クレメ・ダンジェ
今からさかのぼること、約10年。
その存在を知った日から、ずっとクレーム・ダンジュ(Creme d'Ange)と思っていた。
ガーゼに包まれた、ふわふわしたフレッシュなチーズ・ケーキは、”天使のクリーム”の名にふさわしい。ひらひらとガーゼをまとった外見など、いかにも天使っぽい。
近所のケーキ屋さんは、この真っ白なケーキに、色彩鮮やかな、木イチゴやキーウィのソースを別に添えてくださったものだ。
ところが。
本当は、Cremet d'Angers(クレメ・ダンジェ)という料理らしい。
ロワールに行ったときに買った、郷土料理の本 をパラパラ読んでいると、ルセット”Cremet d'Angers aux Framboises"が掲載されているのを見つけた。Anger(アンジェ)はこの場合、天使ではなく、ロワール地方の都市を指しているのだ。
調べてみると、素朴でふんわり軽い口当たりながら、乳製品のおいしさがぎゅっとつまったこのデザートを、ガーゼで包んだココット型にして、日本に紹介したのが、シェ・シーマの島田シェフなのだとか。(参考記事)
その時点で、地理的にもいまひとつ親しみのない「アンジェ地方のクレメ」から、日本人にもわかりやすい、「天使のクリーム」へとネーミングが変わったのかもしれない・・・と推測。
全く知らなかった。
※本のルセット通りに作ってみた。
立てた生クリームと卵白と、フロマージュ・ブランをあわせたものを容器に入れ、約1日水を切る。皿に盛り、フランボワーズとイチゴ、フランボワーズのクリ(ソース)を添えるだけの簡単さ。クリの代わりに粉糖やはちみつでも良い。(写真右は、まだ柔らかかったので、ガーゼ付きです)
本によると、「ワインはロゼ・ダンジュをあわせて」とのこと。
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