モロッコ、ひとかじり ④タジン♡
北の「アイリッシュシチュー」、南の「タジン」。
外国の料理なのに、肉じゃがを食べているかのような、ほっとする味わいに引かれるのは私だけではあるまい。
パリではフランス料理に食傷した時、近所のモロッコ料理店で癒してもらったものだ。
モロッコでは、とんがり帽子のような蓋付きの土鍋「タジン」で作った煮込み料理を総称してタジンと呼ぶ。
羊、牛、鶏、鴨、魚などの肉類や野菜に、スパイスやオリーブ、ナッツ、プルーン、レーズンやレモンなど果物を加えて火にかけ、蓋をして弱火でじっくり蒸し煮するのだ。
メニューを開けば種類がいろいろあって悩むが、結局、tajine d'agneau aux pruneaux(プルーン風味の羊肉のタジン)を注文することが多い。
プルーンと一緒に煮込んだおかげで肉はやわらかく、しっとり、まろやかだ。(写真右は羊とイチジク。これも好き)
パリのレストランではきれいに塗られたタジンで出てきたが、モロッコの街中で見かけたのは素焼きのままのもの。この素朴な感じの方が断然、雰囲気がある。(←その分、割れやすそうだが・・・)
ずらりと火にかけられた様はなかなかの壮観!
残念ながら、庶民的なタジンは体験できず・・・。
右上の料理写真はツーリスティックなレストランのタジン。もちろん、これはこれでとてもおいしかった。
※”蒸し野菜ブーム”とともに、有田焼のタジン鍋が大型スーパーのキッチン用品コーナーに並ぶほど、「タジン鍋」は日本の食生活に急速に進出していった。
ところがその後、電子レンジで使えるシリコンウェア、”ルクエ”が台頭。タジンブーム、一段落といったところだろうか?
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