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2008年5月

2008年5月23日 (金)

星付きシェフ御用達ハーブ

Img_5073_2  今日、やっと届いた料理雑誌『Regal』の最新号(no.23 )に興味深い記事を見つけた。

 RENNES / Annie Bertin, la passion des herbes sauvages
     (野生のハーブに情熱をかけるアニー・ベルタンさん / レンヌ)

 見覚えのある名前・・・そう、レストラン、Le Chateaubriandでいただいたサラダに書かれていた名前だ。
 ○○のバター、□□のスモーク・サーモン・・・生産者にこだわることで知られるInaki Aizpitarteシェフの店だけに、有名な生産者なのだろうと気になって調べたのだが、あの時はAnne Bertinさんだと思っていたからわからなかった。

 記事に戻ろう。
 アニー・ベルタンさんはモン・サン=ミシェルから南に50㎞離れた場所で100年続く農家の4代目。もともと畜産と穀物主体だったが、アニーさんが野菜を始めたという。
 その鉛筆のように細いポワロ葱に最初に目をつけたのが、ブルターニュの3つ星シェフ、Olivier Roellinger
 角皿を使ったシックな料理に映えるニンジン、カブ、ベットラブなど”ミニ野菜”をはじめ、アニーさんが育てる香り高く、新鮮な野菜は、多くのシェフを魅了するようになる。顧客は、Michel BrasGeorges BlancPascal Barbotなどそうそうたる顔ぶれだ。

P1100635  ロケット、クレッソン、マスタード、ブレットなどの”野菜の若芽”(pousses・プス)や、クローバー/シロツメクサ(trefle)ノコギリ草(?achillee)など摘んできた野草も人気だとか。
 間違いない。シャトーブリアンでいただいたのは確かにクローバーだったのだ(写真右下)

 orties(イラクサ)のスープchenopode(アカザ)のグラタン、そば粉のガレットにはlierre terrestre(カキドオシ)の葉をそえて下草の香りを・・・。日本語でも知らないような植物のおいしい食べ方を熱く語るアニーさん。
 どんな味なのか想像もつかないが、体には良さそうな気がする・・・。(山菜や野草採りをする人ならわかるのかもしれないが)

P1100637 野草をワシワシ・・・馬のようだ(失礼!)。
 フランス料理には香り高いハーブをはじめ”葉物野菜”が欠かせないわけだが、日本ではそこまでではなさそう。セルフィーユ、シブレット、パセリでピンポン玉大に丸くまとめた小さなハーブのサラダを料理に添えたところ、誰も食べなかった(!)ことがある。
 山菜は食べるのに、ね。

 

 さて、アニーさんの野菜を食べたいなら、上記のシェフの店を訪れるか、レンヌのマルシェ(Marche des Lices)か、サンドイッチ店「Miam et caetera」で。

 思いがけなく謎が解けて、スッキリ! 
 (うれしくて、つい、ブログに書いてしまった)


 参考記事①

 

 ○Marche des Lices
     place des Lices, a Rennes
     (Ille-et-Vilaine)
     毎週土曜日午前中開催。

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2008年5月20日 (火)

ないものは作るしかない。 ①サーモンのマリネ



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 世界中のもの、何でも手に入る国、ニッポン。
 食へ傾けるエネルギーには敬服するが、その価格が高いのも事実だ。

 気軽に食べられるからこそ、フロマージュバゲットはあんなにおいしく感じるのだ。

 と愚痴ってもしょうがない。高くて買えないものは、自分で作るしかない。

 韓国のコルドンブルーの開校に携わったシェフも、ベーコンやソシソンなどすべて手作りしたと言っていた。ならば、作ってみようではないか。

 手始めにサーモンのマリネを。

 日本のスーパーで売られているスモークサーモンは、妙に赤くて、塩気がきついものが多い気がする。入っている量も数枚程度と、上品だ。
 その乾いた食感が好みではなかったが、フランスのスーパーで売られているsaumon fumeはねっとりしておいしかった。
 前菜によし、サンドイッチにしてよし、のり巻きにしてもよし。万能選手のこの食材、遠慮せずにバクバク食べたいものだ。

 燻製は面倒でも、スタージュ先で教わったマリネなら簡単にできる。
 生食用サーモンに10%の塩と砂糖粗く砕いたコショウ(mignonette)、そしてディルをまぶし、待つこと48時間
 ねっとりとしたサーモンマリネの完成だ。

 いろんな大きさのサーモンの切り身で作ってみた結果、切り身は大きいほうがいいが、半身だとマリネする場所に困るので、個人的にはその半分サイズがちょうどいい。

Img_4926 身に沿って水平に削ぐように薄く、薄くスライスしよう。
 そのまま食べるなら、オリーブオイルとレモン汁で和えてもいい。ちょっとしたサラダを添えるだけで、十分なごちそうになる。
 垂直に厚めに切って、茹でジャガイモ、ピクルスと一緒にいただいても。

 いろいろと手作りしてみると、今までは作り方を知らなかっただけで、実は超簡単にできるものが多いことがわかった。

 ご存知でしたか?


 ※「もうできたかな〜?」
 味見と称して、余ったパンをトーストし、なんちゃってロックス(写真右)
 自分で作れば、サーモンもクリームチーズも惜しげもなくたっぷり使えるのがウレシイ。
 保存料や添加物もなし。何が入っているかわかっているのが、実は一番ウレシイのだ。

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2008年5月19日 (月)

スペイン2007夏。  ④なにも(し)ない島、フェルテヴェントゥーラ

 

Img_1541  書きかけの旅行記をほったらかしにしていたら、”2008夏”がすぐそこに来てしまった。
 急いでまとめてしまわなければ。

 

 

 マドリッドを後にし、旅の目的地、Fuerteventura(フェルテヴェントゥーラ)へ。
 大西洋、アフリカ大陸の北西に位置するカナリア諸島のひとつだ。

 この島を選んだのは、ずばり、「テキトー」。
 本当はマダガスカルに行きたかったが、予算オーバー。
 それならば、ただただ、リラックスが目的の旅を。ゆっくりできれば、どこでも良かったのだ。

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 海に面し、数種類のプールがあるリゾート・ホテルを予約したところ、それは開発途上の、砂漠のような荒涼とした風景の中に要塞のように建っていた。

 

 

 読書三昧。
 たくさん持ち込んだ本を片っ端から読み、飽きたらプールに飛び込むか、ビーチを散歩するくらい。

 周りには寂れたショッピングセンターがポツポツとあるくらいで、本当にすることがない。

P1120991  暑さのせいで屋外スポーツをする気にもならない。島巡りツアーを申し込むのも面倒になり、ホテルに閉じこもり、ひたすら読書と昼寝を繰り返した。
写真右はある夜のホテルの出し物、アバのコピー・バンドのライブ! 歌い手、聴き手、双方とも、なにか物悲しいものがある・・・)

 

 パリよりもさらに、のんびり、時間が過ぎていく。
 こびりついた”浮き世の垢”が落ちていく感じがたまらなく心地良かった・・・。


 

P1130010

 ※困ったのは食事だ。ホテルに数カ所あるレストランは、客が少ないからか、交代で営業。近隣にはファストフードしかない。
 着替えて出かけるのもおっくうで、結局、朝夕ビュッフェで食事することが多くなり、最初はうれしかったガスパチョ(写真右)も最後にはちょっと飽きてしまった・・・。

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2008年5月12日 (月)

pates de fruits

Img_4875  フランスの心残りのひとつ、pates de fruits
 大好物なのに、製菓は門外漢で、習う機会がないままだった。

 キャラメル、マシュマロ、ヌガーなど、confiserie(コンフィズリー/砂糖菓子)の一種。
 カリン、フランボワーズ、リンゴ・・・砂糖がまぶされた正方形の内側には、果物の風味がギュッと凝縮されたペーストが。

   高級エピスリーやショコラティエのウインドーに並ぶ色とりどりのパット・ドゥ・フリュイは、まるで宝石でできた石畳のよう。うっとりと眺めるものの、その価格もチョコレート並み。ひとつ、ふたつ、慎重に味を選んだものをチビチビかじるばかりで、一度でいいからぎっしり詰まった”箱買い”をしてみたかったが、目が飛び出るような値段。結局、こちらもかなわぬままだった・・・。

 一番おなじみなのは、pate de coings(コワン/カリン)

 ペクチンを豊富に含むカリンはジャムでおなじみの果物。
 カリンが出回る季節には手作りする人も多く、ジャムを作った際に出る残りかす(residu)で作ることができるからだろうか、手作りのpate de coingsを何度かいただいたものだ。

 

 最近いただいたのは、南仏・Saint-Remy de Provenceからパリに進出し、La Grande Duchesseという店を開店したというLe Petit Ducのもの(写真)
 いかにもこの店らしい、試験管みたいな容器入りでかわいいのだが、我が家は全員、pates de fruitsに目がない。愛らしい形の小さな粒たちはあっという間に売り切れてしまった。

Img_4850_2 ああ、もっと食べたい。

 日本で買うとさらに高そうなので、自分で作ろうとルセットを読んでみると、生のフルーツをピュレにして煮詰める工程がかなり熱(暑)そう! ペクチンって、どこで買えるのだろう? お菓子づくりになると、ぐっと腰が重くなる。

 本格的な日本の夏が来る前に、挑戦したいところだ。

 

○Le Petit Duc
      7 Boulevard Victor Hugo
      13210 Saint-Remy-de-Provence
      TEL:04 90 92 08 317
  http://www.petit-duc.com/

○La Grande Duchesse
  13,Rue Castellan
  75008 Paris
  TEL:01 42 66 12 57

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2008年5月 8日 (木)

La Femme Chocolat  PartⅣ

 

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 引っ越しのために荷物を整理していたら、「おもしろそう!」と試しに買ってみたタブレットを2枚発見! チョコレートの買い置きを切らして困っていたので、かなり嬉しい。

 ローマの空港の売店で見つけたのは、Baciで知られるイタリアのチョコレートメーカー、Peruginaneroシリーズペペロンチーノ(写真右)

 もう1枚はカルフールで。Lindtcreation 70%シリーズCoulis de Cerise & Piment(チェリーソース&唐辛子)(写真左)

 どちらも唐辛子風味
 バスクを訪れたとき、特産品のピモン・エスプレット入りチョコ(Chocolat Piment d'Espelette)を見つけたが、大手メーカーも作っているとは知らなかった。

 食べ比べてみると、ペルジナは食べているときは普通だが、だんだん喉がカッと熱くなってくるほど辛さがストレート。

 リンツは、滑らかなテクスチャーのトリュフチェリー・ソース唐辛子を層にしたものを、カカオ70%のチョコレートで包み込んだ、ねっとりとした口当たり。その味わいは複雑で、唐辛子の辛さはかすかに感じる程度だ。

 同じ唐辛子入りでもこうも違うとは。国民性が出ているような気がして、おもしろい。

 ※調べてみると、perugina neropeperoncinoは日本でも買うことができるようだ。ネスレグループなのですね。

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2008年5月 6日 (火)

野菜のエチュベに想う

 

Img_3072 自家製即席ピクルスをかじっていたら、まだアップしていない写真を思い出した。

 我が家の食事会に、知人のシェフがお持ちくださったこの料理(写真左)

 鮮やかな黄色のベットラブをはじめ、ニンジン、カブ、カリフラワー、タマネギ・・・使われているのは、もはや説明不要、イエナのマルシェに出店している超有名野菜生産者、J.ティエボーの野菜たちだ。

 ひとつひとつ丁寧にトルネされた野菜は、コリコリと軽快な歯ごたえ。
 ヴィネガーの酸味、コリアンダーの風味が野菜の甘み、旨味を引き立て、すばらしい前菜になった。

 作り方を伺っているうちに思い出したのは、こちらも有名シェフ、東京・三田、コート・ドール斉須政雄さんのスペシャリテ、「野菜のエチュベ」

 『調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論』(朝日出版社)を読み感銘を受け、続けざまに読んだ『十皿の料理』(同)に登場する一皿。
 残念ながらいただいたことがないが、斉須シェフのフランス時代のエッセンスが込められた料理だと、強く印象に残っていた。

 本を読むと、実はかっこ悪さ全開の斉須さんのフランス・デビューに驚くのだが、そこは、フランスへの憧憬ともいえる一途な思いと真面目さでカバー。一歩一歩進んで行った、山あり谷ありの過程を語りながらも、そこには仕事論組織論というべき”生きるヒント”がちりばめられているのだ。

Img_5162_2  当時、フランスにも料理業界にも全く縁の無かった私ですらいたく感銘を受けた一冊。
 料理人として渡仏される人にとってはきっとバイブルに違いない!

 パリの日本人キュイジニエのアパートには必ず一冊あるのでは・・・。おいしいお料理をいただきながらも、妄想を膨らませずにはいられなかった。(←訊けばいいのに)


 ※普通の赤と比べ、こんなに美しいベットラブ(byティエボー/写真右)ですが、薄くスライスするばかりで最後までほかの調理法は思いつかないままでした。


 

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2008年5月 2日 (金)

鉢植えハーブのある生活@Japon

 

Img_4709 汗ばむような陽気の金曜日。G.W.後半が始まります。
 皆様、いかがお過ごしですか?

 

 まだ肌寒かった春先に植えたハーブがぐんぐん育っている

 いわゆる、キッチン・ハーブ。イタリアンパセリ、セルフィーユ、バジル、セージ、シブレット、ローズマリー、タイム、ミント、コリアンダー、レモングラス・・・と料理に使えるものばかり。

 日本では市販のハーブの価格が高く、量も少ない。しかも、買いにいっても必ずあるとは限らないので、栽培することにしたのだ。
 おかげでいつでも摘みたてのハーブが惜しげもなく、ふんだんに使えるようになった。

 茂ったミントをたっぷり使ったミントティーをいただいていると、プラザ・アテネアンバサドールの食事の最後に登場する、ハーブ・ティーの鉢植えワゴンを思い出した。
 白手袋をしたサービスの方が客の好みのハーブをばちり、ぱちりとハサミで切り、アンフュージョンしてくれる、ちょっとサプライズで嬉しくなるサービス。日本でもやっているレストランはあるのだろうか?

 さて、我が家のハーブのなかで、目を見張る勢いで成長を続けているのが、ディル(写真右手前)。毎朝、伸びている様は成長期の子どもを思わせるほどで、食べるのが追いつかない!

Img_4847 1mを超えんばかりに伸びた今週初め、花火のようなかわいらしい花をつけた。

 ハーブ栽培で参考にしている本、『ハーブさえあれば』(北村光世著、文化出版局)の中に、
「ディルの花咲くころ、ピックルス作りを。オクラがおいしいですよ」
という記述を見つけたので、さっそくピクルスを漬けてみた。

 

 ディルの花ごと20㎝程度の長さで切る。茂った葉の枝も同様に2〜3本。
 オクラ、キュウリ、ニンジン、セロリなど好みの野菜、ニンニク、赤唐辛子、ディルを入れたボウルに沸騰させたピクルス液(水、酢、塩、胡椒)を加えて冷ませば完成(写真左)
 ルセットには米酢とあったが無いので、穀物酢シードル・ヴィネガーをブレンドしてみた。

 ピクルスというと保存食。瓶詰めにする工程など、なんとなく面倒なイメージがあり、作ったことがなかったが、すぐに食べてしまうならタッパーで十分だったのだ。

 一日以上おいたほうがいいらしいが、つまみ食いしてみると、優しい酸味、塩味、ぴりりとした辛み、そしてなにより”我が家のディル”のあの独特の甘い香りがすばらしく、すでにおいしい。ボリボリ食べてしまいそうだ。

 フランスの味の濃い野菜で作ったら、もっとおいしくできただろうに!
 残念!





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 ※初めて野菜系を植えてみた。
 ラディッシュ、アーティーチョーク、フランボワーズが順調に成長中。
 アスパラガス
を植えたら、いつの間にか針のような芽が一斉に出ていて驚いた(写真左下:発芽から約1週間後くらい?)。初めて見たのだ。(密集して生えているのは、種まきの時、手がすべって袋の中身をばらまいてしまったからです・・・)

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