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2008年6月

2008年6月23日 (月)

スペイン2007夏。  最終回:マドリッド、再び。



P1120904 激闘の末の4強入りおめでとう、スペイン。

 きっとかの地は喜びでわいているのだろう・・・と心はマドリッドへ。

                    

 訪れた美術館はプラドではなく、Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia(ソフィア王妃芸術センター)

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 ピカソの『ゲルニカ』をはじめ、スペインを中心としたコンテンポラリー・アートのコレクションで知られる美術館。

 かつて病院だったという広大なスペース。
 周囲は深い赤のモダンでスタイリッシュな空間。外から見えた図書館がかっこいい! こんなところで勉強したら、はかどるに違いない。

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 入り口に設営されたインスタレーションを眺める。永遠に続くような滑らかなうねりに見入ってしまう。

 ひんやりした日陰が心地よく、ゆったりと時間が過ぎていく。

 見るべきものが多く、とても1日では回りきれなかった。残念。

 

 初めて見た『ゲルニカ』。

 反戦のシンボルと言われる、モノクロームで描かれた作品。

 込められたメッセージを感じとることはできず、その大きさと迫力に、ただただ、たじろぐばかりだった。



 マドリッド中心部のサンタ・アナ広場では、スペイン内戦中に銃殺された詩人、ガルシア・ロルカの像が、石畳に影を落としていた。


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 Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia
      Santa Isabel 52, 28012 Madrid
  Tel: (+34) 91 774 10 00
  Fax: (+34) 91 774 10 56

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2008年6月22日 (日)

Kafka's Soup

 

Img  『Litterature et gourmandise(文学と美食)』の著者、F・デグランシャン氏の講演会に行った。著名なフランス文学の中に登場する料理と、それにまつわるフランス食文化の話が聴けるのでは?と期待していたが、出版のプロセスの話が中心で、少し残念だった。

 著者が絶賛する、ルセットの中にある文体の美しさは私にはわからないが、仏文学に登場する50ルセットを収録するにあたり、一つ星シェフ(L'Hotel)、スティリストなどアーティストたちとコラボした本はかなりスタイリッシュ(45ユーロの豪華本!)。
 羽毛に埋もれた「ウフ・アラ・コック」(『プティ・ショーズ』より)、タマネギのエマンセに囲まれた「オニオン・スープ」(『ボヴァリー夫人』より)など、フランスっぽいアーティスティックなスタイリングがかっこよかった。

 文学に登場する食ーー。
 このアプローチで書かれた本で最近読んだものを2冊紹介。

 『ラブレーの子供たち』(四方田犬彦著、新潮社)は、「あの人のボナペティ」というタイトルで『芸術新潮』で連載したものをまとめた本。

Img_0001 「ギュンター・グラスの鰻料理」など、物語に登場した料理を再現している回もあるが、「ラフカディオ・ハーンのクレオール料理」「アンディ・ウォーホルのキャンベルスープ」、「武満徹の松茸となめこのパスタ」という風に、作家に限らず芸術家の残した、あるいは芸術家にまつわるレシピを再現し、作品やその人となりを時代背景やエピソードとともに解説する内容で非常に興味深かった。

 

 『Kafka's Soup』(Mark Crick著、Harcourt)は、カフカからオースティンまで世界文学の巨匠たちの作風・タッチで14のレシピを書いた、アイディア賞ものの一冊。

 『俺はウイスキー・サワーをすすると、まな板でタバコの火をもみ消した。洗い桶から虫がはい上がろうとしていた。俺が欲しいのは「マキシム」のテーブル、金、それからゴージャスなブロンドだったが、目の前にあるのは羊の腿肉だった。(中略)手にナイフの刃の感触を感じながら、俺はタマネギをスライスした。俺が我に返ると、そこにはニンジンが横たわっていた。どれもぴくりとも動かない。そいつらをフライパンの中に投げ入れ、ありったけのディルの茎、月桂樹の葉、コショウ一握り、塩ひとつまみも加えた。(後略)』(「レイモンド・チャンドラー風Lamb with Dill Sauce」より)

 一杯のカプチーノからいろんな思い出を想起する「マルセル・プルースト風Tiramisu」、誰だかわからない、果たして招いたかどうかもわからない訪問者にKがスープを作る不条理な設定「フランツ・カフカ風Quick Miso Soup」などおもしろい。作家の文体を理解できるほど文学通だったらもっと楽しめるだろうに!

 さて、F・デグランシャン氏の講演で印象に残った話のひとつが、「サラダと卵だけの質素な食事でも、文学の話題で豊かにすることができる」というもの。
 確かに、話が弾めば何を食べてもおいしく感じる・・・というのはアリだが、「ドーデの作品に出てくるサラダはね〜」などとうんちく炸裂のフランス人、本当にいそうだ・・・。

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2008年6月17日 (火)

Allez les bleus!

 

Image001_2  EURO2008で盛り上がる我が家。
 毎朝一番に試合結果をチェックするのが日課になってきた。

「死のグループ」と言われても、なんとなく関係ないとのんびり構えていたのに。
 我らがLes bleus、一体どうしたのだ?

 ジダンがいないせいだろう、ドイツW杯のメンバーの半分くらいがいないような気がする、”世代交代感”のある代表メンバー。
 初戦のアンリのベンチスタートに驚き(←ファンなので)、GKクペ時代の到来を喜んでいたが、4点も入れられるとは!

 まさかの予選敗退危機。

 注目の青VS青の決戦は今夜!


 ※写真はお馴染みヌテラのle maillot des bleusヴァージョン
 レ・ブルーも食べている? 毎朝パンに塗って食べたら、サッカーうまくなるかも。BGMはもちろん、Andreas Johnson「Glorious」で。(情報提供いただき、ありがとうございました。ちなみに私の予想はポルトガルです)

 ※ついでにもうひとつサッカーネタ(古いですが)。Martin Solveig"Something Better"のPVではSylvain Wiltordが見事な?ヘディングを披露。

      

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2008年6月16日 (月)

Bouquet garni

Img_5196 ブーケガルニという言葉は、聞き覚えのあるフランス語だった。

 確か、カレーのCMか何かで、何度も何度も。煮込み料理に使う香りづけのハーブだと、ぼんやりと認識していた。

 実際に見たのは、コルドンのシェフのデモンストレーションで。
 タイム、ロリエ、パセリの茎、セロリなどをポワロネギの緑の部分で包み、タコ糸でグルグルに縛る
 陽気なシェフが
 「ギャラリー・ラファイエットでラッピングしてもらったみたいに、きれいに巻いてね〜」
 と得意げにブラブラさせてみせた。

 最初こそ、おっかなびっくり丁寧に作っていたが、ブーケガルニが入るルセットが多く、段々作り方も大ざっぱに。

 実習のアシスタント(実習のクラスでは生徒が当番制でアシスタントをする。アシスタントはその日に使用する材料を食料庫から運び、準備する)がパセリを準備するのを忘れていた日は、「今日はパセリ抜きでいいや」とか、ポワロがしおれていたら、寸足らずのくるみ方にしたり。

 「要は香りがつけばいいんでしょ」と、ぽいぽいぽいと放り込んでいた。

 上級クラスのデモで、優秀なデモのアシスタントが準備した、きっちり縛られた緑が美しいブーケガルニを目にして、何度反省したことか。

 でも、どうやらこの”ラファイエット型”は、コルドン・スタイルらしい。
 リッツでは違う形のブーケガルニだった。(忘れました)

Img_5201  市販のものを買うという手もある。
 スーパーのスパイスコーナーには、乾燥したロリエとタイムを縛ったもの(タイムの葉が散らばるのが難点)や、ティーバッグ方式のもの(写真右)など数種類が並んでいる。

 日本では、枝付きの乾燥タイムが入手しにくいため、家で栽培しているフレッシュなものを多めに使う。ふにゃふにゃと柔らかで、芯にはなってくれない。
 白ネギの緑の部分はポワロより肉厚(といえばいいのかな?)なので割れやすく、包みにくい。長時間入れていると、ドロリと溶けてしまう。

 と、コルドン方式は日本では難しいので、ティーバッグにヒントを得て”お茶パック”を使うようになった。
 ポケット部分に、好きなハーブ等を適当に入れ、くるくるっと巻き込めば出来上がり。

 紐をつけれけば、深い鍋でも取り出しやすい。便利です。



Img_5184  ※料理事典『Mots de cuisine』で調べてみると、ブーケガルニとは「煮込みやブイヨン、フォン、ソース、ガルニチュールを香りづけするための野菜のコンポジション。パセリの茎、タイム、ロリエ、たまにセロリ、サリエット、ローズマリー、またはポワロの緑の部分をタコ糸でブーケ型に整える」とある。

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2008年6月10日 (火)

スペイン2007夏。  ⑤カナリア名物、MOJO


Img_5152 海と山、両方があるカナリア諸島は、豊富な食材に恵まれている。

 その長い歴史の中で、ポルトガル、マグレブ、オランダ、そしてもちろんスペインなど多様な国々からの訪問者、あるいは新大陸で財をなして戻ってきた人たちによってもたらされた多様な文化や食材は、郷土料理にも足跡を残したという。

 原住民が入植者と穀物を交換したことから様々な穀物で作られるようになり、場所によるいろいろなヴァリエーションを生んだ郷土料理、”gofio”
 ”papa”と呼ばれるペルーから持ち込まれたジャガイモに、”batata”と呼ばれるサツマイモの一種。

 これら素朴な伝統料理に欠かせないのが、MOJOというソースだ。

 緑色のmojo picon verdeと、赤のmojo coloradoがある。

 たっぷりのコリアンダー、ニンニク、油、酢を滑らかになるまで混ぜたグリーンには、ジャガイモはもちろん、魚が合うという。

 赤は、赤唐辛子、クミン、ニンニク、油、酢を混ぜたもの。皮付きのまま塩ゆでしたポテト(papas arrugadas)にぴったりだとか。

 空港で買ったmojoは辛口。「肉にも魚にも、炭火焼き、プランチャ、フリットにもOK。パン、ジャガイモ、トースト、そしてゴフィオにもあう」とラベルにある。mojoを粉末にしたシーズニング・スパイスもあった。

 ニンニク、むんむん。オイリーで辛いのは、どこか、アリサっぽくもあり。

P1130048  レストランで魚のプランチャ?を注文したとき、まわりに添えられていたのもこれ(写真左)
 塩味だけで食べていると飽きることもあるから、味の変化が嬉しかった。
 別皿に入れて添えることも。

 ディップの要領で、何につけてもいい万能ソースなのだろう。こんなソース、日本にもあるような・・・。なんだっけ、なんだっけ? 思い出せない。

 ところで発音は、モホ
 モジョじゃありません。スペイン語ですから。(←勝手に間違えて喜んでいたのは私です)

 (参考文献:Canary island cuisine/Everest)


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※チーズを頼むと、チーズの上にドライフルーツやナッツがどっさり。
 ヤギ、羊、牛の乳で作るカナリア諸島のチーズはおいしいと定評があるそうで。チーズの塩気とコクにフルーツの甘さ・・・エンドレスです。

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2008年6月 4日 (水)

イチゴの季節の終わりに・・・

 

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 高かったイチゴも、「ジャム用に!」などとセールストーク付きで安売りされる時期になってしまった。

 イチゴはあまり好きではないのだが、今年はよく食べた。
 甘くて、香りが強くて、大きくて。久しぶりにいただいた日本のイチゴは、素直においしい。よくできている。
 輸送の問題さえクリアすれば、海外でも十分人気が出ると思うのだが、どうだろう?

 イチゴと言えば。
 仏人マダムの料理教室で教わったのは、なんとgateau frasier(フレジエ)

 焼いたスポンジにクレーム・パティシエを塗り、まわりにきれいにイチゴを並べる。
 スポンジの表面に、カラフルなパット・ダマンドをのせて、完成。

 こう書くと至極簡単に感じられるが(まあ、実際に作ってみると意外にシンプルなのだが)、一番驚いたのは、こういったちょっと手の込んだケーキだって家庭で作ってしまうという事実。作り方が頭の中に入っているという事実。

Img_7014_2  「田舎の家には大勢集まるから、大きなケーキを焼くのも慣れているのですよ〜」と余裕のマダム。
 麺棒やオーブン、焼き型・・・アンティークの店で売られていそうな年季の入った、使い慣れた道具でスイスイと作っていく。少しくらいはみ出ても慌てず、騒がず。「大丈夫、大丈夫」と涼しい顔でチョイチョイと修正してくださる。
 肉じゃが、カレー、パスタなど何度も作ったことのある料理なら少しくらい失敗しても軌道修正できるように、マダムのデザート作りもしっかり身についているからなのだろう。

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 「デザートのない食事なんて!!! 和食では果物がデザートなの?!」と、信じられないという表情を浮かべる人がいるし、「お利口さんにしないと、デザートなしにしますよっ!」という言葉に効き目があるほど、フランス人の食事におけるデザートの位置づけは大きい
 毎日のことだから、家庭でデザートを作ることも当然多いだろう。たま〜に本と首っ引きで菓子作りする私とでは、キャリアが違うのだ。

 とはいえ、マダムはやっぱりすごいですね。

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2008年6月 2日 (月)

ソラマメ事件。

 

Img_5099  スーパーで、はちきれんばかりにソラマメが入った袋が150円。
 迷わず、カゴに入れた。

 おやつに食べようとサヤから出そうとしたら、ほとんどに黒い点々がついていた。残念ながら、豆の内部にも点々はついている。カビ?

 そのまま食べてもいいものか、店に問い合わせたところ、電話に出た女性は謝罪の後、担当者から折り返し電話をさせると仰った。
 数分後、約束通り、野菜売り場の担当者の方から電話があり、何度も謝罪され、代替品を自宅まで届けてくれるとまで、申し出ていただいた!
 「次回、立ち寄ったときに交換していただければ結構です」とお断りしつつ、日本の親切な対応に驚くばかりだった。

 フランスでは、こうはいかない。
 いや、絶対に、いかない。とあきらめているので、クレームの電話さえしたことがない・・・というのが本当のところ。(だから、実際は丁寧に対応してくださるのかもしれません)

 だから私は野菜や果物はなるだけマルシェか、八百屋さんで、自分でより分けて買うか、食べ頃のものを店の人に選んでもらうことにしていた。
 自分で納得して選んだものだから、ところどころ傷んでいたとしても文句が言えない。
 ソラマメひとつとっても、サヤがふくらんで豆がいっぱい入っていそうなものを選び出していた。

 日本に帰国して以来、パッケージされたきれいな野菜に最初こそ戸惑ったもののすぐに慣れ、そんな習慣も薄れつつあった。(←安きに流れまくり)
 「お客様は神様」で、なんだかんだと甘やかされ、よく吟味せずに買った私も悪かったわけで・・・。

 賢い消費者になる道のりは、険しいのだった。

 

 ※反省の意味も込め、捨てようとしたソラマメの黒い点をナイフで削り取り、スープを作った(写真)
 最後にミントをアンフュージョンし、冷製にした。
 ミント風味が余計だと、大不評だった。
 とほほ・・・。

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