食関連書籍

2012年8月12日 (日)

Hawaii話 ②ハワイの南蛮?菓子 malasada

 
 昨晩の「世界不思議発見」では、ポルトガル領のアゾレス諸島が紹介されていた。
 ポルトガル沖約1000kmの大西洋上に浮かぶ9つの島。
 以前訪れたマデイラよりもっとエキゾチック。そして、日本からだとかなり遠そう!
 リスボンから1500km、北米の東端から3900kmに位置することから、大航海時代は、新大陸への航海中継点として重要な役割を果たしていたという。(参考)

 「ヨーロッパのタイムカプセル」というコピー通り、古くからの伝統が未だ息づいている。番組では、南蛮菓子のひとつ、有平糖の語源となったと考えられる飴細工、アルフェニン(alfenim)が、アゾレス諸島のテルセイラ島にあると紹介されていた。
 
 時代は違うが、実は、ハワイにもアゾレス諸島から伝わったものがある。
 日本にも進出しているハワイの名物スイーツ、マラサダ(malasada※)だ。

 卵たっぷり、イーストで発酵させた揚げドーナッツは、アゾレス諸島最大の島、サン・ミゲル島が発祥(マデイラ説など、諸説ありそうです)。1800年代初頭、ハワイに移民としてやってきたアゾレス、マデイラ出身のポルトガル人が持ち込んだという。

 (※本当はダブル”s”のmalassadaが正)

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 実は一度も食べたことがない。
 「本場で一度は食べてみたいな〜」と思っていたら、ワイケレのアウトレットの駐車場の端っこにマラサダのワゴンを偶然発見(写真上)。しかも、有名なLeonard’s Bakeryという店の出張店だった。なんという幸運。                 

 

Img_1097_2 パッケージのピンクが可愛らしい。
 ラードで揚げたてのシンプルなのをひとつ、脂っこいかなと思いつつ、パクリ。
 ジャリジャリのグラニュー糖がまぶされた生地はフワフワ柔らかで、意外にぺろりと食べてしまった。
 
 クリーム入りやシナモン味など、いろいろなフレーバーがあるのだとか。
 いい年をして、顔が砂糖だらけになるのが難点。

                     
 

 

 ○Leonard's Bakery
      http://www.leonardshawaii.com 
 

   Hawaiian Sweet Breadというふわふわのパンも、実はポルトガル移民が伝えたもの。ハワイの食では、日本や中国の食文化の影響が目につくが、ポルトガルから伝わったも意外に少なくないのですね。
 (写真下は、スウィートブレッドで作ったフレンチトースト)

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 参考文献:Rachel Laudan『The Food of Paradise』/University of Hawaii Press

 

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2011年4月14日 (木)

Journeys of a Lifetime

 

 

Book

 旅心を誘われる今日この頃。
 書店で目にして、つい買ってしまった。

 『いつかは行きたい 一生に一度だけの旅 Best500』(日経ナショナルジオグラフィック社)

 水上の旅、ドライブの旅といった移動手段や、スポーツの旅、美食の旅、歴史を味わう旅など目的別におすすめの土地がまとめられている。

 旅行が好きだといっても、本に登場する土地はほとんど知らない。
 世界はなんとも広すぎる。
 ベスト500も多すぎる。もっと絞ってほしかった。

 行った事がある場所でも表面的な訪問だけで、「とりあえず行った」という”帳面消し”的な旅も少なからずある。

 体の中に染み込むような、記憶に刻まれるような、濃密で充実した旅に憧れる。

 はたしてあと何回、そんな旅ができるだろうか。

                        

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2011年2月24日 (木)

cupcake!

 

 

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 『UGLY BETTY』を観ていたら、カップケーキが食べたくなって、作った。

 といっても、カラフルでデコラティブなNY風ではなく。

 カップケーキの蔵書(!)の中から参考にしたのは、『いがらしろみのカップケーキレシピ』(小学館/写真右下)。

 

 菓子研究家いがらしろみさんのシンプルながらスタイルのあるカップケーキがたくさん載っている。

 しかも、全部おいしそう。
 カップケーキにありがちな、「かわいい。けれどおいしくなさそう」な感じがないのだ。

               

 今回は、クリームチーズとブルーベリーをトッピング(写真左)
 欲張って生地を入れすぎて、盛り上がり過ぎ、トッピングが少なめ。とほほ。
 中にジャムを入れれば良かった。

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2010年12月23日 (木)

ぼくらが旅に出る理由  ⑧Premiere Pression Provence(PPP)

 

 Rose Bakeryが来年、ついに日本上陸

 レシピ本の日本語版も発売中。コム・デ・ギャルソンとのコラボ・ヴァージョンは”瞬殺”で売り切れたのだとか。欲しかった・・・。
 焼き菓子好きとしては、飾り気はないけれど味わい深いケーキスコーンが食べられると楽しみにしている。


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 パリみやげにいただいたのは、Rose Bakeryのある”おいしいもの通り”、Rue des Martyrs にあるオリーブオイルの店、Premiere Pression Provenceのお菓子(写真右)

 チョコレートでコーティングしたオリーブは本物と見紛うつややかさ。

 クレモンティーヌの香りがさわやかなオリーブのパット・ド・フリュイは癖になるおいしさ。
 珍しくておいしいものをありがとうございました。


 同店はスキンケア用品、ロクシタンのファウンダー、Olivier Baussanプロデュースのオリーブ・オイルのブランド。
 プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏、Volxをはじめ、パリに4店舗ある。

 AOC認定で知られるプロヴァンス各地で作られるオリーブオイルを、Fruite vert, mur, noirの3種類のフレーバーに分け、さらにオリーブの品種生産者の名前入りで細かに分類し、販売しているのが新鮮だ。

 マッシュルーム、ローストしたアーティーチョーク、ジャムの風味、アーモンド、フレッシュなバター、砕いた葉っぱ・・・と、味わいの表現も詳細でワインさながら。

 かなりマニアック。



 

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○Premiere Pression Provence
   9 rue des Martyrs
   75009 Paris
   TEL:01 48 78 86 51


 ○Rose Bakery
   46, rue des Martyrs
   75009 Paris



 ※こちら(写真右)もいただきもの。
 Daniel UNGAROさんの作ったエキストラ・バージン・オイル。
 もったいなくてまだ開けていませんが、パスタ、マリネ、サラダに合うそうです。

 

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2010年5月31日 (月)

ホームパーティ達人への道

 

                     

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 フランスではホームパーティに招待していただくことが多かった。
 全く面識のないフランス人の家庭から、フランス在住の日本人家庭まで。
 住んでいた4年間にお邪魔した回数といったら、日本でお呼ばれした数を軽く超えるだろう。

 それほどホームパーティが一般的なフランス。
   art de vivre(美的生活)と例えられるだけあって、インテリアといい、テーブルセッティングといい、料理といい、ワインといい・・・。美意識の高い、あらゆるこだわりを披露していただくたび、余計なモノで溢れかえり、気軽に人も呼べない自分の住まいを顧みる良い機会となった。

 衣食住と言うけれど、それまでの私の生活といえば。
 「衣」「(外)食」への異常な傾倒ぶり。
 なんとバランスの悪い生活を送っていたことか、と反省したのだった。


 招待者をもてなすホスト、ホステスぶりも参考にしたいところ。席順料理の勧め方会話の振り方・・・。場数が違うのだろうか、普段は普通の人のはずなのに、宴会の幹事さんなど足元にも及ばない見事な采配ぶりなのだ。

 そんなフランス人のホームパーティの達人ぶりを垣間見ることができる番組が、M6「Un diner presque parfait」(月ー金、17:50〜)

 視聴者参加型番組で、パーティのホスト(ホステス)はパーティのコンセプト作りから、料理の献立、ワイン、デザート、余興まで計画し、実施。
 お呼ばれしておきながら、招待者のコメントが容赦ない。さすがフランス。と、ついついダラダラ見てしまう番組でもある。

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 フランス式に感化され、ホームパーティを開くようになったものの、ホームパーティは欲張りすぎると失敗することを学んだ。

 

 凝ったレシピに挑戦したために料理を失敗したり、準備していた料理を出し忘れたり、料理に集中しすぎてゲスト同士の会話が盛り上がらなかったり・・・。
 オーブン料理とか、煮込みとか。できるだけ普段の食事に近い料理にして、席を離れる時間を短くすると上手くいくことが多いような。

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 それでも現状は、招待客が到着しても(日本人は時間通りに来すぎる!)準備ができていないことが多く、ゲストに手伝ってもらって、どうにか成立する、あやうい感じ。(←それはそれで楽しいけれど)

 ホストとホステスの連携プレーも非常に大切。どちらかの働きが悪いと、やっぱり上手くいかない。

 

 

 ホームパーティ達人への道のりは、まだまだ遠そうだ。 


 

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 ※ボン・マルシェの食品館、「La Grande Epicerie De Paris」で、agar agarエスプーマcuisine moleculaire(分子料理)キットなどが売られているのを発見。
 レシピ本も売られている。(写真左)
 ホームパーティ最前線では、分子料理も登場するらしい。

 余興として、楽しそうではある。

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2010年5月24日 (月)

Cook'in box


 パリに住んでいた時、Fnac(フナック)Virgin Megastoreによく足を運んだ。

 DVDやCDコーナーをチェックした後、書籍売り場でのんびり立ち読み。もちろん、料理本コーナーにいる時間が長い。

 日本ほどではないが、フランスの料理本コーナーの充実度はなかなかのものだ。

 料理研究家やブロガーなどによるレシピ本が目立つ日本と比べると、有名シェフによる豪華本外国料理や郷土料理のルセット本などが多い気がする。事典のようなぶ厚い本ハードカバー本、文字多め・写真少なめの本、アーティスティック(すぎる?)なアプローチの本も。

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 今回ちょっと驚いたのが、調理道具付きの料理本の台頭
 いつのまにこんなに・・・。

 Figaro2009年9月に取り上げているから、ここ半年くらいのトレンドだろうか。

                              
  日本では、パウンドケーキ型付きのものが販売されているが、料理本で知られるmarabout社の『Cook'in Box』シリーズに代表される料理キット本が多彩だ。

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 マフィンマカロンクレーム・ブリュレ、フォンダン・ショコラ、ヴェリーヌ、チョコレート、ミニケーキ・・・・・・それぞれの料理に必要な道具(シリコン型、セルクル、シャリュモー&ブリュレ型・・・・・・)が、ルセット本と一緒にパッケージされている。

 価格は15.90-24.90ユーロ。

 

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 売り場スペースに、かさばりながら積み上げられている光景は、日本でますますヒートアップ中の、”付録付き雑誌”競争を彷彿させる。

 


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 販促企画の勝利。

 プレゼントに贈ったら喜ばれそう。

 

 

○Fnac
 136, rue de Rennes Paris
 75006
 TEL:0825 020 020

パリに数あるフナックだが、アリアンス&パリカト時代はもっぱら、モンパルナス店へ。

 ○Virgin Megastore 
  52/60 avenue des Champs-Elsees
      TEL:01 49 53 50 00

 

9782501060219g_2 ※Bento本もちらほら。流行ってる?

『mes petits bento(私の小さなお弁当)』(marabout/写真左)は、醤油ケースやようじ付きの弁当箱つき! かわゆい。

 シリコン型など色づかいが可愛らしい。ひとつくらい買えばよかった?

 

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2010年5月19日 (水)

バルセロナ2010 ②エル・ブジ系タパス? Inopia

 

 バルセルナで今をときめくバルのひとつ、Inopia(イノピア)
 El Bulliフェラン・アドリア氏の弟さんと友人の店と知り、わざわざ行ってみた。              

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 空腹に耐えきれず、開店時間(19時)に到着したというのに、予約席以外はほとんど埋まっている。アメリカ人、かな?

 辛うじて、狭いカウンター席に滑り込めた。あぶなかった。

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 普通のバルを少しおしゃれにした感じの明るい店内。
 壁には店を訪れた有名人のサイン入りポラロイド写真がズラリ(写真右)

(日本の色紙のポラ・ヴァージョンですね?)

 

 オープンキッチンを眺めながら、タパスができあがるのを待つ。
 コックコートの料理人たちはきびきびと動き、バルというより、レストランの厨房のよう。”エル・ブジ系バル”と呼ばれるだけのことはある。

 当然、料理も普通のタパスとは一線を画した洗練の皿ばかり。
 『CREA Traveller』19号スペイン特集号に、「タパスのメニューは伝統的なものばかり。『最高の旬の素材を使い、綿密に下ごしらえした、完成度の高いタパスです』とシェフ」とある。
 悲しいかな、値段もそれなりに・・・なのは、仕方がないのかもしれない。

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 Ebsalada de tomate con cebolla tierna y ventresca de bonito(トマトとマグロのサラダ)、スペシャリテのPatatas bravas con salsa mixta(パタタス・ブラバス、ミックスソース添え)とPincho de muslo de pollo a l'ast(鶏モモ肉のピンチョ)、Mini-hamburguesa Inopia(イノピアのミニ・ハンバーガー)などなど、おすすめ中心に注文。

 

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 どれをいただいてもおいしい。ハズレなし。

 

 

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 なかでも、anchoas del Cantabrico en salazon San Fillippo(カタクチイワシのオイル漬け)と、Pan con Tomate(パン・コン・トマーテ)のおいしさは特筆ものだった。

 最高級のアンショアは控えめの塩加減で、軽やかな弾力の食感。普通のバルなら山のように出てくるパン・コン・トマーテもinopia流。パリっと炙ったパンにオリーブオイルとトマトの旨みをすり込んで。温度と薄さがなんとも調度良い具合なのだ。おかわりしたい。
 素材と作り手次第でこんなにも変わるのか・・・・・・。しみじみいただいた。

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 珍しかったので、デザートにTorta artesana Cañarejal という箱入りのチーズを頼んだ(写真右)

 羊の生乳を使い2カ月熟成させたチーズは、El Bulli御用達。World Cheese Awards金賞など数々の賞を受賞しているという。
 スプーンですくってトーストに塗っていただく。あり得ないほどとろりとクリーミーだが、見た目とは裏腹に、くせがない。1個で2人分。食べ応えがあり、フランまではスプーンが伸びなかった。

 

 

 バルだというのに本格的に食べ過ぎた
 店を出ると暗闇に結構な長さの行列が。お待たせしました。

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 (写真はクリックすると拡大します)

 

 

 ○Inopia
  Tamarit 104,
  Barcelona
     TEL:34 93 424 5231
    http://www.barinopia.com/

 

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 ※セレブの写真の中に、P.ガニェールアンヌ=ソフィー・ピックを発見。

 フランスの三つ星シェフも注目するバルらしい。

 

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2010年5月12日 (水)

ジョーのアスパラガス

                

 アスパラガスを料理していると、オルコット『若草物語』の一場面をよく思い出す。

 19世紀後半の米国に暮らすメグ、ジョー、ベス、エイミーの四姉妹を描いた物語。ボーイッシュで短気な性格の次女のジョーが大騒ぎしながら昼食を準備する場面がある。

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 料理など作ったことがないため、当然、ことごとく失敗、しっちゃかめっちゃかになるのだが、そのなかの一品がアスパラガス。

 古くてたけてしまったアスパラを買ってきたため、1時間ゆでても固いまま、先端は取れてしまう・・・というくだりがあるのだ。
 アスパラガスを選ぶ時は、先端がしまり(開いていない)、しっかりして、つやのあるものを。表面が乾いたもの、変色したものは避けること。

 ジョーが買ったのはおそらくグリーン・アスパラガス(asperge verte)だろうか。
 フランスで見かけるアスパラガスには、日本でもお馴染みのasperge verte(緑)のほか、 asperge blanche(白)asperge violette(ヴィオレ)asperge sauvages(野生)などがある。

 は遮光栽培したもので、緑より大きく、肉厚で柔らかい。皮が筋っぽいので表面をむいて調理する。
 ヴィオレは白と同様の方法で栽培されるが、少しの間、先端を日に当てることで紫になる。その味わいは白より香り高くデリケートだが、稀少だ。

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 ソヴァージュには、asperge des bois(森のアスパラガスまたは”aspergette"/学名:ornithogalum pyrenaicum)と、学名がasparagus acutifoliusという2種類がある。

 日本に輸入されているのは前者が多いのではないだろうか。後者は小枝っぽく、ミニミニ・アスパラガスといった感じ(写真右)

 A.デュカス氏のルセット本『Grand Livre de Cuisine』によると、緑なら南仏プロヴァンス地方のVaucluse産、白なら南西・アキテーヌ地方のLandes産、ヴィオレはプロヴァンスのものが高品質だという。
 同書のルセットでは、LaurisPertuis産など特定のグリーン・アスパラを使っているが、何度も登場するのが"asperges vertes bourgeoise de chez Robert Blanc"。デュカスが惚れ込むブランさんのアスパラとは一体? きっとすごい生産者なのだろう。実物を見てみたいものだ。

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 白では、I.G.P.(Indication Geographique Protegee/地理的表示保護)に指定されている、Asperges des Sables des Landes(ランドの砂地でとれたアスパラ)がよく知られている。(写真左上は奮発して買ったランド産。太いものは直径3〜4㎝くらいあった)

 大西洋を臨むガスコーニュ地方の広大な砂地で育ったアスパラは真っ白で新鮮。まっすぐ伸び、先端がしまり、味わい深い。年2000トンが収穫され、カテゴリー1と呼ばれる品質のものは1㎏あたり8-10ユーロで販売されるという。

 ホワイト・アスパラは新鮮さが命。切り口が白く、透明感のあるものを選ぶこと。保存する場合は湿った布などで包み、冷蔵庫へ。

 3月に始まった収穫は、5月にPontonxで開かれるアスパラ祭りでフィナーレを迎える。300㎏のランド産アスパラ、3000個の卵を巨大な鉄板で焼き上げるオムレツが圧巻だ。

 写真左は、ヴィオレをバターでソテーしたもの。熱々がおいしい。シンプルな方法だが、これだと”先端”はとれません。

 

参考:http://www.supertoinette.com/fiche-cuisine/472/asperges.html、http://www.cooking2000.com/fr/dossier/asperge-sable-landes.htm、http://www.aquitaineonline.com/actualites-en-aquitaine/landes/asperge-sable-landes-2008033010.html


 

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 ※世界中で食べられているアスパラガスだが、輸出量世界第1位はペルー(2位中国、3位メキシコ)。輸入量では米国、EU、日本の順(2007年)。
 生産量(2004年)で見ると、中国が587,500トンで2位のペルー(186,000トン)の約3倍で世界一なのだが、そのほとんどは缶詰など加工用のホワイト・アスパラガスだという。(参考)

 スペイン・Navarra産のホワイト・アスパラも有名だ。ランドとは地理的にも近いため、気候や土壌も似ているのだろうか。

 写真右は昔のアスパラ収穫風景(引用元不明)。『若草物語』の時代ってこれくらい? なんだかとっても疲れそうです。

 

 

 

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2010年5月 6日 (木)

修道院のレシピ

 

 なかなか更新が進みません。

 実は引っ越し(また!)した直後に旅行に出かけたため、帰国後、家も気持ちもぐちゃぐちゃ、片付かない状態が続いております。
 のぞいてくださった方、すみません。メールをくださった方、お返事が遅れております。ごめんなさい。気長に待っていてください。

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 新しい街で、気分転換に足を運んだ図書館で、『修道院のレシピ』(猪本典子著/朝日出版社)を借りた。

 この本が出版された当時、書店で手に取ったことはよく覚えている。
 ひときわ目を引く黄色の、横長で分厚い冊子
 シンプルな装丁が素敵だと思った。

 ただ、書店でパラパラっと立ち読みした限りでは・・・。フランス料理のレシピ本で(当時、イタリア料理が好きだった)、料理本なのに写真が少なく文字ばかりで地味、しかもレシピがシンプルすぎて再現が難しいと思った(実際はそんなことは決してない)ため、買わなかったのだ。
 もちろん数年後にフランスで生活することになるなど夢にも思っていなかったわけで。

 約7〜8年ぶりに、初めてじっくり読んでみた。

 巻頭の写真は、見ただけで胸がきゅんとしてくるような臨場感。
 ボウルに無造作に刺さったスプーン、白衣の下に履いた白いサボ、ガシャガシャとかけられたレードルやエキュモア、積み上げられたプラック・・・そうそう、フランスの調理場ってこんな感じだよね、と。
 シンプルながら素敵な器ばかりを使ったスタイリングも自然で美しい。

 著者がこの本を書くきっかけになったのは、米国・サン・フランシスコの料理上手な友人宅で使われていた古いレシピ本、『Cours de Cuisine』との出会いだった。

 レシピを元に友人が作ったおいしい料理を楽しむうち、日本にもこの料理本を紹介したいと考えた著者は、本が書かれたフランス・ブルターニュ地方の街へ向かう。
 そこで、その本が、戦後、修道院が開いた若い女性向けの花嫁学校(?)の料理教室の教本だったことを知る。花嫁になる人に贈る本だったとも。
 現在、花嫁学校はリセに変わったが、”Cours de Cuisine”は教材として今でも使われていた。

 500以上に及ぶレシピの中から、在仏歴10年の著者が特においしいと選んだ”フランスのふつうの家庭で食べているお料理”のレシピ。

 『100文字レシピ』とまではいかなくても、極めてシンプルなルセットが、なんだかまぶしい。フランス料理というと構えてしまいがちだが、そこは家庭料理。肉じゃがに小難しいレシピが不要なのと同じように、ブフ・ブルギニヨンだってわずか8行!

 「白いんげん豆と豚バラ肉の煮込み」「若鶏のココット煮」、etc、etc・・・なんでも簡単に作れる気がしてきて、無性にフレンチを作りたくなる本でもある。

 こんなバイブル的一冊を見落としていたとは。
 再会できて良かった。
 まずは自分の本棚用に、早速、ポチッ。

 もちろん、結婚する友人がいたならば、ぜひ贈りたい一冊。
 おすすめです。

 

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2010年4月20日 (火)

春の訪れ モリーユ&白アスパラ

 

 

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 アイスランド火山噴火で欧州空路、大混乱。

 今朝の朝日新聞によると、足止めされているのは航空機の利用者だけでなく、欧州からの魚介野菜などの輸入も滞りつつあるという。『特に旬の白アスパラガスは待ち望む顧客も多い』のだとか。

 世界各地で足止めされている皆さんが早く飛び立てますように。

 

 「もう少しすると、ホワイト・アスパラガスモリーユが始まりますね」
 今回の滞在中、パリの有名店で働く料理人の方々に旬のメニューを尋ねると、口を揃えてこう答えた。
 フランスでは白アスパラガス(asperge blanche)モリーユ(morilles)は春の高級食材なのだ。

 

 イエナマルシェに出かけると、八百屋さんの店先には、大きな束にたばねられたホワイト・アスパラが並べんでいた(写真左下)。はしりだけに値段も高く、ランド産などブランド産地のものはさらに高い。

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 なじみの(といっても向こうは覚えていないが)店で、先がほんのり紫になったasperge violletを買った(写真左上)。6本で10ユーロくらいだった。

 

 

 

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 モリーユもキノコ専門店の一番目をひく場所に(写真右)。フランス産、一箱10ユーロなり。

 日本名アミガサタケ
 『食材図典』(小学館)によれば、『ヨーロッパでとくに好まれるキノコ。頭部と茎からなり、高さは10㎝前後。頭部は暗褐色で、編み目状の隆起によって縁取られたくぼみがある。茎は乳白色。アルカリ土壌を好み、山火事の跡地などに発生しやすい』

 『The New Food Lover's Companion』(Barron's)には、『そのスモーキーで、土っぽく、ナッツのような風味でグルメに愛されているキノコ。一般的に、色が濃いほど味が濃い。野生のものは4月から6月まで市場に並ぶ。栽培ものは一年中入手できる。しっかりして、スポンジ状になったものを選ぶこと。乾燥ものは香りとスモーキーな風味がより凝縮されている。シンプルにバターでソテーするのが一番』とある。

 編み目に土や汚れが入り込んでいるので、よく洗って取り除き、ふきんで水気を取ってから調理する。

 

 訪れたレストランでは早くもモリーユのメニューが登場していた。迷わず注文。香りはもちろん、シコシコした歯ごたえがうれしい。
 フランスの春を先取りしたようで、なんだか得した気分になった。

 


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 ※レストラン、A&Mでいただいた、Fricassee Morilles-Asperges
 モリーユとクリームの相性の良さを堪能する一皿。
 太いアスパラとともに食べ応えアリ。

 ○A&M
  136 Bd Murat
      75016 Paris
      TEL:01 45 27 39 60
      http://www.am-restaurant.com

 

   

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 Le Grand Panでいただいた、Morilles a la creme, oeuf mollet, ventreche Ibaiona
   バスク系ビストロでは、クリームにさらに半熟卵をからめ、濃厚に。

 ○Le Grand Pan
      20 Rue Rosenwald
      75015 Paris
      TEL:01 42 50 02 50
      metro:Plaisance

 

 次回、ホワイト・アスパラガスの話に続きます。

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