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2008年2月17日 (日)

今でもバイブルです


Sato 日曜日なので、たまには書評?を。

 パリ在住邦人にはおなじみのフリーペーパー『ovni』
 編集長で、コラムも執筆される佐藤真さんの隠れファンだった。

 彼が担当するコーナー、『A Table』は、毎回、パリの旬の食材を使った料理を紹介する、在住者、必読のコーナーだ。フランスならではの食材をフランス風はもちろん、パリにひしめく多国籍民族風に、そして和風に料理してみせる。

 これぞリアルなパリ。なエスプリが文章ににじみ出ていて、しかもシズル感たっぷり。想像してよだれを垂らしたり、実際に作ってみたりした。

 こんな佐藤さんとの出会いは、彼の著作、『パリっ子の食卓』(河出書房新社)。巻末データを確かめると、初版が出たのは1995年となっているから、もう12年以上も前の話だ。

 当時、日本でフレンチと言えば、ブルジョワな雰囲気の、どちらかといえば肩の凝るレストランが大半を占め、カジュアルなイタリアンに押され気味だったような。
 旅先でいただいた大振りのキッシュグラタンみたいな飾らないフランス家庭料理を食べたい・・・と思っていたら、バッチリの本に出会った、というわけだ。

 春夏秋冬、四季のテーブルを飾る90皿のレシピ。
 エピソードを交えながら、レシピは進む。材料などが別記されていないから、ちゃんとテキストを読まないと出来ない仕組みになっているが、興味深い内容とリズム感ある文章で、苦にならない。家庭料理らしくかなり大ざっぱなのもとっつきやすかった。

 

「タンポポのサラダ」「エイの焦がしバターかけ」「カモ肉の脂漬け」・・・まだ見ぬ食材に思いをはせ、心躍らせて読んだものだ。

 たぶん、最初に作ったのは意外にも、「エビ入りワンタン」だったか? パリの中華街を知ったのはこのページで。調理器具”シノワ”も、たぶん、ここで読んで知った。
 「ラタトゥイユ」「カリフラワーのグラタン」「グラタンドフィノワ」「ロスビフ」・・・日本にいながらにして、「こんなのじゃないかなあ」と想像しながらよく作ったものだ。

 縁あってフランスに住むことになったとき、迷わず荷物に入れた。
 パリでもう一度読んでみると、この本には、食を通じたパリっ子の普段着の生活が生き生きと記されていた! 興味深すぎる! 「そういうことだったのか」と本に書かれていた事柄への理解が進み、本当に役立ってくれた。おかげでパリの食生活という点では、読んでいない人よりかなり”ショートカット”できたと思う。
 使い込んだせいで、大切にしていたつもりだったが、ところどころ傷んでしまったほどだ・・・。

 パリから戻った今でもしばしば手に取る、バイブル的一冊。

 絶版になったのが信じられない! 読まずにパリに住むなんて、なんてもったいない!


 ※帰国前に、思い切って佐藤さんにサインをしていただいた。
  すてきなメッセージも加わった今、本当に愛蔵本になった。パリの良き思い出になりました。ありがとうございます。

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