョコレートなLerouxど多種多彩な品揃えに、何を買おうか、かなり、迷う。キャラメルだけで5種類(C.B.S.、紅茶、リンゴ、オレンジ、チョコレート)もある。クレープやパンに塗る、瓶入りの”キャラメリエ”もさぞかしおいしいだろう・・・。

 結局、キャラメルの詰め合わせ、パット・デ・フリュイ、フルール・ド・セル入りの板チョコを買った。 チョコレートをもっと買えばよかった、と後で後悔した。

 レジで名前と郵便番号を聞かれた。フランス中と言わず、世界中から、このブルターニュの果ての町のチョコレート屋さんを訪れるのだろう。ル・ルーさんが自らを「キブロン大使」と呼ぶのも納得。

Quibron ビーチでしばらく休憩した後、パリへの岐路に着く。 自宅の住所をカーナビにセットすると、600㎞の表示が出て、泣きたくなった。日本だと、どこから、どこまでだろうか。ブルターニュはやっぱり遠かった・・・。

 実は、ル・ルーさんの商品、通販で買えるというのに。

○Chocolatier-Caramelier Le Roux
 18,port-Maria f-56170 Quiberon
  TEL:02 97 50 06 83
  FAX:02 97 30 57 94
  http://www.chocolatleroux.com

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2006年4月19日 (水)

未踏の地、モン・サン・ミシェルへ

Hitsuji

 せっかくカンカルまで来たのだから、未踏の世界遺産、モン・サン・ミシェルに行ってみることにした。パリに来て2年半以上経つが、一度も行ったことがないのだ。

  遠くにうっすらと浮き上がる修道院のシルエットを眺めながら、海岸線を走る。

               Higata

 1時間ほどで到着。

                                                      

 写真や映像で何度も見た建物が、目の前にそびえている。
 訪れたのは午前中の干潮時で、干潟状になった部分がむき出しになり、迫力を増している。

 と、思いきや、ヒツジの群れが道路を横断するのどかな風景も。

                                                                                                                           

Omelet

 建物の中は売店が軒を連ね、観光のお約束スポット、「プラールおばさん」オムレツ 屋さんも。団体のツアー客が次々と案内されていく。

 修道院内の見学は列が長すぎ、断念する。これからル・ルーさんの店があるキブロンまで、長いドライブが待っているのだ。

                                                                                                                
                                                                                                                  
                                                                                                                                                

Toast

 途中で立ち寄った、小さな村の、小さなレストランで頼んだ”カマンベールのトースト”。ほかの料理は今ひとつだったが、カマンベールがおいしいせいか、素朴なのに不思議なほど美味に感じた。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2006年4月18日 (火)

ブルターニュ、満喫なのだ。 -Les Maisons de Bricourt-後編

R1  ホテルから迎えの車でレストランへ。

 20時前なので、光が差し込み、まだ明るい店内。「お昼間に来たら、さぞ気持ちが良いだろう」と想像する。

 まずは、シャンパーニュ。熱した石に載ったアミューズをいただきながらメニューを眺める。ベットラブのチップス、一口サイズに巻かれたガレットがおもしろく、気が散って、メニュー選びはなかなか進まない。

 
 アラカルト、Une Expression de la Bretagne、Une Image du pays Malouinというムニュがある。
 ”伝説のオマール”が出るのはUne Image du pays Malouin。Pays MalouinとはカンR2 カル、サン・マロ一帯の地方のことらしい。

 オマールを単品で食べてみたかったが、ムニュならテーブル全員で、とのことであきらめた。

 ”時と風によって創り出された”と副題のついたUne Image du pays Malouin。海の幸、山の幸満載のムニュは以下の通り。忘れてしまった部分が多く、すみません。R3(注:写真はクリックすると、大きくなります)

 貝ガラに盛られた3種(写真上)。オマールのビスクとか、そんな感じだったが、ほんのちょっとの量のせいか、正直、よくわからなかった。

 サン・ジャックのお刺身、フルーツソースあえ。お皿が縦に置かれ、驚く。海苔とか、キュウリの切り方とか、和風なプレゼンだ。

R4

 トコブシ、エビ、はまぐりがぽつんと入ったお皿に、ブイヨンを注いでくれる。潮の香りがプンと立ち上る。

R5

                                                                        

 Huitres tiedes, jus d'herbes des falaises,graines lointaines et sarrasin(温かいカキ、断崖のハーブ?のジュ、ソバと穀物添え)。先週号のFigaro Scopeでもポップコーンや麦など穀物を使うレストラン特集をしていた。今、流行の食材なのだろうか?

 そしてこれがオマール。R6

 Homard en deux services au vin de xeres, piment et cacao dans l'esprit du ⅩⅨe siecle.(オマールの2種ソース、シェリー風味と唐辛子とカカオ風味。19世紀のエスプリで???)
 オマールにカカオ・・・。不思議な組み合わせだが、食べてみると、カカオのコクが絶妙な調和を生み出しているのに気づく。ぺロッと食べてしまい、「アラカルトで頼めばよかった」と後悔しても、もう遅い。

R7

Turbo en blanc, amandes, pavot, sesame, pamplemousses confits et pousses germees a la Maison(白く煮たヒラメ、アーモンド、ケシ、ゴマ、グレープフルーツのコンフィ、自家製の新芽)。 R8

                                                                                                                         

 子羊。これも縦のプレゼンテーション。

R9

                                                                        

 フロマージュのワゴン登場。ローカルのR10チーズを選んでもらう。長い舌のようなビスキュイ?と一緒に。

 

 デザートいろいろ。リンゴのミルフィーユ仕立て。

                                                                         R11_1   

飴がきれいなアイスクリーム。

 

 

スパイスR12の箱に盛られたスウィーツを、コーヒーとともに。お茶は鉄瓶でサービスされる。

 最後にお猪口みたいな容器に入ったアボカドのスープ?とパッション・フルーツ入りの温かい飲み物・・・。R13

                                                                          

 

 予想より、スパイスづかいは控えめ。あくまでも、素材や料理を引き立てるために効果的に使われている感じ。

                                                           

 パリの三ッ星に比べ、サービス、プレゼンテーション、食器など、洗練性では若干劣る気がするが、ブルターニュの滋味豊かな食材を生かした皿の数々は、パリから足を伸ばす価値は十分ある。スタッフも気取らず、とても感じが良い人たちだった。

 
 気がつけば、12時前。

 満席だったが、常連なのか、アラカルトで注文し、サクサク帰っていく人が多く、残っている客もまばらだ。リゾート地らしく、カジュアル・シックな人が目立った。春のバカンスの初日だったからかもしれない。

 ローランジェ氏が見送りのために登場したので、持参したミシュラン(もちろん2006年版)にサインしていただいた(←ミーハー)。

 レストランのHPにアップの顔写真が多用されているので、「ナルシストだったらどうしよう?」と心配していたが、意外に小柄で、物腰柔らかな素敵な方だった。余計なことばかり話し、お祝いの言葉を忘れてしまった・・・。

 この場を借りて、三ッ星昇格、おめでとうございます。またオマール、食べさせてください。今度は単品で!
 
 
  ○Les Maisons de Bricourt

  1,rue Duguesclin
    35260 Cancale
    TEL:02 99 89 64 76
    FAX:02 99 89 88 47
    http://www.maisons-de-bricourt.com

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年4月14日 (金)

もはや”伝説”のオマール -Les Maisons de Bricourt-前編

 ミシュラン2006年版で、悲願のというか、ようやく三ッ星を獲得した、ブルターニュ地方Cancale(カンカル)の"Maisons de Bricourt"”スパイスの魔術師”と形容されるシェフ、オリヴィエ・ローランジェのレストランだ。Galette

 三ッ星獲得前から、複数の食通の方から「一番行きたい店」と薦められていた。全員が「Homard au piment et cacao(オマールの唐辛子とカカオ風味)が素晴らしかった・・・」とうっとりして語るのだ。

 さっそく予約を取ろうとした時は冬季休業中。モタモタしているうちにどこかの新聞が”三ッ星確定!”をすっぱぬき、電話をしたときはすでに遅く。週末は夏まで満席になってしまっていた。

 恐るべし、ミシュラン・パワー。

 この半年余りで私のなかでは、もはや”伝説”と化してしまったローランジェのオマール料理。こうなると、どうしても食べてみたい。でもカンカルは遠く、泊りがけでなくてはディナーは無理・・・。日程をやりくりし、なんとか月曜日の夜に予約することができた。

 パリから約400㎞余りだろうか。車を走らせ、まず、閉店間際のローランジェのパティスリー"Grains de Vanille"へ滑り込む。

Magasin  ガレット・ブルトン、クイニー・アマンなど地方菓子があるはずなのだが、当然、売り切れ・・・。仕方なく、缶入りの焼き菓子やガレット、フロランタンを買った。

 包んでもらう間、とても感じのいい店のマダムが「どうぞ」と薦めてくださったガレットのおいしさに驚く。香り高いバターの風味。「今まで食べてきたガレットは何だったの?」と思わせるほどなのだ。

 宿泊したのは3つあるホテルのうちのLes Rimains。小さなコテージだ。
 部屋には日本の旅館のようにそれぞれ名前がついているが、muscade(ナツメグ)、coriandre(コリアンダー)などスパイスやハーブなのは、さすが、魔術師。
 Baie du Mont-St-Michel(モン・サン・ミシェル湾)を臨む、眺めのいい部屋にも満足。Pdjn
 

 お部屋でいただく朝食にも、おいしいバターがたっぷりついてきた。これもうれしい。

 オマールの前に、バターですでに、大感激。

 ○Les Maisons de Bricourt
 1,rue Duguesclin
  35260 Cancale
  TEL:02 99 89 64 76
  http://www.maisons-de-bricourt.com

 ○Grain de VanilleBordier
    12,place de la Victoire
    35260 Cancale
    TEL:02 23 15 12 70
    定休日:火・水曜日

 ※Cafe Sweets(vol.41)によると、バターはサン・マロの「J.Y.ボルディエ」製だという。ディナーのテーブルにも登場。一つは海草入りです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)