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2008年9月

2008年9月29日 (月)

幸せのコブミカン!

Img_4942  「幸せのレシピ(No Reservations)」(2007年・米)をDVDで見た。

 インタビューでは、普段は料理を全くしないと答えていたキャサリン・ゼダ=ジョーンズだが、さすが女優。危なげなく、完璧主義者のシェフを演じていた。集中して、慎重にソースをたらすシーンなんて、ジェラシーを感じるほどかっこよかった。

 

 もちろん、料理の映像満載。中でも印象に残った食材が、「コブミカンの葉」
 トム・ヤム・クンなどタイ料理のマスト・アイテムらしい。
 タイ語ではバイマックルー(bai makrut)、英語ではkaffir lime leaf
 葉が2つ連なったような珍しい形の葉っぱで、フレッシュと乾燥のものがある。
Img_2473 映画の中では、N.Y.のチャイナタウン(写真右)で売られていた。


 映画では、意外な食材・・・として登場するが、実はフランス料理でも、その果実”エキゾチックな食材”として取り入れられている。フランス語ではCumbava
 私が出会ったのは、スタージュ先のレストランで。文字通り、ゴツゴツした緑の皮を魚料理のアクセントに使っていた。柚子っぽい。

Mv5bmti1nzq5mzu1ov5bml5banbnxkftz_3  アジアの食材のイメージが強いが、レユニオン島マダガスカル郷土料理でも用いられる食材らしい。Le poulet au combava(コブミカン風味の鶏料理)、cari d'espadon au combava(コブミカン風味のカジキのカレー)など鶏、魚料理に合わせるルセットを見つけた。現地では”combava”とつづるとか。

 スパイスの魔術師(と今も呼ばれているのかな?)、オリヴィエ・ローランジェL'huile de cumbavas(コブミカン・オイル)を売っている。
 HPでは食べ方の映像を見ることができる。
 粗塩と海草を敷いた皿に殻を開けた大粒のアサリ(生)を並べ、ライム汁、セルフィーユを散らし、仕上げにスポイドでオイルをタラリ、タラリ。柑橘類と潮の香りが今にもぷんと漂ってくるようで、実においしそう。

 サフランソースに合わせるのもおいしそうだが、最小限の要素でいただく、こちらのほうが、私好みだ。

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 ※私のバイマックルー・デビューは、タイ風グリーンカレーのキット(写真右)。ブーケガルニの要領で食べる前に取り除いて供するのか、入れたままでいいのか、タイ料理の作法がわからない。どなたか教えてください。
 フレッシュなものはさらに香り高いと聞いて以来、いつか出会う日を待っている。

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2008年9月23日 (火)

ないものは作るしかない ②Magret de canard seche

 

Img_6323  「ひさびさに食べたいなあ〜」と作ったのは、magret de canard seche(
乾燥鴨胸肉)

 フランスでは薄くスライスしたものが真空パックで売られていた。
 我が家では、ロックフォールやクルミと一緒にサラダのトッピングにするのが定番だった。

 日本でよく見かける合鴨ではなく、フランス時代の友人に教えていただいた輸入食材サイトハイ食材室で、ポチッとネット・ショッピングして、仏産鴨肉をゲット。

 作り方は本当に簡単。
 鴨肉は掃除し、表面に塩をまぶし、24時間置く。
 塩を洗い流し、粗く砕いたコショウをまぶした鴨肉を清潔な布またはキッチンペーパーなどでくるみ、様子を見ながら10日〜2、3週間乾燥させて完成。

 スタージュ先では大きな冷蔵庫内で、ひもを通し、ぶら下げて乾燥させていた。
Img_6329_2 そんなスペースがない我が家では、秘密兵器が助っ人に。

 

 「ピチットシート」

 このシートが食材の水分をぐんぐん吸収してくれるのだとか。(写真右)

 半信半疑で使ってみたが、効果てきめん。鴨の表面が見事に乾いてきた。
 一方、水分をたっぷり吸ったピチットシートはぐっしょりになっている。

 フライング気味かもしれないが待ちきれず、10日目で試食
 ねっとり熟成して塩味が効いて十分おいしい。そのままいただいてもいいし、サラダにも、チーズにも、ナッツにも、ドライフルーツにも合う。家族にも好評で、あっという間になくなってしまった。

Img_6446 また仕込まねば。


 ※ピチットシートで現在、別プロジェクト進行中。完成したらこちらもお披露目します。
 こんなスグレモノだが、売っているところが少ない!(大型スーパー3カ所にフラれた私は結局、ネットで入手)のが玉にきず。
 吸湿しやすい「ピチットシート」を、どれだけ”ピチッ”と保管するかが、もっかの私の課題である。教えて! メーカーの人! 

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2008年9月18日 (木)

アラサーの悦楽。 ②L'angle du Faubourg

 

 名門、Tailleventのセコンド店。

 ワイン・ショップ、Les Caves Tailleventの方に薦められ、日本から来たワイン好きメダム(mesdames )をご案内したことがあった。

 料理、サービス、インテリア、すべて、すこぶる好印象。
 ワインの種類も豊富(当然ですが)
 さすがタイユヴァン。さすがミシュラン一つ星
 この時、ソムリエールに薦められていただいた白ワイン、Didier DagueneauSilexのおいしさは今でも忘れられない。自然派ワインとの幸せな出会いだった。

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 「また行きたいな」
 と思いつつも、星付きレストラン。敷居は高く、再訪できずにいたところ、知人の方から「30ユーロ台のムニュがある」とのナイスな情報が!
 「ランチでしょう?」
 「いいえ、夜です!」

P1110134 半信半疑で出かける。
 手渡されたカルトの中に30ユーロの文字を探すのに夢中で、サービスの方が説明してくださっている”本日のおすすめ”も全く耳に入らない。

 ない。
 カルトには載っていない。ムニュは高いデギュスタシオン(70ユーロくらい?)しかない。
P1110137 誤報(!)だったのか?

 恐る恐る尋ねてみると、「ありますよ」とあっさり。
 menu d'un jour(日替わり定食)35ユーロ也
 全員、ホッと胸をなでおろしたのだった。

 

P1110139  注意!:訪れたのは、もう1年以上前のこと。料理の記憶が定かではありません。ご了承ください。

 アミューズ(ポティロンの冷製スープだったか?)のあと、

 前菜に、Gaspacho et tartare de gambas(ガスパチョとエビのタルタル)。上に載っているのはアボカドのムース、だったか?

P1110145 メインに、Longe de veau rotie, petits pois a la francaise(仔牛の背肉のロティ、フランス風グリーンピース添え)

 私には軽めだったので、余裕でフロマージュを追加(別料金)

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 デザートは、Delice aux fruits exotiques(エキゾチックなフルーツのデリス)

                                             

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 誕生日ボーイには、ろうそく付きスペシャルデザートが!(写真左)

 

 食事が手頃にできると知り、気が大きくなったのか、いろんなワインやチーズまで追加してしまい、結局は・・・。な夜になってしまったのだが。



 星付きのサービス、料理がお手ごろ価格で楽しめる穴場的存在。
 豊富なワインのセレクション。グラスワインも充実(なんと、5ユーロから)。

 いろんな意味で、満足度大。なのだ。

 ※同店のHPで確認するとmenu du jourは現在、38ユーロ。もうほとんど”アラフォー”ですな。
  しかもよく見ると、「ランチ」と書いてある・・・。赤面。
  星付きレストランの大らかさ、鷹揚さ、懐の深さはこんなところにもある。ありがとう、ラングル。
 (ワタシ並みに)厚かましい人、トライしてみては?

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 L'Angle du Faubourg
 195 rue du Faubourg Saint-Honore
      75008 Paris
      TEL:01 40 74 20 20
      metro:Charles de Gaulle - Etoile / Ternes

※すっかりいい気分で帰り道、シャンゼリゼまで散歩。途中前を通った映画館、LE BALZAC(写真左)の雰囲気がいい感じで、パシャリ。

 

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2008年9月15日 (月)

アラサー(around 30€)の悦楽。 ①はじめに

                             

 ついに1ユーロ140円台に。

P1110341_2  「ユーロバブル、はじける」などという見出しを見ると、超ユーロ高のなかで(つまりバブル期に)生活していた身としては、複雑な気分になる。
 渡仏した2003年当時は120円台だったのに、徐々に値を上げ、最終的には170円に届くほどになった。そしてこの夏渡仏した時に使ったカードの請求レートは、堂々の(?)170円台だったのだ。
 「今後は行きやすくなるさ」と強がってみるものの・・・。

 ユーロ高を謳歌し、好況にあるパリにあっても、レストラン業界は別なのだろう。
 星付きレストランの多くが外国人観光客や富裕層で占められるのに対し、普通のパリジャン、パリジェンヌでにぎわっているのは、30ユーロ前後のmenu(前菜、メイン、デザート)が食べられる店ではないだろうか。
 ガイドブックを見てみると、例えば、ミシュランでは33ユーロ以下ルベイでは30ユーロ以下のムニュのあるレストランを検索できるようになっている。 
 ”アラサー(around 30€)”の攻防があるのだ。

 円安に苦しんだ私は、滞在後半、”アラサー”レストランに行く回数が増えた。

 ”リーズナブルなレストラン”と、侮るなかれ。
 値段、質、量といったコスト・パフォーマンスだけではなく、独創性に富んだ店のなんと多いこと!
 皿使い、プレゼンテーション、食材の組み合わせ・・・星付きレストランも舌を巻く新たな試みの数々で、パリのレストラン巡りに新たな喜び、魅力を添えているのだ。

 次回から、古くなった画像もあるが、訪れた”アラサー”レストランをポツポツご紹介。
 見てね!

 

 ※写真はドイツ、フランクフルトにある欧州中央銀行本店前のモニュメント

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2008年9月11日 (木)

あれから7年

 

P1130348_2 あの日から7年がたった。

 あの日、遅めの夏期休暇でハワイの島に滞在していた私は、空港閉鎖により、それから数日間、島に閉じこめられてしまった。

 

 なすすべもなく、テレビのニュースを見る。
 信じられない光景が何度も何度も繰り返し放送されているというのに、見ている私のいる場所は嘘みたいに平和なのが奇妙だった。

 

 去年、ニューヨークに行ったとき、7年前の悲惨な事件を伝えるメモリアル・ミュージアムを訪れた。
 ぐにゃりと曲がった鉄骨、何十階も階段を下りて、すり減ってしまったパンプス、行方不明の家族を探す”尋ね人”のポスター・・・。すべてが生々しすぎて、見ているだけで苦しいし、つらい。
 思いもよらない事件に巻き込まれ、亡くなった方々やご家族の無念を思うと、胸に込み上げてくるものがあった。

 再建中のワールドトレードセンター(WTC)跡地を眺めていると、ふいに、初めてNYを訪れた時、WTCからこの街を見下ろしたことを思い出した。
 視界が霧でかすむようなビルの高さに驚き、アメリカのすごさを体感した瞬間だった。
 世の中は、今よりずっと単純だった気がする。
 

 あれから20年余り。あの建物は、跡形もなく消えてしまった。

 静かにたたずむ親子は、何を考えているのだろう?


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2008年9月10日 (水)

ミュゼめし!  ③Musee D'Art Moderne

 

Img_5380 パリ市立近代美術館(Musee d'art moderne de la Ville de Paris)は、傾斜したAvenue du President Wilsonから見ても、セーヌ川沿いのAvenue de New Yorkから見ても、ひときわ目をひく建物だ。

 1937年パリ万博に作られたという建物は、パレ・ド・トーキョー(写真右・左側)と対をなすシンメトリーなデザイン。

 バスで通りすぎるたび、開催中のモダンなエクスポジションに並ぶ人の行列を目にすることが多かったが、恥ずかしながら、実は一度も見たことがない。

 

 イエナのマルシェに行ったついで、時折、ぶらりと立ち寄っていたのは、もっぱら、無料の常設展。(入り口で、買い物カートチェック・イン!

Img_5366_2  無料とはいえ、芸術の都、パリ

 ピカソ、マティス、モディリアーニ、レジェ、デュシャン、ボナールなど、私でも知っている、そうそうたる顔ぶれの作品が並ぶ。
 1900年から現在に至る近代美術の変遷をたどることができるのだ。しかも、膨大な数のコレクションで、見ごたえも十分。

 

 もうひとつの目的が、ミュゼ併設のカフェテリア。

 イエナのマルシェには観光客が多いせいか、ブルターニュ風のクレープ屋さんがあるが、やはりマルシェ。おいしそうに並んだ食材を見て空腹を感じても、その場で食べられるものといえば、パンか果物程度。
 そんな時、道路を渡ってこのカフェテリアに行けば、スイーツやサンドイッチ、サラダなど簡単なものをつまむことができるから便利なのだ。

 

P1120197  中庭状の空間で、空に伸びる円柱、セーヌ川の向こうにそびえるエッフェル塔を眺めながらお茶をしたり、食事をしたり。

 

 なにをするわけでもない、パリの土曜日がのんびりと過ぎていくのだった。

 

 ○Musée D'Art Moderne
  11, avenue du Président Wilson
  75116 Paris
  TEL:01 53 67 40 00
       metro:Alma Marceau/Iena

 ※結構、”腹ヘリ”だったこの日はサラダ2種を盛りつけてもらいました。

 

  

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2008年9月 6日 (土)

道具馬鹿一代  ⑯joseph josephのまな板

 

Img_5813_2  日本のテレビで、”お笑い”番組の多さに驚きつつ、おもしろいのでつい見てしまう。
 なかでも毎週楽しみにしているのが、『アメトーーク』
 ”キッチン用品芸人”の企画があるなら、出演して熱く語りたいものだ(←芸人ではないので無理ですが)。

 

 道具馬鹿っぷりは帰国しても健在。
 3日前に届いたばかりのキッチン用品は、joseph josephのまな板、Grip-top

 

 ガラス製、円形やフルーツ柄、ユニオン・ジャック柄などポップなデザインのまな板シリーズで知られる英国ブランド。

 ずっと欲しくて、ロンドンに行った時に一枚!と張り切っていた。
 ハロッズのキッチン用品売り場で充実の品ぞろえだったのにもかかわらず、当時、あまりのポンド高に気分が萎え、結局買わずに帰ってしまったのだ(しかも、セールになっていたというのに!)。

Img_5319  半年前、近所のスーパーで売られている新(?)モデルを発見。
 プラスティック製。赤、黒、グリーンなど発色も好み。
 しかも結構リーズナブルな価格。
 そしてなにより、裏面の滑り止めのゴムが気に入った。旧ホテル日航・ド・パリ(写真左)を思わせるデザインも。

 パリ時代は、まな板の下に濡らしたペーパー・タオルを敷いて滑り止めにしていた。
 今使っている米国製のペーパー・タオルは一枚の判が大きい上に分厚くて、丈夫過ぎる。もったいないので、代わりにふきんを敷いているけれど、なんとなく収まりが悪かったのだ。

 悩んでいる間にスーパーの売り場に色の種類がなくなったので、ネットでグレーをゲット(写真右)

Img_5836_3 早速使ってみたところ、空間があるからか、薄いからか、ガタガタ音がする。みじん切りなどガンガン切るのには不向きかもしれないが、フルーツなど簡単なものを切るには十分だろう。

 気を取り直し、包丁でニンニクをつぶそうとしたところ、新品のせいなのか、ツルリと滑って行ってしまった。

 まな板が滑らずとも、食材が滑るとは! 予想していなかった、まさかの展開。

 

 「すべらんな〜」とは行かないようで・・・。


 
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 ○joseph joseph

  http://www.josephjoseph.com

 ※でも、デザイン重視で買ったので、ドン・マイ。使っているうちに慣れてくるでしょう、きっと。
 こちらも形が気に入って購入したjoseph josephのコランダー(写真右)。思っていたのより大きくて、ちょっとびっくり。ネット・ショッピングはもっと慎重にと自戒。

 

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2008年9月 4日 (木)

アマトリチャーナな日

 

P1130845_3  イタリア人の友人が来日中。

 ちょうど一年前、ローマの自宅にお邪魔したことを思い出した。

 

 久しぶりのイタリア。そして恐らく当分来られまい。

 普段は軽めにする昼食も、リストランテでしっかりいただこう。

 モッツァレッラ、ヴォンゴレをつまんだ後、メインにサルティンボッカ。パスタはなし。
 家族はやはりパスタが食べたいと、ペンネ・アラビアータとローマのパスタ、”アマトリチャーナ”を(写真右)

 飾り気のないシンプルな料理は、食べ飽きることがない。夜は友人宅によばれているというのに、うっかり食べ過ぎてしまった。

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 しばし休憩。
 夕方から、腹ごなしにローマの街を歩き回る。
 遺跡のなかを歩くような街並みは、パリとはまた別の魅力がある。




 さて、「最後だからローマらしいものを」と、夕食に彼女が作ってくれたパスタは、またまた、アマトリチャーナだった!(写真左下)

Img_3378_2 「お昼にも食べたの〜?」とがっかりしていたが、おいしいから、いいのですよ。しかもペンネ・リガーテで作ってくれているし。

 


 

Img_3379_2 お母さんが作ってくれたテリーヌ(みたいなもの・写真右)や、炒めもの、デザートにティラミスまでいただき、お腹ははち切れんばかり。

 

 

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 温かいおもてなしはイタリアの一番の思い出となりました。
 ありがとうございました。


 
 ※アマトリチャーナ(amatriciana)は、ラツィオ州北部の町、Amatriceで生まれたレシピ。「アマトリチャーナ祭り」まである!

 もともとは塩漬け豚「グアンチャーレ」をオリーブオイルで炒め、黒コショウペコリーノ・ロマーノで和えたもの。トマトを加えるようになったのは、ローマに伝わってからで、アマトリーチェのレストランでは今でも”bianca(オイル・ベース)””rossa(トマト・ベース)”か選ぶことができるのだとか(参考)

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 太めの穴あきパスタ、bucatini(ブカティーニ)を使う、bucatini all'amatriciana(ブカティーニ・アラマトリチャーナ)が一般的?



 アマトリチャーナに関する過去の記事はこちら



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