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2007年6月

2007年6月30日 (土)

乳製品天国!@ノルマンディ ー前編ー

                            Img_9921_2

 これは危険すぎる。

 夕食の前に焼き上がったばかり、まだほんのり温かいタルトタタンにたっぷりとクレーム・フレッシュをつけていただきながら、思った。
 バターの風味がぷんとする、サクサクしたタルトとキャラメル色に染まったリンゴを、滑らかなクレームが包み込む。いくらでも食べられそうだ。


 知人の別荘のあるノルマンディのとある村へ。『シェルブールの雨傘』で知られるシェルブールの近くにある。
 お邪魔した3日間、様々なノルマンディの食材を味わったが、秀逸だったのは、やはり、乳製品。おいしいとは聞いていたが、かくも違うものなのか。

 

Img_9869  牛乳、バター、クレーム・フレッシュ、フロマージュ・ブラン、カマンベール、ポン・レベック、その他のチーズの数々・・・。

 パリにもあるスーパーチェーンでも、乳製品コーナーの品揃えは明らかに違う。パリでは見たことがないブランドの乳製品がいくつも並んでいるのだ。地元の老舗メーカーなのだろうか、ややレトロな感じのパッケージの柄もにも心ひかれ、全部買って帰りたくなる。

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 近所の農家の農場にお邪魔し、牛の乳搾りを見学した。
 ノルマンディ牛とは、実は白と茶のぶちなのだとか。知らなかった。
 絞った牛乳は容器に移してまとめる。これがあのおいしい乳製品のもとになるのか・・・。

 

Img_9911  知人の方のおすすめのマルシェの店でバター、フロマージュ・ブラン、チーズなどを購入。
 クレーム・フレッシュはねっとりして、容器に入れるのも大変そう。レードルをふる腕に力がこもる。
 「濃厚ですね」と言うと、店のムシューは容器を逆さにしておどけてみせた。

 

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2007年6月29日 (金)

直球勝負な店 ーLa Fontaine de Marsー

 

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 サン・ドミニック通りの人気店、La Fontaine de Marsが、拡張&改装工事を終え、新規オープン。

 古い店の時は、Sud-Ouest中心のトラディショナルな料理、とても感じの良いサービスが印象的だった。
 広くなった店内は、以前の通りの木目調で温かな雰囲気。ピンクのギンガムチェックのテーブルクロス、ナプキンが敷き詰められているのも変わらない。

 シャルキュトリーの盛り合わせ、フォアグラのテリーヌ、鴨のコンフィのジロール添え、フィレ・ステーキ、アンドゥイエット、鶏肉のロティのモリーユ添え。フリットやグラタン。くたっと煮たインゲン。小さなサラダ。
 メニュもほとんど変わっていない様だ。

P1120428  頼んだのは鴨のオレンジソース
 クラシックで見かけるような肉をスライスしたプレゼンテーションではなく、たて半分に切られて登場。オレンジピールを効かせたポレンタ添え。ほんの少しだけ、モダンな感じを目指している?
 とはいえ、脂身が薄くなるほどカリッと焼かれた外側と、噛みしめるほどに鴨のうまみが広がる赤身のおいしさにうなる。

P1120434  話題の「ビストロ・グルマン」的な、ガストロノミックなひねりなど見られないシンプルな料理ばかりだが、サラダの葉はシャキッと新鮮で、肉のキュイッソンは確か。
 一口味見した日替わりの”鴨のパルマンティエ”の素朴なおいしさに驚き、良く焼けた酸味のあるパンをほおばり、ぴったり食べ頃のフロマージュにうっとりした。

 この”直球勝負”な感じがたまらない。

 と思っているのは私だけではないようで。家族連れ、旅行者、そして常連らしき、近所のマダム・ムッシューたち・・・。いろんな人たちでにぎわう店を切り盛りするマダム以下、スタッフの方の感じの良さも相変わらず。

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 ○La Fontaine de Mars
  129 rue Saint-Dominique
       75007  Paris
       TEL:01 47 05 46 44
       FAX:01 47 05 11 13

 

  ※以前紹介した隣接の姉妹店L'Auvergne Gourmandeは拡張のため閉店しました。

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2007年6月27日 (水)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑯coeur de laitue

 

 

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 パリ暮らしのバイブル的一冊、『パリからのおいしい話』(戸塚真弓著、中公文庫)

 フランスに来た当初、右も左もわからず、言葉もできず、知り合いもいなかったころ、この本に出会った。仏人男性と結婚し、仏社会の中で生きる筆者が詳細につづるパリの”食”を通して、パリの文化をも語ってみせる。

 ”パリの人ってこんな人・・・”。読後、ぼんやりと輪郭めいたものが見えてきて、この国の食に興味を持つきっかけとなった本だ。


 

 『マリ・クレール』に連載されていたというだけに、どの章も興味深い話題が満載だが、今回はサラダの話を。

Img_9762 金持ちの知人の家で昼食をごちそうになった戸塚氏が、感心したというサラダ。
 
 『(前略)私はサラダにすっかりまいってしまった。淡いみどりの、柔らかくて、小さなかわいい葉ばかりだったのである』
 レタスが4〜5個、芯の部分だけ使われたサラダに、『なんと気のきいた、さりげないぜいたくであろうかと、私は感心したのである』。

 庶民が到底思いつかないような、フランスの上流階級のスノビズムを垣間見た気がして、少々嫌な気持ちになると同時に、彼らをはじめ、フランス人の食への強いこだわりに触れる、象徴的なエピソードだった。

                          

 本が出版されて20年余りたった現在。
 スーパーではcoeur de laitueという名で小ぶりのレタス(のしん?)が6個入りのパックで売られ、庶民でも遠慮なく食べられる時代になった(もしかすると、そのころから存在したのかもしれないが)。
 残念ながら、氏の書いたような”柔らかさ”はそれほど感じられず、焼いてもよさそうなほど、シャキシャキ感が勝っている。庶民仕様なのか?

 

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 四分の一に切ったレタスにドレッシングをかけてほうばりながら、「でも本に登場したあの人たちは、いまだにレタスをいくつも丸ごと買って、サラダを作っているのだろうな」と思った。私にはもったいなくてできない。

 悔しいぞ。

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2007年6月23日 (土)

トマト・コンフィを作ったら・・・

 

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 トマトが安くなってきたので、トマト・コンフィ(confit de tomates)を作ろう。

 コルドンでは、romaという細長いトマトを使ったレシピを教わったが、ローマはまだ高い。キロあたり2ユーロちょっとの普通のトマトを十数個買った。


 作り方は簡単。湯むきし、種を取ったトマトに油、ニンニク、タイム、塩、砂糖をふりかけ、120度のオーブンで数時間焼くだけ。
 トマトの味がぎゅっと凝縮されたコンフィは、タイ、タラなどの白身魚はもちろん、豚肉や鶏肉にも合う。パスタは言うまでもない。(写真左:スズキのポワレにトマト・コンフィを散らしてみた)

 

Img_9535_2_1 トマトをオーブンに入れてしまうと、皮と種が残った。
 スタージュ先のレストランで湯むきしたトマトの皮を捨て、注意されたことを思い出した。何に使っていたかは忘れたが、簡単に捨てるものではなかったらしい。
 思いがけない失敗のお陰で、それ以降、何かを捨てる前に必ず尋ねる癖がついてしまった。

 キロ単位の食材を扱うレストランでは、まさに”ちりも積もれば山となる”

 ズッキーニやニンジンなど、何箱もの野菜をさいの目にした時は・・・。へたと先端の落とし方がもったいないと、またもや、注意された。山のように出る切れ端を集め、まかない用にしていたのだ。
 アスパラガスの季節には、やはり、山のように出るで、スープを作るところもあると聞いた。
 パセリのみじん切りだって油断ならない。葉を取り除いた茎はフォン作りに欠かせない香味野菜だから、取っておかねばならないのだ。

 食材を余すところなく活用するプロの技を見習わなければ。ボウル一杯のトマトの皮と種を前にしばし考える。

 ニンニクを加え、ミキサーにかけ、裏ごしする。上等のオリーブオイル、塩、コショウを加え、再び攪拌すると、”パン・コン・トマテ風”ペーストができた。きれいなオレンジ色で、余り物で作ったとは誰も思うまい。

Img_9655 カリッとグリルしたパンにたっぷり塗り、生ハムをのせていただいた。
 キュウリやセロリ、パンなどを加えてガスパチョ風にしてもおいしいかもしれない。


 ※皮と種付きのトマト・コンフィもある。多めの油で文字通り”煮て”作るルセットも。

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2007年6月22日 (金)

ひとまねこざる PART2

 

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   友人とフィナンシェ作り。

 フランボワーズが4パックで3ユーロと安かったので、フランボワーズ入りにしよう。(安売りのフランボワーズは傷んだものも多い。きれいなものを選び、使う前に一粒ずつ、カビがはえていないか要確認)

 小さなケーキ型に生地を流し込み、フランボワーズを沈めて焼く。

 焼き上がったら、飾り用にとっておいたフランボワーズを楊枝でさし、粉糖をふりかけ、出来上がり。


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 以前、seccoで売られていたのがあまりにかわいらしくて、思い出しながら、まねして再現してみた。

 バターとアーモンドプードルが入ったリッチな味わいに、フランボワーズの酸味が加わると、大きめのサイズでもぺろりと食べられる。
 素朴な焼き菓子も、こんなちょっとしたひと手間で、ケーキっぽく変身!するのだ。

 これくらいならお菓子作りの苦手な私でも、なんとか。

 

  ○Secco
     20,rue Jean Nicot
     75007  Paris
     TEL:01 43 17 35 20

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 ※フィナンシェで使うのは卵白だけ。
 余った卵黄で、クレーム・ブリュレを作った。
 湯煎にかけながら、オーブンでゆっくり火を入れた。クリームのおいしさも手伝って、滑らかな出来上がりに。
 卵黄を使うお菓子は、ほかに何があったっけ? 

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2007年6月21日 (木)

クレーム・フレッシュの日々。

 

Img_9478 料理教室で教わって以来、チーズ専門店のクレーム・フレッシュ(creme fraiche)にはまっている。

 それまでは、スーパーで売られているものを買っていた。おいしいけれど、まあ、普通だ。

 チーズ専門店のそれは、色からして違う。今回買ったのは、有名店、Barthelemyのもの。

 白ではなく、ベージュがかった、ねっとりしたクレーム。
 フタを取ると、フタについたクレームがピンと角を立てる。
 滑らかなバターのようなコクと、ほのかな酸味が同居している。 

 これをたっぷり、タルトタタンに添えていただく。さすがフランス人。黄金の組み合わせではないか。(温かいアップルパイに冷たいアイスクリームを添えるアメリカ人も「エライ!」と思ったが)

 おいしい、おいしい、と食べながらも、所詮、クリーム文化にあまり馴染みがない。買う時は、目的が決まっているから、応用力がなく、小さい容器で買っても余らせてしまう。

P1100508  「とんでもない!」
 と、バルテルミーのマダム。
 「例えば、ソースに入れたら? エスキャロップを焼いた後のフライパンに入れてね。魚にもいいわよ。クリームを捨てるなんてあり得ないわ!」
 そう言われれば、そうなのだが。作っているときにはアドリブがきかないのだ。

 わざわざ、ではなく、仏人マダムのように軽〜く、クリームを使いこなせるようになりたいものだ。


○Barthelemy
  51 rue de Grenelle
  75007 Paris
  TEL:01 45 48 56 75
  metro:Rue du Bac


Img_5981_1  ※クレーム・フレッシュには液体のもの、脂肪分が少ない”legere"など数種類がある。記事は、固形になったcreme fraiche epaisseのこと。脂肪分が30ー40%と、バター(80%)に比べ低いため、料理ではバターや油の代わりに使わうこともあるという。パスチャライズしたクリームを乳酸菌で発酵させることで、独特の酸味、テクスチャー、味わいが生まれる(creme crueは除く)。

 AOC認定されているノルマンディの”Isigny"のクレームの脂肪分は平均40%(35%以上ないと認定されない)。ノルマンディの大地が生み出すごちそうのひとつだ。(参考資料:regal no.4)

 (写真右:バターで有名なエシレのクレーム・フレッシュもあります)

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2007年6月19日 (火)

道具馬鹿一代   ⑩ヴィンテージのル・クルーゼ

 

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 探し物を求めて、時折、クリニャンクールヴァンヴのみの市(Le Marché aux Puces)に足を運ぶ。

 埃っぽいし、価値がわからないし・・・と、10数年前観光で行ったっきりだったのだが、目的があると結構楽しいものだ。気候が良くなり、寒い時期より出店者が増え、見ごたえもある。

 ”探し物”はまだ見つからないが、毎回、行くたびに、何かしら掘り出しものに出会い、安さも手伝って、つい買ってしまう。ガラクタ増殖中なのだ。

 最近のヒットがヴィンテージのル・クルーゼ鍋(写真右)
 高さのある、見たことのない形に心ひかれ、手に取ってみた。いい黄色だ。取っ手の部分のエナメルがほんの少し欠けている程度で、目立ったシミもない。最近すっかり”揚げ物専用鍋”と化しつつある私のココット・ロンド(グレー・20㎝)より、ずっときれいだ。

 何に使う鍋なのだろう?
 「普通の鍋として使ってもいいし、スープを作っても。フォンデュにもいいんじゃない?」
 と店のムシュー。

P1110392 即決。

 ベルギーのブルージュオイル・フォンデュを食べて以来(写真右)、気に入り、フォンデュ鍋を買いたいと思っていたが、下の保温用キャンドル・スタンドは要らないなーと迷っていたのだ。早速、フォンデュ用のフォークも買わねば!

 

 ところで、私はSTAUB派で、ル・クルーゼに詳しくない。この鍋は何というシリーズ(というものがあれば)なのか。元々はフタがあったのか、なかったのか。

 教えて、偉い人!

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 ○Puces de Saint-Ouen(クリニャンクール)
  metro:Porte de Clignancourt
  http://www.parispuces.com/FR/
                                                                                     

 ○Puces de Porte de Vanves(ヴァンヴ)
  metro:Porte de Vanves
  http://www.pucesdeparis-portedevanves.com/

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 ○パリの専門市場を一覧にしたサイト
      http://www.bonzour.fr/pratiques/pratique-senmon.html


 ※ナス色のSTAUBを買おうかと迷っているうちに生産終了。がっくり。同じ雰囲気の”マジョルカ・バジル”も気になるけれど、これもそのうち無くなりそうな予感・・・。

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2007年6月18日 (月)

実はアメリカン? ーVichyssoiseー

 

Img_9563  料理教室でヴィシソワーズを習った。

 ポワロネギとジャガイモをクリームでつないだものを、冷やしていただくスープ。あまりにも有名なフレンチの一品だが、同席したどなたかが、ふと漏らした言葉が心にひっかかった。
 「そう言えば、こちらのレストランで見かけないわね」

 調べてみると、「へぇ」なトリビア(古い?)が。
 wikipediaなどによると、このスープを考案したのは、米国・ニューヨークリッツ・カールトン・ホテルの仏人シェフ、ルイ・ディア(Louis Diat)だというのだ。

 

 1917年6月、リッツ・カールトンの屋上レストラン「ルーフ・ガーデン」のオープンに合わせ、故郷フランス、ヴィシーの夏の暑い日、ディアの母が”ポタージュ・ボンヌ・ファム”に冷たい牛乳を注いでくれた思い出に発想を得て作ったのがはじまりなのだとか。

 作ったのがフランス人だといえど、アメリカ生まれのスープだったとは。知らなかった。
 ミネラル・ウォーターの採水で知られるヴィシーの名がつくのは、使用する水にこだわって作るスープなのか?などと勝手に推測していたのだが。

 どうりでレストランで見かけないはずだ・・・と納得するのはまだ早い。

 フランスの料理本にもヴィシソワーズのルセットはちゃんと載っているし、ネット上でもフランス人によるルセットを数多く検索できる。フレンチの巨匠、ロビュションだって、自分の番組で取り上げているではないか。
 やっぱりフレンチなんじゃない?

 料理史において、未だに議論が分かれる問題らしく、Jule Gouffeという仏人シェフが1869年に出版した本(Royal Cookery)に書かれたルセットが始まり、と主張する人(おそらくフランス人?)もいるのだとか。やれやれ・・・。


 ※写真は家で作ったヴィシソワーズ。ポワロの白い部分のみを使うべきところ、けちって緑の部分も入れたので、真っ白なスープにはならなかった。

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2007年6月15日 (金)

おひとりさまのオイスター処 ーL'ECUME ST-HONOREー

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 珍しくお腹をこわした。
 おととい食べたカキにあたったのだろうか、年中食べられるとはいえ、Rがつかない月はやめたほうがよかったのだろうか・・・などとぼんやり考えていると、ブログにアップしていない店を思い出した。

 L'ECUME ST-HONORE
 鮮魚店の半分のスペースにあるカウンターで、シーフードが食べられる店。北斎っぽいタッチで海が描かれた看板がおもしろい。
 まだ春先の頃、食事しようと友人と出かけたものの、あまり食欲がなく、「そういえば・・・」と思い出して行ってみたのだ。

P1110069  エクスプレスというカキ6個、パン、グラスワインのセットが、たしか、9ユーロ台だった。カモメの鳴き声(効果音)をききながら、新鮮なカキにレモンをしぼり、つるり、つるり。ぶらっと来て、パッと食べるには十分な内容だ。

 お店の方は親切で感じがいいので、一人旅の”おひとりさま”でも大丈夫だろう。この日も、おじさんのおひとりさまが2人、黙ってカキを食べていった。

 もちろん、エビ、サーモン、貝など他のシーフード、お総菜も注文できる。場所柄、日本人客も多いらしく、日本語メニュも準備されているから、難しい(?)魚介類の注文も心配無用だ。

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○L'ECUME ST-HONORE
  6 rue du marche du St-Honore
  75001  Paris
       TEL:01 42 61 93 87


  ※便利な店を見つけたと喜んでいたのだが。
 「フランス人は食後に甘いものを欠かしませんから、魚屋のウチのデザートはこれ」と薦められ、おもしろがって注文したサン・ジャックの刺身が高かった! とろりと甘くてそれはそれはおいしかったのだが、ホタテの貝柱1個に15ユーロ(2400円)とは。高級寿司店並みではないか。
 メインより高いデザートを食べたのは、後にも先にもこの時だけ。

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2007年6月14日 (木)

意外にイケマス

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 バカンスが近づいてきた。
 母子だけで日本に長期里帰りする家庭も多い。残されたお父さんは、パリでひとり、何を食べて過ごすのだろう? 日本のように何でもあるところではないのだ。

 そんな余計なお世話的な心配をしていたら、スーパーで目にとまったのが、レトルト食品。冷蔵コーナーに並んでいるものだが、これはJoel Robuchon監修のMon "fameux parmentier au canard"(私、自慢の鴨のパルマンティエ!)

 plats cuisinesと呼ばれる個食になったレトルト食品の分野には、多くの有名シェフが進出している。料理雑誌Regalによれば、ロビュションをはじめ、ギー・マルタン、トロワグロ兄弟、アラン・サンドランス、ベルナール・ロワゾー、そしてポール・ボキューズが名を連ねる。シェフではないがルノートルも。
 Pave de veau aux cepes et puree de pommes de terre(仔牛のセップ風味、ジャガイモのピュレ添え)といったおいしそうな献立がずらり。

Img_7096 試しにロビュションのパルマンティエを買ってみた。
 耐熱皿にはいった商品を、オーブンで焦げ目がつくまで温めるだけ。食べてみると・・・おいしい。ピュレの表面はサクサクし、中はなめらかで、風味豊か。その下に敷き詰められた鴨の、コクのある旨み。
 何も言わなかったら、インスタントだとは誰も思うまい。普段、この手のものをあまり食べないせいもあるのか、予想以上のおいしさにビックリ。他のシェフの商品もこんなにおいしいのだろうか?

 

 パリ残留組のお父さんたちにもおすすめしたいところだが、さすがグラン・シェフ、一個6ユーロ以上もする。カルフール(サンドランス)カジノ(トロワグロ)などスーパーのPB商品だと若干安めだが、それでも5ユーロ前後。パンやサラダをつけたら、10ユーロを超えそうだ。
 日本食の店でラーメンを食べるほうが安く済むかもしれない。

 パリのアパルトマンで一人、星つきシェフのインスタントを温めて食べる日本のお父さん。豪華なのか、寂しいのか、よくわからない。『孤独のグルメ』に登場しそうな妙な光景だが、たまにはいいのかも。



 ※若干、古いデータになるが、グラン・シェフによるこれらの商品は年間(2004.6月ー2005.6月)約700万食が売れ、全体の売り上げの10%を占めるという。売り上げ上位の内訳はP.ボキューズ(39%)、ロビュション(36%)、ロワゾー(21%)という順番だった。(参考資料:Regal no.7)

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2007年6月13日 (水)

オサレなcoreen  -GWON'S DINING-

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 ひょっとすると、日本食の店より、韓国料理に行くことが多いかもしれない。

 チャプチェチジミ、辛い皿(エイや豚、イカなどの辛味噌あえ)を適当に頼んだあと、プルコギカルビ定食をいただくのが我が家のパターン。ナムルキムチ佃煮など、定食についてくる小皿を最初に食べられるともっといいのだけれど。

 100%満足できる日本食の店がないのと同様、韓国人の友人にお勧めの店を尋ねても、誰もが「う〜ん」と首をひねるばかり。評判がいいのは、Passyの”ウージョン”「高いけどね」と必ず一言つくけれど。

 私は家の近所のSAMOに行くことが多いが、正直、どの店に行っても、あまり違いがわからない。
 どこでもそれなりにおいしい反面、個性がないと思っていたので、知人の方がGWON'S DININGに案内してくださった時は、少々驚いた。

P1110861 なんと、おしゃれ、シックな内装だろう。
 アンティーク風のチェスト、青磁のつぼがしっくりなじむような、温かみのある空間でもある。

 突き出しに、体によさそうな、重湯のような松の実のスープが出てくる。

 

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 シンプルな白い皿(ALESSI?)にのせられてくる料理は、他よりやや繊細な印象が。感じのいいスタッフの方が混ぜてくださる石焼きビビンバは、日本で食べていたものに近い、具だくさんで優しい味わいだった。

 土鍋に入ったカルビなど、食べたことがないメニュも多 い。P1110869
 周りの韓国人が頼んでいるものがおいしそうで、気になってしょうがない。満腹なのに意地汚く、「あれは何ですか?」と店の人に尋ねた。

 

P1110868  「パリには、いい韓国料理の店はない!」と悔しそうに言っていた韓国人の友人のことを思い出した。彼女がこの店をどう思うのか、きいてみたいものだ。


P1110870  ○GWON'S DINING 
  51 rue Cambronne
      75015 Paris
      TEL:01 47 34 53 17
      metro:Cambronne 

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  ○WOO-JUNG  
  8 bd delessert
    75016 Paris
  TEL:01 45 20 72 82P1110873
  metro:Passy

   

   ○SAMO
   1 rue du Champs de Mars
     75007 Paris
     TEL:01 47 05 91 27
      metro:Ecole Militaire

 ※タイトルは、オシャレと書くのがなんだか恥ずかしくて”オサレ”にしました。誤用ですね。

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2007年6月12日 (火)

講習会@Sadaharu AOKI

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 4年前、フランスに来たとき。
 ”さだはる”と言えば、私の中では王監督のことだった。
 時代も、私の認識も変わった。今、”さだはる”と言えば、間違いなくこの方、青木定治シェフ。説明は不要だろう、おそらくフランスで最も成功し、知名度の高い日本人パティシエだ。

 日本にも逆上陸し、多忙を極めているだろうに、パリのアトリエでは定期的にデモンストレーションを行っている。日本から参加する人も少なくないという。友人に誘われ、参加することにした。


 Port Royal店の2階にあるアトリエは、店の雰囲気そのままの、真っ白なSadaharu AOKIワールド。とはいえ、気さくな青木シェフのトークに笑い、次々と回ってくる試食をほおばりながら、リラックスムードのなか、講習は進む。

 この日教わったのはCake au chocolatCheese cake citronneの2種類。

P1110927 製菓の経験がほとんどゼロなので、「水129g、砂糖86g・・・」といった細かな計量を要するルセットが新鮮だった。

 冗談を言いながらも、ポイントは理論をふまえながら、きっちりと説明してくださる。「ああ、そうだったのか!」とひざを打つような事柄も、今回、いくつか。

 実は、日本人パティシエの仕事を間近で見るのは初めて。幸運にも、いきなりトップの人の技を見る機会を得たわけだ。
 さすが。作業は手早く、ひとつひとつの動きに無駄がない。数種類ある工程もあっという間にこなしていく。ダイナミック、かつ、滑らかなスパチュラづかいをうっとり眺めた。

Img_9363 シェフの成功のきっかけとなったというチョコレートケーキ。ケーキ誕生までの逸話を伺い、菓子作りへの情熱、ゆるぎない自信も納得。
 リッチな味わいは、ヴァローナのカカオ・プードルヴァレンシア産オレンジのせいだけじゃない、シェフの思いがずっしりつまったケーキなのだった。

 予想以上におもしろかった。今度は何を教わろうかと、7月の予定を眺めている。

 

 ○Sadaharu AOKI Boutique Port Royal
  56 bd de Port Royal
      75005 Paris
      TEL:01 43 37 65 36P1110949
      http://www.sadaharuaoki.com/

 ※この日のケーキをそれぞれひとつずついただいた上、ほかにもいろいろな試食がまわってきて食べきれないほど。さらに、写真のチーズケーキをお持ち帰り。
 シェフとの記念撮影は”強制!”。サービス精神旺盛な、楽しい方だ。

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2007年6月11日 (月)

まめまめまーめ

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 豆好きなもので。

 

 グリーン・ピース( petits pois)は頻繁に食卓に登場する食材。さやにぎっちり大粒の豆がつまっていて、ボウルにあけるとき、ボロボロッと音がするほど。太っちょなのだ。

 

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 あるときは、豆ごはん
 私はお米と”一緒に炊く派”なので、本当に簡単。炊ける時に漂ってくる、豆ご飯独特の香りがたまらない。
 日本より安いので(たぶん)、加えるグリーンピースの量もたっぷり。炊飯器のフタを開けると、鮮やかな緑に炊きあがったグリーンピースが一面にびっちり並び、米が見えないほどだ。これも、嬉しい。


P1110794_1  仏人マダムに教わったグリーンピース料理はフランスっぽい(当然ですね)。
 バターでプチ・ポワを炒め、4等分に切ったレタスのしん小タマネギを加え、ブイヨンで煮る。皿に盛り、別にソテーしたベーコンを散らす。
 煮すぎじゃ?と心配したが、くたっと柔らかくなったグリーンピースのおいしさは驚くほど。前菜にいただいても、肉料理の付け合わせにしても。


 
Img_9339_1 ソラマメ(feve)もよく買う豆だ。
 日本のものより小粒なのが、がっかり。小さいため、数も増えるから、処理が少々面倒になる。
 塩ゆですることが多かったが、最近、皮ごと焼いている。
 オーブンより、魚焼き器で黒く焦げ目をつけるのが、雰囲気(日本の居酒屋で炭火で焼いてもらう感じを再現しているつもり)。(写真左はオーブンで焼いたもの
 熱々のサヤを開けると、湯気とともに青臭いようなソラマメの香りがぷんと立ち上る。

 フルール・ド・セルをつけながら食べる。ゆでたソラマメ特有の水っぽさはなく、「おいしい、おいしい」と言いながら、一山くらい、あっという間に食べてしまうのだ。

 ちなみに枝豆も好きだが、普通は冷凍のものしか入手できない。日本食の店で注文すると、一鉢3〜5ユーロ程度はする高級品なのだ・・・。

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2007年6月10日 (日)

ポルナレーヴ(ポルナレフの夢)、再び。

 

P1120117 遅ればせながら、Michel Polnareff(ミシェル・ポルナレフ)の復活コンサートへ行ってきた。
 Palais Ominisports de Paris Bercyでの追加公演が決まったのを知った方がチケットを一緒に取ってくださったのだ。ありがとうございます。

 予想はしていたものの、”団塊の世代のアイドル”だけに、客の年齢層はかなり高め。子ども連れも少なくない。そしてお約束のモジャモジャ金髪のかつら&白フレームのサングラスという、ポルナレフ・マニアの姿もあちこちに。

 

「ノンノン人形(La poupee qui fait non)」のイントロにあわせ、幕の後ろでポージングするポルナレフがシルエットで登場すると、会場は一気に興奮のるつぼに(月並みな表現ですね)。

 

 「僕は男なんだよ(Je suis un homme)」「愛の願い(Love me please love me)」などヒット曲を次々と熱唱。透明感のある歌声は健在だ。堂々たる体躯でマイク・スタンドを華麗に(?)操り、ピアノの弾き語りも満載。往年のファンには涙ものだったに違いない。

 

P1120154_2  にわかファンとはいえ、ここ数カ月間、飽きるほどポルナレフを聴いていたので、知らない曲はほとんどなかった! ヒット曲ばかりを歌ってくれたに違いない。ポルナレフ自身が、大好きなミュージシャンのコンサートに行ったものの、新曲ばかりでがっかりした経験があるから・・・というのを何かの記事で読んだが、このファンサービスはうれしい。

 コンサートは、サングラス型の銀の紙吹雪が舞う中、同じく、サングラス型の巨大モニターを使った「天国への道(On ira tous au paradis)」の大カラオケ大会でいったん、終了。

 アンコールは2回。生で「シェリーに口づけ(tout, tout pour ma cherie)」を聴くことができ、ひとり、にんまりしてしまった。


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 公演が終了したのは12時近く。会場周辺の店は満席なので、リヨン駅まで歩く。駅前のブラッスリーで、夜中だというのに、それぞれ肉系を注文。私はフィレステーキのベルネーズ・ソース添えを。これもポルナレフ効果?

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2007年6月 8日 (金)

南仏あちらこちら。  ⑧KEISUKE MATSUSHIMA


P1100928 松嶋啓介シェフ。
 2006年版ミシュランで、日本人最年少で星獲得という快挙を成し遂げたというのに、醸し出す軽やかな雰囲気は何だろう? 同じ年に星を取ったステラ・マリスの”悲願達成”という感じとは対照的だ。

 

P1100924 料理界のイチロー、中田
 彼を取材した記事に、海外で活躍する日本のトップ・プレイヤーを引き合いに出したものを、時折、目にする。型にはまらず、独自の道を進む松嶋氏と、従来の慣習を突き破り、己の道を切り開いたスター選手が重なって見えるからだろうか。

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 なるほど、松嶋氏のプロフィールはかなり、独特だ。
 専門学校で仏料理を学んだものの、レストランのサービスからスタート。20歳で渡仏し、レストランを渡り歩いたあと、現在のレストランの前身、"Kei's Passion"を南仏・ニースに開店。わずか3年でミシュランの一つ星を獲得してしまう。P1100927

 

 象徴的なエピソード。フランスのレストランを転々としたものの、労働許可書をなかなか取ってもらえない。ならば、自分が経営者になればいい---。

修行のため渡仏したものの、”紙(許可書)”を取ってもらうために、長い下積み時代を過ごした料理人の方の話を何度か聞いたことがあるが、こんな”逆転の発想”をし、実行に移した人がどれだけいただろうか? しかも、選んだ場所はパリでなく、ニースだ。なぜ、ニース?P1100929_1

 スポーツ選手のマネジメント業務で知られる「サニーサイドアップ」に所属し、効果的な広報活動を行っているのも、料理人の世界では珍しい。

 

P1100934 成功するために、こつこつ働くだけじゃなく、もっと戦略的になる。
 ”職人気質”が根強く残る料理人の世界が、彼の成功を起点に変化していく予 感がする。内外で評価の高い日本のシェフたち が、スポーツ選手同様、海外進出し、スターシェフになる日も近いのかもしれない。

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 さて、”Kei's Passion"改め、”Keisuke Matsushima"


 茶をベースにした明るいシックな店内は満席。意外なことに、日本人は我々だけだった。個性的だが、滑らかなフォルムが美しい、白い器に盛られた料理はどれもシンプルで繊細。
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 中でも感激したのが、リ・ド・ヴォーのパネ(写真右・上から4番目)。むっちりしたリ・ド・ヴォーがサクサクした衣に包まれ・・・絶妙の味わいだ。見事にツボをついてくる。

 トピナンブールのピュレにライチ(だったか?)のソルベを沈ませたアヴォン・デセール(同・7番目)も特筆すべきおいしさだった。

P1100942 シェフの脇を固めるように、要所に配された日本人スタッフの方々の心配りも温かく。海外でこれはかなり嬉しい。

 タクシーを待つ間に、お言葉に甘えて、キッチンやカーブを案内していただいた。エキップを紹介したり、自ら訪れ、交流するワイン醸造家の話をする時のシェフのまなざしが温かく、軽い驚きを覚えた。P1100946

 自信に満ちあふれた、野心家のイメージが先行していたのだが、それだけではないようで。人を引きつける魅力もたっ ぷり、なのだ。


P1100948○KEISUKE MATSUSHIMA
 22 ter rue de france
   06000 Nice
   TEL:04 93 82 26 06
   FAX:04 93 16 81 02
   www.keisukematsushima.com/


 ※写真はクリックすると大きくなります。

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2007年6月 6日 (水)

The Secret of my COUSCOUS ー後編ー

 

                                  

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 友人が教えてくれた、必勝(でもないけど)のクスクス・アイテム。

  ○クスクス/DARI社のmoyen(中粒)
  ○ピュア・バター

 同じく、友人に教わった18区、Bld.Barbes(ブルヴァール・バルベス)界隈の店で探す。

 

 初めて訪れるディープなエリア。バッグを持つ手に力が入る。Img_7268_1
 久々に、緊張して歩く。ぶらぶらすることなく、近くに見つけた食料品店に飛び込んだ。



 

Img_8657 とはいえ、店に入ってしまえば、”なんじゃこりゃ?”な未知の食材の宝庫に夢中になった。
 クスクスやヒヨコマメは量り売りされているし、アリサの種類は豊富だ。辛い料理で知られるチュニジア産をピック・アップした。食べてみると、色の通り、それはそれは、辛かった。

 

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 友人の指導のお陰で、クスクス作りにも慣れてきた。
 そうすると、当然、欲しくなるものがひとつ・・・クスクス鍋(couscousier)
 友人いわく、「タジン鍋はなくてもいいけど、クスクス鍋は必須アイテムよ」。やっぱり。私もそう思っていたところだ。


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 月末には恒例のソルドが始まる。
 クスクス鍋は安くならないのだろうか?

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南仏あちらこちら。  ⑦サン・レモまで遠征

 

Img_6729  島国育ちの血が騒ぐのか。
 何度やっても、陸路による国境越えは、ワクワクする。
 パスポートのコントロールも何もない。あっさりと別の国に入ったのを標識で知る。地続きの欧州にいることを実感する瞬間だ。

 せっかく国境間際にいるのだ、イタリアまで行かない手はない。聞いたことがある街、サン・レモを目指し、車を走らせた。

 

Img_6700  途中、モナコに立ち寄る。
 モナコ港では、F1グランプリの観覧席を組み上げる作業が進行中だ(訪れたのは4月)。翌月にはサーキットとなるうねった道路を、レーサー気分で走ってみる。

 カジノが集まるモンテ・カルロ地区には、デュカスの「ルイ・キャーンズ」が入るオテル・ド・パリ(写真右)のような高級ホテルが並ぶ。
 まるで、別世界。カジノで一山当てる軍資金もない我々は、高級車がずらりと並んだ、きらびやかな雰囲気を遠目に眺めるだけだった。

 

Img_6728  お腹がすいてきた。
 寄り道を切り上げ、一路、サン・レモへ。
 地中海を見下ろしながら高速を走っていると、突如、”ITALIA"の標識が現れ、あっさり、国境越えしてしまう。
 標識が急にイタリア語になり戸惑っているうち、周囲の景色はイタリアっぽくなってくる(←当たり前ですね)。市バスも見覚えのある、角張ったオレンジの車両だ。

                                   

P1100956 サン・レモに着く頃には、パスタならなんでもいいと思えるほどの空腹になっていた。
 もう、どこでもいい・・・と、適当に選んだ店に入る。
 ヴォンゴレが食べたかったが、残念ながら、この店にはない。仕方なく、フリット・ミストジャガイモ入りのジェノベーゼのリングイネを注文した。冷たく冷えた白ワインと共に。

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 極めてフツーだけれど、久々の味が嬉しかった。


 

 満腹になった後は、真夏のように照りつける、サン・レモの太陽にぐったり。涼を求めて日陰のベンチにだらりと座る人、生い茂ったシュロの木さえも、暑苦しく感じてしまう。
 夏バテしたローマの猛暑を思い出した。

 観光もそこそこに、エズの村へと戻っていったのだった。

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2007年6月 5日 (火)

スカーペッタのベーグル

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 マレに立ち寄ったついでに、ユダヤ系パティスリー、Korcarzでベーグルを買った。

 

 ”アメリカ風”のオニオン入りとケシ入り、”水でゆでた”ベーグルをひとつずつ。どれもゆでているのに、アメリカ風とあえて呼ぶのは形の違いだろうか?

 グロ・セルとケシがまぶされた”ゆでベーグル(写真左・中央)”を歩きながらつまむ。NYのものみたいなモチモチした感じはないが、これはこれで悪くない。プレッツェル並にしっかりめの塩味が気に入り、ペロリと食べてしまった。

 

Img_9262 残りのベーグルはサンドイッチに。

 ベーグルを半分に切りながら思い出したのは、パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズ

 医師弁護士の資格を持つヴァージニア州検屍局長というスーパーマン的主人公、ケイ・スカーペッタは料理上手でもある。凄惨な事件の描写の合間に、ケイが手早く作るおいしそうな料理がたびたび登場し、ほっとする効果が。

 中でも印象的なのが、でたらめな食生活を送る相棒のマリーノのために冷凍ベーグルを温め、クリーム・チーズを塗ってあげるシーンなのだ。(詳しく覚えていないが、たぶんこんな感じだった)


 大ファンだったのに、『黒蠅』を読みかけにしたまま、このシリーズ、ずいぶんごぶさたしてしまった。本と同様、パリに来てから、ベーグルもすっかりごぶさた。ひさしぶり。日本ではベーグル・カッター(というほど大げさなものでもないけれど)まで持っていたというのに。

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 フィリング作り。
 本来ならフィラデルフィアを使いたいが、パリではお値打ちもの。今日はSt.Moret(KIRIでもOK)を使おう。冷蔵庫にあったチョリソーを小さく刻み、サン・モレとまぜ、半分に切って温めたオニオン・ベーグルに挟んだ。

 ケシつきは、ロックスに。
 パリで売られているスモーク・サーモンはねっとりしてとてもおいしいので、おすすめ。もっとサーモンを多く挟めばよかった。ケッパーとかあると、おしゃれですね。


P1110731  ○Korcarz
  29 Rue Des Rosiers 75004 Paris
  Tél. : 01 42 77 39 47
  metro:Saint-Paul

 ※D・ムーアが映画化するという話がずいぶん前にあったが、どうなったのだろう? 個人的には、ちょっとイメージが違うような・・・。コーンウェルの顔写真が多用されているので、ケイ=コーンウェルで読んでしまうのは私だけだろうか?

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2007年6月 4日 (月)

ももたろさん。

 

 

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 ツンととがったフォルムが愛らしい。

 マルシェで見かけたpeche jaune(黄桃?)。
 『桃太郎』に登場するモモのようだ。「まだちょっと固いよ」と言われたが、あまりにかわいらしいので買ってしまった。

 

 ネクタリンと一緒に3,4日放置していたところ、遊びに来た友人が「モモのいい香りがするね!」と教えてくれた。食べ頃になったらしい。

 冷蔵庫で冷やし、甘くてみずみずしいモモに舌鼓。
 翌日は、メロンと一緒に”生ハム・ペッシュ”にして前菜にいただいた。
 次は冷製パスタに入れよう。

 

 今年も、モモの季節が始まった。


P1110818 ※仏人マダムのお料理教室ではピーチ・メルバ(写真左)を教わった。
 大きなチュイルで器を作り、モモ、アイスクリーム、イチゴのソースを入れる。
 モモの形を崩さずに、種を取るのがなかなか難しい。上手な友人が、「モモに話しかけながら指を入れていくと、きれいに取れるよ」と、ちょっぴりスピリチュアル(?)なコツを教えてくれた・・・。

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2007年6月 2日 (土)

南仏あちらこちら。 ⑥自炊生活@エズ

 

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 南仏旅行後半、「コート・ダジュールとその他」編は、同行メンバー増員のため、エズにあるアパートメントホテル"Hotel Eza Vista"で部屋を借りた。

 

 2ベッドルーム+リビングにはダブルのソファベッド。6人はゆうに泊まることができる。


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 キッチンも普通の家庭並の設備。食器、鍋、家庭用の冷蔵庫、オーブン、食洗機、コーヒーメーカー、トースターまで備わっている。十分料理できるではないか。

 

 旅も長くなり、そろそろ、外食に飽きてきたところ。
 大喜びで、ニースのマルシェで買ってきた材料で、簡単な前菜とパスタの夕食を作った。もちろん、近くの酒屋で見つけたおもしろそうなロゼワインと一緒に。

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 もちろん朝は、ホテルの隣のパン屋さんでパンを買ってきて、バルコンのテーブルで、紺碧の地中海とエズの山頂を眺めながらいただく。定時には教会の鐘が鳴り響く。

 なんと気持ちの良いこと! なんと非日常的!

 ホテルの豪華な朝ご飯もいいけれど、こんなプチ・デジュネのなんと、気の休まることか・・・。

 


Img_6768  ○Hotel Eza Vista
      Avenue De Verdun 244
      EZE
      http://www.residence-eza-vista-eze.cote.azur.fr/

 

 

 ※エズは南仏に数多くある”鷲の巣村(初めて聞いた!)のひとつ。地中海を見下ろす海抜420メートルという高台にある小さな、小さな村ながら、かわいらしい手工芸の店が軒を並べ、星つきレストラン"Chateau de la Chevre d'Or"や、シャトーホテル"Chateau Eza"があるリュクスな場所でもある。

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