アイスランドの火山噴火で欧州空路、大混乱。
今朝の朝日新聞によると、足止めされているのは航空機の利用者だけでなく、欧州からの魚介、野菜などの輸入も滞りつつあるという。『特に旬の白アスパラガスは待ち望む顧客も多い』のだとか。
世界各地で足止めされている皆さんが早く飛び立てますように。
「もう少しすると、ホワイト・アスパラガスとモリーユが始まりますね」
今回の滞在中、パリの有名店で働く料理人の方々に旬のメニューを尋ねると、口を揃えてこう答えた。
フランスでは白アスパラガス(asperge blanche)とモリーユ(morilles)は春の高級食材なのだ。
イエナのマルシェに出かけると、八百屋さんの店先には、大きな束にたばねられたホワイト・アスパラが並べんでいた(写真左下)。はしりだけに値段も高く、ランド産などブランド産地のものはさらに高い。
なじみの(といっても向こうは覚えていないが)店で、先がほんのり紫になったasperge violletを買った(写真左上)。6本で10ユーロくらいだった。
モリーユもキノコ専門店の一番目をひく場所に(写真右)。フランス産、一箱10ユーロなり。
日本名アミガサタケ。
『食材図典』(小学館)によれば、『ヨーロッパでとくに好まれるキノコ。頭部と茎からなり、高さは10㎝前後。頭部は暗褐色で、編み目状の隆起によって縁取られたくぼみがある。茎は乳白色。アルカリ土壌を好み、山火事の跡地などに発生しやすい』
『The New Food Lover's Companion』(Barron's)には、『そのスモーキーで、土っぽく、ナッツのような風味でグルメに愛されているキノコ。一般的に、色が濃いほど味が濃い。野生のものは4月から6月まで市場に並ぶ。栽培ものは一年中入手できる。しっかりして、スポンジ状になったものを選ぶこと。乾燥ものは香りとスモーキーな風味がより凝縮されている。シンプルにバターでソテーするのが一番』とある。
編み目に土や汚れが入り込んでいるので、よく洗って取り除き、ふきんで水気を取ってから調理する。
訪れたレストランでは早くもモリーユのメニューが登場していた。迷わず注文。香りはもちろん、シコシコした歯ごたえがうれしい。
フランスの春を先取りしたようで、なんだか得した気分になった。
※レストラン、A&Mでいただいた、Fricassee Morilles-Asperges。
モリーユとクリームの相性の良さを堪能する一皿。
太いアスパラとともに食べ応えアリ。
○A&M
136 Bd Murat
75016 Paris
TEL:01 45 27 39 60
http://www.am-restaurant.com
Le Grand Panでいただいた、Morilles a la creme, oeuf mollet, ventreche Ibaiona。
バスク系ビストロでは、クリームにさらに半熟卵をからめ、濃厚に。
○Le Grand Pan
20 Rue Rosenwald
75015 Paris
TEL:01 42 50 02 50
metro:Plaisance
次回、ホワイト・アスパラガスの話に続きます。