食関連書籍

2009年3月20日 (金)

一生に一度は食べてみなくてはならないものすべて

 

Img_0002 一時、長〜いタイトルの本が流行ったが。

 『Tout ce que vous devez avoir goute au moins une fois dans votre vie(あなたの人生において最低一度は味見しておかねばならないものすべて)』(chene)

 この本もなかなか負けてない。

 2003年に出版された本らしいが、昨夏、渡仏した時に見つけて、買ってしまった。

 Le Caviar d'Iran(イラン産キャヴィア)、 Le Jambon de Race Iberique de Bellota(ベジョータ産イベリコハム)、La coquille Saint-Jacques de Dieppe(ディエップ産ホタテ)、La Truffe Blanche d'Alba(アルバ産白トリュフ)・・・垂涎の食材の数々にページをめくる手が速まる。

 Le Boeuf de Kobe(神戸牛)、Le Fugu(フグ)など日本が世界に誇る食材も。世界の美味なる逸品、70食材を解説している。
 食材をアーティスティックなアプローチで撮影した写真もすばらしい。

 これらの食材を使ったルセット本でもある。
 ルセットはすべて、祝!3つ星!「ル・ブリストル」エリック・フレション氏によるもの。

 Le veau de lait eleve sous la mere(Correze,Limousin ou Perigord)(コレーズ、リムーザン、ペリゴー産乳のみ仔牛)の項目では、Ris de veau braises a la cannelle, epinards, muscades(シナモン風味のリ・ド・ヴォーのブレゼ、ホウレンソウとナツメグ添え)が。

Img_0204_2  ブリストルには1度しか行ったことがないが、その時にいただいて感激した料理に似ている(写真左)

 シナモン(?レモングラスだったかもしれない)10本くらいをしばりつけてブレゼしたリ・ド・ヴォーを目の前でサーブしてくれる。ねっとりした肉質にソースがからみ、うっとりするようないい香り・・・。

 これまでいただいたリ・ド・ヴォーの中で、最高の一皿だった。

 中庭もすてきだし、フレション氏にもお会いでき、大満足した良い思い出ばかり。以来、ブリストルは私の中では「もう一度行きたい店」としてあこがれている、不動の存在なのだ。

 場所柄、要人の利用も多く、私が訪れたときは日本語のメニューがあった。うわさによると、あの”もうろう大臣”もお気に入りなのだとか。本当なら、うらやましい限りだ・・・。

 

 

 

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   ○Hotel Le Bristol Paris
 112 Rue du Faubourg Saint-Honore
 75008 Paris
 TEL:01 53 43 43 00
   metro:Miromesnil/Saint-Philippe-du Roule

 ※訪れたのはリニューアル前、もう4、5年前のこと。

 コルドンの実習の指導に来ていたブリストルのキュイジニエたち注文すべき料理を事前に取材。「今の季節なら、リ・ド・ヴォーかmerlin(タラの一種)だよ!」。おかげで、すべて大当たりだった。

 写真右は「デザートは絶対、これ!」と念を押された”イチゴのファンタジー”。いろんなイチゴ三昧。今もメニューにあるのだろうか?

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2009年2月20日 (金)

Madame du Barry

 

Img_2472_2 『ベルサイユのばら』(池田理代子、集英社文庫)を読み返した。
 何度読んでもおもしろい。文学であれ、漫画であれ、名作と言われるものは月日がたっても色あせないものだ。

 

 読んでいて食べたくなったのが、カリフラワー(chou fleur)
 フランス国王ルイ15世がカリフラワーを好んだため、カリフラワーを使う料理には王の寵姫デュ・バリー夫人(Madame du Barry)の名前が使われることがある。
(デュ・バリー夫人がカリフラワー好きだったという説もある)

 子どものころ、真っ白なカリフラワーが手に入ると、マヨネーズやディップをつけて生で食べていた。ポリポリとした食感とキャベツを思わせるかすかな苦みが気に入っていたが、日本ではいつのまにか新興勢力”ブロッコリー”に押され、市場は逆転。今では置いていないスーパーさえあるカリフラワー。フランスでは逆で、ブロッコリーのほうが見つけづらく、スーパーでは米国(? 南米だったか?)からの輸入品も珍しくなかった記憶がある。

Img_2633_2 転居先近くのスーパーでは幸い、真っ白なカリフラワーが売られていた。
 高級めのスーパーにはティエボーさんの店で売られているような黄色のカリフラワーが。注目が集まる”ロマネスコ”の波に一緒にのって、カリフラワー人気、復活か?

 

 カリフラワーのスープ、creme dubarryを作ろう。
 刻んだポワロネギの白い部分(タマネギと長ネギで代用)をバターでスエし、小麦粉を加え、炒める。水を加え、ブイヨン、ブランシールしたカリフラワーを加えて柔らかくなるまで煮る。ミキサーにかけ、生クリーム(好みで牛乳、卵黄)を加え調味して完成。クルトンを添えて(写真右)

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 カリフラワーのグラタン、chou-fleur au gratinもおいしい(写真左)
 あっさりしたカリフラワーにソース・モルネー(チーズ入りベシャメル・ソース)が絡み、ボリュームアップ。色よく焼き色がついたところを熱々でいただこう。

 

 マリー・アントワネットと対立し、ルイ15世の崩御でベルサイユから追放され、国家の囚人として修道院に送られるが脱出。再び愛人として渡り歩き、優雅な生活を送ったというデュ・バリー夫人。

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 最後にはギロチン台に送られてしまったものの、野菜の代名詞としても後世に名を残した。なかなかしぶとい人だった!?

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2009年1月18日 (日)

丑年のワイン

 

 テレビドラマ版『神の雫』が始まった。

 最近、漫画をフォローしていなかった。二人の勝負はどこまで進んだのだろう?
 とりあえず録画し、週末にゆっくり見た。

Img_2310  多彩な顔ぶれをそろえたキャスティングに驚かされるが、意外に違和感はなくしっくりはまっているような。テレビだけに展開がものすごく速いが、気にはならない。

                   
 「お花畑!」
 お約束のテイスティングの場面も、期待できそうだ。

                  
 それにしても、竹中直人は漫画づいているなぁ・・・などと、結構はまって見た。

 

 見ながら飲んだのは、「丑年ワイン!」と知り合いの酒屋さんが分けてくれたDomaine d'Andezonのコート・デュ・ローニュ、2種。

 「ろ過も清澄もしない、平均樹齢60年のシラー種100%のワイン」だそうだ。
 「透けて通らない濃厚なカラー、しっかりとしたタンニンがあり、しなやかさを兼ね備えています」とか。

 色がすごく濃い。
 いい匂い。
 ジャムみたいに甘くて、スパイシー。
 トロ(?)の絵がすてきだ。
 むむむ、もう限界、ギブ。黙って飲もう。

 目の前のテレビでは、詩的な表現が次々と繰り出されているというのに、私はワインを表現する術をあまりにも知らなすぎる。
 雫くんなら、きっとドラマティックに表現してくれるだろうに!

 

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2009年1月12日 (月)

カツ代さんのスイートポテト

Img_1515  フランスにはサツマイモはなかった。

 エキゾチックな食材店で見かけるpatate douce(甘いポテト)というイモは見た目はよく似ているが、中がオレンジ色。日本のサツマイモより水っぽいと聞き、滞在中、とうとう一度も買うことはなかった。

 

 サツマイモ君、ずっと食べたかったよ。

 

 4年間のブランクを取り戻すように、サツマイモを堪能する日々。
 イモ天にしてよし、みそ汁の具材にしてよし。
 丸ごとふかしたサツマイモに秘蔵のフランス製バターとフルール・ド・セルをつけていただけば・・・ねっとり、ほっこりとした黄金色のイモにバターがとろけて・・・それだけで幸せな味わいだ。

 買い置き+いただきもの(日本はこれが多い!)でにわかに”サツマイモ・バブル”になった時に作るのが、スイートポテト

Img_3660 レシピは、大御所、小林カツ代さん『ケーキ&パイの基本』(学研)より。
 製菓が苦手な私でも「作ってみようかな」と思わせるシンプルで手軽なレシピが揃っている。持っている製菓の本の中で稼働率の高い一冊だ。

 簡単だが、おいしくするポイントもちゃんと明かされているのもすばらしい。スイートポテトの場合は”練乳”。なるほど、甘さに深みが出るような。我が家は普段だれも練乳を使わないが、このスイートポテトのために常備するようになった。

 ささいなことだが、こんな”おばあちゃんの知恵袋”みたいなものが随所に散りばめられ、手放せない一冊。その精神は、ちゃんとケンタロウさんにも受け継がれているようで、立派。

 お正月に『太一×ケンタロウ 男子ごはん』というTV番組を初めて見たが、ケンタロウさんの作るカレーがあまりにおいしそうで、夕食の献立を変えてしまったほど。小林ファミリー、恐るべし。




Img_2271 ※ごま油の香りがかすかに漂う「さつまいもごはん」長尾智子さん『日々の食卓』(学研)を参考に。アレンジした発芽玄米の香ばしさも手伝い、つい食べ過ぎてしまうのが難点か。

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2008年12月25日 (木)

道具馬鹿の余禄

 

 

Petites_cocotes Joyeux Noel!

 先日、ココット鍋への熱い思いを語ったところ、友人がこんな本を送ってくれた。

 petites cocottes(MARABOUT)

 独り言でも、語ってみるものだ。

  卵料理から肉、野菜、デザートまで、小さなココット鍋を使った料理のルセットがずらり。
 写真はもちろん、Akiko Idaさん

 こうしてみると、STAUBの黒もいいけれど、それに案外グレーもすてきではないか。Revolもシンプルだけに、料理が映える。

 治まっていた物欲がむくむく・・・。ああ、なんと罪作りな一冊!

 なにはともあれ、すてきなクリスマス・プレゼントをありがとうございました。

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2008年12月18日 (木)

Banana-Bran Muffins

 

Img_1705_2_2 「朝のフルーツは、金!」

 とのことで、朝食に果物を並べるようにしている。

 朝だけはヨーロピアン
な我が家。(”軽め”という意味です)
 包丁の手間がかからないバナナの出番が多いのだが、頻繁に置いておくと飽きられ、翌日にパス、また翌日に・・・と、気づいた時は熟れすぎに。

 

 もし、2本余っていたらバナナケーキやマフィンにする。
 青みがかった若いバナナが好きだが、お菓子に使うならば、やはり、甘み、香りともに強い完熟バナナだ。

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 「もうすぐだな〜」
 皮が段々黒くなっていくのを見守りながら数日を過ごしたものの、雑事に追われ、お菓子を作る”心の余裕”がなくなってしまい、機を逸することも少なくない・・・。

 冷凍してみる?


 

                      

 ※今回作ったのは、普通のバナナとモンキーバナナ(というのかな?)3本で、バナナ・ブラン・マフィン

Img_1758_2 しっとり、どっしりタイプのマフィンが好きなので、レシピはバターたっぷりめのアメリカンで。今回は愛用のWilliam Sonoma『Muffins & Quick Breads』より。

 

 クルミも1.5倍くらい多めに投入し、ブランのジャリッ、クルミのコリッのうれしい歯ごたえに。軽く温め、ヌテラとバターを塗って、いただきます!

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2008年11月30日 (日)

僕らが旅に出る理由 ⑦Sirop d'erable(メープルシロップ)

Img_1360  ケベック出身のカナダ人の友人からいただいたsirop d'erable(メープルシロップ)

 カナダの名産品で知られるが、このシロップは彼女の実家カエデの樹液を集めて作られた正真正銘の”自家製”だ。
 パリの彼女のアパートの戸棚にはこの缶がぎっしりストックされていた。

 

Photo_2 愛読書ローラ・インガルス『農場の少年』で主人公のアルマンゾがお父さんと一緒に樹液を集めてメープルシロップを作る場面を思い出した。あれは100年以上前のアメリカ・ニューヨークの話だったが、本当に家庭で手作りするのだ。感激。

 「それだけでいいの? もっと持っていって」
 パリジャンのアクセントに耳が慣れているせいか、ケベック・アクセントのフランス語はなぜかとても陽気に聞こえる。彼女の人柄みたいだ。気前のいいオファーを丁重に断り、2缶だけいただいた。

 2缶とはいえ、540ml入りの大缶。
 パンケーキにかけるくらいしか思いつかない。クレープにも良さそうだが、どちらもそれほど食べるものでもない。どうやって使えばいいか、聞いておけばよかった。持てあましているうちにずいぶん時間が経ち、今更聞きにくい・・・。

 「使い切れるだろうか?」と心配しながら、缶を開けてみた。
 傾けると、紅茶のような褐色の透明な液体が流れ出た。
 深みのある甘さだが、さらりとしているのでくどくない。
 はちみつとはまた違ったおいしさで、個人的にはパンケーキにはメープルシロップのほうが合うと思う。カリカリに焼いたベーコン、ソーセージ、そしてパンケーキの上でとろけたバターとシロップが混じり合えば、至福のブランチだ。

Img_1346_2  缶のふたにはtrempette a l'erableという、メープルシロップにケチャップ、マスタード、ニンニクなどを混ぜて作るソースのルセットが印刷されていた。「野菜に添えても、中華料理のタレにしてもいい」とある。なんとなく想像がつくような、つかないような。Sauce pour salade aux fruitsというのもあった。

 インターネットで調べてみると、砂糖の代用として使うほか、クレーム・ブリュレ、キャラメル、肉料理のソースなどメープルシロップを使ったルセット はいろいろありそうだ。

 昨夏の渡仏時に彼女を訪れたときも当然、
 「メープルシロップ、まだある? 持って帰らない?」
 大切にいただいています・・・と口ごもってしまい、おすすめレシピもまたまた聞きそびれてしまったのだった。 

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2008年11月25日 (火)

道具馬鹿一代  ⑰ココット

 

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 『料理通信』12月号によると、STAUBココットに代表される、黒船ならぬ”黒鍋”が日本のレストランで人気なのだとか。

 外国人の友人にプレゼントするばかりで南部鉄器はひとつも持っていないのに(欲しい!)、STAUBLe Creusetは複数持っている。
 下ごしらえをしておけば、あとはオーブンが調理してくれる。ブフ・ブルギニヨンなど煮込み料理に最適な鍋だ。

 ココット鍋に入っているだけで素朴な料理がおいしそうに見える、不思議な効果も見逃せない。特に黒い鍋には、黒い皿が料理を垢抜けて見せるのと同様、料理を美しく見せるエステティックな効果があるのだ。

 

 渡仏した当初、日本ではル・クルーゼの人気が圧倒的だったせいもあり、最初のソルドではル・クルーゼをいくつか買った。
 コルドンに通ったり、フランスの料理雑誌を読んだり、道具街をうろついたりするうちに、ストウブ派に移行。マイ・ファースト・ストウブ31㎝のオーヴァル(黒)だった。
 プロ仕様なデザインはもちろん、コンロやクッキングヒーター上よりオーブンでの使用が多いため、取っ手が金属のストウブに軍配が上がったのだ。

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 ストウブのラインナップはどれも心引かれるものばかりだが、なにしろ重い。スタッキングできないので場所もとるため、思うように買い足すことはできなかった。ソルド時期に安くなって売られているのをうらめしく眺めるばかりだった。

 そんな後ろ髪引かれまくりの私に、仏人の友人がプレゼントしてくださったのが、ル・クルーゼの陶器製のココット(ラムカン)。直径10㎝程度のミニ・ココットはかわいらしく、眺めているだけで幸せな気分になる。
 リエットやピクルス、ジャガイモのピュレを入れたり、スープや茶碗蒸しに使ってもいいスグレものでもある。(写真右は、アルマーニ先生のルセット"oeuf en cocotte a la tomate fraiche"にインスパイアされ、余りもののミートソース、チーズ、卵で作ったココット料理)

 

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 実は、帰国後、いまだに大型オーブンを買えずにいるため、ほとんどのココット鍋がオーブンに入らず、お蔵入りしている状態。黄色のストウブ(写真左)など、箱に入った新品のまま。宝の持ち腐れとはこのことだ(実際には腐れませんが)。

 

 ストウブのミニ・ココットを使うたび、その熱伝導や保温性の良さ、そして醸し出す雰囲気に「やっぱりいいな」と思う。20㎝くらいのコンパクトなサイズのストウブを買っておけばよかったと悔やむのだった。

 

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 ”黒鍋人気”到来円高還元で、日本での価格がぐぐぐっと下がることを密かに期待しているのだが・・・。

 





 ※買い損ねて製造中止になってしまい、ずっと探しているナス色のストウブN.Y.Zabarsのキッチン用品売り場で見つけたのだが、重いのと、フランスに住んでいながらフランス製の鍋をアメリカで買うことが愚行に思え、買う気になれなかった。
 こちらも今、心から後悔している・・・。在庫情報、求めます。

 

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2008年11月10日 (月)

星に”疲れた”男

 11月9日付朝日新聞朝刊によると、ブルターニュ地方カンカルのレストラン「メゾン・ド・ブリクール」のシェフ、オリヴィエ・ローランジェ氏は同店を12月15日に閉店し、2006年以来キープしているミシュランの三つ星も返上すると発表した。肉体的についていけないのが理由だという。

 1996年のジョエル・ロビュションに始まり、アラン・サンドランス、アンワーヌ・ウエステルマンが星を返上してきた。それだけ、シェフたちにとってミシュランの星がもたらすプレッシャーは大きいということだ。「三つ星は時に、アキレス腱にもなり得る」とローランジェ氏は話す。(参考)

Img  このニュースで、久しぶりに手に取った本が、『星に憑かれた男』
 ブルゴーニュの今はなき名店「ラ・コート・ドール」のオーナー・シェフ、ベルナール・ロワゾーが悪戦苦闘しながらも三つ星を獲得するまでのサクセス・ストーリーだ。
 ご存知の通り、ロワゾー氏は2003年に猟銃自殺。原因は不明だが、ゴー・ミヨーやミシュランでの降格が理由のひとつとうわさされたものだ。

 おいしい料理を提供するだけでは、ミシュラン3つ星を獲ることができない。この本を読むとそんな裏事情が見えてくる。
 そして、ミシュランの星に”憑かれる”と、本当に”疲れる”ことがよくわかる。

 栄光の座を自ら降りたローランジェ氏。
 メゾンは閉めるが、「今後はもっと広く、多くの人々に向けて料理をしたい」と、ビストロ「Le Coquillage」でその創作活動は続けるという。スパイスの研究も。

 思い切った”かじ切り”に拍手を送りたい。

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2008年6月22日 (日)

Kafka's Soup

 

Img  『Litterature et gourmandise(文学と美食)』の著者、F・デグランシャン氏の講演会に行った。著名なフランス文学の中に登場する料理と、それにまつわるフランス食文化の話が聴けるのでは?と期待していたが、出版のプロセスの話が中心で、少し残念だった。

 著者が絶賛する、ルセットの中にある文体の美しさは私にはわからないが、仏文学に登場する50ルセットを収録するにあたり、一つ星シェフ(L'Hotel)、スティリストなどアーティストたちとコラボした本はかなりスタイリッシュ(45ユーロの豪華本!)。
 羽毛に埋もれた「ウフ・アラ・コック」(『プティ・ショーズ』より)、タマネギのエマンセに囲まれた「オニオン・スープ」(『ボヴァリー夫人』より)など、フランスっぽいアーティスティックなスタイリングがかっこよかった。

 文学に登場する食ーー。
 このアプローチで書かれた本で最近読んだものを2冊紹介。

 『ラブレーの子供たち』(四方田犬彦著、新潮社)は、「あの人のボナペティ」というタイトルで『芸術新潮』で連載したものをまとめた本。

Img_0001 「ギュンター・グラスの鰻料理」など、物語に登場した料理を再現している回もあるが、「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理」「アンディ・ウォーホルのキャンベルスープ」、「武満徹の松茸となめこのパスタ」という風に、作家に限らず芸術家の残した、あるいは芸術家にまつわるレシピを再現し、作品やその人となりを時代背景やエピソードとともに解説する内容で非常に興味深かった。

 

 『Kafka's Soup』(Mark Crick著、Harcourt)は、カフカからオースティンまで世界文学の巨匠たちの作風・タッチで14のレシピを書いた、アイディア賞ものの一冊。

 『俺はウイスキー・サワーをすすると、まな板でタバコの火をもみ消した。洗い桶から虫がはい上がろうとしていた。俺が欲しいのは「マキシム」のテーブル、金、それからゴージャスなブロンドだったが、目の前にあるのは羊の腿肉だった。(中略)手にナイフの刃の感触を感じながら、俺はタマネギをスライスした。俺が我に返ると、そこにはニンジンが横たわっていた。どれもぴくりとも動かない。そいつらをフライパンの中に投げ入れ、ありったけのディルの茎、月桂樹の葉、コショウ一握り、塩ひとつまみも加えた。(後略)』(「レイモンド・チャンドラー風Lamb with Dill Sauce」より)

 一杯のカプチーノからいろんな思い出を想起する「マルセル・プルースト風Tiramisu」、誰だかわからない、果たして招いたかどうかもわからない訪問者にKがスープを作る不条理な設定「フランツ・カフカ風Quick Miso Soup」などおもしろい。作家の文体を理解できるほど文学通だったらもっと楽しめるだろうに!

 さて、F・デグランシャン氏の講演で印象に残った話のひとつが、「サラダと卵だけの質素な食事でも、文学の話題で豊かにすることができる」というもの。
 確かに、話が弾めば何を食べてもおいしく感じる・・・というのはアリだが、「ドーデの作品に出てくるサラダはね〜」などとうんちく炸裂のフランス人、本当にいそうだ・・・。

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2008年5月23日 (金)

星付きシェフ御用達ハーブ

Img_5073_2  今日、やっと届いた料理雑誌『Regal』の最新号(no.23 )に興味深い記事を見つけた。

 RENNES / Annie Bertin, la passion des herbes sauvages
     (野生のハーブに情熱をかけるアニー・ベルタンさん / レンヌ)

 見覚えのある名前・・・そう、レストラン、Le Chateaubriandでいただいたサラダに書かれていた名前だ。
 ○○のバター、□□のスモーク・サーモン・・・生産者にこだわることで知られるInaki Aizpitarteシェフの店だけに、有名な生産者なのだろうと気になって調べたのだが、あの時はAnne Bertinさんだと思っていたからわからなかった。

 記事に戻ろう。
 アニー・ベルタンさんはモン・サン=ミシェルから南に50㎞離れた場所で100年続く農家の4代目。もともと畜産と穀物主体だったが、アニーさんが野菜を始めたという。
 その鉛筆のように細いポワロ葱に最初に目をつけたのが、ブルターニュの3つ星シェフ、Olivier Roellinger
 角皿を使ったシックな料理に映えるニンジン、カブ、ベットラブなど”ミニ野菜”をはじめ、アニーさんが育てる香り高く、新鮮な野菜は、多くのシェフを魅了するようになる。顧客は、Michel BrasGeorges BlancPascal Barbotなどそうそうたる顔ぶれだ。

P1100635  ロケット、クレッソン、マスタード、ブレットなどの”野菜の若芽”(pousses・プス)や、クローバー/シロツメクサ(trefle)ノコギリ草(?achillee)など摘んできた野草も人気だとか。
 間違いない。シャトーブリアンでいただいたのは確かにクローバーだったのだ(写真右下)

 orties(イラクサ)のスープchenopode(アカザ)のグラタン、そば粉のガレットにはlierre terrestre(カキドオシ)の葉をそえて下草の香りを・・・。日本語でも知らないような植物のおいしい食べ方を熱く語るアニーさん。
 どんな味なのか想像もつかないが、体には良さそうな気がする・・・。(山菜や野草採りをする人ならわかるのかもしれないが)

P1100637 野草をワシワシ・・・馬のようだ(失礼!)。
 フランス料理には香り高いハーブをはじめ”葉物野菜”が欠かせないわけだが、日本ではそこまでではなさそう。セルフィーユ、シブレット、パセリでピンポン玉大に丸くまとめた小さなハーブのサラダを料理に添えたところ、誰も食べなかった(!)ことがある。
 山菜は食べるのに、ね。

 

 さて、アニーさんの野菜を食べたいなら、上記のシェフの店を訪れるか、レンヌのマルシェ(Marche des Lices)か、サンドイッチ店「Miam et caetera」で。

 思いがけなく謎が解けて、スッキリ! 
 (うれしくて、つい、ブログに書いてしまった)


 参考記事①

 

 ○Marche des Lices
     place des Lices, a Rennes
     (Ille-et-Vilaine)
     毎週土曜日午前中開催。

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2008年5月 6日 (火)

野菜のエチュベに想う

 

Img_3072 自家製即席ピクルスをかじっていたら、まだアップしていない写真を思い出した。

 我が家の食事会に、知人のシェフがお持ちくださったこの料理(写真左)

 鮮やかな黄色のベットラブをはじめ、ニンジン、カブ、カリフラワー、タマネギ・・・使われているのは、もはや説明不要、イエナのマルシェに出店している超有名野菜生産者、J.ティエボーの野菜たちだ。

 ひとつひとつ丁寧にトルネされた野菜は、コリコリと軽快な歯ごたえ。
 ヴィネガーの酸味、コリアンダーの風味が野菜の甘み、旨味を引き立て、すばらしい前菜になった。

 作り方を伺っているうちに思い出したのは、こちらも有名シェフ、東京・三田、コート・ドール斉須政雄さんのスペシャリテ、「野菜のエチュベ」

 『調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』(朝日出版社)を読み感銘を受け、続けざまに読んだ『十皿の料理』(同)に登場する一皿。
 残念ながらいただいたことがないが、斉須シェフのフランス時代のエッセンスが込められた料理だと、強く印象に残っていた。

 本を読むと、実はかっこ悪さ全開の斉須さんのフランス・デビューに驚くのだが、そこは、フランスへの憧憬ともいえる一途な思いと真面目さでカバー。一歩一歩進んで行った、山あり谷ありの過程を語りながらも、そこには仕事論組織論というべき”生きるヒント”がちりばめられているのだ。

Img_5162_2  当時、フランスにも料理業界にも全く縁の無かった私ですらいたく感銘を受けた一冊。
 料理人として渡仏される人にとってはきっとバイブルに違いない!

 パリの日本人キュイジニエのアパートには必ず一冊あるのでは・・・。おいしいお料理をいただきながらも、妄想を膨らませずにはいられなかった。(←訊けばいいのに)


 ※普通の赤と比べ、こんなに美しいベットラブ(byティエボー/写真右)ですが、薄くスライスするばかりで最後までほかの調理法は思いつかないままでした。


 

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2008年5月 2日 (金)

鉢植えハーブのある生活@Japon

 

Img_4709 汗ばむような陽気の金曜日。G.W.後半が始まります。
 皆様、いかがお過ごしですか?

 

 まだ肌寒かった春先に植えたハーブがぐんぐん育っている

 いわゆる、キッチン・ハーブ。イタリアンパセリ、セルフィーユ、バジル、セージ、シブレット、ローズマリー、タイム、ミント、コリアンダー、レモングラス・・・と料理に使えるものばかり。

 日本では市販のハーブの価格が高く、量も少ない。しかも、買いにいっても必ずあるとは限らないので、栽培することにしたのだ。
 おかげでいつでも摘みたてのハーブが惜しげもなく、ふんだんに使えるようになった。

 茂ったミントをたっぷり使ったミントティーをいただいていると、プラザ・アテネアンバサドールの食事の最後に登場する、ハーブ・ティーの鉢植えワゴンを思い出した。
 白手袋をしたサービスの方が客の好みのハーブをばちり、ぱちりとハサミで切り、アンフュージョンしてくれる、ちょっとサプライズで嬉しくなるサービス。日本でもやっているレストランはあるのだろうか?

 さて、我が家のハーブのなかで、目を見張る勢いで成長を続けているのが、ディル(写真右手前)。毎朝、伸びている様は成長期の子どもを思わせるほどで、食べるのが追いつかない!

Img_4847 1mを超えんばかりに伸びた今週初め、花火のようなかわいらしい花をつけた。

 ハーブ栽培で参考にしている本、『ハーブさえあれば』(北村光世著、文化出版局)の中に、
「ディルの花咲くころ、ピックルス作りを。オクラがおいしいですよ」
という記述を見つけたので、さっそくピクルスを漬けてみた。

 

 ディルの花ごと20㎝程度の長さで切る。茂った葉の枝も同様に2〜3本。
 オクラ、キュウリ、ニンジン、セロリなど好みの野菜、ニンニク、赤唐辛子、ディルを入れたボウルに沸騰させたピクルス液(水、酢、塩、胡椒)を加えて冷ませば完成(写真左)
 ルセットには米酢とあったが無いので、穀物酢シードル・ヴィネガーをブレンドしてみた。

 ピクルスというと保存食。瓶詰めにする工程など、なんとなく面倒なイメージがあり、作ったことがなかったが、すぐに食べてしまうならタッパーで十分だったのだ。

 一日以上おいたほうがいいらしいが、つまみ食いしてみると、優しい酸味、塩味、ぴりりとした辛み、そしてなにより”我が家のディル”のあの独特の甘い香りがすばらしく、すでにおいしい。ボリボリ食べてしまいそうだ。

 フランスの味の濃い野菜で作ったら、もっとおいしくできただろうに!
 残念!





Img_4702

 ※初めて野菜系を植えてみた。
 ラディッシュ、アーティーチョーク、フランボワーズが順調に成長中。
 アスパラガス
を植えたら、いつの間にか針のような芽が一斉に出ていて驚いた(写真左下:発芽から約1週間後くらい?)。初めて見たのだ。(密集して生えているのは、種まきの時、手がすべって袋の中身をばらまいてしまったからです・・・)

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2008年4月30日 (水)

ラグー、わかったなり!

 

 ー前回からの続きー

 「ソフリット」がきっかけとなり、手持ちのイタリア料理の本を何冊か読み直してみた。

Img_4742  「ダノイ」の小野シェフ、「アクアパッツァ」の日高シェフなど有名シェフ9人が解説した『人気のイタリアン』(世界文化社)にも、おいしいラグー作りのヒントがちゃんと書かれているではないか。

 

 ひき肉のラグーを作るなら、肉は焦げ付かせるくらいカリカリに炒めるのがコツなのだとか。カリカリにするために、あらかじめ肉に小麦粉をまぶしておく、とある!

 フレンチでもおなじみのこの行程。基本中の基本。わかっているはずなのに。
 自己流のミートソースを長年作り続けていたため、取り入れる発想がなかったのだ。
 こんなところにも、応用力のなさが現れてしまう。


 肉をこんがりと炒めた鍋に、ソフリットを加える。
 鍋底にキャラメリゼした旨味をこそぎ落としながら、煮込む。今日はソテーしたシメジも加えた。

 ずっと憧れていた”茶色のミートソース”がついに完成(写真上)
 トマトの色がほとんどついておらず、見た目は地味だが、十分すぎるほどのコクがある。全体を包み込むようにまろやかな野菜の甘みと、旨味を噛み締めるような肉の素朴な味わいに大満足。

 

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 「あーでもない、こーでもない」と”魔女鍋”のごとく、いろいろなスパイスや調味料を入れなくても、風味豊かなミートソースが簡単にできるのだ。

 コツがわかったのが嬉しくて、”レバー入り””トマト風味(写真左)”のミートソースを立て続けに作り、食べた。
 おかげで、ミートソースはしばらく食べなくてもいいくらい…。

 なにはともあれ、ブオナッシージさん。今更ながら、ありがとう!

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2008年4月21日 (月)

BRUTUS再読。

 

Img_4781  日本での暮らしが落ち着きつつあったのに、再び引っ越ししました。

 すっかり、ブログの更新が滞りました。
 覗いてくださった皆様、失礼しました。
 メールをお送りくださった方々、お返事が遅れております。申し訳ございませんが、もうしばらくお待ちくださいませ。

                   

                           farafel@Japon


 引っ越しの荷造り中、“永久保存版”の雑誌『BRUTUS』を発見。「懐かしい!」と作業を中断し、しばし読みふける。

 おお、もう10年も経ったのか。
 この頃のブルータスは、赤ワイン・ブームを作ったり、F・シモンをメディア初登場させたりとハッとさせられる企画が続き、毎回注目していた。
 今読み返しても十分読み応えがあり、新たな発見さえある。
 だから処分できない。困ったものだ。

 その中の一冊、パスタ特集”日本のパスタは、本物なのか!?”

 『パスタ宝典』の著者で”パスタ王”と呼ばれるイタリア人、ヴィンチェンツォ・ブオナッシージ氏が東京・関西の有名イタリア店を食べ歩き、バッサバッサと斬るという興味深い企画なのだが、再読するうち、ある言葉がひっかかった。

 ソフリット。

 タマネギ、ニンジン、セロリなどを炒めたものをこう呼ぶらしいが、ブオナッシージ氏は「煮込みをする時には45分以上のソフリットは欠かせない。オッソブーコ、ブラザート(牛肉の煮込み)など、どんな煮込み料理にも必ず入るものだ」とその重要性を特集の中でたびたび説いているのだ。

 「?」と思い、彼の著作、『イタリア人のイタリア料理』(柴田書店)を久々に手に取ってみると、確かに序文でもこう強調しているのだった。

 「(前略) イタリア料理の立役者は何と言っても『ソッフリット(Soffritte)」で、ソッフリットがいかにイタリア料理に重要な役割を果たしているかについては、十分認識しなければならない。(後略するがまだまだ言及は続く)

Img_4698  フレンチでは”スエ”、和食だと”しんなり””野菜が透き通るまで”炒める調理法は一般的だが、イタリアンではさらにしっかり炒め、野菜の水分を飛ばして甘み旨味を凝縮させるというわけだ。これが煮込み料理のコクとなり、すべての材料を調和させる役割を果たす。
 なるほど。カレーを作る時にタマネギを飴色になるまで炒めるのと同じ要領だ。

 普段はオイルベースか、南風のトマトベースのパスタを作ることが多いせいで、こんな大切な言葉、基本を読み飛ばし、ずっと知らずにいた自分はなんと愚か者よ。

 なぜ私の作るミートソースはトマト味に頼りすぎるのか、コクが出ないのか、味が調和していないのか、etc,etc。長年の疑問が今更ながら、一瞬にしてクリアになった。
 これで、お店でいただくような茶色のラグー作りも夢じゃない!

 次回は、覚えたてのソフリット(写真右)をひっさげ、トマト味控えめの茶色のラグーに挑戦だ!

                           つづく…。

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2008年3月22日 (土)

cakes salesへのいざない  ③手作り編

 

Img_4429_2  塩味のケーキ、cakes sales
 調理パン全盛の日本ではあまり見かけないなら、作ってしまおう。

 

 参考にするのは、愛用しているルセット本、MARABOUT社の『cakes maison』。110のルセットのうち、実に42種類ものcakes salesが紹介されている。

Cakemaison_3 まず、写真がいい。
 素朴なケーキをセンスあるスタイリングで数倍おしゃれに見せている。でも、あくまで作り込みすぎない自然体。さすがだ。すてきだ。と、飽きずに眺めてしまう。

 cake courgettes parmesan(ズッキーニとパルミジャーノのケーキ)、cake epinards pois chiches(ホウレンソウとひよこ豆のケーキ)、cake figues janbon cru(イチジクと生ハムのケーキ)、cake au confit de canard(カモのコンフィ風味のケーキ)など、「どれを作ろうか?」と目移りするルセットばかり。
 ワサビとスモークサーモン入りのcake facon Sushi(スシ式ケーキ)といった変わり種に笑ってしまうことも。

                         

Img_3965 最近作ったのは、cake aux deux olives(2種のオリーブ入りケーキ/写真左)と、粒マスタード(moutard a l'ancienne)入りのcake a la moutarde(マスタード風味のケーキ/写真右上)。日本でも安価で手に入る材料でできる。

 オリーブの方は、オリーブオイルとチーズをたっぷり入れるので、しっとりと焼き上がる。マスタードの方は、隠し味のエストラゴンの風味がなんとなくフランスっぽくて気に入った。

 以前作った、フロマージュ・ブランを使ったcake au fromage blancもおいしかったが、日本で作るならヨーグルトを代用してもいいだろう。

 

 サラダを添えて、そのまま食べても良いが、作り置きできるから、小さく切れば、アペリティフおつまみにもぴったり。Le Meuriceのアミューズで出てくる”塩味クグロフ”のイメージで。

 材料を混ぜて焼くだけ失敗ナシの手軽さもウレシイのだ。


Img_0550

 ※知人の方がフェットにお持ちくださったオリーブとズッキーニのケーキもおいしいパリの思い出。ワインにぴったりで、ばくばくいただいてしまった。おごちそうさまでした。

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2008年2月17日 (日)

今でもバイブルです


Sato 日曜日なので、たまには書評?を。

 パリ在住邦人にはおなじみのフリーペーパー『ovni』
 編集長で、コラムも執筆される佐藤真さんの隠れファンだった。

 彼が担当するコーナー、『A Table』は、毎回、パリの旬の食材を使った料理を紹介する、在住者、必読のコーナーだ。フランスならではの食材をフランス風はもちろん、パリにひしめく多国籍民族風に、そして和風に料理してみせる。

 これぞリアルなパリ。なエスプリが文章ににじみ出ていて、しかもシズル感たっぷり。想像してよだれを垂らしたり、実際に作ってみたりした。

 こんな佐藤さんとの出会いは、彼の著作、『パリっ子の食卓』(河出書房新社)。巻末データを確かめると、初版が出たのは1995年となっているから、もう12年以上も前の話だ。

 当時、日本でフレンチと言えば、ブルジョワな雰囲気の、どちらかといえば肩の凝るレストランが大半を占め、カジュアルなイタリアンに押され気味だったような。
 旅先でいただいた大振りのキッシュグラタンみたいな飾らないフランス家庭料理を食べたい・・・と思っていたら、バッチリの本に出会った、というわけだ。

 春夏秋冬、四季のテーブルを飾る90皿のレシピ。
 エピソードを交えながら、レシピは進む。材料などが別記されていないから、ちゃんとテキストを読まないと出来ない仕組みになっているが、興味深い内容とリズム感ある文章で、苦にならない。家庭料理らしくかなり大ざっぱなのもとっつきやすかった。

 

「タンポポのサラダ」「エイの焦がしバターかけ」「カモ肉の脂漬け」・・・まだ見ぬ食材に思いをはせ、心躍らせて読んだものだ。

 たぶん、最初に作ったのは意外にも、「エビ入りワンタン」だったか? パリの中華街を知ったのはこのページで。調理器具”シノワ”も、たぶん、ここで読んで知った。
 「ラタトゥイユ」「カリフラワーのグラタン」「グラタンドフィノワ」「ロスビフ」・・・日本にいながらにして、「こんなのじゃないかなあ」と想像しながらよく作ったものだ。

 縁あってフランスに住むことになったとき、迷わず荷物に入れた。
 パリでもう一度読んでみると、この本には、食を通じたパリっ子の普段着の生活が生き生きと記されていた! 興味深すぎる! 「そういうことだったのか」と本に書かれていた事柄への理解が進み、本当に役立ってくれた。おかげでパリの食生活という点では、読んでいない人よりかなり”ショートカット”できたと思う。
 使い込んだせいで、大切にしていたつもりだったが、ところどころ傷んでしまったほどだ・・・。

 パリから戻った今でもしばしば手に取る、バイブル的一冊。

 絶版になったのが信じられない! 読まずにパリに住むなんて、なんてもったいない!


 ※帰国前に、思い切って佐藤さんにサインをしていただいた。
  すてきなメッセージも加わった今、本当に愛蔵本になった。パリの良き思い出になりました。ありがとうございます。

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2008年1月11日 (金)

鶏レバーのテリーヌ、2種。

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 つやつやして、おいしそうな鶏レバーを見つけた。

 パリ時代の習性で、串を打って焼きたくなるが、”家焼き鳥”はもう卒業。
 鶏レバーのテリーヌTerrine de Foie de Volailleを作ろう。

 と言っても、買ったり、ごちそうになったりしたことはあるが、自分では作ったことがないので、本やインターネットでルセットを探す。便利な時代だ。

 すぐに仕込みたいから、ブタのノド肉やラードなどを使うような凝ったルセットは困る。家にある材料でできるルセットでなければ。

 いくつかのルセットを参考にした私の手抜きテリーヌはこんな感じ。

 血抜きしたレバーを掃除し、軽くソテーし、コニャック(ブランデーでもOK)でフランベする。
 ミキサーでレバー、ブタバラ肉、エシャロット、好みのハーブ、バター、クリーム、塩・コショウなどを混ぜたものをテリーヌ型に入れる。今回は余り物のクルミがあったので粗く刻んで加えた。
 湯煎(ゆせん)にかけ、オーブンで1時間程度加熱して出来上がりだが、ほかのテリーヌ同様、最低1日はおいて食べたいところだ。

 今回は、P・ジュリアン氏『フランス料理ABC』(文化出版局)のルセットを参考に、オーブンに入れないヴァージョンも作ってみた(写真手前右)。材料を炒めてミキサーにかけるのだが、レバーに完全に火を入れずに作ってみると、独特のぱさつきがなく、口当たり滑らかな仕上がりに。日持ちはしないが。

 火入れしたヴァージョンは表面が緑っぽくなり、見た目は悪いが、赤ワインのおつまみにぴったり。グリルしたパンにたっぷり載せ、粗く砕いた黒コショウとフルール・ド・セルをまぶしてパクリ。
 小型のテリーヌ型で作ったが、数日で食べてしまった。

 次回はもう少しコニャックを効かせよう。

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2007年12月27日 (木)

アフター・ノエル・アッシ

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 気が置けない友人を我が家へ招き、ノエルのフェットを開いた。

 帰国後、初フェット。
 「あれも作りたい、これも作りたい」
 構想段階でいろんな料理が浮かぶのだが、”塊肉が買える店””ハーブよりどりみどりの店”などといったショッピング情報をまだ持たないので、食材集めから苦戦しそうな気がしてくる。

 散々悩んだ揚げ句、結局、メインを日本のクリスマス料理の王道、”ロースト・チキン”にすることにしたが、慌てて前日に買い求めたせいか、大きめのサイズしか入手できず。足を短めに切り、キュッとコンパクトになるようブリデすると、ようやく我が家の小さなオーブンにおさまった。

 まだ片付かない段ボールから食材をさぐったり、しまった道具のありかがわからなくなったり、せっかく作ったものを出し忘れたりと、段取りの悪さが目立ったけれど、フェットも無事に終了。ふう。

 翌日は残ったチキンの肉で、チキン・サンド・・・のおきまりのコースではなく、チキンのアッシ・パルマンティエを。添え物にしたジャガイモのピュレも残っているからだ。

 参考にしたのはMARABOUT社の『hachis maison』(写真右)Parmentier de poulet fume au curry。燻製チキンをカレー風味に仕上げ、ディル入りのジャガイモのピュレで挟み、オーブンで焼くルセットだ。

Hachis_maison_2  タマネギのスライスを炒め、ほぐした肉、残っていたジュ、カレー粉などを加え、しっとりと仕上げる。ピュレの表面がふつふつと吹き、焼き色がついたところでオーブンから出すと、カレーの香りがプーン。
 グリーン・サラダと一緒にモリモリ食べた。

 たまには、こんな”変わりアッシ”で、ロースト・チキンが二度おいしい。のだった。

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2007年12月24日 (月)

OREO好きなもので。



Img_3673_2  OREO好きなので、N.Y.のスーパーで”Golden OREO”なるものを見つけると、迷わず買った。

 見たことがない真っ黄色のパッケージと”Original”と書かれているのが目をひいたのだ。

 ヴァニラ味のクッキーに同じクリームが挟まれている。期待しすぎたのか、おなじみの黒オレオほどではなかった。似て非なるもの。やはり、オレオは黒いチョコレートクッキーでなくては。
 そう思わせるのが、4900億枚20世紀で最も売れたクッキーたるゆえんなのだろう。(参考:wikipedia

 フランスも例外ではなさそうで。

 『Je veux du chocolat』などの著作で知られる料理研究家Trish Desseineのレシピ本『my cuisine』にも”Oreos a la glace coco, sauce chocolat(オレオのココナッツアイス風味、チョコレートソース添え)”として登場。

Img_3831  普段アイスクリームをあまり食べない私でも、オレオ入りだとぐっと引かれる。アイスの中にところどころサクサクしたオレオが入った食感が好きなのだ。
 そうだ、自分で作れば良かったのだ。

 さっそく、Trishのルセットをマネて作ってみた(と言っても重ねただけですが)。

 ココナッツアイスはないので、ヴァニラアイスをオレオでサンドイッチ。上からたらりとチョコレート・シロップをたらす。調子にのってイチゴ・ジャムまでかけてみた。

 当然、オレオ入りアイスより食べ応えあり。OREO好きなら、ぜひ。

 

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2007年8月27日 (月)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑱tete de veau

 

 ※注意! 今日は少々、グロテスクな話題&画像付きです。

  内臓系の苦手な方は読まないほうが良いかも・・・。







 

 「市庁舎前のキス」など、パリの街角の風景を見事に切り取った作品で知られる写真家、ロベール・ドワノー(Robert Doisneau)。彼の写真集をパラパラと眺めていたら、あるページで手が止まった。

 L'echaudoir de la rue Sauval(ソーヴァル通りの熱湯処理室/1968年)。ランジスに移転する前、パリの胃袋、中央市場として機能していたレ・アール食肉処理場で撮影された写真だ。中央には、血が点々とついたエプロンを身につけた男性が牛刀を構えている。「なんの用だ?」と言わんばかりにその表情は険しい。

 そして、彼が左手で押さえ、今にも処理を始めそうなのが、tete de veau(仔牛の頭)なのだ。

 肉に限って言えば、何でも食べる国民だなあ、とフランス人には感心させられることが多いが、テット・ドゥ・ヴォーはその典型的な例だろう。
 フランス伝統料理のひとつなのだが、スタージュ先のレストランで、業者が搬入したテット・ドゥ・ヴォーのセットを初めて見た時の衝撃は忘れられない(写真左)

P1060005  お面状にきれいにはぎ取られた仔牛の頭の皮が箱につめられてやってくるのだ。耳の穴にはゴワゴワした耳毛。口の内側のギザギザの突起。ひげが生えた口元は”ゴマちゃん”のよう。

 「こんなものを料理に使うなんて!」
 コルドンでは見たことがなかった。興奮のあまり、しばらくの間、友人に会うたびに、その話をしたものだ。

 ”セット”は、血抜きと臭みを取るため流水に一晩漬けた後、ブランシールする。脳の表面の薄い皮をはぐのが難しい。モタモタしていると、白子のようにとろけてしまいそうだ。

 通常、精肉店で売られているtete de veauは、この状態の皮をロール状に巻き、タコ糸でしばったもの。

P1090139 これにゆっくり火を入れ、スライスし、sauce ravigote(タマネギ、ピクルス、ケッパーなどのみじん切り入りヴィネグレット)をかけていただく。

 レストランでは、やわらかく煮た皮、舌、軽く茹でた脳、トルネしたジャガイモを皿に盛り、ハーブがたっぷり入ったラヴィゴット・ソースを別に添える(写真右はリヨンのブションでいただいたもの)

P1090145

 

 ゼラチン質特有のねっとり感とソースの酸味がぴったり。舌はやわらかく、脳は白子のようなまったりした口当たり。
 口の中を洗い流すようにワインを飲んでは、また一口。
 食べている途中から、翌日は肌がつやつやになりそうな気がしてくるが、冷めてくると少しくどくなってくるのが難点か。

 あらかじめテリーヌにして、表面をカリッと焼いたカフェ・コンスタンや、フォアグラ入りのスライスを温めたA&Mのもの(写真左下)が、個人的には気に入っている。

 さて、ドワノーが撮影した冒頭の男性は、どうやって頭を解体してくのだろう?

P1050529 興味がある方は、こちらを参照ください。(注意! かなりグロテスクです)



 ○Cafe Constant
  139 rue Saint-Dominique
       75007 Paris
       TEL:01 47 53 73 34
       metro:La Tour Maubourg

 ○A et M Restaurant
      136 Bd Murat
       75016 Paris
       TEL:01 45 27 39 60
       metro:Porte de St-Cloud

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2007年8月 6日 (月)

タルタル七変化。

 

Img_1641

 やっと夏らしくなってきたパリ。
 容赦なく照りつける日差しは、ちょっと歩いただけでゲンナリしてしまうほど。

 買い物に行っただけで、バテた。

 暑いと台所に立ちたくなくなるのは、日本と変わらないらしく。
 料理雑誌『Regal』最新号は、オープンサンド、サラダ、マリネなど、火を極力使わないレシピばかりを掲載。

 極めつけは、特集の”Tartares(タルタル)”だ。
 1.Je coupe(切って)
 2.Je melange(混ぜて)
 3.C'est pret!(出来上がり!)

 というサブ・タイトル通り、超簡単なタルタルのルセットが15種類、紹介されている。

 

 タルタルと言えば、steak tartare(ステック・タルタル)
 レストランで見かけるこの定番料理は、生のひき肉、卵黄に、ケッパー、タマネギ(エシャロット)、パセリのみじん切りなどの薬味、ウスターソース、タバスコ、塩コショウを各自、お好みで加え、混ぜていただくもの。(写真右上)

 フランス人はステック・タルタルがお好きなようで、スーパーの冷蔵コーナーにはソースがついた、パック入りのタルタルが売られているほどだ。

 

Regal Regalのルセットでは、ひき肉を使わず、塊から1㎝角のさいの目にする。
 このほうが、素材そのものの味や歯ごたえを楽しむことができるからだ。

 牛肉はもちろん、ラングスティーヌマグロトマトを様々なハーブ、スパイス、オイルであえた、ヴァリエーション豊かなタルタルが。
 いい香りが漂ってきそうな、Tartare de langoustine, basilic et citron vert(バジルとライム風味のラングスティーヌのタルタル)など、すぐにでも作ってみたくなる。モモで作るデザートのタルタルまである。
 今まで、タルタルといえば、牛肉かマグロくらいだったので、「なるほど!」と感心しながら読んだ。

 

 ルセットを見ながら、オリジナルのタルタルを作る。

 さいの目に切った赤身肉にエシャロット、パセリ、卵黄、マスタード、オリーブオイル、粗びきのコショウ、フルール・ド・セルを加え、混ぜる。ここまでは、定番通り。

Img_1658_2 先日食べておいしかった、”ナシ入りユッケ””シャトーブリアンのタルタル”をヒントに、リンゴを加えてみた。ウスターソースとタバスコも少々。上にロケットのサラダをのせ、混ぜていただいた(写真右下)

 ねっとりとした肉と、シャキシャキ甘酸っぱいリンゴの組み合わせがいい。
 ペロリと食べてしまい、もっと肉を買っておけば良かったと後悔したほど。

 

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2007年7月16日 (月)

イギリスはおいしいよ、たぶん。


Img_0324 イギリス人の友人が「おもしろいから」と貸してくれた料理本、"Two Fat Ladies Ride Again”から、ハトのソテーを作ってみた。

 本を借りるまで知らなかったのだが、大柄の2人がトライアンフ・サンダーバードとサイドカーでイギリス各地の食をリポートしながら料理するテレビ番組は、イギリスではとても人気があったという。
 同番組プロデューサーがJ・オリヴァーを発掘する前の時代の話だが。(日本では『グルメおばさんイギリスを行く』というタイトルでNHKが放映していたらしい)

 

 レシピごとにエピソードがつづられた本は読むだけで楽しい。 

Twofatladiesride_1 マスタードウスターシャイア・ソースを塗ったハトの胸肉をフライパンでソテーし、トーストに載せたこの料理、朝ご飯に好んで食べていた友人がいたのだとか。朝からこのボリューム。さすが、イングリッシュ・ブレックファストの人たちだ。

 指定のイギリス製の調味料はないので、マイユのマスタード、ブルドッグのウスターソースで代用して作ったが、ハト独特の臭みを両者の酸味とスパイスが中和する感じで、ぐっと食べやすくなった。なるほど。

 

P1120089  スコットランドとのボーダー近く出身の彼が買ってきてくれたのは、ハギス(Haggis/写真右)。羊の内臓、麦などで作るスコットランドの伝統料理だが、不気味な見かけもあり、苦手な人も多いのでは。
 ずいぶん前、スコットランドで食べた時も結構好きだったので、喜んでいただいた。「ハロッズでも売ってるよ」と友人。

 彼の話は続く。
 「スコーンにつけて食べるとおいしい」とうっとりする”ダブル・クリーム”とはどのようなものだろうか。クロテッド・クリームとどう違うのか。

 

 イギリスはおいしい。
 言われて久しいが、イギリスの食材ひとつとっても、まだまだ知らないことばかり。
 というわけで、しばらく旅に出ます。

 

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 ※別のイギリス人の友人が焼いてくださったフルーツ・ケーキ。レーズンがどっさり入ったスパイシーな味は久々で、新鮮。
 柄にもなく紅茶を入れたくなるから不思議だ(ティーバッグですが)。

 

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2007年6月27日 (水)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑯coeur de laitue

 

 

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 パリ暮らしのバイブル的一冊、『パリからのおいしい話』(戸塚真弓著、中公文庫)

 フランスに来た当初、右も左もわからず、言葉もできず、知り合いもいなかったころ、この本に出会った。仏人男性と結婚し、仏社会の中で生きる筆者が詳細につづるパリの”食”を通して、パリの文化をも語ってみせる。

 ”パリの人ってこんな人・・・”。読後、ぼんやりと輪郭めいたものが見えてきて、この国の食に興味を持つきっかけとなった本だ。


 

 『マリ・クレール』に連載されていたというだけに、どの章も興味深い話題が満載だが、今回はサラダの話を。

Img_9762 金持ちの知人の家で昼食をごちそうになった戸塚氏が、感心したというサラダ。
 
 『(前略)私はサラダにすっかりまいってしまった。淡いみどりの、柔らかくて、小さなかわいい葉ばかりだったのである』
 レタスが4〜5個、芯の部分だけ使われたサラダに、『なんと気のきいた、さりげないぜいたくであろうかと、私は感心したのである』。

 庶民が到底思いつかないような、フランスの上流階級のスノビズムを垣間見た気がして、少々嫌な気持ちになると同時に、彼らをはじめ、フランス人の食への強いこだわりに触れる、象徴的なエピソードだった。

                          

 本が出版されて20年余りたった現在。
 スーパーではcoeur de laitueという名で小ぶりのレタス(のしん?)が6個入りのパックで売られ、庶民でも遠慮なく食べられる時代になった(もしかすると、そのころから存在したのかもしれないが)。
 残念ながら、氏の書いたような”柔らかさ”はそれほど感じられず、焼いてもよさそうなほど、シャキシャキ感が勝っている。庶民仕様なのか?

 

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 四分の一に切ったレタスにドレッシングをかけてほうばりながら、「でも本に登場したあの人たちは、いまだにレタスをいくつも丸ごと買って、サラダを作っているのだろうな」と思った。私にはもったいなくてできない。

 悔しいぞ。

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2007年6月14日 (木)

意外にイケマス

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 バカンスが近づいてきた。
 母子だけで日本に長期里帰りする家庭も多い。残されたお父さんは、パリでひとり、何を食べて過ごすのだろう? 日本のように何でもあるところではないのだ。

 そんな余計なお世話的な心配をしていたら、スーパーで目にとまったのが、レトルト食品。冷蔵コーナーに並んでいるものだが、これはJoel Robuchon監修のMon "fameux parmentier au canard"(私、自慢の鴨のパルマンティエ!)

 plats cuisinesと呼ばれる個食になったレトルト食品の分野には、多くの有名シェフが進出している。料理雑誌Regalによれば、ロビュションをはじめ、ギー・マルタン、トロワグロ兄弟、アラン・サンドランス、ベルナール・ロワゾー、そしてポール・ボキューズが名を連ねる。シェフではないがルノートルも。
 Pave de veau aux cepes et puree de pommes de terre(仔牛のセップ風味、ジャガイモのピュレ添え)といったおいしそうな献立がずらり。

Img_7096 試しにロビュションのパルマンティエを買ってみた。
 耐熱皿にはいった商品を、オーブンで焦げ目がつくまで温めるだけ。食べてみると・・・おいしい。ピュレの表面はサクサクし、中はなめらかで、風味豊か。その下に敷き詰められた鴨の、コクのある旨み。
 何も言わなかったら、インスタントだとは誰も思うまい。普段、この手のものをあまり食べないせいもあるのか、予想以上のおいしさにビックリ。他のシェフの商品もこんなにおいしいのだろうか?

 

 パリ残留組のお父さんたちにもおすすめしたいところだが、さすがグラン・シェフ、一個6ユーロ以上もする。カルフール(サンドランス)カジノ(トロワグロ)などスーパーのPB商品だと若干安めだが、それでも5ユーロ前後。パンやサラダをつけたら、10ユーロを超えそうだ。
 日本食の店でラーメンを食べるほうが安く済むかもしれない。

 パリのアパルトマンで一人、星つきシェフのインスタントを温めて食べる日本のお父さん。豪華なのか、寂しいのか、よくわからない。『孤独のグルメ』に登場しそうな妙な光景だが、たまにはいいのかも。



 ※若干、古いデータになるが、グラン・シェフによるこれらの商品は年間(2004.6月ー2005.6月)約700万食が売れ、全体の売り上げの10%を占めるという。売り上げ上位の内訳はP.ボキューズ(39%)、ロビュション(36%)、ロワゾー(21%)という順番だった。(参考資料:Regal no.7)

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2007年6月 5日 (火)

スカーペッタのベーグル

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 マレに立ち寄ったついでに、ユダヤ系パティスリー、Korcarzでベーグルを買った。

 

 ”アメリカ風”のオニオン入りとケシ入り、”水でゆでた”ベーグルをひとつずつ。どれもゆでているのに、アメリカ風とあえて呼ぶのは形の違いだろうか?

 グロ・セルとケシがまぶされた”ゆでベーグル(写真左・中央)”を歩きながらつまむ。NYのものみたいなモチモチした感じはないが、これはこれで悪くない。プレッツェル並にしっかりめの塩味が気に入り、ペロリと食べてしまった。

 

Img_9262 残りのベーグルはサンドイッチに。

 ベーグルを半分に切りながら思い出したのは、パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズ

 医師弁護士の資格を持つヴァージニア州検屍局長というスーパーマン的主人公、ケイ・スカーペッタは料理上手でもある。凄惨な事件の描写の合間に、ケイが手早く作るおいしそうな料理がたびたび登場し、ほっとする効果が。

 中でも印象的なのが、でたらめな食生活を送る相棒のマリーノのために冷凍ベーグルを温め、クリーム・チーズを塗ってあげるシーンなのだ。(詳しく覚えていないが、たぶんこんな感じだった)


 大ファンだったのに、『黒蠅』を読みかけにしたまま、このシリーズ、ずいぶんごぶさたしてしまった。本と同様、パリに来てから、ベーグルもすっかりごぶさた。ひさしぶり。日本ではベーグル・カッター(というほど大げさなものでもないけれど)まで持っていたというのに。

Img_9284
 

 フィリング作り。
 本来ならフィラデルフィアを使いたいが、パリではお値打ちもの。今日はSt.Moret(KIRIでもOK)を使おう。冷蔵庫にあったチョリソーを小さく刻み、サン・モレとまぜ、半分に切って温めたオニオン・ベーグルに挟んだ。

 ケシつきは、ロックスに。
 パリで売られているスモーク・サーモンはねっとりしてとてもおいしいので、おすすめ。もっとサーモンを多く挟めばよかった。ケッパーとかあると、おしゃれですね。


P1110731  ○Korcarz
  29 Rue Des Rosiers 75004 Paris
  Tél. : 01 42 77 39 47
  metro:Saint-Paul

 ※D・ムーアが映画化するという話がずいぶん前にあったが、どうなったのだろう? 個人的には、ちょっとイメージが違うような・・・。コーンウェルの顔写真が多用されているので、ケイ=コーンウェルで読んでしまうのは私だけだろうか?

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2007年5月12日 (土)

14,000 things to be happy about

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 気候が良くなった。
 散歩するだけで、気持ちがいい。

 朝、焼きたてのパンを買ってきて食べる。ただ、それだけなのだけれど、しあわせな気分に包まれる。

 ずいぶん前、お守りのように、よく手にしていた本、14,000 things to be happy aboutを思い出した。

 料理の香りが立ちこめるキッチン、焼きたてのトーストの上でとろけるバター。例えば、私ならこんな感じ。

 日常のちょっとしたディテールに感じるしあわせを再認識させてくれる、おすすめの本でした。


※訂正:本のタイトルが間違っていました。
『100 things to be happy about』と表記していましたが、正しくは『14,000 things to be happy about』(Barbara Ann Kipfer著)でした(かなり違う!)。失礼いたしました。ここに訂正いたします。

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2007年4月11日 (水)

ピーター・メイル、ふたたび。

 

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 実に12〜3年ぶりに、『南仏プロヴァンスの12か月』を読んでいる。
 続編と共に、ブックオフ2ユーロ・コーナーで見つけたのだ。

 

 フランスと言えばパリとブルゴーニュとボルドーしか知らなかった当時の私。この本は衝撃的だった。
 トリュフ、シャトーヌフ・デュ・パープ、パスティス、タプナード、オリーブ・オイル! なんだ、この料理は! 知らないぞ、そんなワイン!

 そして何より、外国人がフランスの田舎に移住し、マイペースすぎる地元民を相手に、時に悪戦苦闘しながらも、楽しくのんびり暮らすシチュエーションにすっかり夢中になってしまった(当時は”スロー・フード”とか”スロー・ライフ”という言葉はまだなかった)。
 テレビ版放送日には、慌てて帰宅したものだ。

 

 その後、なぜか縁がなく、すっかり忘れていたのだが、今読み返すとまたおもしろい。
 雄大な自然、流れるのどかな空気、個性的で人なつっこい人たち、そして豊かすぎる食・・・。1年を通して、プロヴァンスがたいそう魅力的に描かれ、英国人をはじめ、ほかの欧州の人々が憧れる地なのも、納得。

 古く感じるのはフラン表記くらいなもの。ブームの後、多少は商業化したかもしれないが、そう簡単に変わる人たちではないはず。
 プロヴァンス入門の一冊として今でも十分、活躍しそうだ。

 

 と言うわけで、しばらく旅に出ます。

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2007年4月 2日 (月)

お得です! ーLe Chateaubriandー

 

P1100631 パリの外食は、高い。高すぎる。

 バゲット半分にハムと野菜を挟んだだけのサンドイッチが、軽く3〜4ユーロ(470〜630円)。飲み物、デザートをつけると6〜7ユーロ(950〜1100円)。

 語学学校時代の友人の一人は、「お金がもったいない」と、寒空の下、リュクサンブール公園で毎日バゲットだけをかじっていた。無理もない。

 パン屋で6ユーロもかかるなら。レストランはさらに高い。
 それでもどこも毎日にぎわっているのは福利厚生の一環として、Ticket Restaurantなどの食券(一枚5ユーロ程度?)を社員に支給する企業が多いからかもしれない。

 例え、20ユーロ(3100円)のランチを食べても、チケット2枚を使えば、手出しは10ユーロ。しかも、フランス人の実際のユーロ感覚は、日本人のより安いはずだから、1000円程度の食事をしている気分なのかも。

 毎日20ユーロのランチなんて。
 チケットなどもらえない、円安の国の人としてはたまらない。考えられない。

 そんな私に朗報。

 

P1100634_1 最新号『Figaro』にも紹介されている、Le Chateaubriand(ル・シャトーブリアン)
 

 アントレ+プラか、プラ+デザートのランチが14ユーロ
 プラは一品のみだが、4〜5種あるアントレはどれも魅力的で、迷ってしまうほど。

P1100636 注文したタルタル・ステーキ(写真右上)は、ひき肉ではなく、サイコロ大に切った肉。みずみずしいサラダ(クローバー!?)がこんもりと盛られている。肉にあわせたリンゴのような果物は、カリンだろうか? やわらかい肉の食感とサクサクした歯触りが同居しておもしろい。

 Anne Bertin(? うろ覚えです)のサラダ(写真右中央)というのも、おもしろい。つぼみまでついた”草”のような野菜を、ワシワシ食べる。人気の生産者なのだろうか? 彩りの細やかさ、センスに注目。

P1100642

 この日のプラはサーディンのペンネ(写真右下)。山盛りのパルミジャーノの下には、緑が鮮やかなピストゥ・ソースがたっぷり、軽く焼いた(?)プチトマトがゴロリと入っている。

 ごくごくシンプルなのに、さりげないセンスが光る皿ばかり。
 しかもかなりのボリューム。これで14ユーロとは、パリ価格からすると、かなりお得と言えるだろう。(それでも2000円以上ですが・・・)
 プラ+デザートを注文する一人客も何人か。近くで働く人だろうか。

P1100632 ひかえめで木訥な感じのInaki Aizpitarteシェフをはじめ、お店の方もいい感じ。

 もっと洗練されて、モダンな料理が供される夜は、オサレなパリジャン、パリジェンヌでたいそう賑わうのだとか。


 ○Le Chateaubriand
  129, avenue Parmentier
      75011  Paris
      TEL:01 43 57 45 95
      metro:Goncourt

Img_6041  ※同店のオーナー・シェフ、Inaki Aizpitarte氏は、パリのLa FamilleTransversalなどを経て、同店を開業。
 料理雑誌『Regal』12 号の特集”Sexy cuisine"では、A.パッサールJ-L・プージョランら有名シェフと共に誌面に登場(写真右)
 「僕はシャイだから、セクシーな話は苦手なのだけど・・・」と言いながら、十分官能的なモモのデザートを披露。注目の若手料理人の一人なのだ。

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2007年3月21日 (水)

ロール・キャベツ2題。

 

 ロール・キャベツはあまり好きではない。Img_5543

 キャベツの繊維が切れにくく、食べにくい。
 箸で切ろうするうち、具がころんと出てしまう。
 キャベツを縛る、正体不明の紐状のものが苦手。

 同じような感想を持つ人は少なくないらしい。
 17日付朝日新聞朝刊の『おいしさ発見』には、「ル・マンジュ・トゥー」谷昇シェフによる”おいしいロール・キャベツ指南”が。

 

 好きではないので、一度も作ったことがなかった。その上、コルドンの中級クラスでキャベツ料理をうんざりするほどやった(気がする)ので、しばらくは見るのも嫌だったのだが、あまりにも簡単な種明かしに、やる気になった。

 

 コツは、ただ、ただ、煮込むことだという。弱火で最低2時間

 

 俵型にしたロール・キャベツを、ル・クルーゼにギチギチに並べた。こうすると、あの正体不明の紐はもちろん、楊枝もタコ糸も使わずに済むのだ。

Img_5506  作った当日は時間切れで1時間半しか煮込めなかった。
 chou vertを使っているせいか、すぐに柔らかくなったが、まだ、私の知っているロール・キャベツだ。

 翌日も夕飯の前に冷蔵庫から出し、小さい火でトロトロ。
 かなり、キャベツが柔らかくなってきた。(写真左)

 3日目。(冒頭の写真)
 キャベツはとろけはじめ、もうほとんど、ピュレに近い状態。具にキャベツがまとわりついている感じ。
 皿にそぉっと盛る。箸がすっと入るやわらかさに、にっこり。具との一体感がすばらしい。


Img_5526_1

 成功のカギは、キャベツの煮込み方につきるのだった。

 

 ついでに、大家族用ロール・キャベツ(?)、Chou Farciも作った。(写真右)

 キャベツ、具、キャベツ、具・・・と層になっている。
 見た目は雑だが、こちらも3日目のキャベツのとろけ具合が気に入った。旨みの溶け出したブイヨンも、美味!
 思いつきで作ったため、具にchair a saucisse(味付けされた豚挽肉)を加えなかったのが、唯一、悔やまれるところだ。

 


 

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2007年3月14日 (水)

みんな子どもだった!

Cantine

 
 友人から薦められた本、CANTINES(PERRIN社) を入手した。

 CANTINEとは食堂を意味するが、この本では、学校給食のこと。

 P・ガニェール、A・パッサール、T・マルクスなど、有名シェフによる、”夢の学校給食メニュー”が、遊び心あふれる、愉快な写真とともに並んでいる。(写真左下は、P・ガニェールのページ) 

 

 

 

Cantine2  シェフらの幼少の頃の写真も添えられている。当然ながら、どんな偉いシェフでも、みんな子ども時代があったわけで。
 本の中に登場する、魚嫌いの男の子だったり、フォークとナイフを握った拳で「早く! 早く!」とテーブルを叩いたり、プチ・スイスで爆撃して大目玉を食らったり・・・。
 ひょっとすると、そんな、給食にまつわる思い出があるのかもしれない。作らなくても、眺めるだけで楽しい一冊だ。

 

 フランスの学校給食は、当然、フランス料理
 生意気にも(!)、前菜、主菜、チーズ、デザートで成り立っている。学校の前の掲示板には1カ月の献立が貼られているので、見てみよう。(写真はクリックすると大きくなります)

                         P1100459

 例えば、3月12日の週なら・・・。
 月曜日:地方料理の日。グリーン・サラダ、タルティフレット、ブルーベリーのタルト
 火曜日:ピッツァ・ロワイヤルかチーズパイ、ジゴ・ダニョーのインゲン添え、ピレネー・チーズかプチ・ルイ、果物
 水曜日:グレープフルーツ半分、仔鴨のモモ肉、カリフラワーのグラタン添え、ボンベル・チーズ、スムールのケーキ、おやつは果物とパンデピス
 木曜日:セロリのルムラード・サラダかギリシャ風シャンピニオン、牛肉スライスとピーマン、パスタ添え、ヨーグルト(ビオ)かプチ・スイス、果物
 金曜日:麦かトマトとオリーブ入り米のサラダ、マグロのステーキ、オランデーズソース、ズッキーニのデュオ添え、カマンベールかブルサン、モモのコンポートかナシのシロップ漬け

 幼稚園もほぼ一緒のメニューだから驚きだ。

 食べてみたくなる本格派に見えるが、給食を食べず、家に戻り、昼食をとる生徒も少なくない(11時半〜13時半まで昼休み)。
 おいしくないのだろうか?

 日本の学校給食も、とても充実していると聞く。フランス料理どころではない、バラエティに富んだものなのかもしれない。こちらも食べてみたい。

 

P1080807  ※ショコラティエ、Michel Chaudunのウインドーに注目。

 氏の学生時代のノートや成績表、デッサンがチョコレートとともに飾られている。生物のノートだろうか、緻密に描かれた人体解剖図やきれいに色分けされた地図は、将来を予感させる出来映え。

 自慢したくなる気持ちもわかる!

 

  ○Michel Chaudun
  149 rue de I'Université
  75007 Paris
  TEL:01 47 53 74 40

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2007年2月25日 (日)

もうひとつのシェフ番付。

                                                                                                                              Img_4866

 ミシュラン2007年版の話題で盛り上がった1週間。
 話題の中心は、久々の女性3つ星シェフになったAnn-Sophie Picだったが、それぞれのレストランに、客足などの影響が出てくるのはこれからだろう。

 そんなことは先刻承知のごとく、ミシュラン発表前の19日、日刊紙フィガロは、もうひとつのシェフ番付ーー売り上げ高による番付ーーを、経済面の見開き2ページにわたり、特集していた。

 フランスの著名シェフの2006年度売上高をランキングした同紙の記事を少しだけ紹介。
   (調査:フィガロ、単位は100万ユーロ。サンドランス、パッサール、ピエージュは無回答。ミシェル・ゲラールは回答の時間なし?)
 
   1.Alain Ducasse    93  
 2.Joel Robuchon    60
   3.Laurent et Jacques Pourcel    37.5
   4.Philippe Legendre    34
   5.Pierre Gangaire    23,2
   6.George Blanc    22
   7.Paul Bocuse    19
   8.Pierre Herme    15
   9.Michel Rostang    15
   10.Michel Troigros    15
   11.Eric Frechon    14.5
   12.Jean-Andre Charial    12.5
   13.Guy Martin    10
    14.Guy Savoy     10
    15.Marc Veyrat    9.2
    16.Yannick Alleno    9
    17.Groupe B. Loiseau    7.8
    18.Jacques Chibois    6.8
    19.Ann-Sophie Pic    5.3
    20.Michel Bras    4.6

   1位は、当然、アラン・デュカス
 去る11日にはモンテ・カルロで、フランス料理界の重鎮、P.ボキューズの81歳の誕生日を、81人の有名シェフ81マカロンで祝う会を仕切った仏料理界の実力者。
 いまや、9カ国、21のレストラン、1400人の従業員を抱え、学校、ホテルなどもグループにおさめる、多角経営・多国籍企業の経営者でもある。

 テロ不安が続く地域、バスクのホテル、オスタペのからの撤退が話題になったばかりだが、エッフェル塔のレストラン経営権を買収するなど、さらに勢いに乗る2007年は1億ユーロを軽く超える?
 
 2位につけるライバル、ロビュションは、Fleury Michon, Legal, Sonyといった企業スポンサーとの契約、テレビ出演が売り上げの大半を占めるという。香港、ラスベガス、ニューヨークなど自分の冠付きレストランの視察を兼ね、1年の75%を飛び回るジェット・セッター。

 3位のローラン&ジャック・プルセル兄弟は、少し意外? モンペリエの2つ星の主たちは、監修するレストランが15店、そのうち6店のオーナーで、今年はさらに7店を開店するという。手広く展開しているのだ。週1パリ、2カ月に一度上海、四半期ごとに東京の店へ顔を出すという、こちらもジェット・セッター。

 同紙記者、F.シモン氏らによる記事によれば、これら著名シェフのように稼ぎ出すには、フランス国内にとどまらず、海外でもスターシェフとして、知名度、ブランド力を持つことが必要だという。

 ルイ・ヴィトン、ディオールといったフランスの高級ブランドに身を包んだ外国人客が、ファッションと同じように、レストランにも最高のフランス・ブランドを求める時代なのだ。
 確かに、レストランの星が多くなるほど、外国人客の比率は高くなる傾向がみられるかもしれない。

 
 シェフにとっても悪い話ではない。

 一度有名になれば。
 見習い時代は月に800、よくても1000ユーロで働いていたシェフたちが、例えば、3日で18,000ユーロという破格のギャラでパーム・ビーチのホテルに招聘されるようになる。
 中でも、シェフたちの夢の土地は、日本だという。
 ランキングの中で、唯一、パティシエとして、P.エルメがランク・インしているのも、日本での多店舗展開があってこそだろう。

 なにはともあれ、フランスのシェフは押しも押されぬ、"roi de l'export" (輸出部門の王様)に違いない。

 (参考記事:2月19日付フィガロ/economie)

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2007年2月22日 (木)

こんなの見つけました

 

 ミシュラン2007年版の速報が流れた21日。Img_0001_3

 ニュースでは、女性三つ星シェフに輝いた、Anne-Sophie Pic(Drome)が取り上げられていた。事前に流れた、エレーヌ・ダローズとの予想はハズレだった。これだから、わからない。

 とはいえ、ほとんど行ったことがないので、コメントのしようがない。なので、遅ればせながらの”シェフ・ネタ”を。

 こちらは予想通り、新・三つ星シェフに輝いたヤニック・アレノ(Le Meurice)を含む、有名シェフのカレンダー、Les Maitres du Goutを、雑誌『Cuisine Creative』の通販コーナーで発見。

 こんなものがあるのだ、知らなかった。

 ミシュラン発表前の時点で、3つ星6人、2つ星4人、1つ星2人、計28マカロン!のカレンダー。最新ミシュランだと、ヤニック+1、ヴェイラ-3、ウェスターマン-3(Drouandは?)で、何マカロン?

 人選の基準は不明だが、皆さん、なかなかの役者揃い。笑わせてくれる。(クリックすると、画像が大きくなります)

 もう3月も近いので、どうかと思うが、”シェフ・フェチ”なあなた(私か?)にオススメ。

 ○私には危険すぎるCuisine Creativeのサイト
  www.cuisinecreative.com

※追記:よく読んでみると、ちゃんと書かれていました(失礼!)。ガン患者のサポート団体”AVEC"へ売り上げの一部を寄付するドネーション企画で、発起人はル・サンクのシェフ、Phillippe Legendre。いいことしてるのに・・・。

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2007年2月19日 (月)

パエーリャ@Le Fogon

                                                                   

P1100113_2

 1年ぶりに、スペイン料理の店、Le Fogon(ル・フォゴン)へ。

  前回、食べられなかったパエーリャを。

 ムニュでは、数種類あるパエーリャから好きなものを選ぶ。
 4人だったので、野菜と鶏肉、ラングスティーヌと魚介の2種類にした。

                                                                   

P1100103 生のポティロンのアミューズに始まり、エイとロケットのサラダ他、全3品(忘れました)のタパスは丁寧に作られて、好感度大だ。

 
 熱々のパエーリャが鍋ごと運ばれてきた。
 スペインでは、意外にも、この姿でいただく機会がなかったので、かなり嬉しい。

                                                                   

  料理雑誌『Regal』no.15では、同店のシェフ、Alberto Harraiz氏を、”スペイン料理の名人芸”を持って、独自のスペイン料理を作り出す、と紹介している。

P1100106 同誌の中で紹介されたパエーリャは、Riz au lapin, escargots et vinaigre de Xeres(ウサギとエスカルゴのパエーリャ、シェリー・ヴィネガー風味)。ウサギから丁寧に取ったブイヨンで、米を炊き上げる。
 スペイン料理を代表する米料理も、シェフにかかれば、かなり個性的だ。
 
 でも、作り方は、遊ばず、名人芸で。"bomba de calasparra"というスペイン高級米を使い、ふっくらやわらかく、かつ、かすかに歯ごたえが残るような、微妙な加減に炊きあげるという。

 正直、そこまで注意せず、米は食べてしまったが、中がほんのり生っぽい、ラングスティーヌのジャストな火の入れ方は、日本人の私にはぐっとくるものがあった。

P1100118_2 お店の人は、相変わらず、感じが良い。
 満席で大人気の店だが、この日の客の約半数は、日本人なのには驚いた(我々も含めて)。おいしい店や話題の店の情報が本当に早い!

 「日本人客が多い店は、間違いない」
 そのうち、そんな定説がパリに浸透するのでは。

                                                                     

  ○Le Fogon
  45, quai des Grands-Augustins,
  75006 Paris
  TEL:01 43 54 31 33
  休:土曜昼・月曜日
  metro:St Mitchel/Odeon

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2007年2月 2日 (金)

Le Moulin de la Vierge、登場。

 パリを歩いたことがある方なら、おわかりだろう。

Img_4462  どこに行くにも、住所だけが頼り。
 目指す通りを見つけても、安心できない。番地の場所を地図で見当をつけておかなければ、一駅、場合によってはもっと、歩くはめになる。

 パリで一番長いと言われる、rue de Vaugirardは要注意。
 パリの外側を走る環状線近く、15区の端から、パリの中心にあるソルボンヌ大学まで縦断する通りなのだから。

 家の近所のグルメ通り、rue Saint Dominiqueも、結構、長い。
 エッフェル塔のそばのシャンド・マース公園近くから、東に伸び、サンジェルマン大通りまで。
 
 久しぶりに東側を歩くと、いつの間にか、Le Moulin de la Viergeができていた。知らなかった。

 パリに数店舗あるブーランジュリー。

 お料理教室のマダムに、「ここのタルト・タタンがおいしいわよ」と勧められて以来、14区のダゲール店へ、時々、足を運ぶように。
 しっかりと焼き色がついた、キャラメル色のリンゴ、パイ生地。
 薪釜で焼かれるパン、ヴィエノワズリも、同様に、色濃く焼かれている。私好みなのだ。

 加えて、歴史建造物といえそうな美しい内装がすばらしい。

 オーナーのBasile Kamir氏は、大学卒業後、コンサート興行やレコードの輸入業(ヴァージンのブランソン氏は幼馴染!)などを行う”業界のヒト”だったが、1975年にパンの道へ、華麗なる転身を遂げた。
 ”独学のパン職人”として、ビオの粉ルヴァン薪釜焼きにこだわったパン作りを続けるカミール氏は、J.L.プージョラン氏”Au Levin du Marais”T.ラビノー氏など多くのパン職人たちに影響を与えたと言う。(参考:Le guide des boulangeries de Paris)

 これからは、あの香ばしくてジューシーなタルトタタンを気軽に買うことができる!と思うと嬉しくなった。
 
 とりあえず買ったのは、定評のあるLe pain de campagne au levainで作られたパン・グリエとバゲット。
 古くなったパンをパン・グリエにして売る店が多いが、ここのはひと手間かけられているので買いたくなったのだ。ハーブやニンニクの香りがたっぷりのタプナードオリーブオイルつき。

 酸味の強い、ルヴァンのパンが好きなので、たまらない。ミネストローネと一緒に、カリカリ食べてしまった。(写真右下)

Img_4469 内装は、他店と同様の美しさ。一味違うのは、パン屋さんらしからぬ、暗めの照明。おもしろいが、焼き加減がよくわからないではないか! お店の方も、とても感じが良かった。

 最寄駅は、8番線のLa Tour Maubourgです。念のため。

 
 ○LE MOULIN DE LA VIERGE
    64 rue Saint Dominique
    75007 Paris
  metro:La Tour Maubourg
    http://www.lemoulindelavierge.com

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2007年1月30日 (火)

いまさらながら、カルチャーショック!

Hitasu                                                            

                                                            

 紅茶に浸したマドレーヌを一口含んだとたん、幼年期の思い出に遡る―。

 読破困難と言われる、M.プルースト『失われた時を求めて』だが、このくだりはよく知られているのではないだろうか。(私も読んだことがありません)

                                                            
 
 紅茶にマドレーヌを浸す・・・。
 表面に油が浮いた紅茶を飲むのだろうか。私は嫌いだが、フランス人には抵抗がないらしい。Img_3524
 なにしろ、朝から丼みたいなカフェ・オレ・ボウルを抱え、パンやビスケットをジャバジャバ浸して食べる人達なのだから・・・。(注:私の知人です。フランス人全員がそうというわけではありません)

                                                            

 昨年末、仏人マダムのお料理教室で習ったBuche de Noel

 Gateau aux petits beurresという名前のこのケーキ、お菓子メーカー、LuTheというビスケットを使うのが必須条件だ。
 「他のビスケットでも試したけれど、これじゃなきゃ、だめ」
 普段はすべてに鷹揚なマダムが、これだけは、強いこだわりを見せた。そのTheを、一枚ずつ、ラム入りのコーヒーにひたし、ブッシュ型に積み上げていくケーキで、その工程はティラミスを思い起こさせた。

Img_3539
 仕上がりは、コーヒーを吸って柔らかくなったビスケットの風味がすばらしく、意外なおいしさだった。
 

 浸す食べ物・・・。

                                                            

 料理なら、オニオン・グラタン・スープ。スープをたっぷり吸ったパンが溶けたチーズと絡みながら浮かんでいる。P1000389

 フレンチ・トーストで知られる、パン・ペルデュも”浸す”調理法。

 パン屋で働く友人によれば、クロワッサン・ダマンドパン・オ・レザンなどはシロップやラムに、
 「Bien, bien, imbibez! trempez!(よーく染み込ませて!)」
 と漬けたものを焼くのだとか。

 ラムと言えば、ババ
 スポンジにたっぷり、ラム入りシロップを染み込ませている。シロップ漬けの瓶入りすらある。
 ナポリの街角で買ったときは、食べる直前にラムを振りかけてくれた。かみ締めると、ジュッと染み出す、むせ返るようなラムに酔いそうだった。

 とある料理教室では、焼きたてのスポンジに、オレンジジュースのシロップをたっぷり吸わせたケーキを習ったこともある。P1080354(写真右)。
 せっかく焼いたスポンジに、液体をぶっかける暴挙に驚いたが、そのしっとりとした仕上がりはなかなか良かった。

 
 せっかくカリッ、パリッと完成したものに、敢えて、水分を吸わせ、浸す習慣は、私の引き出しにはない。
 3年以上住み、料理を学んでも、カルチャー・ショックを受ける事柄は、まだまだたくさんありそうだ。

 ”浸す”文化も、そのひとつ。

 日本に帰国し、水分をたっぷり含んだ何かを食べたとき、プルーストのように、味覚を辿って、鮮明にパリの記憶がよみがえるのだろう。たぶん、きっと。

 

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2007年1月29日 (月)

アンダルシア 冬の旅  ⑥ロンダのパラドール

Img_4021

                                                       

  セビーリャを後にし、ロンダへ向かう。

 高速道路は、「これがアンダルシアの大地なのか!」と思わせる、赤茶けた農地の中を走る。冬とは思えない、強い日差し。夏場はヒマワリの花で埋めつくされるのだろう。

 ロンダに近づくにつれ、だんだんと目の前の景色は岩山へと変わっていった。

 今回の旅の参考文献のひとつ、『スペインおいしい紀行』(高森敏明著、NTT出版)での表記どおり、切り立った岩肌に、山羊の姿が見えた。山羊料理が郷土料理のひとつらしい。

                                                       

 ロンダの街は、深い峡谷にかかったヌエボ橋を境に、旧市街と新市街に分かれている。
Img_4028_2  この地方には、白壁の家が集まった”白い町”が多く見られるが、ロンダの旧市街もそのひとつ。
 迷路のように入り組んだ石畳の路地を歩く。タイル、鉄格子など、白い家のところどころに、アラブの名残が散見される。

 
 宿泊したのは、渓谷の上に建つパラドール・デ・ロンダ。(冒頭の写真の建物)

 ご存知の通り、パラドールは、スペインの国営ホテルチェーンともいうべき存在。
 「なんだ、国民宿舎か」と侮ってはならない。

 『モニュメンタルな価値のある建物を用いながら、現代的な快適さを保証する』という基本方針のもと、発展した宿泊施設で、古城、修道院、貴族の館などの歴史的建造物を改装し、約200㎞ごと(1日の移動距離)に配置、自然を楽しむために自然公園の中などに設置するなど、国立施設ならではのロケーションを誇るという。(参考資料:Esquire,vol.17)

Img_40471_1 ロンダのパラドールは、市役所跡地に作られたもので、当時のファサードだけが保存され、その名残を残している。
 ホテル特有の華美さはないが、清潔で、設備が整い、快適。値段もパラドールの中では、リーズナブル。なにより、絶好のロケーションが嬉しい。

 観光客と地元の人で賑わう商店街をひやかした後、パラドールのレストランで食事をした。
 こちらも、侮れない。
 メニューにはマラガの郷土料理がずらりと並んでいるが、その仕上がりは意外にモダン。
 
P1090962  アーモンド風味の冷たいニンニクのスープ、Ajoblanco de almendrasは、生のブドウ入り。
 この素敵な組み合わせが忘れられず、マラガ料理のレシピ本を買って帰ったほど。

                                                       

 待望の山羊料理は見当たらず、羊料理を。P1090964_1
 しっかりとした味付け、ボリュームは、”郷土料理”級。残念ながら、完食ならず・・・。

 とはいえ、ほどよくカジュアル、ほどよくシックな雰囲気で、こちらも快適だった。

 

 ○Parador de RondaParador
  Pl.de Espana, s/n
  29400.Ronda, Malaga
  TEL:952-877500
  FAX:952-878188
  www.parador.es

 ※今回の旅のバイブルは約3年前のEsquireのパラドール特集。
  表紙を飾るのが、ロンダのパラドール。旅情報も満足の充実度。お世話になりました。

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2007年1月23日 (火)

おいしいだけじゃダメですか?

Img_4494

                                                   

 『神の雫』(作:亜樹直、画:オキモト・シュウ、講談社)の最新刊を楽しみに待っている。

 有名ワイン評論家の父の遺産―時価20億円のワイン・コレクション―をめぐり、ワインの英才教育を受け、天才的なテイスティング能力を持つ主人公が、ライバルと対決しながら、遺言に秘められたワインの”謎解き”をしていく物語。

 安価なものから超高級ラインまで、多種多様のワインが登場する。ワインをめぐるストーリー、テイスティングにおける豊かで独創的な表現に、ぐいぐいひきこまれる。

 ワインに詳しくなくても、おもしろい。
 でも、ワインの知識があれば、このシリーズ、さらにおもしろく読めるのだろう。残念だ。

 

 銘柄や、セパージュなんて知らなくても、おいしければいい・・・と思っていたら。
 『料理通信』2月号の特集「男のスイーツ」を読んで、がっくり。

 「ワインのようにショコラを味わう」、だそうだ。

 ”テロワール””セパージュ””クリュ”といったワインの視点をショコラにあてはめ、分析している・・・。

Photo_11
 日本では、”ショコラ・テイスティング”なるものが流行りはじめているのだろうか? 巷では、すでにショコラ・テイスティングのキット的商品が有名チョコレート・ブランドから販売されているとか・・・。

 なんて、マニアック!
 
 こちらも、「おいしければいいじゃない・・・」とぼやく日が近いのかも。

 ※写真は、スーパーMONOPRIXのブドウジュース。"Cepage Merlot"だそうです。

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2006年12月15日 (金)

冷凍食品本。

 冷凍のエビを買いに、PICARD(ピカー)へ。Img_0001

 PICARDは、冷凍食品専門のスーパーで、パリだと、カルティエ毎に一カ所はあるだろうか。
 冷凍庫ばかりが並ぶ、少し無機質な店構えと、結晶のマークが目印だ。

 冷凍野菜、肉、魚のほかに、解凍するだけで食べられるピッツア、ラザニア、寿司、タブレなど品揃え豊富で、忙しい主婦の強い味方といった感じ。マカロンまである。

 エビ、ホタテの貝柱、牛・豚のひき肉、ソラマメ、きのこ類、アイスクリーム・・・。通常、私が買うものは限られているものの、すっきりしたパッケージデザインと、ハイセンスな写真が並ぶカタログに惹かれ、用事もないのについ、ぶらりと立ち寄ってしまう店だ。
 
 今日は、なんと、料理系の出版物で知られるmarabout社とPICARDのコラボ本、"100 recettes PICARD pour recevoir"をレジ前の棚に発見。
 順番を待つ間に立ち読みするうち、カタログ同様の写真の美しさに、つい、買ってしまった。(←思うつぼ)

 掲載されているレシピは、シンプルながら、冷凍食品と侮れないものばかり。
 例えば。Poulet aux morilles et a l'estragon(モリーユ茸とエストラゴン風味のチキン)なら、同社の鶏モモ肉、モリーユ茸、スライスしたタマネギ、エストラゴン、ニンニクを使い、自宅にオリーブオイル、辛口白ワイン、生クリーム、塩・コショウがあればできるレシピ。
 冷凍の栗を使ったMarron glaces au rhum(ラム酒風味のマロン・グラッセ)は、かなり心引かれるルセットだ。

 RECETTE RAPID(早くできるレシピ)と、印がついたルセットもあり、便利そう。
 なにより、この本とPICARD製品で、ビストロ並みのちょっとしたフレンチが簡単にできてしまう。恐るべし。

 ※よくよく見ると、Julie Andrieurら、著名料理人が手がけたルセットなのだとか。

 

 ○PICARD
 http://www.picard.fr/

 

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2006年11月11日 (土)

これがウワサの秘密基地。

 若干、今更の話題だが。

P1080835_1

                                                                                                                                                                                                       

 『料理通信』11月号の『PAIN NOUVEAU』のプージョラン特集にショックを受けた。

 パリのパン事情に詳しい方はご存知だと思うが、7区の有名ブーランジュリー「POUJAURAN」の店主、Jean-Luc Poujauran氏は約3年前、店の権利を売り払い、どこかへ消えてしまっていた。

 プージョランという店名は生かしたまま、SECCOとして店は継続。プージョランの味を知らないので、個人的にはそれはそれでおいしいと思い、ありがたく食べていた。今夏、近所に引越し、いつもおいしいパンが食べられるので喜んでいたのだが。

 同誌によると、セッコの横の廃墟然とした入り口のアパートの地下に、本物のプージョランさんのパン工房があり、140軒ものレストランに名前を伏せたまま、パンを卸しているとのこと。(注:契約で、プージョランと名乗れないため) なんと秘密基地に潜伏していたとは!

 そして、その得意先は、デュカスロビュションルドワイヤンのクリスチャン・ル・スケーといった有名シェフのレストランだけではなく、ラミジャンコントワールといった、今をときめくパリの人気レストランが含まれていた! しかも、どれにも行ったことがあるのに、知らなかった。パンのマニアではないから、わかるはずはないのだが、なんとなく、悔しい。

 記事を読んだ後、トボトボと店の前へ行ってみた。
 
 何度も何度も通った道。なぜ今まで、気づかなかったのだろう。はたして、そこには見慣れたプージョラン・ブルーに、JL.P(ジャン=リュック・プージョラン)と無造作に書かれた看板がかかっていた。

 気をつけて見ていると、本当だ、バゲットの束を抱えた人が出てくる。今まではセッコから出てきていたと思っていたが。時にはプージョランさん、本人を見かけることもある。残念ながら、小売はしていない様子(聞いてみたことはないが)。

 この記事を読んだ後、ラミ・ジャンに行ったときは、さすがに味わってパンを食べた(写真右)。酸味が効いて、自家製の田舎風フロマージュ・ブランのディップにぴったりだった。これが名高いプージョランの味なのか、と。P1090177
 念のため、どこのパンか確認すると、「JL・Pだよ。プージョランの横のね!」と強調して答えてくれた。店の料理に合うパン選び。こだわっているのだ。

 記事によると、店の売却契約による3年間の禁はすでに9月末に解かれ、プージョラン氏の新事業が開始されるらしい。

 もう年末も近い。そろそろ、おいしい知らせが耳に入ってくる頃か。

 ○POUJAURAN
  18, rue Jean Nicot,
    75007 Paris
    TEL:01 47 05 80 88

 ※セッコのプージョランのパン(←ややこしい!)も、変わらず、好きです。

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2006年10月21日 (土)

星付きシェフ御用達の野菜 -Joël Thiébault-

 ロハスでもクーネル系でもないので、空いている時に買うくらいだが。

Img_0561 今週のFigaro Scopeの特集、Douze délices d’initiés(玄人御用達の12の食アドレス、とでも訳す?)で紹介されていたJoel Thiebault
 イエナのマルシェで買い物をすると言うと、食通の人なら「あそこ、いい八百屋があるでしょう」と必ず言うほど、有名で人気の野菜を売る店だ。

 曲がったキュウリ、穴があいたナス、トマト。不揃いで、不恰好な野菜なのに、買い物客は嬉々として自分で選んだ野菜を籠に入れている。
 
 クーネル系でない私でも、食べてみると、違いがわかる。やっぱり。
 ニンジンの甘さ、ニンジン臭さ。厚みのあるほうれん草の葉の味わい。みずみずしい上に、辛味ダイコンのように全部が辛いダイコン・・・。Img_0547
 しっかりと、その野菜の味がする。大地にしっかり根を張って育った野菜の味だ(←想像)。

 
 もうひとつの売りは、その豊富な種類。
 
 ティエボー氏は、Yvelines(イヴリーヌ)という町で、1700種もの野菜・ハーブを栽培しているという(参考:Figaro Scope10月18日号http://www.figaroscope.fr/restaurants/dossier_193.html

 当然、売られている野菜は、見たことがないものばかり。紫色のカリフラワー。真っ赤、あるいは真っ黄色のブレット。紫色のピーマン。”忘れられた野菜”として復活した根菜、パネトピナンブールもある。
 どんな味がするのだろうか。ギョッとするような鮮やかさに目を奪われる。

 これらの野菜に注目するのが、パリの星付きシェフたち。

 同紙によると、この野菜を使っているのは、ピエール・ガニェールエレーヌ・ダローズパスカル・バルボなどそうそうたる顔ぶれのシェフたち。先日行ったレストラン、トランスヴェルサルでも使われていた。(過去記事:http://farafel.cocolog-nifty.com/escargot/2006/10/transversal_1988.html

Img_0543  確かに。会計の順番待ちをしていると必ず見かけるのは、コックコートの料理人が荷物持ちの若手を従え、勝手知ったる感じで店の裏を歩き回り、注文している風景。

 プロ使用の野菜なのだ。

 アマチュアの私は、前に並んでいたマダム、イチオシの白ナスを購入。大胆にも野菜天婦羅にしていただいた。揚げてもナスの味がしっかり。

 全然、ロハスではない私だけれど、ちょっと感動的だった。

 ※訂正:ジョエル・ティエボーさんの野菜をBIOと表記していましたが、間違いでしたので、訂正しました。やっぱり、ロハスな生活は、ワタシにはムリ?(10月23日)

  Img_1514

 ○Joël Thiébault
  水・土曜日:Avenue du President Wilson
    metro:Iena
    火・金曜日:Rue Gros
  metro:Ranelagh
    http://www.joelthiebault.fr/

 ※写真は9月上旬に撮影したもの。夏っぽくてすみません。ここで売られているキャベツは日本のキャベツに比較的似ている。(写真は違うヴァージョン)

 Figaroの特集では、有名シェフ御用達のパン、肉屋、魚屋などボン・アドレスが。保存版です。

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2006年10月12日 (木)

芸術の秋です。 -Transversal-

                                                                                           

P1080522 芸術の秋です。食欲の秋、でもあります。

                                                                                           

                                                                                             

 『料理通信』10月号の『ミラノ・パリ・東京 今訪れるべきガストロノミー・レストラン』で紹介されていたTransversal(トランスヴェルサル)へ。
 以前も同雑誌で取り上げられていて、一度行ってみたかったのだ。

 パリ郊外にあるMAC/VAL現代美術館の中にある。

 
P1080530  現代美術館のレストランにふさわしく、黒を基調とした、モダンなインテリア。庭に面していて、気持ちが良さそうなテラス席もある。
 キュレーター風のアーティスティックな、あるいはアカデミックな雰囲気を醸し出した人たちが談笑しながら食事している。いい感じだ。

 開催中の展覧会に着想した『展覧会の皿 plat d'exposition』というメニュがあるとのことだったが、ランチだったせいか、見当たらなかった。興味があったので、残念。

 もう一つ目を引いたのが、アラカルト・メニューの”Formule garde-manger(ガルド・マンジェ・食料庫)”。星付きレストランと同レベルの、クオリティの高い作り手による食材、ビオの野菜などを厳選し、アート的コンセプトのフィルターを通して調理する、という。
 ”本日の定食”やムニュもあったが、せっかくなら選び抜かれた食材をいろいろと試食してみたい。ガルド・マンジェから数品を選び、シェアしながら食べることにした。

P1080527  野菜、肉系、燻製系、乳製品、デザートの35種類の中から迷いながら選ぶ。
 結局、頼んだのは、燻製の老舗Safa社Saumon sauvage des baltiques(バルト海の天然サーモン)、Maison FaivreSaucisse de morteaux(モルトー・ソーセージ)、Joel ThieboaultラディJPierre ClotPommes de terre ecrasees(粗くつぶしたジャガイモ)、Anchois Frais Marines(カタクチイワシのマリネ)。

 真っ白なお皿に”川”の字のようにサーモンが並べられてきたり、皿の真ん中にチョコンとソーセージの端が載せられてきたり、そのプレゼンテーションはミニマルなアート、そのもの。驚き、ちょっと笑えた。P1080540

 選んだ品がシンプルなものばかりだったせいか、これらを料理と呼ぶべきかは微妙なところだが、厳選された素材だけに、どれもおいしいので、いいのだ。
 イエナのマルシェでも大人気のビオ野菜生産者、ジョエル・チエボーのラディに、クリスタルの塩がまぶされたバターをつけ、齧る。ひねた見た目だが、辛味、水気のバランスがよく、素直に素材の味を楽しめる。
 ねっとりとしたサーモン、ナイフを入れるとじわりと脂が染み出てくるソーセージ。バターの風味が効いた、ほくほくのジャガイモ。

 『上質素材を必要最小限の調理でサーブ。この手法は、荒素材をミニマルに加工し人間の本質を表現する、コンテンポラリーアートに立脚する』(引用:料理通信10月号P52)
 高級食材店で、おいしいものを買ってきて、家で食べているみたい・・・と思いながらいただいたが、罰当たりな発想だったようで・・・。

 フレンチのシェフの間でも、厳選した食材を見つけ出し、積極的に料理に取り入れるのは大きなトレンド。その調理法も、よりシンプルになっているのは周知のところだ。
 その見地からすると、トランスヴェルサルは料理だけで見ても、最先端を走るレストランといえるのかもしれない。
 素材を生かす料理に慣れている日本人には、いたって普通に見えるのだが・・・。これが、まさに、”コンセプチュアル・アート”というものか。

 
 芸術の秋です。アートとガストロノミーの交錯を試みる、不思議な世界へ・・・一度は、ぜひ!

 ※普通の料理(この日の定食は、Thon grille, coco de pimpolais de coco au Sate, cacahuetes et coriandre)もちゃんとあるので、念のため。写真はクリックすると、大きくなります。

                                                                                           

P1080561 ○Transversal
  MAC/VAL
    Place de la liberation
    94400 Vitry-sur-Seine
    TEL:01 55 53 09 93
    休:月曜日
    www.restaurant-transversal.com

 

 
 ○Atelier de Fumaison Safa
  130 rue de Rosny - 93100 Montreuil
  Tél. 01 42 87 20 20

 ○Maison Faivre
  http://www.salaisonsfaivre.com/

 ○Joel Thiebault
  http://www.joelthiebault.fr/

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2006年10月 5日 (木)

ポティマロンのスープ。

Img_12501  カボチャのスープを作った。
 
 買ってきたのは、鮮やかなオレンジ色のpotimarron(写真右下)potironという大型で、カットして売られているのより、小さめ。

 バターでポワロ葱の白い部分を色づかない程度に炒め、適当な大きさに切ったポティマロン、水、牛乳、チキンブイヨンを加える。

 ポティマロンに火が通ったら、ミキサーにかけ、ナツメグ、塩・胡椒で味を調える。

 お好みでクリームを添えて。

 今日はメインが軽めだったので、スープの中に鶏レバーのコンフィを沈ませ、ボリュームアップさせた。

 
 スープをあらわすフランス語の単語はいくつかある。スープ(soupe)クレーム(creme)veloute(ヴルーテ)そしてpotage(ポタージュ)

 フランス語の学校で習ったのは、スープの気取った言い方が、ポタージュとか。階級によって話し方が変わるというフランス語らしい。なるほど、私など、あまり聞く機会がないはずだ。

 クレームは、クリームでつないだスープのこと。

Img_1186 ヴルーテは、文字通り、ビロードのように滑らかなテクスチャーのスープのこと。元々は、だし(fond)と白いルー(roux blanc)を混ぜた、ソースの基本型。一方で、火からおろし、卵黄とクリームでつないて仕上げるスープ(アスパラガス、セップ、チキンなど)を指す。
 より洗練され、軽くなったコンテンポラリーな料理では、コリアンダー風味のズッキーニのヴルーテ、ミント風味のグリーンピースのヴルーテなど、野菜だけで作るレシピも。
 (参考:Mots de cuisine)
 
 スープは総称する感じか。水分が多いのは、スープだろう。

 今日、私が作ったのはヴルーテのつもり。牛乳の量を増やせば、スープになる?

 ○Vive la soupe.com(「スープ、万歳.com」? スープのレシピが満載のサイト)
  http://www.vivelasoupe.com/

Soupe_cremeuse_de_potion_truffe_et_magre ※コルドンで習った、Soupe cremeuse de potiron truffe et magret fume(トリュフと燻製の鴨風味のカボチャのクリームスープ)
  上に浮かべたクリームに刻んだトリュフ、鴨、シブレットを混ぜ込んでいる。器はもちろん、本物のポティロンをくりぬいたもの。

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2006年9月25日 (月)

カリスマ・ブロガーのレシピ

Img_0836  発売中の雑誌『Regal』13号に”Ma recette de grand-mere”というコーナーが。
 食関係の仕事につく3人が、おばあさんから教わったレシピを披露している。

 有名レストランのシェフによるレシピは凝っているからか、作る気がなかなかおきないが、家庭料理は経済的でシンプルだからすぐにでも作りたくなる。

 目に留まったのは、Carbonade Flamande(フランドル風カルボナード) 

 「北のブフ・ブルギニョン」と呼ばれるこの伝統料理は、ワインの代わりにビールで牛肉とタマネギを煮る。vergeoiseというテンサイからできた砂糖を使うのも特徴だ(フランドル料理にはベトラブのスープなどテンサイを使ったものも)。

 レシピ提供者は、Clotilde Dusolierさん。
 ”Chocolate & Zucchini”という、月間12万の訪問者数を誇る料理ブログを運営するカリスマ・ブロガーだ。
 ちょっと覗いてみると、クロチルドさんはモンマルトルに住む27歳のパリジェンヌ。
 2003年9月から同ブログを開設。食べたもの、作ったもの、行ったレストラン(最近だとエル・ブリ)、買った食材・・・彼女からしょっちゅう食べ物の話を聞かされ、友人たちがいいかげんうんざりしているんじゃ・・・と、食への情熱の受け皿にブログを始めたらしい。なんとも、身につまされる話ではないか・・・。
P1080298_1
 ブログは全て英語で書かれ、ブログを通じて依頼されるようになった記事、出版物も米国など英語圏の媒体がほとんどだ。フランスの食にあこがれる、米国の食いしん坊たちのハートをがっちりつかんだといったところか。

 さて、さすが、カリスマのおばあちゃん。やることがニクイ。
 伝統料理のカルボナードの隠し味に、パン・デピスを一緒に煮込むのだ。普通、考えもしない。

 炒めた肉、タマネギに小麦粉、砂糖(カソナードでも可)、ビール、パン・デピス、ブーケガルニを加え、沸騰したら蓋をして弱火で2時間半程度煮込む。肉が柔らかくなったら、蓋を取り、半分の量まで汁気を飛ばして出来上がり。(私はSTAUBごとオーブンに入れた)

 トーストしたパン・デピスと蒸したジャガイモを添えて。砂糖とパン・デピスの甘みが、かすかに残るビールの苦味とのバランスを取る。

 個人的には、もうすこし甘みを押さえてもいいかも。パン・デピスのトーストの代わりに、マスタードを塗ったパンでもおいしいとか。次回はこちらだ!
 まろやかな味わい。この冬の定番になりそうな予感。

 飲み物はベルギー・ビールか、似た感じのもので始めたい。Img_0796_1

 
 ○Chocolate & Zucchini
  http://chocolateandzucchini.com

 ※『おいしいブロンドかアンバーのビールを』とあったが、さっぱりわからない。結局、雑誌に掲載されていたJENLAINを使用。同名の村に1922年創業、4代続く老舗メーカーだとか。http://www.duyck.com

 冒頭の写真は、雑誌の写真を真似して撮影してみました。自分で盛り付け、撮影していると、「パロディみたい・・」。結構、笑えました。

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2006年8月24日 (木)

フロマージュ、あれこれ。 ①ポン・レヴェック

 バカンスから戻ると、パリの肌寒さに驚く。
 この時期は集中暖房がまだつかないから、家の中が一番寒くなる時期。
 冬用のフトンをクリーニングに出したままだった。でもバカンスでまだ閉まっているだろう・・・。寒い・・・。

 こうなると、ひさしぶりにチーズを食べたくなる。

 待ってました。日本にも出店している有名フロマージュリー、Marie-Anne Cantin(マリー=アンヌ・カンタン)が家の近所なのだ。

 他のチーズ屋さんと比べると、値段は高めだが、地下で熟成された”きっかり食べごろ”のチーズがずらり。Fromage3_1

                                                            

                                                                                                                                              

 一番好きなボーフォール(写真手前)を小さく切り出してもらい、カマンベールを注文するが、この日はなかった。

 代わりにポン・レヴェック(Pont-l'Eveque)を半分。

 ポン・レヴェックとリヴァロノルマンディでもっとも古いチーズと言われ、12~13世紀に生まれたとか。外見こそ違うが、味わいはカマンベールに良く似ている。

 19世紀にノルマンディ-パリ間の鉄道が整備されると、一気にその名は広まり、パリのレ・アール市場で販売されるようになった。
 ”リュクスなフロマージュ”として、特にレストランが買っていくようになった。

Fromage2 以前はバター製造で残った脱脂乳(lait ecreme)で作っていたというから、乳製品で知られるノルマンディらしい(現在は全乳を使用)。

 
 30分ほど常温に置いておくと、中がとろり。もっと長く置いたほうが、さらにとろっとして良さそう。

 口に入れると弾力があり、滑らか。ミルクの風味が強いのはカマンベールと同様だが、こくというか、深みのある味わいはこちら。
 塩水で繰り返し洗い、じっくり、じっくり熟成させるからだとか。
 ギリギリまで熟成させたものは外側の色がもう少し濃い。レストランなどで見かけるのがこれだろうか。

 参考文献:Guide de l'Amateur de Fromages,Marine-Anne Cantin,SOLAR/チーズ図鑑、文藝春秋

 
 

Fromage_5                             ○Marie-Anne Cantin
  12, rue du Champ de Mars
  75007 Paris
  TEL : 01 45 50 43 94
  FAX : 01 44 18 09 56
  営業時間:月~土曜日、8h30 - 19h30
  http://www.cantin.fr

※マリー・アンヌ・カンタンの店内。フランスには365種類のチーズがある、とよく言われるが、ひとつひとつのバリエーション、熟成具合による違いを考えると、もっともっと多そうな気がする。制覇するのは到底無理そう・・・。

 

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2006年8月23日 (水)

パリ歩きの新ガイドを2冊。

 旅行先では、空港で、機内で、ホテルの部屋で、プールサイドで、読書三昧
 多めに用意していたが、何をするでもない目的のない旅。持って行った本は、全て読破した。

 その中には、パリ歩きの新ガイド(私にとって)と言える2作品も。

Davinci_1   まず、文庫化を機に、遅ればせながら読んだのが『ダ・ヴィンチ・コード』

 いつもの見慣れた風景が、小説に現れるだけで、ぐっと親近感が増すのが不思議。
 恥ずかしながら、ルーブルは10数年前に一度行ったきり。この本がベスト・セラーになって以来、ルーブルの入場者数が増えたそうだが、納得。久しぶりに行ってみようかな、と思わせられた。

 残念なのは、物語中に”食の風景”がほとんどなかったこと。
 小説の中の食にまつわる描写を読むのが好きなのだが(特に外国の小説)、『古びたクラッカー』『ぬるいコーラ』くらいしか出てこないのだ。

 帰路の飛行機は、バカンスをマデイラか、ポルトガル本土で過ごしたポルトガル移民の人たちが大半だった。
 彼らのポルトガル語を聞きながら読んだのは、『パリで出会ったエスニック料理』(にむらじゅんこ著、木楽舎)。仏文学者の鹿島茂氏が書評で絶賛していたので購入したのだ。

 夢中でページをめくってしまった。Ethnic

 平凡ともいえるタイトルはワザとなのだろうか。ただのグルメ・ガイド本ではない。

 料理を切り口にしながら、様々な国からの移民が集まるパリで、それぞれのコミュニティの歴史を紐解き、解説している。

 著者と移民たちとの交流で生まれたエピソードが説得力を加えている。
 パリに40万人住むといわれるポルトガル移民についての章なら、アパートの管理人のポルトガル人のおばさんとの思い出を。
 思わず機内を見回し、「この人たちもパリで苦労しながら生きているのだな」とシンパシーを感じてしまった。

 
 読み進むうちに、数年住んでいても、ぼんやりとしか知らなかったパリの移民たちの実情、彼らの食文化が明らかになり、読後はかなりスッキリ

 しかも、紹介されているレストランは、ほとんど知らないところばかりだ。
 
 表面的にしかパリを語らない、ほかのガイド・ブックとは一線を画す。

 この秋は、この2作品をガイドに、まだまだ知らないパリの探索をしてみようか、と考えた。

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2006年8月11日 (金)

イル・ド・レに想いをはせる・・・

Re2

 夏のバカンスを毎年イル・ド・レ(L'Ile de Re )で過ごすという方から、おみやげにビスケットをいただいた。

 最近、FIGAROと料理雑誌SAVEURSで相次いで取り上げられていたから、少し気になっていたところ。

 フランス西部、ラ・ロシェルの先にある、大西洋の小さな島。

 サン・ルイ島、シテ島のように訳せば、レ島・・・。れれれの・・・と言う感じで、ちょっとお間抜けな語感。フィガロが訳さず、イル・ド・レと呼ぶわけだ。

 17,000人ほどの島の人口が、7~8月には20万人にまで膨れ上がる、実は 人気のリゾート地なのだ。(参考記事:SAVEURS.No.149,p63)

 手作りっぽい箱に詰められたビスケットには”Re”のエンボスが。
 いかにも手作りという感じで、愛らしい。
 バターの甘い香りがたっぷりな素朴な味。個人的には、もう少しイル・ド・レの塩がきいていれば・・・と思ったが。Magazine

 今までイル・ド・レといえば、のイメージしかなかったが、ビスケットをいただきながら特集を読んでいると、自転車、ジャガイモ、シーフード・・・いろいろある。
 特に目立った名所があるわけではないが、避暑地としてのんびり変わらない魅力があるのだろう。

 SAVEURSは、この島を『海とパリ16区の中にある田舎』と表現。
 なるほど、ナチュラルとシックが同居するような、手仕事の工芸品、ホテル、レストラン、お店がいい雰囲気で、パリジャンがハマるのも納得。
 だんだん行ってみたくなってきた。

 残念ながら、この夏はもう間に合わない。Re
 秋以降はやはり寂しいのだろうか?
 
 

 ○イル・ド・レ観光局サイト
  http://www.iledere.com/

 ※これもまた素朴な木のパッケージも可愛らしい。5枚づつに包装されているのだが、そのビニールもふにゃふにゃ。いかにも手作業な感じが、かえって好感度大!なのだ。

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2006年8月 4日 (金)

夏のキノコ、ジロール!

 スタージュ先で、レギュラーの食材だったので、今が旬なのだろう。

Giroruq_1 ジロール茸(girolle)。

 あるシェフによれば、小指の先ほどの大きさが一番なのだとか。食べる分にはいい情報だが、トロ箱3箱分の掃除をするとなると・・・。

 一つ一つチェックし、軸についた土など汚れをナイフで取り除いていく。「後で洗うから、あまり神経質にならなくてもいいですよ」。とは言え、果てしない作業だ。

 スタージュ先に見学者が来たときに、ちょうどジロールの掃除をしていた私。「根気がいる作業ですね・・・」。同情が込められた視線が少し痛かった。

 と思っていたところに『料理通信』が到着。三ツ星、ルイ・キャーンズではジロールを洗わず、一本一本、すべてブラシで汚れを取り去っている。しかも軸の皮をナイフで削り取るという。膨大な作業だ・・・。負けました、さすが三ツ星、さすがデュカス。(参考記事:料理通信8月号、P29、30

 「キノコ類は洗わない。汚れは布巾やブラシで取り除く」。
 日本でフレンチのシェフから教わった鉄則。

 フランスに来てみると、コルドンやスタージュ先では当然のように洗うので(あくまでも、すばやくだが)、軽いカルチャーショックを受けた。
 
Girolle3_1 「お客様の口の中でジャリッとするより、いいでしょ」とコルドンのシェフ。そういう考えかたもアリかもしれない。

 スタージュ中、目の前で何十皿ものジロールが供されたが、家で作ったことはなかった。
 チャレンジしようとマルシェに出かけたが、バカンスで品薄。結局5件目の八百屋さんで買うことができた。でもスタージュ先で見るジロールの2~3倍の大きさだ。

 「今の時期、フランス産が少なくて、大きなのしかないのですよ」と店のムシュー。2人で小さいのを選り分けた。これくらいの量なら、掃除もなんということはない。

 作ったのはジロールのフリカッセ。エシャロットのみじん切りと共にバターでゆっくり炒めた。仕上げにクリームを少々。ニンニクを入れても良い。 パセリがあるとなお、良し!

Finland

 歯ごたえのあるキノコは、風味も豊か。独特のオレンジ色も、食欲をそそる。肉、魚の付け合せはもちろん、パスタやリゾット、卵料理にしてもおいしそう。

 

 ※写真左は2年前の夏、フィンランドのマルシェで見かけたジロール。
  フィンランドでもジロールはよく取れるらしく、同じホテルに滞在していたフィンランド人は、森で40㎏も採ったと自慢していた。腰痛のリハビリで来たと話していたのに、キノコ狩りとは・・・と驚いた思い出が。

  珍しく、ジロールを使ったフィンランド料理Soupe aux chanterelles のルセットを発見。(http://www.saveursdumonde.net/ency_3/champign/chanterel-finland.htm

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2006年6月29日 (木)

魚の皮

 マルシェや魚屋さんに行かれた方なら、おわかりになるだろう。Kawa1

 さばいた魚のフィレが売られているが、大抵、皮がない。フランス人は魚の皮を食べる習慣があまりないようだ。スタージュ先のレストランは、魚料理が人気だが、戻ってくる皿には食べ残した魚の皮が・・・。

 コルドンでも最初、クールブイヨンで煮た魚の皮を取ると教えられ、驚いた。(写真右は、皮なしの焼き鱒)
 筒状に切ったサーモンのグリルも。日本人なら大好きな人も多い、あのカリッとした皮を。クリスピーな皮の表面、肉と皮の間のトロッとしたゼラチン質がおいしいのに。

 鯛のポワレなど、皮つきでサーブされるものももちろんある。が、日本のように「カリッ」と焼かない。
 
Kawa3  日本滞在が長いシェフがデモンストレーションで、「皮をカリッと焼くとおいしいよ~」と焼いて見せたので(写真左、切れ目も日本風)、その通りにやると、他のシェフからは「こんなに焼かないで」と注意されたり。

 色がつかない程度が上品らしい。日本人からみると、生っぽいというか。生魚は食べるが、焼き魚だったら、ちゃんと焼き色がついていないと気持ちが悪い。

 確かに料理本を見ても、日本風の焼き方は少ないし、第一、皮がついている魚料理の少ないこと。A.デュカスは”日本通”らしく、レシピ本『Grand Livre』でも、取り除いた皮を長方形に成型し、カリカリに焼いたものを別に添えていたりする。でもこれはたぶん、例外。

 

Kawa2 皮のみならず、ハラミエンガワアラ血合いの部分・・・。コルドンの授業中、唯一の日本人だった私は、目の前でゴミ箱行きになるのを見て、ひとり、胸がつぶれそうだった。そのお陰で、マグロの大トロがとても安く買える、いいこともあるのだが・・・。

 皮のおいしさを知ってもらうには、バンクーバー名物”BCロール”を流行らせるのも一考かと。カリカリの鮭の皮入り。

※写真右下は今が旬のrouget(ヒメジ、イトヨリ)を使ったFilet de rouget a la mie de pain epicee, guacamole et raisins frits。こちらもヌルッとした焼き上がり。

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2006年6月16日 (金)

48H avec Pierre Gagnaire

 置いている店が少ないのと、季刊なので忘れてしまい、なかなか入手できなかった雑誌『Cuisine Creative』(http://www.cuisinecreative.com/)。

 発売中の24号の特集が、ピエール・ガニェールの48時間密着(?)取材だったので、迷わず買った。

Kantou  このところ、才気あふれる"厨房の芸術家"の快進撃は止まらない。

 三ツ星の”Pierre Gagnaire”、オープン程なくして一ツ星を獲得した”Gaya Rive Gauche”に加え、ロンドンの”Sketch”、東京の”ピエール・ガニェール・ア・東京”。次は香港へ進出するという。
 
 
 ルポでは、当然ながら目まぐるしいガニェール氏の日常が明らかに。
 
 ガヤ、ピエール・ガニェールを行き来しながら、数々の打ち合わせ、取材をこなす。その間、新しいルセットも次々と生み出していく。髪を乱し、時に苦渋に満ちた表情を浮かべながら。それなのにエレガントでもある。

 取材2日目、パティスリーのシェフとの打ち合わせの様子が興味深い。数日前から浮かんでいるイメージを紙上に描き、固めていく作業だ。ルセットは必ず、紙におこすらしい。

 「マシュマロ、森のイチゴ、待って、待って・・・。うーん、わからないな・・・、やってみるか。うん、マシュマロ、シュトゥルーデル、・・・イサラのジュレ、キューブ状になるように、ちょっと固めで・・・アスパラガスのアイスにとろみのあるオレンジのシードル。いや、これじゃ納得できない。もう一回やり直しだ」

Naka 長い沈黙。頭を抱えてみたり、テーブルを指で叩いたり。新しいルセットが生まれても、盛り付けるのは皿なのか、グラスなのか。平たい皿か、高いのか。沈黙とテーブルを叩く音が続く。そして浮かんだアイディアを一気に出す。「よし、できた!」

 ガニェール氏はパティスリーの専門ではないが、デセールもメゾンのスタイルに首尾一貫すべきと考える。現在、多くのレストランでは料理とデセール部門の間に距離があるが、ガニェールではそうならないようコントロールしていると語る。

 ガニェールの料理部門は、24年間共に働くMichel Nave(MOF保持者)がシェフ。以下、約15人のスタッフでガニェールの世界をかたちにしていく。

 インタビューの中での印象的な言葉。
 "La cuisine, ce n'est pas 《mode》, c'est avant tout quelque chose qui produit de la convivialite, de l'emotion et du plaisir."(料理とは、《mode》ではない。それは何よりもまず、懇親性、感動、喜びを生み出すものなのです)

  エルヴェ・ティス博士との共著のタイトルも《La cuisine, c'est de l'amour, de l'art et de la technique》(料理とは、愛、アート、そしてテクニックである)。

 
Hyoushi このまま、多店舗展開の、実業家シェフになるのか・・・と心配していたが、どうやら違うらしい。料理へのパッションを受け止めるキャンバスが増えただけのこと。

  成功や栄光によって変わることがない。注目されがちな分子ガストロノミーの研究も、表現の手段の一つにすぎない。

 最先端フレンチの第一人者は、ただただ料理を愛する、正真正銘のアーティストなのだ。 

※表紙はもちろん、ムシュー・ガニェールによるもの。Pulpe Rouge, tomates Tamarillo, betteraves rouges, sabayon de cassis.

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2006年5月28日 (日)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑥asperge sauvage(野生のアスパラ)

Asovage_1

 アスパラガスの旬もそろそろ、オシマイ。 

 と思っていたら、野生のアスパラガスasperge sauvageを見つけた。

 稲穂のような先端に、つるんと細い茎。普通のアスパラのように、ガクがない。

 マルシェで見かけるのは一年のうち一瞬、の希少品。で、価格も割高。
 今日買ったのは、一束4ユーロ。大振りのアスパラと変わらない値段だ。

 初めて目にした時、調理法がわからず、八百屋のおじさんに尋ねると、「普通のアスパラと同じように食べるんだよ」と教えてもらったが、食べてみると、なんとなく寂しい。物足りない。

 以来、稲葉由紀子さん『フランスおいしいもの事典』(河出書房新社)に習い、鰹節とお醤油で食べることが多い。

 Asohitashi_1

 少しヌルッとした食感が何かに似ているが、思い出せぬまま、毎年、季節が終わってしまう。山菜の一種に似ているのだろうか?
 
 パスタにもよく合う。

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2006年5月14日 (日)

目移りするパン屋さん -Heurtier-

 『からすのパン屋さん』(かこさとし作)という本には、”太鼓パン””恐竜パン””テレビパン”・・・といった子どもが喜びそうな、ユニークなパンが多数登場する。実際の日本のパン屋さんも、ありとあらゆる”創作パン”であふれんばかり。受け止める消費者の懐も広い。

Pain_3 フランスのパン屋さんにも、ドライフルーツ入り、チーズ、オリーブ入り、ピッツァ、キッシュ、サンドイッチ、パン・オ・ショコラなどあるが、やはり主力商品は主食となるプレーンなパン。星付きレストランでは ”海草入りパン”など変り種を見かけるが、日本ではずいぶん前からあったはず。

 文化が違うのだから、しょうがないが、正直、ちょっと物足りない。たまにはカレーパンとか、カツサンドとか、マヨネーズパン(コーン付き)といった”調理パン”的なものが食べたい。トレーとトングを持って、「どれにしようか」と悩みたい。

 そんなとき、おすすめしたいパン屋さんが、マレ地区にある"Heurtier(ウルティエ)"

 フランスでは近年、健康志向を背景に、酵母を使った"bio"パンを作るパン屋さんが増えているが、もう一つの傾向が”オリジナル・パンの製造”だという。(参考:http://www.cuisine.tv/index.cfm?co_id=25160

 Heurtierは、その先頭を走る店だろう。Soup_1

 店頭には大ぶりのピッツァが数種類(冬だと暖かいテイクアウト用のスープが)並ぶ。売り場にはサンドイッチ、バゲットサンド、キッシュ、タルト、シェーブルのスライスがどかっとのっかったパンなどがずらり。奥には数種類のフレーバーのフィセルがバスケットに入れられ、並んでいる。

 一番のおすすめは、チョリソー入りフィセル(ficelle au chorizo/写真上)。細いのに、外側がカリっ、中がモチッとした食感。中には風味豊かなチョリソーが。一度食べ始めるとやめられなくなる。マレ散策のお供にぴったりのスナックだ。

 今日はフロマージュ風味も買ってみたが、これも良かった。オリーブ入りもある。
 迷ってしまい、自分の順番が来るまで決まらないこともしばしば。カレーパンはないが、それでも、目移りするパン屋さんなのだ。Pasta_4

 自然酵母のパン"Carre du Marrais"も酸味がちょうど良く、肉料理に合う感じでおすすめだ。このパンを使ったサンドイッチもクオリティが高く、食べていると嬉しくなってくる。

 売り場の反対側ではパン製造の様子を見ることができるし、二階のサロン・ド・テも充実のメニューだ。

Sand_1  お店のスタッフも感じがいい。忙しいパン屋さんだというのに。

 ○Heurtier
  2, rue de la Verrerie
    75004 Paris
    TEL:01 40 27 91 97
    metro:Hotel de ville

※ 写真は、約1年前に撮影したランチセット。大振りのボウルにスープがたっぷり。レーズン・パンのクルトンが新鮮だった。メインのパスタもタルティーヌも量がたっぷり。単品でもいいかも。かなり”お得”なセットだった。

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2006年5月12日 (金)

マニア垂涎?のDVD

 三ツ星レストランのなかでも、”別格扱い”の感のある、L'ambroisie(ランブロワジー)。

 抵抗なく、いろんなレストランに行くほうだが、ここはなんとなく、敷居が高かった。”お子様お断り”的な。シックな高齢の常連客が多いような。
 良く言えば、正統派。悪く言えば、超保守派なイメージを勝手に持ち、一度も行ったことがなかった。Dvd

 スタージュ先のシェフに教わり、入手したDVDを観るまでは。

 ”L'Ambroisie  Les secrets de cuisine de Bernard Pacaud(「ランブロワジー -ベルナール・パコーの料理の秘密-」”(edition montparnasse)と題された、フランスのTV局、France 3によるドキュメンタリー。

 パコー氏の回想録を、ランブロワジーの一日の中に挟みながら、物語は進む。パコー氏は意外に饒舌で、感受性の強い人物のようだ。

 圧巻は、目を見張る、食材の美しさ。それらが、いとおしむように手を加えられ、一層輝きを増す、驚き。ただ、ただ、ため息。
 パコー氏が、魚担当の日本人シェフを例に挙げ、「この日本人は、食材を傷めることなく、大切に扱い、元の姿より美しい形に仕上げていく」と解説する部分は、何度でも観たいシーンだ。

 店の一日は続く。

 予約の電話はひっきりなしに鳴り、サービスが始まっても、てんやわんやになることなく、各々が黙々と、そしてきっちりと、自分の仕事を完成していく。どこか、淡々とした時間が過ぎていく。若くても、選り抜きのシェフばかりという評判のランブロワジーのキッチン。スタジエール(研修生)の入る隙間はないが、興味深く見入ってしまった。

 最後に一皿一皿をチェックし、仕上げていくのがパコー氏。

 常にポロシャツ姿で登場する彼が、従業員のために作る”まかない”を、食べてみたい。

 もちろん、レストランにも行きたくてしょうがなくなる、危険なDVDなのだ。

 ○L'Ambroisie
  9,pl des Vosges
    TEL:01 42 78 51 45
    休:日・月曜日
  Metro:St.Paul

 ※DVDにはスペシャリテの作り方など”おまけ”映像付き。ルセットのカードも。英語字幕付き。マニア垂涎DVDなのだ。

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2006年5月10日 (水)

おふらんす式、ラッピングの妙技

 不器用なのでエラそうなことは言えないが、外国で、日本人の器用さ、丁寧さをありがたく感じることは少なくない。

 例えば、ラッピング。すごいスピードで、ヨレることなく、きっちりと包装してくれるのは、ご存知の通り。ほとんど”職人技”の域。店員さん教育の賜物なのだろう。

 フランスでは、こうはいかない。

Sac_1  「贈り物です」と言わないかぎり、品物を袋にポンと入れてくれるだけだし、包装紙を別にくれるだけの店もある。頼んでもイマイチの出来だったり。

 クリスマスなどのプレゼントのシーズンは、たぶん、店のラッピングの精鋭が集められているのだろう、ラッピング・コーナーが別に設けられ、長蛇の列になっている。

 
 唯一、感心するのが、パティスリーのラッピング

 2,3個ケーキを買うとする。日本だと小さい箱、もしくは隙間を埋める筒状のものを入れてくれる(と思う)。

 フランスでは、こんな見事なピラミッド型(写真上)に包んでくれる。

 詳しくは、すばらしいガイド・ブック『パリのルール』(メディア・ファクトリー)に譲るが、解説すると、まず、縁が折れるようになった台紙(パン屋さんではよく使う)にケーキをのせる。包装紙の上にその台紙を載せ、両端をつまみながら、左右を織り込んでいく。紐を通し、てっぺんをくくり、取っ手をつけて、完成。

 簡易包装なので、環境にも優しい(たぶん)。フランス流のラッピングの妙技がここにある。

 Jeanmillet今日は人気パティスリー、Jean Milletの作品(?)。クラフティ、タルト・シトロンなどを買った。

 感じの良いエレガントなマダムが、この一連の作業をあっという間にやってしまった。

 出来上がりもエレガント。

 ”寿司折り”みたいにブラブラしては、いけません。
 

 ○Jean Millet
  103 Rue Saint-Dominique
  75007 Paris
  TEL:01 45 51 49 80
 

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2006年5月 1日 (月)

カマンベール番付。

 カマンベール、好きですか?
 
 Camanbert
 年間、5,000万箱以上が販売される、フランス・チーズの代表格だ。

 家の近所にいいチーズ屋さんがあるので、チーズは専門店で買う。当然、カマンベールも、顔なじみのお兄さんに食べごろのものを選んでもらう。食事を始める前に冷蔵庫から出しておくと、デザートと一緒に食卓に出す頃、トロリといい感じになっている。

 「熟成加減とか、やっぱり、チーズは専門店じゃなきゃ」と思っていたところ、料理雑誌『Regal』最新号(no.10)にちょっとショックな記事が。

 毎号、様々な食材を試食し、採点するページがあるのだが、今回はカマンベール。

 Notre palmares de camembertsというタイトルで、チーズのM.O.F.保持者、チーズ協会?の会長、チーズ店主など、チーズの専門家が勢ぞろいし、8種類のカマンベールを採点している。

Regal2 ショックだったのは、いつも買うJortのカマンベールが20点満点の9点で最下位だったこと。4.95ユーロと、価格は2番目に高いのに。

 しかも、4位だったLanquetotがカルフールのプロモーションで2ユーロ以下で販売されていた。

 試しに買ってみると、普通においしくて、さらにショック・・・。

 同点4位にはスーパー「Auchan」の同店オリジナル・カマンベールが。これは1.57ユーロ。Jortより3ユーロ以上も安い・・・。

 この番付を”鵜呑み”にするわけではないし、いつも買うJortがおいしいのに変わりはない。ただ、スーパーのチーズを今まで軽視しすぎていたと反省。

 スーパーのチーズコーナーだって侮れない。(検証したのはカマンベールだけだが)

 ちなみに番付1位Moulin de Carelで、16.5点。4.65ユーロ。Augeという町にたった一つ残る小さな乳製品加工場で作られているものだとか。
 Jortはわずか7人の工場で作られており、こちらも”手作り”。なので、この価格?と少し納得。

 
 ※カマンベールは年間109,900トン、Camembert de Normandie AOCは12,600トンが生産される。両者の違いは大きさより、むしろ、使われる牛乳。lait cru(生乳?)と言われる37℃以上に温めない牛乳はmicroflore(細菌叢)が豊かで、これが決定的な味わいの差を作るのだと言う。
 1個のカマンベールに使われる牛乳は2リットル。直径11㎝、厚さ3㎝、重さ250g以下。世界中で生産されているが、AOC指定されているのはカルバドスなどノルマンディ地方の町だけ。「皮を食べるか、食べないか」。フランス人の間でも議論されるテーマらしいが、専門家の答えは"Oui"!

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2006年4月18日 (火)

ブルターニュ、満喫なのだ。 -Les Maisons de Bricourt-後編

R1  ホテルから迎えの車でレストランへ。

 20時前なので、光が差し込み、まだ明るい店内。「お昼間に来たら、さぞ気持ちが良いだろう」と想像する。

 まずは、シャンパーニュ。熱した石に載ったアミューズをいただきながらメニューを眺める。ベットラブのチップス、一口サイズに巻かれたガレットがおもしろく、気が散って、メニュー選びはなかなか進まない。

 
 アラカルト、Une Expression de la Bretagne、Une Image du pays Malouinというムニュがある。
 ”伝説のオマール”が出るのはUne Image du pays Malouin。Pays MalouinとはカンR2 カル、サン・マロ一帯の地方のことらしい。

 オマールを単品で食べてみたかったが、ムニュならテーブル全員で、とのことであきらめた。

 ”時と風によって創り出された”と副題のついたUne Image du pays Malouin。海の幸、山の幸満載のムニュは以下の通り。忘れてしまった部分が多く、すみません。R3(注:写真はクリックすると、大きくなります)

 貝ガラに盛られた3種(写真上)。オマールのビスクとか、そんな感じだったが、ほんのちょっとの量のせいか、正直、よくわからなかった。

 サン・ジャックのお刺身、フルーツソースあえ。お皿が縦に置かれ、驚く。海苔とか、キュウリの切り方とか、和風なプレゼンだ。

R4

 トコブシ、エビ、はまぐりがぽつんと入ったお皿に、ブイヨンを注いでくれる。潮の香りがプンと立ち上る。

R5

                                                                        

 Huitres tiedes, jus d'herbes des falaises,graines lointaines et sarrasin(温かいカキ、断崖のハーブ?のジュ、ソバと穀物添え)。先週号のFigaro Scopeでもポップコーンや麦など穀物を使うレストラン特集をしていた。今、流行の食材なのだろうか?

 そしてこれがオマール。R6

 Homard en deux services au vin de xeres, piment et cacao dans l'esprit du ⅩⅨe siecle.(オマールの2種ソース、シェリー風味と唐辛子とカカオ風味。19世紀のエスプリで???)
 オマールにカカオ・・・。不思議な組み合わせだが、食べてみると、カカオのコクが絶妙な調和を生み出しているのに気づく。ぺロッと食べてしまい、「アラカルトで頼めばよかった」と後悔しても、もう遅い。

R7

Turbo en blanc, amandes, pavot, sesame, pamplemousses confits et pousses germees a la Maison(白く煮たヒラメ、アーモンド、ケシ、ゴマ、グレープフルーツのコンフィ、自家製の新芽)。 R8

                                                                                                                         

 子羊。これも縦のプレゼンテーション。

R9

                                                                        

 フロマージュのワゴン登場。ローカルのR10チーズを選んでもらう。長い舌のようなビスキュイ?と一緒に。

 

 デザートいろいろ。リンゴのミルフィーユ仕立て。

                                                                         R11_1   

飴がきれいなアイスクリーム。

 

 

スパイスR12の箱に盛られたスウィーツを、コーヒーとともに。お茶は鉄瓶でサービスされる。

 最後にお猪口みたいな容器に入ったアボカドのスープ?とパッション・フルーツ入りの温かい飲み物・・・。R13

                                                                          

 

 予想より、スパイスづかいは控えめ。あくまでも、素材や料理を引き立てるために効果的に使われている感じ。

                                                           

 パリの三ッ星に比べ、サービス、プレゼンテーション、食器など、洗練性では若干劣る気がするが、ブルターニュの滋味豊かな食材を生かした皿の数々は、パリから足を伸ばす価値は十分ある。スタッフも気取らず、とても感じが良い人たちだった。

 
 気がつけば、12時前。

 満席だったが、常連なのか、アラカルトで注文し、サクサク帰っていく人が多く、残っている客もまばらだ。リゾート地らしく、カジュアル・シックな人が目立った。春のバカンスの初日だったからかもしれない。

 ローランジェ氏が見送りのために登場したので、持参したミシュラン(もちろん2006年版)にサインしていただいた(←ミーハー)。

 レストランのHPにアップの顔写真が多用されているので、「ナルシストだったらどうしよう?」と心配していたが、意外に小柄で、物腰柔らかな素敵な方だった。余計なことばかり話し、お祝いの言葉を忘れてしまった・・・。

 この場を借りて、三ッ星昇格、おめでとうございます。またオマール、食べさせてください。今度は単品で!
 
 
  ○Les Maisons de Bricourt

  1,rue Duguesclin
    35260 Cancale
    TEL:02 99 89 64 76
    FAX:02 99 89 88 47
    http://www.maisons-de-bricourt.com

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2006年4月14日 (金)

もはや”伝説”のオマール -Les Maisons de Bricourt-前編

 ミシュラン2006年版で、悲願のというか、ようやく三ッ星を獲得した、ブルターニュ地方Cancale(カンカル)の"Maisons de Bricourt"”スパイスの魔術師”と形容されるシェフ、オリヴィエ・ローランジェのレストランだ。Galette

 三ッ星獲得前から、複数の食通の方から「一番行きたい店」と薦められていた。全員が「Homard au piment et cacao(オマールの唐辛子とカカオ風味)が素晴らしかった・・・」とうっとりして語るのだ。

 さっそく予約を取ろうとした時は冬季休業中。モタモタしているうちにどこかの新聞が”三ッ星確定!”をすっぱぬき、電話をしたときはすでに遅く。週末は夏まで満席になってしまっていた。

 恐るべし、ミシュラン・パワー。

 この半年余りで私のなかでは、もはや”伝説”と化してしまったローランジェのオマール料理。こうなると、どうしても食べてみたい。でもカンカルは遠く、泊りがけでなくてはディナーは無理・・・。日程をやりくりし、なんとか月曜日の夜に予約することができた。

 パリから約400㎞余りだろうか。車を走らせ、まず、閉店間際のローランジェのパティスリー"Grains de Vanille"へ滑り込む。

Magasin  ガレット・ブルトン、クイニー・アマンなど地方菓子があるはずなのだが、当然、売り切れ・・・。仕方なく、缶入りの焼き菓子やガレット、フロランタンを買った。

 包んでもらう間、とても感じのいい店のマダムが「どうぞ」と薦めてくださったガレットのおいしさに驚く。香り高いバターの風味。「今まで食べてきたガレットは何だったの?」と思わせるほどなのだ。

 宿泊したのは3つあるホテルのうちのLes Rimains。小さなコテージだ。
 部屋には日本の旅館のようにそれぞれ名前がついているが、muscade(ナツメグ)、coriandre(コリアンダー)などスパイスやハーブなのは、さすが、魔術師。
 Baie du Mont-St-Michel(モン・サン・ミシェル湾)を臨む、眺めのいい部屋にも満足。Pdjn
 

 お部屋でいただく朝食にも、おいしいバターがたっぷりついてきた。これもうれしい。

 オマールの前に、バターですでに、大感激。

 ○Les Maisons de Bricourt
 1,rue Duguesclin
  35260 Cancale
  TEL:02 99 89 64 76
  http://www.maisons-de-bricourt.com

 ○Grain de VanilleBordier
    12,place de la Victoire
    35260 Cancale
    TEL:02 23 15 12 70
    定休日:火・水曜日

 ※Cafe Sweets(vol.41)によると、バターはサン・マロの「J.Y.ボルディエ」製だという。ディナーのテーブルにも登場。一つは海草入りです。

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2006年3月 9日 (木)

打ち上げ@LE CHIBERTA

 結果がどうであれ、試験は終わった。日本人なら、ここは”打ち上げ”しなければ。

 クラスメートと出かけたのはシャンゼリゼのLe Chiberta(ル・シベルタ)ギー・サヴォワが買収してリニューアルしたレストランだ。カルティエの角を入った道にある。

 フィガロのパリ特集で「カウンターで、料理一皿とワインでもOK」と書かれた記事がずっと気になっていたのだ。c7

 インテリアは、黒を基調にしたモダンな感じ。壁にはめ込まれたワインの瓶がおもしろい。

 コの字型のカウンターに座る客は私たちだけで、カップルはカウンターの周りの小さなテーブルで向かい合って食べている。”カウンター文化”はフランスにはないのだろうか。

 
 「ギー・サヴォワ系で打ち上げなんて、パリならではだね~」とGossetのロゼで乾杯し、メニューを決める。60ユーロと100ユーロのコースもあるが、今日は軽く行きたい。

 アントレを2つにしようかとも考えたが、魚介系が多い。数日間、自作の魚料理を食べ続けたので、魚はパスしたい。なので、友人はリ・ド・ヴォー(Noix de ris de veau)、私は牛肉の塩皮包み(Filet de boeuf Simmenthal en croute de sel)にした。

  ワインは、重めが好きな友人に合わせ、選んでもらったChateau de Fonbel

 c1お店の人によれば、フィガロ他、日本の媒体で紹介された効果で、日本人客は少なくないとか。

 アミューズは小さなグラスに入れられたジャガイモとポワロ葱のスープ。パンに添えられたバターは海草入り。

c2 注文していない、ハーブの天婦羅がのっかったラングスティーヌとニンジンのスープ(creme de langoustines et carottes)は、「コルドンの試験、お疲れ様」とシェフからのプレゼント。気が利いている。打ち上げにふさわしいサービスだ。

c3  塩皮包みはまず、写真左の状態で登場。実はこの日の試験で”鯛の塩皮包み”に挑戦し、大失敗したのだ。5、6種類しかないメニューにこの料理法があるのも何かの縁だろう。反省の意味をこめて注文した。c4

 その後のプレゼンテーションはこれ(写真右)。

                              c5                                       

 友人のリ・ド・ヴォー。ボリュームがある。

 ソースは、先日、ブキニストで食べたソースと同じ、甘辛いような味。ギー・サヴォワで食べたハトの腿肉にからめられていたのもこんな感じだった・・・。味の記憶が蘇る。これがギー・サヴォワの味なのだろうか?

 グラス・ワインを追加して、フロマージュを食べているうちに満腹になった。”軽く”のつもりが、結局、しっかり食べてしまった。

 コーヒーとプチフールをつまんでいると、満席だったレストランの客席もまばらに。c6

 だらだらと過ごしてしまったようだ。日本のワインバーで飲んでいるような錯覚におちいる・・・。

 居心地がとても良かった。試験で失敗して落ち込んだ気持ちも吹っ飛び、打ち上げは大成功。

 また来よう。次は本当に”軽く”!

○LE CHIBERTA
  3,rue Arsene Houssaye
  75008 Paris
  Tel:01 53 53 42 00
  Fax:01 45 62 85 08
  metro:CH.DE GAULE ETOILE/GEORGE Ⅴ
 http://www.lechiberta.com/fr/chiberta/chiberta.html
 

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2006年3月 7日 (火)

ナポリタン? イタリアン?

 雑事で忙しい日曜日。
 
amatorichana  イタリアのおみやげにいただいたパンチェッタ(塩漬け豚)で、簡単にアマトリチャーナを作った。

 つぶしたニンニクをオリーブオイルでゆっくり熱し、香りを出す(焦がさない!)。赤唐辛子も加える。
 拍子木切りにしたパンチェッタ(ベーコンで代用可)とタマネギをいため、作り置きしていたトマトソースを加えるだけ。
 食べるときに、おろしたてのペコリーノ(パルミジャーノでも可)をたっぷりかけて。

 ローマ北部のアマトリーチェ(Amatrice)という町で生まれた「アマトリーチェ風」という意味で、ブガティーニ(穴のあいたロングパスタ)で食べるのが一般的だとか。(参考:http://tomato-and-basil.com/recipe/172.html

 作るたびに思うのだが、このパスタこそ、日本が誇る洋食の味、そしてイタリアには存在しないパスタ、”スパゲッティ・ナポリタン(イタリアン)”の原型では? 

 ”ナポリタン”か”イタリアン”か。「ナポリタン!」(扶桑社)という本が出ているくらい議論されているテーマ なので、私の推測はたぶん違うのだろう。ちなみに私は”ナポリタン派”。

 ピッツァ・ナポレターナ(ナポリ風ピッツァ)は有名だが、ナポリ風パスタは見たことがない・・・? これも不思議。

 調べてみると、アマトリチャーナにも原型があった! 

 グアンチャーレという豚のあごやほほ肉の塩漬け肉を使った、トマトソースなしのアマトリチャーナ、”ブカティーニ・アッラ・グリッチャ(Bucatini alla Gricia)”が、本物のアマトリチャーナらしい。 (参考:http://allabout.co.jp/gourmet/cookingmen/closeup/CU20060208A/) イタリア料理研究家 ヴィンチェンツォ・ブオナッシージ氏の著書『新パスタ法典』からの引用まで・・・。

 カルボナーラしかり。(過去記事「カルボナーラ。生クリームの謎。」を参照ください。http://farafel.cocolog-nifty.com/escargot/2005/11/post_6162.htmlpanceta

 イタリア料理はいろんなところで形を変えて(あるいは、間違って!)広まっているようだ。

 私としては、トマト味も十分おいしいので、どちらでもいいのですよ・・・。

※パンチェッタは脂が多い種類だったので、薄めにスライスした。脂の独特の香りに食欲が増す。今度はカルボナーラにしよう!

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2006年2月26日 (日)

ブランチに行きませんか?

 依然として、最終試験のメニューが決まらない。

 立ち読みして参考にしようと、ラファイエット・メゾンの食関連書籍売り場へ行った。久しぶりに訪れたのだが、以前より冊数、種類ともに充実しているので驚いた。hon

 ちょうどサイン会が行われていた。

 『Le Guide du BRUNCH a Paris(パリのブランチ・ガイド)』Philippe Toinard(フィリップ・トワナール)氏だ。

 パリのパン屋探訪本として、日本人のパン愛好家の間にも根強い人気の『Le Guide des BOURLANGERIES de Paris』と同じ出版社、Les Editions de L'Ifから発刊。

 トワナール氏はフード・ジャーナリスト。ブランチのサービスがあるパリの200軒のレストランを約1年間かけて取材、採点。

 すべて自分で支払ったというから、信頼できる情報といえるだろう。

 著者によるブランチ格付けを紹介すると、三ッ星は、Murano Urban Resortとホテル・クリヨンのLes Ambassadeurs

 二ッ星はLe RitzPark Hyatt Paris-VendomeLes EditeursLe pershing Hall

 ムラーノは、そこでスタージュをしていた友人から評判を聞いていたが、その通りのようだ。

 区別に紹介されているので、家の近所のブランチ事情もわかる。

 J.P.エヴァンによるLe Vrai Chocolat Chaud(本物のホット・チョコレート)など、ブランチ料理のレシピも掲載。

author   ほとんどの店が11~12時くらいから。日曜日はいつもマルシェと決まっていたが、このガイドを片手に、ブランチに出かけてみよう。

                                

 ※「取材は大変だったでしょう?」と尋ねると、「仕事ですから」とトワナール氏。週3回はブランチを食べたとか・・・。

 サイン本には「この本で、日曜日朝のシュクレ・サレ(甘味、塩味)を味わって。週末を楽しもう!」(うまく訳せない・・・)というメッセージが。

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2006年2月25日 (土)

スペイン料理に”萌え”!? -Le Fogon-

 スペイン料理店、Le Fogon(ル・フォゴン)にコルドンの友人4人で出かけた。F1
 
 『料理王国』1月号「料理人が気になる店」特集で、アストランスパスカル・バルボー氏が推薦していたレストランなのだ。

 ご存知の通り、アストランスは2つ星で、3つ星より予約が取りにくいと言われる大人気のレストラン。バルボー氏が”足しげく通う”レストランなら期待できると思ったのだ。

 しかもエール・フランスの機内誌『AIR FRANCE MADAME』110号でも「パリ一番のスペインレストラン」として、味、店の雰囲気、どれをとってもパーフェクトと紹介されていた。期待は高まる。

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 昨年9月に引っ越したばかりという店は白と木目を基調にしたモダン、かつ温かい雰囲気。ほの暗い照明もいい感じ。リーデルの新シリーズのような、ステムのないワイングラスなど、グラスも趣味がいい。テーブルにはそれぞれ引き出し(!?)がついていて、そこにカトラリーが準備されている。小さな麻袋が配られ、驚くと、パンだった! 舞台装置だけでも、すでに気に入った。

 40ユーロのコースなら、テーブル全員同じものを頼まなければならないとのことで、パエリャが食べたかった友人には我慢してもらう。店のスペシャリテだったのに。この場を借りて、ごめんなさい。

f3 季節のタパス(Tapas au marche)がさっそく運ばれてくる。

  シンプルな角皿に盛られたタパスが目の前に並べられると、うれしくなり、激写大会、開始。タパスの一つが運ぶ途中で倒れると「これは撮っちゃだめだよー」とスタッフ。

 ひとつひとつが凝って作られているので、説明してくれる端から何だったのか忘れてしまうほどだ・・・。

f4 料理王国の記事によれば、シェフはエル・ブリフェラン・アドリアとも交流があるそうだ。なるほどとうなづけるプレゼンテーションの美しさ。

 タパスの後、牛肉のステーキ/アンチョビとオリーブの ペーストのせや、ヒメジのソテー、メカジキとアーティーチョークのプランチャ(スペイン風鉄板焼き)などが次々と出てくる。

 大きめの皿に盛られたのを自分で取る、”居酒屋”スタイルもパリでは珍しいのでは。

f6 イカ、貝、魚などをチョコチョコと摘んでいると、魚介が醸し出す”うまみ”だろうか、懐かしささえ感じる。モダンながら、ホッとする味わいだ。

 コルドンで作る”重め”のフレンチから解き放たれ、おいしいスペイン・ワインを片手に楽しく過ごし、食後酒付の3種のデザートもぺロリ。

 訪れた夜の年齢層は高め。「地球の歩き方」にも掲載されているからか、日本人も少なくないとか。

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 ○Le Fogon
    45,quai des Grands Augustins
    75006 Paris
    TEL:01 43 54 31 33
    metro:Odeon/St.Michel
    休:月

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2006年2月23日 (木)

おいしいバスク。⑤

⑤チョコ発祥の地って、知ってた?

 バイヨンヌはフランスで初めてチョコレートが作られた場所なのだとか。言わば、フランスにおける”チョコレート発祥の地”

choco2 1519年にコルテスがメキシコを征服した際に持ち帰ったカカオは、疲労回復にきく薬効のあるものとして、まずスペイン、ポルトガルに広がり、17世紀にバイヨンヌ及びフランス南西部に伝わったという。

 最初は王族など限られた人のもののだったが、18世紀半ば、チョコレート作りはヨーロッパに広がり、バイヨンヌとバスク地方のスペシャリテとなったという。

 だからなのか、バスクの街にはチョコレートの店が目立つ。お菓子もチョコレートを使ったものが多い気がした。

 バスク語ではTxokolateと書く。

 1854年創業のChocolat Cazenave(ショコラ・カズナブ)の板チョコは、カラフルなパッケージが気に入って、何枚もおみやげに買ってしまった。今の時代でも昔と変わらず、カカオ豆の状態からチョコレートをきちんと手作りしているそうだ。

cazenave  chocolat noirを食べてみた。タブレットの型が小粒でかわいい。

 濃厚で、とろけるような"今どき”のチョコレートと違い、甘さがまず際立つ。舌ざわりも若干ざらつくような。パッケージ同様、素朴な味わい。150年前のチョコレートはこんな感じだったのだろうか?などと想像しているうちに、口の中で溶けてしまった。

 1世紀以上変えていないというクラシカルな装飾のサロン・ド・テでは、ショコラ・ムスー(Chocolat Mousseux)という名物のショコラ・ショーを飲むことができる。牛乳に板チョコを溶かし、木の棒で泡立てるのだとか。

 hon『Chocolat Basque』(Editions du Quai Rouge)という本を見つけた。チョコレートの歴史、チョコレートを使ったバスクのお菓子のレシピが満載。もちろん、フォンダン・ショコラなど普通のレシピもあるし、チョコを使った料理(イカのチョコソース!)のレシピもある。

 バスクにこれほどのチョコレート文化があったとは。知らなかった!

 ○CHOCOLATS CAZENAVE
  19,Arceaux Port-Neuf
    64100 Bayonne
    TEL:05 59 59 03 16

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2006年2月17日 (金)

おいしいバスク。③

fro3③Fromage de Brebis(ブルビ・チーズ)

 お昼間にお菓子を精力的に試食したので、夕食のデザートはフロマージュにした。

 訪れたレストラン。その2軒とも、メニュにあったのは、たった一つ、Fromage de Brebis(雌羊のチーズ)だった。

 薄くスライスされたブルビに、チェリーやイチジクのジャムが添えられている。素朴ながら、ナッツを思わせるこくのある味わい。その柔らかな塩気とジャムの甘さのバランスがいい。若いのも、熟成させたものも、それぞれ味わい深い。これは買って帰りたい。

 マルシェで売られているのも、熟成期間やピモンがまぶされていたりといった多少のバリエーションはあるとはいえ、ほとんどがこのブルビ・チーズ。

fro4 『チーズ図鑑』(文藝春秋編)で調べると、Brebis des Pyrenees(ピレネーの”羊”)と総称されると言う。この地方のフェルミエ(農家)製は「山のチーズ」とか「羊のチーズ」と、特に名前をつけないものが多いのだとか。

 羊の搾乳量は少ないため、生産量も少なく、ほとんどが現地で消費されてしまうと言う。パリでも結構高いというから、日本で買うといくらなのだろうか?

fro6 さんざん試食させてもらい、ねっとりした感じがおいしい、4カ月の若いものと、熟成が進んだフェルミエ製をひとつ買った。

 近くの街、Uzosの有名ジャム職人、フランシス・ミオ(Francis Miot)の店をサン・ジャン・ド・リュズで発見。「Cerise Noire(ブラックチェリー)」はパリでは見たことがない”レアもの”。

 うれしくて、つい買ってしまったが、ビアリッツ空港でもチーズとちゃんと一緒に売られていた。

 ○Francis Miot 
  69 rue Gambetta
  64500 St Jean de Luz
  05.59.85.36.12 
  http://www.feerie-gourmande.com/

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2006年2月15日 (水)

おいしいバスク。

①Gateaux Basques(ガトーバスク)

gateauxbasque  週末、Pay Basqueと呼ばれるフランスのバスク地方に行ってきた。 フィガロ・ジャポン新年合併号の「フランスの田舎町へ。」に触発されて。
 掲載されていたレストラン「Le Kaiku」では、「フィガロを見て来たの? パリからでしょ?」と訊ねられた。すでに6人の日本人がやって来たという。

 あいかわらず、フィガロの旅特集の動員力はすごい。同じく掲載されていたアルザス特集(かなりの充実度)を読んで、すでに何人が足を運んだのだろう?

basque バスク地方はフランス南西部、ピレネー山脈に迫る、スペイン国境に近いエリア。バスク語という独自の言語が話されている。「A 」の上部に横位置の棒をつけたような、特徴のある活字もかわいい。

 前置きが長くなった。

 バスクと言えば、Gateaux Basques(ガトー・バスク)。 バターと砂糖を使った生地の中に、カスタードクリームや地方の名産、サクランボのジャムが入っている。

vitrine 
 この地方を代表する菓子だけに、どのお菓子屋さんでも店頭に並べられていた。

 写真上・右上はSaint Jean de Luz(サン・ジャン・ド・リュズ)ETCHEBASTERのガトー・バスク(1人用)。
 外側はサックリ。内側はしっとり。甘さ控えめのクリームがおいしい。サクランボのジャム入りは、ほのかな酸味がバランスよく、パクパク食べてしまった。

 
 以前、バスクを旅した友人が強力に勧めてくれたのは、Bayonne(バイヨンヌ)L.Rauxガトー・バスク・ショコラ。見た目はガトー・ショコラっぽいが、中にはチョコレートカスタードクリームが。甘さ控えめで、ぺロリと食べてしまった。gateauchocolat

 素朴。でも危険なお菓子だ・・・。

 ○ETCHEBASTER
    42,Rue Gambetta
    64500 Saint Jean de Luz
    TEL:05 59 26 00 80

 ○L.Raux
    Face au parking des Halles (注:マルシェのパーキング向かいって住所、アリ!?)
  64100 Bayonne
  TEL:05 59 59 34 61
    FAX:05 59 25 69 98

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2006年2月 6日 (月)

オマール君、登場。

 コルドン上級コースも、後半戦へ突入。homardkun
 
 この日のお題は、オマール

 Tornedos de Homard Roti, Courgettes Fleurs au Risotto, Puree de Fenouil(オマールのロティ、トゥルヌドー・スタイル、ズッキーニの花のリゾット添え、ウイキョウのピュレ)を作るのだ。(注:料理写真はすべてシェフが作ったものです)

 中級の時にオマールのアメリケーヌ(Homard a l'americaine)を作って以来の対面。土曜日ということもあり、実習室も和やか。オマールを持って記念撮影をしたり。

 普通の日でも、生きた甲殻類を調理する実習室は賑やかだ。

 初級の時はetrilleという大西洋、英仏海峡の海岸で取れるワタリガニの一種でビスク(魚介類のポタージュ)を、中級ではザリガニ(ecrevisses)ナンチュア・ソース(Sauce Nantua)を作った。隙あらば、カサコソと逃げ出そうとする”食材”に手を焼いたものだ。
 うっかり指を挟まれた生徒もいたし、奇声に「なんだ、なんだ」と隣の実習室から見物人が来たり。「どうしても触れない」と実習を休んだクラスメートもいた。

 アメリケーヌの時は、初めて生きたオマールを料理するので、わくわくしていたのだが、包丁を入れると激しくビクビク動くのは知らなかった。身の部分を切ろうとするたび、甲羅の間に指を挟まれて痛かった! それくらい動く。今回は、オマールに竹串を通し、沸騰した湯で茹でたので、大丈夫。

 オマールといえば、ブルターニュ産。そのブランド力は日本でもかなり高いのでは。

 アラン・デュカスGrand livre de Cuisineを開くと、実に38ものHomard (ほとんどがbreton/ブルターニュ産と指定付)のレシピが掲載されている。これは他のどの食材よりも多い。

 デュカスもほれ込む、リュクスな食材といったところか。

 ブルターニュ地方! モン・サン・ミシェルさえ行ったことがなく、未踏の地なのだが、実は今、一番行ってみたいレストランがカンカル(Cancale)にあるのだ。

 Jane & Olivier RoellingerLes Maisons de Bricourt。信頼できる食通の方(3人)がそろって絶賛していたのだ。スパイス使いに特徴があり、とにかくすばらしい、らしい。パリから足を伸ばす価値はおつりが来るくらい十分ある、らしい。

 サイトで、メニューを見てみよう。
 
 アントレにオマール発見。Petit homard cuit à la commande aux saveurs de "l'île aux épices" が2人分で82ユーロ。プラはHomard en deux services au vin de xérès, piment et cacao dans l’esprit du XIXè siècle 。キロあたり148ユーロとあり、その価格は他と比べ、やはりぐっと高めだ。

 ムニュだと、Image du Pays Malouinという一番高いコースにだけオマールは登場。Homard au piment et cacao という皿だ。

 やっぱり、産地でも特別扱い。これは、現地で食べなければ!

homard1  そんな大それた、贅沢な食材を、こんな”ど素人”の私が調理して良いのだろうか~? さっきまで生きていたくらい新鮮なのに、そんなに火を通していいのだろうか~?と遠慮しながら茹で、殻が赤くなったとたん引き上げたので、中はほとんど生だった。

 殻から身をはずし、ソテーするのだが、やはりこちらも控えめになってしまう。こういうところに”日本人根性”が出てしまう。

 案の定、スライスすると中はほとんど生だったので、あわてて一部を焼きなおすはめに。

 シェフには「サシミ風と、火が通ったのと2種類を作りました」とごまかしたが、サシミ風は食べてもくれなかった・・・。

 イタリアンぽい皿だったことだし、homard2”カルパッチョ風”と言えば良かった?

○Les Maisons de Bricourt
  1, rue Duguesclin, 35 260 Cancale
  Tel:02 99 89 64 76
  Fax:02 99 89 88 47
  残念ながら3月の11日まで休業中。春になったら、海を見がてら行きましょう。
  http://www.maisons-de-bricourt.com/index.htm
 

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2006年2月 1日 (水)

Crumble sale(塩味のクランブル)が気になって・・・。

  たまたま入ったオデオンのレストラン、Les Editeurs。月曜日のお昼だからか、編集者のような、きりっとした着こなしの人が多い。本棚があったり、アーティストのポートレートが所狭しと飾られ、ある意味、ちょっと独特な雰囲気の店だ。

crumble  アントレのメニューに見つけた”Crumble de Légumes Tiède, Sorbet Tomate(温かい野菜のクランブル、トマトのソルベ添え)”を迷わず注文した。

 最近、crumble saleが気になっているのだ。

 コルドンで、デザート"Crumble aux Framboises, Sauce Caramel Choco-Framboises(フランボワーズのクランブル、チョコ・フランボワーズのキャラメルソース添え)"を習ったとき、シェフが教えてくれたのが甘くない、塩味の、crumble sale

 その日はバター、小麦粉、砂糖のほかにアーモンドパウダーを使ったクランブルだったのだが、「アーモンドパウダーの代わりに、パルミジャーノを使って。フランボワーズを、トマトコンフィに」

 クランブルはお菓子、とばかり思っていた私には、とても新鮮だった! 塩味のクランブルがあるなんて!

 クランブルの本も見つけた。タイトルも『crumbles』(MARABOUT)hon2 写真はもちろん、Akiko Idaさん

 日本だとリンゴのクランブルが主流だが、coing(カリン)fruit rouges(フランボワーズやグルゼイユなど赤い実のフルーツ)、、ラベンダー風味のアプリコットなど珍しいルセットが。

 塩味(sale)では、ズッキーニニース風インディアンオリエンタルなど。クランブル(miette)にはフェタチーズカシューナッツクルミなどが。おもしろい!

 「こつ」のポイントが書いてあるが、私が注目したのは、「余分な汁気(Exces de jus)」。水気が多く、カリッとしたクランブルにならず、失敗したことがあるからだ。コメ、ビスケット、タピオカ(甘いほうならば)、スムール(クスクスの粉)などを具とクランブルの間に使うといいとある。

 それからクランブルの材料、特にバター冷たく冷やして。できたらフードプロセッサーは使わず手でまぜ、そぼろ状に。一度休ませて、とある。

 
 肝心のLes Editeursのクランブル。crmblesucre

 オーブンから出したばかりの熱々で、松の実が香ばしく、おいしかった。「再現できるかな~」と想像しながら食べた。プラに羊を食べたというのに、デザートもやっぱり”Crumble Pomme Rhubarbe,Glace a la Cannelle(リンゴとルバーブのクランブル、シナモン風味アイス添え)”にしてしまった! 熱くてサクサク、な食感に弱いのです。  

○Les Editeurs
 4, carrefour de l'Odeon - 75006 Paris
 Tel. : 01.43.26.67.76
  metro:Odeon
 http://www.lesediteurs.fr/

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2006年1月19日 (木)

アルマーニ先生のお料理教室

  今日は珍しくコルドンが休み。ゆっくりすればいいものを、おけいこへ出かけた。しかも料理教室。パスカル・アルマーニ(Pascal Alemany)先生によるフランス料理だ。

 アルマーニ先生は、ご存知の方もいらっしゃると思うが、日本在住が長く、日本でもフランス料理教室を主宰なさっていらっしゃった方。著書に『卵の料理とお菓子-フレンチ・カントリー』(文化出版局・現在は絶版)がある。現在はパリ在住で、年に何度か日本でもお料理教室を開催されているそうだ。

ale1 アルマーニ先生は自宅のキッチンで、前菜、メイン、デザートをテキパキと日本語で説明しながら授業を進める。
 
 教わるお料理は、入手しやすい材料で簡単にできるものが中心。パイシート、赤い実のフルーツなど、フランスの有名な冷凍食品チェーン「PICARD(ピカー)」の商品もよく利用する。フランスの主婦は冷凍食品をよく使うから、ナウな(!)、”実勢”のフランス家庭料理とも言えるだろう。

 今日のメニュー。
 アントレ:Fondant D'aubergine Au Curry(とろけたナス、カレー風味)
 プラ:Crumble De Poulet(鶏肉のクランブル)
 デセール:Croustade De Pommes Au Calvados par Philippe Batton(リンゴのクルスタード、カルバドス風味/フィリップ・バトン氏のレシピ)

al2  ナスは先生がロブションのキッチンでスタージュした時に見て、参考にしたレシピ。デセールは日本で活躍するシェフ、バトン氏に教わったレシピだそうだ。

 家庭料理と言っても、低脂肪のクリームを使ったり、スパイスをきかせたり、グラン・シェフのレシピを取り入れたりと、オリジナル度は高い。しかも作るのが簡単なのだ。

al3 コルドンの料理もいいが、フランスの家庭料理も、私には大切。日本に住み、会席料理だけを習って、肉じゃがやおでんの作り方を知らずにいるようなものだ。

 なにより、食材ショップアドレスはもちろん、食にまつわるエピソードや、習慣といったフランスの”食文化”の話を聞くことができるのが、本当に楽しみなのだ。

○アルマーニ先生の料理教室 問い合わせ先
  
(日本語ならローマ字で)
  Pascaldekersenan@aol.com

 ○PICARD
  http://www.picard.fr/

 ちょっとつぶやき。

hon 10数年前。雪印乳業の広報誌『SNOW』(今もあるのだろうか。とてもいい雑誌だった)に掲載されていた「卵のココット、スモークサーモンとイクラのせ」に目が釘付け。アルマーニ先生によるものだった。それが出会い。

 著書『卵の~』には、卵をたくさん使って作るフランス風オムレツ、棒状に切ってバターをたっぷり塗ったトーストで食べる半熟卵「ウフ・アラ・コック」・・・など、レストランでは食べられない、未知のフランス家庭料理を紐解く大切な資料となった。

 月日は経ち、なぜかフランスに住んでいる私。先生のお料理教室に通えて、感激だ・・・。

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2006年1月18日 (水)

注目の人 ―Akiko Ida―

 エール・フランスの機内誌(no.104)に載っていた写真を見て、「あ、見たことがある!」と思った。aki1

 そこにはお菓子版”マン盆栽”の世界が広がっていた。

 チョコレート仕立ての炭鉱で働く作業員、雪に見立てたスプーンの上のグラニュー糖の山に不時着するスキーヤー。ドーナッツの険しい山道を登る自転車競技者。それに、クレーム・ブリュレを火事現場に見立てた消防士たち。

 記事を読み進むと、ずっと注目していた日本人写真家のAkiko Idaさんと、Pierre Javelleさんによる作品だった。

 私がIdaさんの写真と出会ったのは、写真展ではなく、キッシュ(Quiche)のバリエーションを探しに行った、書店の料理書コーナー。

ak3  一点にピントを合わせ、あとはかなりぼかした感じの食べ物の写真は、見るからに「おいしそう!」。キッシュの本はほかにもたくさんあったが、Idaさんが写真を手がけた『Quiches, cakes & compagnie』を悩まず選んだ。それ以来、注目の人、なのだ。

 冒頭に紹介した、食をモチーフにした物語仕立ての作品もおもしろい。

 そして何より、数あるレシピ本の中でも”売れ筋”の人気の本の多くに、日本人の写真家、Idaさんの名前を見つける誇らしさ。

 フランスの週刊誌L'Expressのサイトで見つけた特集記事などによると、Idaさんは群馬県出身。72年生まれ。東京芸大、パリ国立装飾大学写真科を卒業後、男性が主流だった「食の写真」の世界に飛び込み、めきめきと頭角を現し、28のベストセラー(主にMarabout社から)を世に出した。今ではフランスと米国で活躍する食のフォトグラファーだ。

 記事を書いた記者は「彼女のスタイルは、純粋で、かつ官能的」と評する。Idaさん自身、「素のまま、自然のままにこだわって撮る。お菓子のテクスチャー、木のテーブルの古びた感じ、散らばったお菓子の屑さえも」と語っている。人工的な加工は行わず、ポラロイドも使わず、アシスタントも最小限で、自然光の中で撮るのだという。(参考文献:http://www.lexpress.fr/mag/saveurs/dossier/chefs/dossier.asp?ida=425994

aki2 

 こんなに活躍していらっしゃるのだから、「情熱大陸」あたり、すでに出演されているのだろうか? もし日本逆デビューがまだなら、強力に推薦いたします。

 私のブログは食べ物中心なので、食べ物の写真を撮ることは多いが、所詮、シロウト。おいしそうな食べ物を前にしているのに、そのシズル感や食べ物の持つ温度、匂い、雰囲気は、悲しいほど写ってくれない。どれも冷たく冷めてしまった感じ。撮る人が違うと、こんなにも変わるのだ・・・。

 とりあえず、今、私は”作るほう”の側にいる。いつか、こんな素敵なカメラマンの方に撮っていただける皿を作れるよう、がんばろうと夢を見る。

 ま、取り急ぎ、三脚と照明を買って、自分で練習をしたほうがいい・・・とも思う。

 ○Akiko Ida(井田晃子)さんの公式HP http://www.c-channel.com/c02050/

 

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2006年1月14日 (土)

こんなの便利です。

 コルドン上級コースの2週目はあっという間に終わった。

 1日3コマ、そのうち実習が2コマの日があった。帰宅したのは22時。足がパンパンにむくみ、翌日も疲れがとれない。ぐったりしていると、「本当のキッチンはもっと大変だよ~」とシェフ。

 そうなのだ。卒業後、スタージュという研修をしている友人たちの生活はハードだ。1日15時間くらい働くのは珍しくない。「帰っても寝るだけ」という、やはりハードに働く友人は、なぜか靴下にしょっちゅう穴があくという。以前見たドキュメンタリーでは、レストランに泊り込み、仮眠をとるシェフたちの様子が映し出されていた。

 華やかなレストランの舞台裏。そこはまさしく”戦場”なのだ。20代後半の若いシェフが采配を振るう店が多いのも納得。創造的である前に、体力的にも精神的にも強くなければ。books

 「あと10年早く料理を勉強すれば良かったなー」と後悔して も仕方がないので翌日の予習・復習をする。

 食に関する語彙はさすがに増えたとはいえ、ルセット(レシピ)の中に登場するソースの名前や食材で「?」なものはたくさんある。普通のフランス語の辞書でもわかる場合もあるが、『フランス料理用語辞典』(白水社)ならソースや料理の由来やそのバリエーションの説明がある。

 そのフランス語版が”Mots de cuisine(料理用語)"。調理法・調理器具の部と食材の部の2部構成で、項目は少ないが、辞典に載っていないのでこちらで探すとある、というケースもある。簡単なルセットも収容されているし、イラストが素敵だ。

 それからピエール・ガニェールとのコラボで有名なエルヴェ・ティス博士の「フランス料理の「なぜ」に答える」(柴田書店)を読んで、授業で聴いたシェフの説明を補足してみる。化学用語ばかりで難しいけれど、拾い読みしているとなんとなくわかった気分になる(ホント?)。

 ガニェール、エル・ブリのフェラン・アドリアを中心とした化学的なアプローチの料理はまだまだ続きそう。

 これからのシェフは体力・気力・発想力に加え、化学的知識も求められる? こちらも「もっと勉強しておけば良かったなー」なのだが。

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2006年1月 8日 (日)

パリみやげ ―スーパー編③―

③内外価格差大!?なBonne Maman 

 わかってはいたが、一時帰国してみると、「日本には、なんだってある」ことを再認識。帰国するたびに「もう、これもダメ~、あれもダメ~」と、選択肢が減っていく。

 「おみやげ、どうする?」 。いまや、帰国時に持ち帰るお土産を何にするのかは、在仏邦人の深刻な問題だ(大げさ)。bonnemaman

 初心に戻って、BRUTUS「手みやげ」特集を手に取り、”手みやげのたしなみ5箇条”を読む。

 その中の2つを。

 「一、相手を喜ばせたい一心こそ肝要なり。」

 「一、手みやげは自分を表現する作品でもある。」

 スーパーの食材、そのあたり弱いかもしれない。

 でも、スーパーの良さは価格にある。”たしなみ”を心に留めつつ、内外価格差の大きいものを!という視点で探してみよう。

 例えばこのBonne Maman(ボンヌ・ママン)のタルト。ジャムでおなじみだが、ジャムは重いのでパス。

 庶民的なスーパーのビスケット売り場にフツーに並ぶお菓子だが、赤白のギンガムチェックのコンパクトなパッケージ、フランボワーズ、シトロン(レモン)味といった感じが日本人がイメージする”素朴なフランス”っぽいのでは。

 インターネットで検索すると、楽天市場では3箱セットで1,200~1,500円くらいする。店頭ではもう少し高いのかもしれない。

 でも、フランスのスーパーだと2ユーロ程度。

 「買いたいけど、ビスケットにしては高いから、自分では買わない」的商品と言えるのでは。いわゆる、”舶来物”。

 そういう意味で、おすすめです。
 

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2005年12月10日 (土)

冬のフロマージュ、Mont D’Or

 フランスに来て、そのおいしさに驚く食材のひとつがチーズ、フロマージュ(fromage)だろう。フロマージュにも大まかにだが、“旬”があるのを、ご存知だろうか。

私が愛用している本、Guide de l’amateur de FROMAGE(日本にも出店しているMarie-Anne Cantin著)によると、ブリー・ド・モー(Brie De Meaux)なら“春の終わりから秋の終わり”まで。ピラミッドのような形のヤギ(les chevres)のチーズ、ヴァロンセ(Valencay)なら春・夏・秋、という風に。

mont_dor 冬のフロマージュと言えば! Mont D’Or(モンドール)だ。今の季節、チーズ店の店頭にずらりと並んでいる。正確には9月15日頃から店に出始め、4月15日頃店頭から消えるのだとか。

このチーズ、本名(!)はVacherin du Haut-Doubs。”ヴァシュラン”と売られていることもある。オー・ドゥというスイスとの国境近くにモンドールという渓谷があり、その一帯で作られる。AOCを取得しているが、標高700メートル以上にある生産者であることなど、地域が細かく規定されている。

やわらかいチーズなので、L’epicea(トウヒ)というマツ科の木箱に入れられているが、この木の香りがチーズに移り、独特な味わいを作っているのだという。

フランスでは、チーズ店では必ず「いつ食べる?」とたずねられる。「今晩」、「明日の昼」などによって、店の人が食べごろのチーズを選んでくれる。このモンドールも「Ce soir(今晩)!」と答えると、いくつかの表面を押して選んでくれた。

一般的な食べ方は、箱に入れたまま、表面の皮をそっと取り除き、スプーンですくってパンやジャガイモにつけて食べる。オーブンで少し温めると納豆みたいな匂いが強まって・・・。美味! 

今晩は、レストランでスタージュをしている友人が、店の方法で。室温に戻したモンドールをオーブンで温めたところに、刻んだトリュフを入れる。が、あるわけないので、トリュフオイルを少し垂らした。アイスクリームをすくうように、大きなスプーンで。赤ワインがすすみます。

5年くらい前、広尾の明治屋で、やはり年末に売られていた記憶があるが、日本では現在どれくらい知られているのだろう?

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2005年12月 7日 (水)

フォアグラ、始めました。

 クリスマス(Noelノエル)商戦が本格化してきたパリ。先週末のラファイエット周辺なんて、初詣並みの人ごみ。最近、人ごみに揉まれる生活をしていないので、ラファイエットからプランタンまで歩くだけで、めげそうになる。

P1040303  普段は財布の紐が固いフランス人、この時期だけは気前よく。プレゼントの入った大きな袋を抱えて歩いている人が多い。

  フランスのクリスマスのごちそうといえば、フォアグラ。スーパーも売り場を拡大して力を入れている。プロモーションで10ユーロだったので、ソーテルヌに漬けた半生(mi-cuit)の瓶詰めを買った。

 クリスマスにはブリオッシュと食べるのが習慣だが、今回はカリッと焼いたパンと。フルーツ系がなかったので、頂き物のチェリーのジャムを。なべ底で粗く砕いた黒コショウ、フルール・ド・セルを散らしながら食べた。

今回のフォアグラはOie(ガチョウ)ではなく、canard(鴨)のもの。ガチョウのフォアグラの最大の生産国はハンガリー。日本に入るガチョウのフォアグラの大半がハンガリー産だとか。鴨ならフランス。よりあっさりした味わいの鴨のほうが、フランスのレストランでは人気なのだとか。(参考:http://www.chefpride.co.jp/foiegras.htm)。

 ちなみに、アラン・デュカスGrand Livre de Cuisineでフォアグラのレシピを探すと14!もあり、すべて鴨を使ったものだった。

 いくらあっさりしているといっても、“脂肪肝”。1年に数回食べれば十分だと思うのは私だけではないはず。

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2005年12月 4日 (日)

仏にも“ガセビア”? ル・クルーゼの由来。

先日行ったAux Lyonnais(オー・リヨネ)の入り口で販売hon1されていた本、Le  Creuset-Le livre de cuisine-(Lec.16ユーロ)。

半年くらい前に食専門の書店、Librairie Gourmandeで購入したのだが、このレストランのシェフ、David Rathgeberが料理を担当していて、その時は「へえ~」と読んだのに、すっかり忘れていた。

本の中では、伝統料理をアントレからデセールまで、日本でhon2も人気のある鋳物ホーローウエア!、ル・クルーゼを使ったレシピが満載。ココット皿を使ったGratin d’ecrevisses(ザリガニのグラタン)、ココット・ロンドで作るChou farci braise(キャベツの詰め物)、プレート・タタンを使ったTarte Tatin(タル ト・タタン)・・・。どれもおいしそうで、どれを作ろうか、本気で悩む。

ココット鍋で調理する歴史はフランスでは19世紀初l6頭に始まったといい、伝統的なビストロには欠かせないアイテムだろう。

先日、友人が頼んだ“豚のほっぺと白いんげんの煮込み”は、ココットでサーブされていた。ココットで出された料理を見ると「あれ、ください!」と頼まずにはいられない。それだけでおいしそうに感じてしまうのだ。なので、フランスのソルドの時期、洋服には目もくれず、ル・クルーゼやSTAUB(ストーブ)の鍋を少しずつ買い集めている。固い肉も柔らかく煮えるし、熱伝導もいいし、保温性にも優れ、とても気に入っている。

フランス人にももちろん有名だ。フランス人の知人と車でブルゴーニュ地方に向かう途中、「ル・クルーゼって鍋、知ってる?」と尋ねられた。道路標識を指し、「このLe Creusot(クルーゾー)という街が発祥の地なんだよ。あの鍋はもともとル・クルーゾーと呼ばれていたんだ」と教えてくれた。 「へえ~」と私。「買うなら伝統的カラー、オレンジを」とまでアドバイスされ、友人にも得意気に教えた。

今回、ブログにその話を書こうと調べてみると! Le Creusotの街のHPには鍋の“な”の字もなく・・・。

しかも『「クルーゼ」とは、フランス語で「坩堝」を意味します。高熱でどろどろに溶かした鋳鉄を型に流し込む製法を表している「クルーゼ」に定冠詞の「ル」をつけて「ル・クルーゼ」の社名は誕生しました』とル・クルーゼジャポンのHPには説明があり、

『北フランスのエーヌ県(AISNE)サン・カンタン市郊外の小さな町、フレノワ・ル・グラン。200年以上も前から鋳物製品がつくられているこの地方で、1925年、ル・クルーゼ社は創業しました』と続く。(引用http://www.lecreuset.co.jp/

北部と中部。場所も全く違うではないか。

どうやら、“ガセビア”をつかまされていたようだ。でも他の友人も別のフランス人から同じ話を聞いたというから、フランス人に定着した“一説”なのかもしれない、ね。

Librairie Gourmande

4 rue Dante, 75005 Paris

Tel:01 43 54 37 27 Fax:01 43 54 31 16

Metro :Maubert Mutualite

     Le Creusot http://www.le-creusot.fr

     ル・クルーゼジャポンhttp://www.lecreuset.co.jp/

     Le Creuset France http://www.lecreuset.fr/

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2005年11月30日 (水)

「あの日を見つけに」

 パリに来て以来、お世話になっている大先輩が本を出版され、その出版記念講演会に出かけた。hon

『あの日を見つけに~フランスの四季、シンプルでおいしい家庭料理~』(美保・オプティ著/情通コミュニケーションズ)

 いい本です。おすすめです。

 家族が毎週集う田舎の別荘で営まれる、自然と触れ合う生活が、 鮮やかな写真を通して生き生きと伝わってくる。四季を通じて垣間見えてくる、フランス人の暮らしも興味深い。

菜園で取れた野菜、果物、肉を使ったフランス家庭料理のレシピも充実している。「乳のみ子羊と春野菜の煮込み」「くりかぼちゃのしっとりスープ」「シャツを着たにんにく(皮付きにんにくのオーブン焼き)」といったレストランでは味わえない料理の数々。

 四季の果物で作るジャムのレシピも。オランジュ・アメー(orange amere/だいだい)花梨(coingなどフランスならではのコンフィチュールがおいしそうだ。hon2

読み進むと、素朴だけれど混ざり気のない“本物”を味う生活の贅沢さ、そしてそれは彼らにとって、なんら特別のことではないということに何度もため息をついてしまう。

なんとうらやましい生活を送っている人たちだろう!

「フランスと同じように四季を楽しめる幸運な国なのに、日本人はそれを忘れがち・・・」。日本で“便利さ”“手軽さ”ばかり求めていた自分の生活を少し反省した夜だった。

     写真を手がけられた武田正彦さんの写真展「オプティ家の食卓」が全国のキャノンギャラリーで巡回中。

仙台:12.262006.1.13、福岡:2006.1.232.3、名古屋:2006.3.13

3.24

http://cweb.canon.jp/camera/gallery/index-j.html

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2005年11月28日 (月)

なんちゃってアッシ・パルマンティエ

 ひさしぶりにIKEA(イケア)に出かけ、ついでにUsines Centerのストックで掘り出し物を探したりしているうちに、すっかり遅くなってしまった。クリスマスショッピングの人、空港、北からパリに向かう人で、パリに戻る道路、Aは大渋滞。「今晩はしっかりと和食!」と決めていたが、時間がなくなったので簡単料理に変更した。

nannchatte 冷蔵庫にジャガイモのピュレの残りがあるので“なんちゃってアッシ・パルマンティエ(hachis Parmentier)”にしよう。本来ならポトフなどの残りの肉を細かく刻み、ひき肉状にした上に、ジャガイモのピュレをのせてオーブンで焼いたグラタン料理。日本でいえば、肉じゃがみたいなフランスの家庭料理だ。

 1819世紀、大凶作に見舞われたフランスで、小麦に代わる作物、ジャガイモの普及に努めた農学者、アントワーヌ・オーギュスタン・パルマンティエの功績を称え、ジャガイモ料理に彼の名前を冠したもの(pommes parmentierpotage parmentierなどいろいろ)が多いのだとか。(参考:フランス料理用語辞典[日仏料理協会編、白水社]

http://wwwc.fujitv.co.jp/b_hp/bonjour/backnumber/031019.html

 

当然、今日はひき肉なんてないので、ツナ缶、エシャロットのみじん切り、マヨネーズでツナサラダを作り、その上にピュレ、上に冷凍保存していたおろしグリュイエールチーズ(gruyere rape)をかけてオーブンへ。焼き色がついたらできあがり。pasta

 一方、お鍋でパスタ(今日はディ・チェコのフェデリーニで時間短縮)とキャベツを固めにゆで、オリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子、アンチョビ、パスタのゆで汁と合わせる。東京の「ダノイ」の人気メニューでおなじみの“キャベツanchoviとアンチョビのパスタ”。チューブのアンチョビペーストを使うと便利。

 ワインは今、我が家でブームのロワールAmpelidaeのセカンド?Marigny-Neufという白。カキとシェーヴルに合うらしいのに、こんなvinご飯ですみません・・・。

 「20分で晩ご飯」完了。でも、炭水化物ばっかり。ラーメンライスみたいで、こちらもちょっと反省。

  本物のアッシ・パルマンティエも近日中にアップします。

IKEA

http://www.ikea.com/ms/fr_FR/index.html

Usines Center

http://www.usinescenter.com/

Da Noi(ダノイ)

http://www.danoi.jp/nishiazabu/

Ampelidae

http://www.ampelidae.com/

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2005年11月19日 (土)

お菓子好きなら、ぜひ!

 ちょっと古いが、お菓子好きでフランスにご旅行されるご予定がある方、在庫がなくなる前に買っておいてはいかがでしょう?

hon

 café sweets(カフェ・スウィーツ)」vol.41(柴田書店)はフランスのパティスリー特集。有塩バター入りキャラメルのLe Roux、パリの有名パティスリー、アルザスのパティスリーでは日本でも「ジャムの妖精」?とか有名な女性パティシエ、Christine Ferberなどいくつか紹介されている、充実の保存版。

 取材内容も、もちろん素晴らしい。さすが柴田書店。フツーのガイド本とは違います。

この本に掲載されている場所だけ巡っても、十分楽しい旅になる(と思う。少なくとも私はそうです)。

日本の友人がわざわざ送ってくださった「宝物」的資料だ。この場を借りて、もう一度お礼を。フランス生活で本当に大活躍の一冊です。ありがとうございます。

※もし在庫がもうなかったらごめんなさい。

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2005年11月 4日 (金)

買い置きレシピ!

買い物に行く暇がなかった、あと一品足りない、あるいは、買い忘れた・・・。困ったときのコンビニは、フランスにはない。

こんなときは戸棚(placard)の保存食でなんとかするしかない。フランス人もそうなのだろうか。料理雑誌、フランス版ELLE a tableにはLa Cuisine du PLACARDという連載がある。placard

例えば、ある号はツナ缶を使ったニース風サラダ(Salade Nicoise)、子牛に添えるツナソース(Sauce Vittello Tonnato)、冷凍ブロッコリーを使ったアーモンド炒め(Saute aux amandes)、ブロッコリーのオレキエッテ(orecchiette aux broccolis)、といった具合。

現物の写真だと、生々しくて興ざめだからなのか、添えられたイラストがなかなかすてきでおしゃれっぽい。

買い置きのビスケットを使ったティラミス(Tiramisu)、赤いフルーツを使ったミルフィーユ仕立て(Facon Millefeuille aux fruits rouges)といったレシピが紹介されているあたり、“在庫整理”ながら、フランスっぽいのがまたまた憎いところだ。

缶詰のココナッツミルク(lait de coco)を使って・・・と記事が始まった回は、さすがに「そんな買い置き、ないよ~」と文化の違いをひしひしと感じた。「急なお客様でも大丈夫」っていう触れ込みだけど、我が家の場合、買い足さなきゃいけないものが相当多そうだ。

調べてみると、ちゃんと本にもなっていた。2850186589 http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2850186589/171-8215622-2112251

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2005年10月26日 (水)

ジビエ(その2)

 「ジビエが食べたい!」というリクエストに答え、レストランガイドをガーッと繰る。私が愛用しているのはミシュランではなく、「LEBEY2005 Le guide deLEBEYs restaurants de ParisAlbin Michel)」。オレンジ色が書店でも目立ってマス。こういう時だけは、辞書を引いて知らない単語を調べるのも、苦にならないから不思議だ・・・。

私がよく活用するのは索引。「23時以降食事のできる店」「テラスのある店」「30ユーロ以下の店」などのほか、ポトフならこの店、フォア・グラならあの店、といった具合に、「どこで、なにを食べる?“ou bien manger quoi?”」というインデックスがフランスっぽい。

さっそくジビエの項目から検索し、場所と値段と当日の服装で検討した結果、選んだのはA La Biche Au Bois。リヨン駅の近くです。

店内はワイガヤ系のとってもフレンドリーな雰囲気で良いです。「ジビエ、始めました!」ってPCで作った素っ気ない張り紙もいい感じ。日本だったら、ラーメン屋さんの「冷やし中華、始めました!」みたいな感じかな。

ムニュが20ユーロ台ととってもリーズナブルだし、ワインも安い品揃え。そうなると、日本人の悪い癖(?)で、気が大きくなり、一番高いC.ヌフ・ド・パプを頼んじゃったりして。

肝心のジビエは、この日(1020日)、プラ・ド・ジュールがchevreuil(のろ鹿ぁぁ??)で、他にgrouse(赤雷鳥ぅぅ???)、canard sauvage(野鴨、ホッ)を注文。鴨は地鶏のような噛みごたえある肉。赤雷鳥はかなり癖があり、フルーツが添えられていなければ、結構キツイかも、正直。

でも、ジビエ体験にはちょうどいいのでは? 量も適量で、店のおじちゃんがお皿から取りわけてくれるフロマージュもぺロリと平らげてしまった。お店の方はタイユヴァン・ロビュションで4カ月働いていたそうで、「ミズ」「ワイン」「アリガトウ」など日本語交じりで話してうれしそう。日本人客は少ないそうだ。

普通のビストロ料理もあるので、ジビエが苦手な人も大丈夫。激混みなので、要予約。

   A La Biche Au Bois

45, avenue Ledru-Rollin 75012 Paris

Tel:01 43 43 34 38

休:土・日・月昼

metro:Gare-de-Lyon / Bastille

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2005年10月18日 (火)

ジビエ(その1)

鳥インフルエンザ(la grippe aviaire)がギリシャでも発症したという。そんなニュースをチェックしたあと、マルシェにPA150021出かけた。

 折りしも、パリはジビエの季節。Lievre(野うさぎ)が軒下(というのかな)ぶら下がったお肉屋さんにはPerdreau(山ウズラ)、pigeon(ハト)、canard(カモ)など、普段は見られない鳥たちが羽をつけたまま並べられていた。

 何度見てもココロが躍る風景。

 鳥インフルエンザのことはどこかへすっ飛んでいってしまった。

 本来なら、夕飯の献立を急遽変更し、ジビエを味わうところだが、今日のところは予習不足。せっかくの食材をダメにしたくない。

P1030281

Alain DucasseGrand Livre de Cuisine(最近、日本語版が出たそうですね。私は小さいサイズを70ユーロで購入)で勉強して、出直そうと決意。

さっそくページを開くと、あるわ、あるわ。初めての挑戦に、ワクワクしてきました。決戦は、今週末!(たぶん)   つづく。

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