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2007年8月27日 (月)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑱tete de veau

 

 ※注意! 今日は少々、グロテスクな話題&画像付きです。

  内臓系の苦手な方は読まないほうが良いかも・・・。







 

 「市庁舎前のキス」など、パリの街角の風景を見事に切り取った作品で知られる写真家、ロベール・ドワノー(Robert Doisneau)。彼の写真集をパラパラと眺めていたら、あるページで手が止まった。

 L'echaudoir de la rue Sauval(ソーヴァル通りの熱湯処理室/1968年)。ランジスに移転する前、パリの胃袋、中央市場として機能していたレ・アール食肉処理場で撮影された写真だ。中央には、血が点々とついたエプロンを身につけた男性が牛刀を構えている。「なんの用だ?」と言わんばかりにその表情は険しい。

 そして、彼が左手で押さえ、今にも処理を始めそうなのが、tete de veau(仔牛の頭)なのだ。

 肉に限って言えば、何でも食べる国民だなあ、とフランス人には感心させられることが多いが、テット・ドゥ・ヴォーはその典型的な例だろう。
 フランス伝統料理のひとつなのだが、スタージュ先のレストランで、業者が搬入したテット・ドゥ・ヴォーのセットを初めて見た時の衝撃は忘れられない(写真左)

P1060005  お面状にきれいにはぎ取られた仔牛の頭の皮が箱につめられてやってくるのだ。耳の穴にはゴワゴワした耳毛。口の内側のギザギザの突起。ひげが生えた口元は”ゴマちゃん”のよう。

 「こんなものを料理に使うなんて!」
 コルドンでは見たことがなかった。興奮のあまり、しばらくの間、友人に会うたびに、その話をしたものだ。

 ”セット”は、血抜きと臭みを取るため流水に一晩漬けた後、ブランシールする。脳の表面の薄い皮をはぐのが難しい。モタモタしていると、白子のようにとろけてしまいそうだ。

 通常、精肉店で売られているtete de veauは、この状態の皮をロール状に巻き、タコ糸でしばったもの。

P1090139 これにゆっくり火を入れ、スライスし、sauce ravigote(タマネギ、ピクルス、ケッパーなどのみじん切り入りヴィネグレット)をかけていただく。

 レストランでは、やわらかく煮た皮、舌、軽く茹でた脳、トルネしたジャガイモを皿に盛り、ハーブがたっぷり入ったラヴィゴット・ソースを別に添える(写真右はリヨンのブションでいただいたもの)

P1090145

 

 ゼラチン質特有のねっとり感とソースの酸味がぴったり。舌はやわらかく、脳は白子のようなまったりした口当たり。
 口の中を洗い流すようにワインを飲んでは、また一口。
 食べている途中から、翌日は肌がつやつやになりそうな気がしてくるが、冷めてくると少しくどくなってくるのが難点か。

 あらかじめテリーヌにして、表面をカリッと焼いたカフェ・コンスタンや、フォアグラ入りのスライスを温めたA&Mのもの(写真左下)が、個人的には気に入っている。

 さて、ドワノーが撮影した冒頭の男性は、どうやって頭を解体してくのだろう?

P1050529 興味がある方は、こちらを参照ください。(注意! かなりグロテスクです)



 ○Cafe Constant
  139 rue Saint-Dominique
       75007 Paris
       TEL:01 47 53 73 34
       metro:La Tour Maubourg

 ○A et M Restaurant
      136 Bd Murat
       75016 Paris
       TEL:01 45 27 39 60
       metro:Porte de St-Cloud

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