
エル・ブリ? エル・ブジ?
パエーリャ(パエージャ、パエーヤ)、セヴィーリャ(セヴィージャ、セヴィーヤ)など、ばらつきがあるように、人によって違う。一度スペイン人にたずねてみたが、どちらでもいいそうだ。
(ちなみにそのスペイン人の発音は、そのどちらでもない、日本語に存在しない音だった。強いて書けば、エル・ブイ? エル・ブギ?)
革新的なスペイン料理を世界に知らしめた天才シェフ、フェラン・アドリア氏。
彼がバルセロナ郊外(といっても2時間くらいかかるらしい)に開くレストランelBulliは、間違いなく、世界一予約困難な店のひとつだ。
1年のうち、開いているのは4月から10月までのわずか半年間。
欧州滞在中に、一度は行きたいと常々思っているのだが、ぼーっとしている間に、毎年行く機会を逃してしまう。今、HPをチェックしてみると、「2007年度はすでに満席です」と、ウ ェイティング・リストもなく、つれない。
そんな難易度の高いレストランだが、実は穴場があるのをご存知だろうか。
セヴィーリャ郊外にある、エル・ブリの5つ星ホテル、HACIENDA BENAZUZA内にLa Alqueriaというレストランがあり、ここでは過去20年間にわたるフェラン・アドリアのレシピを同店のシェフ、Rafa Moralesが再現しているという。きっと、アドリア氏の代表作ばかりに違いない。イイトコドリだ。
しかも、2004年にミシュラン2つ星を獲得している実力派。間違いない。
恐る恐る電話をしてみると、あっさり予約できた。
セヴィーリャ市内から高速をタクシーで走り、20分くらい。
農園を改築して作られたという広大な敷地に立つホテルは、南スペイン特有のインテリア、テラコッタ色の壁が温かい雰囲気を醸し出している。雑誌で見た、モダンな料理の印象とは正反対だ。
働いている人は、男性が燕尾服、女性はメイド風!の装い。手袋着用に違和感を覚えたが、これは後々、理由がわかるところとなる。
食前酒にシェリーをいただいていると、ヒヤッと冷たい筒を渡される。これは水のメニュー。いきなりジャブが飛んできた感じ。もう、今宵のエンターテインメントは始まっているのだ。
料理はおまかせにし、ソムリエの方にコースに合うワインを選んでいただくと、程なくして、サングリア(Sangria in suspension・2005)が運ばれてきた。細かいブリュノワーズに切られたフルーツが彩り良く、サクサク、カリカリ、楽しい喉越し。
先攻される形で、前代未聞(私にとって)のディナーは始まった。
いただいた料理は、次の通り(カッコ内は、考案された年)。

写真左から・・・Fried fish(1998):稚アナゴを揚げたものが紙に包まれて。
Spherical olives(2005):瓶詰めのオリーブを一粒ずつスプーンに載せてくれる。実は、人工オリーブ! プリッとした皮を破ると、オリーブの芳醇なエキスが広がる。(冒頭の写真)
Dry nuts covered in honey(2005), Radish "Kataifi"(2003):カダイフの上に、数種の芽が。刺身のツマにインスパイアされた? 来日みやげだろうか、”まきす”を使っているのもおもしろい。Black olive crocant(1998)も一緒に。
Iced mango and foie gras(1998)
Peanut praline with bread(2003):チューブに入ったプラリネをパリパリのパンに塗って食べる。

Ham baguette(2006):中が空洞になったパリっとしたクラストの上に、ハモン・イベリコを載せて。
Strawberry with campari and sancho pepper(1998):こんなところで、久しぶりに山椒とご対面。
"Quicoguaca"(1998):グワカモレ入り。早く食べないと、皮が柔らかくなる繊細さ。

Tangerine gelee(2003):セロファンに包まれているのは、日本のみかんの寒天のようだった。
Caramelized quail egg(2000)


Sweet pork cracker with menthol(1996):カリッと揚げられた豚の脂身をトングでつまみ、ハッカ風味の甘酢でいただく。
Foam patatoes with black olive(1998):ふんわりふわふわのジャガイモのムース、黒オリーブオイルのソースかけ。
なんと、ここまでがThe Snacks。
楽しい。面白すぎる。次はどんな仕掛けが?と、期待で笑いが止まらない。
ふと気がつくと、手術台を思わせる器具のセットが脇に準備されている。サービスの方は、さまざまな器具を使いながら、ひとつひとつ、テーブルのそばで最後の仕上げをしてくださる。手袋着用は、このためだったのだ。
後半は、The Tapasからスタート。驚きのディナーは、まだ始まったばかりだった・・・。
※写真はクリックすると、大きくなります。
○HACIENDA BENAZUZA
41800 Sanlucar La Mayor
Sevilla Spain
TEL:+34 955 703 344
FAX:+34 955 703 410
http://www.elbullihotel.com/
○elBulli
http://www.elbulli.com/