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2007年6月27日 (水)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑯coeur de laitue

 

 

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 パリ暮らしのバイブル的一冊、『パリからのおいしい話』(戸塚真弓著、中公文庫)

 フランスに来た当初、右も左もわからず、言葉もできず、知り合いもいなかったころ、この本に出会った。仏人男性と結婚し、仏社会の中で生きる筆者が詳細につづるパリの”食”を通して、パリの文化をも語ってみせる。

 ”パリの人ってこんな人・・・”。読後、ぼんやりと輪郭めいたものが見えてきて、この国の食に興味を持つきっかけとなった本だ。


 

 『マリ・クレール』に連載されていたというだけに、どの章も興味深い話題が満載だが、今回はサラダの話を。

Img_9762 金持ちの知人の家で昼食をごちそうになった戸塚氏が、感心したというサラダ。
 
 『(前略)私はサラダにすっかりまいってしまった。淡いみどりの、柔らかくて、小さなかわいい葉ばかりだったのである』
 レタスが4〜5個、芯の部分だけ使われたサラダに、『なんと気のきいた、さりげないぜいたくであろうかと、私は感心したのである』。

 庶民が到底思いつかないような、フランスの上流階級のスノビズムを垣間見た気がして、少々嫌な気持ちになると同時に、彼らをはじめ、フランス人の食への強いこだわりに触れる、象徴的なエピソードだった。

                          

 本が出版されて20年余りたった現在。
 スーパーではcoeur de laitueという名で小ぶりのレタス(のしん?)が6個入りのパックで売られ、庶民でも遠慮なく食べられる時代になった(もしかすると、そのころから存在したのかもしれないが)。
 残念ながら、氏の書いたような”柔らかさ”はそれほど感じられず、焼いてもよさそうなほど、シャキシャキ感が勝っている。庶民仕様なのか?

 

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 四分の一に切ったレタスにドレッシングをかけてほうばりながら、「でも本に登場したあの人たちは、いまだにレタスをいくつも丸ごと買って、サラダを作っているのだろうな」と思った。私にはもったいなくてできない。

 悔しいぞ。

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