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2008年4月 8日 (火)

スローなレンズ豆

 

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 豆料理には難点がある。

 作ろうと思い立っても、すぐには作れない。
 おいしく作るには、一晩ゆっくり、水に浸さねばならない。
 多めに煮て冷凍しておくのだが、すぐになくなってしまう。

 そんな時、超便利なのが、レンズ豆
 水に浸す必要なし。さっとすすいで汚れを取ったら、すぐに茹でることができる。しかも所要時間は20分程度。お米を炊く感覚だ。

 レンズ豆と言えば、オーベルニュ地方のル・ピュイ・アン・ヴレ産の緑レンズ豆、Lentille Verte du PuyAOCで有名だ。
 と言っても豆。普通のスーパーで箱入りで売られているし、価格も国産黒豆などの高さと比べると、ずっと買いやすい。表皮が薄く、粉っぽくなくておいしいと、付け合わせに、サラダに、スープに・・・便利な食材なのだ。

 

 クレール商店街脇にある、こだわりのエピスリー"l'epicerie fine rive gauche"で薦められて買ったのは、緑ではなく"ブロンド"のレンズ豆(写真右上)
 緑と同じくオーヴェルニュ地方、2つの火山の狭間にあるSaint-Flourという村(?)で生産されている。

Img_4597_2  ”Nee des sols de la Planeze(溶岩の土壌で生まれた)”というコピー通り、その歴史は古く、18世紀後半にはすでに栽培されていたことが資料に残っており、1948年には作付面積は2000㌶という最高水準にあったという。
 ところが60年代に入ると、酪農業の活発化により作付面積、生産量共に減少し、輸入品との競争激化で生産が途絶え、市場から姿を消してしまった。

 それから30年余り。
 1997年に小さな生産者グループによるブロンド・レンズ豆の復活プロジェクトが始まった。
 ミシェル・ブラスなど著名シェフのアドバイスを受けながら科学的にも研究を重ね、見事、市場に復活を果たしたのだが、生産しているのは不安定な本業だけに頼らず、新たな収益源をと模索する酪農家。この活動に参加することが、農業従事者としての誇りを持つきっかけにもなっているという。(参考資料)

 フランスでは以前から、ゴボウ、パネ、トピナンブール、チョロギといった市場から消えてしまった野菜、legumes oublies(忘れられた野菜)を復活させるスローフード的なムーブメントがあるが、このブロンドのレンズ豆もそのひとつと言えるだろう。

 

Img_4605  さて、ソーセージと塩漬け豚バラ肉と一緒に軽く30分ほど煮たら、オーベルニュ料理風な一皿の出来上がり(写真左)。肉の旨みを吸った豆はとろりとして、美味。
 食べ残しの豆は、牛乳と一緒にミキサーにかけ、レンズ豆のスープにしよう。

 

 調理時間は超”ファスト”だが、出自は極めて”スローフード”なお豆のお話、でした。


 ○L'Epicerie Fine Rive Gauche
      8,rue du Champ de Mars
      75007 Paris
      TEL:01 47 05 98 18
      http://www.epiceriefinerivegauche.com

 

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