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2010年5月12日 (水)

ジョーのアスパラガス

                

 アスパラガスを料理していると、オルコット『若草物語』の一場面をよく思い出す。

 19世紀後半の米国に暮らすメグ、ジョー、ベス、エイミーの四姉妹を描いた物語。ボーイッシュで短気な性格の次女のジョーが大騒ぎしながら昼食を準備する場面がある。

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 料理など作ったことがないため、当然、ことごとく失敗、しっちゃかめっちゃかになるのだが、そのなかの一品がアスパラガス。

 古くてたけてしまったアスパラを買ってきたため、1時間ゆでても固いまま、先端は取れてしまう・・・というくだりがあるのだ。
 アスパラガスを選ぶ時は、先端がしまり(開いていない)、しっかりして、つやのあるものを。表面が乾いたもの、変色したものは避けること。

 ジョーが買ったのはおそらくグリーン・アスパラガス(asperge verte)だろうか。
 フランスで見かけるアスパラガスには、日本でもお馴染みのasperge verte(緑)のほか、 asperge blanche(白)asperge violette(ヴィオレ)asperge sauvages(野生)などがある。

 は遮光栽培したもので、緑より大きく、肉厚で柔らかい。皮が筋っぽいので表面をむいて調理する。
 ヴィオレは白と同様の方法で栽培されるが、少しの間、先端を日に当てることで紫になる。その味わいは白より香り高くデリケートだが、稀少だ。

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 ソヴァージュには、asperge des bois(森のアスパラガスまたは”aspergette"/学名:ornithogalum pyrenaicum)と、学名がasparagus acutifoliusという2種類がある。

 日本に輸入されているのは前者が多いのではないだろうか。後者は小枝っぽく、ミニミニ・アスパラガスといった感じ(写真右)

 A.デュカス氏のルセット本『Grand Livre de Cuisine』によると、緑なら南仏プロヴァンス地方のVaucluse産、白なら南西・アキテーヌ地方のLandes産、ヴィオレはプロヴァンスのものが高品質だという。
 同書のルセットでは、LaurisPertuis産など特定のグリーン・アスパラを使っているが、何度も登場するのが"asperges vertes bourgeoise de chez Robert Blanc"。デュカスが惚れ込むブランさんのアスパラとは一体? きっとすごい生産者なのだろう。実物を見てみたいものだ。

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 白では、I.G.P.(Indication Geographique Protegee/地理的表示保護)に指定されている、Asperges des Sables des Landes(ランドの砂地でとれたアスパラ)がよく知られている。(写真左上は奮発して買ったランド産。太いものは直径3〜4㎝くらいあった)

 大西洋を臨むガスコーニュ地方の広大な砂地で育ったアスパラは真っ白で新鮮。まっすぐ伸び、先端がしまり、味わい深い。年2000トンが収穫され、カテゴリー1と呼ばれる品質のものは1㎏あたり8-10ユーロで販売されるという。

 ホワイト・アスパラは新鮮さが命。切り口が白く、透明感のあるものを選ぶこと。保存する場合は湿った布などで包み、冷蔵庫へ。

 3月に始まった収穫は、5月にPontonxで開かれるアスパラ祭りでフィナーレを迎える。300㎏のランド産アスパラ、3000個の卵を巨大な鉄板で焼き上げるオムレツが圧巻だ。

 写真左は、ヴィオレをバターでソテーしたもの。熱々がおいしい。シンプルな方法だが、これだと”先端”はとれません。

 

参考:http://www.supertoinette.com/fiche-cuisine/472/asperges.html、http://www.cooking2000.com/fr/dossier/asperge-sable-landes.htm、http://www.aquitaineonline.com/actualites-en-aquitaine/landes/asperge-sable-landes-2008033010.html


 

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 ※世界中で食べられているアスパラガスだが、輸出量世界第1位はペルー(2位中国、3位メキシコ)。輸入量では米国、EU、日本の順(2007年)。
 生産量(2004年)で見ると、中国が587,500トンで2位のペルー(186,000トン)の約3倍で世界一なのだが、そのほとんどは缶詰など加工用のホワイト・アスパラガスだという。(参考)

 スペイン・Navarra産のホワイト・アスパラも有名だ。ランドとは地理的にも近いため、気候や土壌も似ているのだろうか。

 写真右は昔のアスパラ収穫風景(引用元不明)。『若草物語』の時代ってこれくらい? なんだかとっても疲れそうです。

 

 

 

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