日本食

2010年1月 6日 (水)

道具馬鹿一代 (22)市原平兵衛商店の箸

 

 あけましておめでとうございます。

 昨年からあまり更新できていません。
 今年もぽつりぽつりと続けていきますので、お時間ある時にのぞいていただければ幸いです。

 今年も皆様に美味しい出会いがありますようにお祈り申し上げます。

                   

                                                                     farafel@Japon



 帰国以来初めて、年末年始を家族揃って過ごすことができたので、お節を手作りした。

 いい中年だというのに、お節作りは初めて。妙に緊張する。

Img_4097  書店で手に取った『藤井さんちのおいしいおせちとお正月のごちそう』(藤井恵著・主婦と生活社)が、簡単そうに解説していたので購入。スタイリングもすてきだ。
 もう一冊、10数年前に購入したまま、毎年眺めるだけだった松本忠子さん『おせちと年末年始のおもてなし』(文化出版局)も参考にした。

 難しい、重箱の盛り込みに欠かせないのが、京都の箸専門店市原平兵衛商店の竹箸
 以前、あるお鮨屋さんのご主人が何膳かお分けくださったのがきっかけで、知ることができた。(貴重なお品をご紹介いただき、ありがとうございました)

 細い細い箸先で、細かいものも容易につまむことができる。お茶碗に残った最後の一粒までつまめるのだ。すばらしい。美しい。そして丈夫でもある。
 「弁当男子」なる言葉が生まれるほど、昨今、弁当持参の人は多いが、弁当の盛り込みでもこの箸は重宝されているらしい。

 いただいたもりつけ箸などに加え、かわいらしい装飾のついた「のし箸」(写真上の右)をとりわけ用にネットで購入した。よく読めば、松本先生も本の中で、お正月支度用の店リストの筆頭に挙げていらっしゃった。あまりにも有名なお箸屋さんなのだった。

Img_4031 箸を使って細かい盛りつけをしているうちに、フレンチにも活躍しそうだと思いついた。ヴェリーヌの上に何かトッピングする時、皿に小さなパーツをバランスよく盛りつける時・・・。お箸が使える人ならきっと便利に違いない。


 さて、初めてのお節作りは、雑に仕上げてしまった部分や小さな失敗などあったものの、まあまあの仕上がり。2日には3段重のほとんどを食べきってしまい、あっけなかった。



 

 ○市原平兵衛商店
  京都市下京区堺町通四条下ル小石町118-1
  TEL:075-341-3831

                        

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2008年2月28日 (木)

冒涜(ぼうとく)クッキング  ⑤フォアグラ丼

 

Img_4581 テリーヌを作ったときに余ったフォアグラ
 型に入るより多めの量を買っていた。
 「そのうち食べよう」と冷凍していたのを思い出した。

 

 ポワレして食べるほどの量でもないし・・・とひらめいたのが、フォアグラ丼

 日本では数えるほどしか食べたことがなかったが、フランスではフォアグラはスーパーでも買うことができる、意外に一般的な食材だ。
 3大珍味と呼ばれるなかで、トリュフ、キャヴィアと比べると価格も一番買いやすいのではないだろうか。

 

 以前どこかのレストランでいただいた”焼き肉”っぽい味付けのフォアグラのポワレがヒントになった。

 普段はフルーツっぽい甘系のソースを合わせることが多いが、これもアリかもしれない。しかもご飯に合わせるならぴったりだ・・・と、さっとポワレしたフォアグラに冷蔵庫にあった焼き肉のタレ(中辛)を絡ませた。

 炊きたてご飯、炒め野菜、これまた余り物のカモのロースト、そして表面はパリッと、中はピンクでぷるぷるのフォアグラをのせ、シブレットをパラリ。

 いただきます!

焼き鳥風のタレでも良さそうです。

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2008年2月19日 (火)

radisの浅漬け

Img_4996_2  キムチは好きだが、他の漬け物は「あったら食べる」程度の関心度だった。
 フランスに行く前は外食の多い生活だった。定食についてきたり、おつまみがわりにしたりと、なにかしら漬け物をいただく機会があったからかもしれない。

 パリの日本食材店で買うのはキムチ(高頻度)、福神漬け(カレーの時だけ)、ごくごくたまにたくあん、だったのだが、ある時、お手製の浅漬けを友人からいただいたのをきっかけに、”浅漬けブーム”が到来したのだった。

 和食特有の味覚といわれる、”うま味”に飢えていたのかもしれない。

 幸い”道具馬鹿”。浅漬け用の器具は持っていた。こんな日が来るんじゃないかと、想定していたのだ。

 キャベツ、カブ、ナス、白菜・・・いろんな野菜で作った。
 ある日、ふと思いつき、radisを浅漬けにしてみると・・・少ししなっとしたラディの、さらに鮮やかになった赤が美しく。

 普段、塩とバターでポリポリかじるのとはまた違ったおいしさで、一束分があっという間になくなったのだった。

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2007年11月 6日 (火)

こんなパスタはダメですか?

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 なかなかブログの更新ができずにいます。

 のぞいてくださった方、すみません。もう少しお休みします。

 フランス・ネタではないのですが、パスタ日記「こんなパスタはダメですか?」をぼちぼちつけておりました。
  パスタ好きなもので。パスタ文化発展途上国(?)のフランスでひとり、奮闘していたわけです。

 とはいえ、明太子パスタ納豆のせ、ワカメパスタ・・・。イタリアンのシェフの方に叱られそうなアドリブ・パスタばかり。

 ちなみに写真は、手作りのニョッキ・・・ではなく、パリのスーパーの冷蔵コーナーで売られているニョッキをバターで炒め、粗く削ったパルミジャーノ、塩・コショウをかけただけのもの。
 外側カリッ、中モチッとした食感で、インスタントながらなかなか。トマト・ソースをかけたり、ベシャメル・ソースでグラタン風にしても。

 こんな感じで、レシピもテキトーのユルユル・ブログです。

 更新も不定期。それでもよろしければ、こちらもごひいきに。

 

                         farafel@Japon

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2007年9月19日 (水)

細かいのはお好き?

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 コロッケを作り始めたところ、買い置きの日本製のパン粉が残りわずかなのに気づいた。

 大きめのパン粉をつけて揚げた、口の中がガサガサするようなコロッケが好きなのだが仕方がない。フランスのパン粉、chapelureを使おう。

 スーパーでは、かたくり粉の一種のfeculeや、フォン・ド・ヴォーチキンクール・ブイヨンなどのインスタントだし売り場に並んでいる。

 いつも買うのはChapelure Fine(写真左下)。名前の通り、細かなサラサラのパン粉が箱に入っているのだ。

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 こうなると、コロッケの形も俵型から丸型へ変更。アランチーニをイメージして丸めてみた。

 おなじみのお総菜が、なんとなく"croquette"風になった。

 トンカツソースよりトマトソースを添えたくなる感じ。

 

 

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 ※スーパーでよく見かけるメーカー、Tipiakの商品では他に、doreeという焼き色が強めについた”カリカリ”ヴァージョン、ふりかけるだけでくっつくprete a l'emploiというヴァージョンもある(←買ったことがないが)。
 http://www.tipiak.fr

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2007年7月21日 (土)

ル・クルーゼで鯛飯。

 

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 たいめし!

 いろいろなブロガーの方がたいめしを作り、紹介していらっしゃるのが、おいしそうで、おいしそうで。
 あまり食べたことがないし、作ったことなど一度もない。夜な夜な、掲載された写真を眺めては、わき出る(!)つばを飲み込みながら想像を膨らませた。
 これは早急に作らなければ。

 レシピ通りに作りたいところだが、土鍋が使えない(IHのため)ので、ル・クルーゼで作ることにした。
 熱伝導に優れたル・クルーゼだと、ムラなく熱が入り、ごはんがおいしく炊けるのだとか。
 炊飯器があるので、試したことがなかったのだが。

 カルフールの鮮魚売り場でdaurade royaleが特売品になっていたので、小さめのを一匹買い、魚焼き器で表面に焼き色をつける。意外に厚みがあり、少し焦がしてしまった。

Img_0418  研いだ米、タイ、だし汁などをル・クルーゼに入れ、沸騰させた後、オーブンへ。
 切り身だけを使い、別に骨から取っただしを使うレシピもあったが、面倒なので、丸ごと使った。

 そろそろ炊きあがりか・・・。
 オーブンから取り出し、フタを開けてみた。

 ビギナーズ・ラックかもしれない。
 米はぴかぴか、ぴんと立ち、鯛はふっくらと火が通っている。
 鯛の骨とひれを取り除き、身をほぐし、ざっくりと混ぜると、底の部分が軽くお焦げになっていた。にんまり。
 フタをして再び蒸らし、食卓へ。
 保温性が高い鍋なので、確かに炊飯に向いているかもしれない。

 炊きたてをいただくと、夢のよう。
 骨から出た旨みが、生臭くならずに米にのっている。パエーリャ風にしてもおいしそうだ。
 やってみて良かった。

Img_0446 ただ、食べ進めていくと、何かが足りないような 。
 「三つ葉?」「針ショウガ?」
 三つ葉などもちろんないし、あいにくショウガは切らしている。冷凍のシブレットをかけてはみたが、代用品にはならなかった。

 フランスで作る日本食は、いつも何か欠け、パーフェクトに作るのは難しい。

 翌日、残りにシソの葉のふりかけをかけ、おにぎりにし、ノリで巻いてみた。
 すばらしかった!


 

 ※今日使ったのはル・クルーゼのdoufeu(ロンド/ブルー)。
 フタのへこみに氷を入れ、鍋の中に蒸気の対流を起こし調理するというモデルだが、一度もその調理法を試したことはない・・・。取っ手をはずす手間がはぶけるので、使っているだけで。だから私はSTAUB派

 

○パリの魚を網羅した最強のサイト
  「パリで買える魚の図鑑」
  http://www.asahi-net.or.jp/~NU2M-ETU/zukan/index.htm
  パリに来た当初、本当にお世話になったサイトです。ありがとうございました。

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2007年7月10日 (火)

冒涜(ぼうとく)クッキング  ④ハトとウズラの焼き鳥

 

  

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 先日、ロティしたウズラを食べていたら思いついた。
 「焼き鳥にしたら、さぞ、おいしいだろう」と。

 時々、家で焼き鳥をする。日本では「外で食べるもの」だったが。
 モモ肉、砂肝、鶏レバー。フルール・ド・セルを振ったもの、タレをつけたもの。知人の方が日本から送ってくださった、焼き魚用の無煙ロースターが大活躍。
 鶏肉がおいしいので、素人が作っても、そこそこおいしくできるのだ。

 



Img_0297 素敵な思いつきにワクワクしながら、イエナのマルシェにウズラを買いに行く。スーパーでも2羽パックで普通に売られているが、これだと内臓が入っていない。
 鶏専門店だからか、ハトも売られていたので、1羽購入。ハトの焼き鳥! 素敵だ。

 頭を落とし、内臓を指でかき出す。
 ハトの下処理をしながら、レバーを食べていた・・・という三つ星レストランの料理人の話を思い出した。聞いた時は気持ちが悪かったが、レバ刺しなど、久しく食べていない。つやつやしたレバーをごま油でパクッと食べたい欲求に駆られたが、ぐっと我慢した。


Img_0316  鶏の要領で、胸肉、モモ肉、手羽、ささみ、ソリ、ボン、レバー、砂肝、ハツ、皮、ちょうちんに分け、串に刺す。焼き鳥のミニチュアを作っているようで、楽しくなってきた。(写真右はウズラ)

 

Img_0341 塩を振り、火を入れすぎないよう気をつけながら、焼いていく。

 ジューシーなハトの胸肉は野趣あふれる味わい。骨までしゃぶるほど味のあるウズラのモモ肉。レアっぽく火を入れた内臓系・・・。七味唐辛子と、ゆず胡椒をつけながらいただく。ささみはワサビをつけて、ツーン。

 小さな鶏だというのに、食べ応えがあり、普通の鶏肉の焼き鳥に移行する頃にはずいぶん満足していた。

 

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 赤ワインと焼き鳥の見事なマリアージュにも満足。私にとってはパーフェクト・カップルだ。

 「ブルゴーニュにしますか? ボルドーにしますか?」
 フランス帰りの板前さんの焼き鳥の店、中目黒の「鳥よし」を思い出した。今も人気なのだろうか。おいしかったなあ。

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2007年7月 1日 (日)

冒涜(ぼうとく)クッキング ③鴨カレー

 

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 7月。ヴァカンスが始まった。
 アパートの人も、金曜日の夜、車に荷物をぎっしり詰めてどこかへ出かけていた。滞在中に飲むのだろう、ワイン数ケースも忘れずに。

 夏と言えば、カレー
 日本人のDNAに刻み込まれているのか(←そんなわけはないけれど)。

 作ったのはどろりと濃厚な鴨カレー
 イメージ的には、冬のカレーだが、ブーツやスカーフの人を見かけるほど、夏らしくない最近のパリだから、いいのだ。

 以前、日曜日に開店しているスーパーに駆け込んだものの、鴨のモモ肉しか残っておらず、仕方なく作ったところ、意外においしかったので、久しぶりに作ってみた。

 タマネギ、ニンニク、マッシュルームをしんなりするまで炒め、別鍋でこんがり焼き目をつけたモモ肉を投入する。水、ブーケガルニを加え、ことこと煮る。
 鴨肉がほぐれるほど軟らかくなったら、カレー・ルー、カカオ分高めのチョコ煮詰めたオレンジジュースを加えて出来上がり。マーマレードでもいいかもしれない。
 鴨の胸肉(magret de canard)を焼いたものを上にトッピングして。

 

 ※鴨のモモ肉は意外に見つけにくい。お肉屋さんには置いていないことが多い。コンフィにしてしまうから? 安いスーパーにあったりする。

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2007年5月31日 (木)

La fete des voisins

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 ある日、郵便受けにイラスト付きの青いカードが入っていた。
 La fete des voisins
 ご近所のパーティとでも訳せばいいだろうか。居住するアパートの住民で一杯飲みながら集いましょう!という会の案内だ。
 「キッシュやピッツァ、おつまみなどお持ちください」とある。廊下にもポスターが貼られている。

 とても小規模なイベントのようだが、実は、"European neighbours' day"というタイトルで、毎年5月の最終火曜日欧州各国で取り組まれている、ある意味、ビッグ・イベントなのだ。

 「隣の人は何する人ぞ?」
 近所づきあいが希薄になっているのは、日本だけではないようで。
 2003年のフランスの猛暑で、多くの一人暮らしの高齢者が死亡した原因の一つが、近くに事情を知る人がなく、発見が遅れたため・・・という話を聞いたことがある。

 個人主義、無関心。欧州全体で、社会と住民とのつながりが弱まっている現状を受け、1990年にパリの17区で行われた"Paris d'ami"が始まり。

 「一杯飲みましょう!」という極めてシンプルな取り組みが奏功したのか、フランスを中心に、年々、参加国、参加者ともに増え、昨年は欧州580以上の町で600万の”ご近所さん”コミュニティが参加したという。

 

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 「今晩のフェット、来ますか?」
 管理人さんが風船をいくつも膨らませ、ノリノリで準備してくださっている。

 引っ越してきて以来、顔を合わせれば挨拶程度の言葉は交わすものの、家族構成、職業などほどんど知らない人ばかり。いい機会とばかり、へたくそだが、カッパ巻きとレタス巻きを作って参加した。

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 会場はアパートの中庭。
 どなたかの差し入れのシャンパーニュをいただきながら、「何階にお住まいですか?」「あの鉢植えのある部屋です」といった、普段とは違う、ちょっと不思議な始まりの会話がおもしろかった。

 なるほど、ほんの少しだけ、お近づきになれたような。

 
 近所づきあいは得意なほうではないが、これくらいなら悪くない。

 早めに退散したのは正解だった。寒い中、ご近所さんたちのおしゃべりは深夜まで延々続いていたのだった・・・。


 ※European neighbours' dayのサイト:http://www.european-neighbours-day.com

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2007年4月10日 (火)

春ですね。

 

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 春を通り越し、初夏を思わせる強い日差し。

 ポカポカ陽気の休日、気の早いパリジェンヌは肩を出して歩いていた。



 

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 マルシェも春野菜、満載。
 去年、友人から教わった春限定のキャベツを発見。普通のより少しだけほっそりしている。
 このキャベツを使ったお漬け物を分けていただき、そのおいしさに感激した。あれから、もう1年たったのだ・・・。

 とはいえ、センチメンタルより、食い気、優先。

 ショウガの千切りを加え、さっそく浅漬けにしていただいた。
 日本のキャベツを思わせるやわらかさ。山盛りに作ったのに、あっという間に平らげてしまった。

 

Img_6257_1 残りのキャベツは野菜いために。このキャベツだと、日本風にできた(ちりめんキャベツだと感じが出ないのだ)。回鍋肉にしてもいいかもしれない。

 

 「毎年、このキャベツを楽しみにしているの!」と教えてくれた友人。パリ暮らしの先輩として頼っていたのに、帰国してしまった。

 友人が、一人、また一人と帰国していく。見送るのは意外とつらいことに最近やっと、気がついた。

 

 4回目のパリの春は、意外にせつないのだった。


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 ※新ジャガで肉じゃが。ブロッコリーのスープ。グリーンピースご飯も炊いたので、”グリーン・グリーン”な食卓に。

 すっかり春ですねぇ。

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