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2007年2月

2007年2月28日 (水)

L'Ambroisie(ランブロワジー)

 ランブロワジー

 パリ滞在中に、一度は行っておきたいと憧れていたレストラン。ご縁があって、足を運ぶことができた。

 スノッブな感じの店だと思っていたが。かなりフレンドリーなサービスに軽く驚きながら、メニューを眺める。
 マダムがその日のおすすめ料理を説明してくださるが、心はほぼ決まっている。予習した(!)かいあって、あまり迷うことなく、オーダーを済ませた。

P1100045 周りは、
 「うまいものでも食べましょう!」と集まったような、ムシュー4人組。
 BCBGという言葉を久々に思い出させてくれた、若い男女(20〜30代?)のグループ。
 そして、しっとりと2人の世界に浸る熟年カップル。
 フランス人ばかり。珍しい。

P1100046_1 誰もが、フツーな感じで食事している。きっと、常連ばかりなのだろう。
 流れる空気に、他の三つ星の、「ほらほら! これぞ、エンターテインメント!」といった雰囲気は微塵もないのだ。

 で、私がいただいたものは、上から、

 パン。P1100047

 クリのスープ。

 カエル。

 リ・ド・ヴォー。

 その付け合わせ。P1100051_1

 チョコレートのタルト。

 ミニャルディーズ。

 一皿ずつのコメントをしようとも、注意力散漫で、よく覚えていない(すみません・・・)。あまりに居心地が良く、リラックスしすぎ、話に夢中になり過ぎたのだ。P1100054
 しかも、だらだらと食べていたせいか、料理の途中で、お腹が苦しくなる始末。

 本来なら、「神々しいほど、すべてが完璧だった!」とかなんとか、かっこいいコメントを書きたいところだが、食べ手の役不足。残念ながら、私には、しばしば、”神懸かった”と絶賛される、ランブロワジーの料理のすばらしさを堪能する舌が備わっていないのだ・・・。悔しい。P1100055

 それにしても、こうして写真を見返すと、本当に正統派。美しい。”ネオ・クラシック”という言葉がぴったりくる。

 高級で、上質な食材が、惜しげもなく大量に、しかも普通に使われている。「トリュフですが、何か?」という具合で、これ見よがしではない。しかも、一皿のボリュームは街のビストロ並にあるというP1100060のに、この品の良さはなんだろう。

 食べるほうも、料理がサーブされても、ことさら驚くわけでなく、普通に食べている。これぞ、ブルジョワジー。
 上流社会など全く縁がないが、パリにはこういう世界もあるのだ。

 
 ついに、ムシューたちは、上着を脱ぎ、ネクタイもゆるめ、食後酒シガーを始めた。甘いような、P1100061いい香りが漂ってくる。
 ススメ上手のお店の方に勧められるまま、我々も。
 オー・ド・ヴィーとチョコレートがおいしかったと告げると、親切にアドレスを書いてくださった。本当に気さくな方だ。

 喋りすぎた。気がつくと、とっくに12時を過ぎていた。それほど居心地の良い、楽しい夜だった。

 劇場のようなレストランでもなく、最先端の料理を出すわけでもない。
 特別なことはしない。自分の信じる料理をひたすら続けるだけ・・・。それでも、厚いファン層に支えられ、店は成り立っていく。
 いろんな三つ星レストランのかたちがパリにはあるのだ、と今更ながらのレストラン考。

 ○L’AMBROISIE
  9, place des Vosges
  75004 Paris
  TEL:01 42 78 51 45

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2007年2月26日 (月)

道具馬鹿一代  ⑦トルコのチャイグラス

                                   

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 ブックオフ2ユーロコーナーで買った本も、アマゾンで取り寄せた本もすべて読んでしまった。仕方なく、友人から譲り受け、大切に取っておいた、『深夜特急』(全6巻、沢木耕太郎著、新潮文庫)に手をつけた。大沢たかお主演のテレビ版は好きだったが、なぜかオリジナルに縁がなかったのだ。

 

 香港からロンドンまで、乗り合いバスで放浪する旅の間、「私」がチャイ(お茶)を飲む場面が何度も登場する。トルコのイスタンブールで、アジア側からヨーロッパ側に渡る船の中でも。

 ほんの15分ほどの乗船時間だが、香港からシルクロードと、アジア各国を渡り歩いてきた「私」が、ヨーロッパ大陸を目前にし、チャイを手に感慨にふける大切な場面だ。


 

 トルコを旅した思い出がよみがえった。
 2年前、私も両岸を行き交う船に乗り、チャイを飲んだ。私の場合、ヨーロッパ側からアジア側に渡っただけで、それほどの感慨はなかったのだが、雨が降る肌寒い日だったので、熱いチャイがありがたかった。(写真右:アジア側の商店街の鮮魚店)
 

130  船の中でチャイ売りが回ってくるのに驚いたが、滞在するうちに、トルコの人は、しょっちゅう、チャイを飲むことに気がついた。

 店に入れば、「まあ、チャイでも飲んでいきなさい」と出してくれる。屋台に出た靴屋さんで買い物をした時は、通り過ぎるチャイ売りを呼び止め、チャイをごちそうしてくれた。

 最初こそ、「絨毯を売りつけようと、下心があるのでは?」「眠り薬が入っていたら?」と身構えたが、しばらくすると、「そういうものか」と遠慮なくごちそうになるようになった。

 「普通のと、アップル味、どちらがいいですか?」と訊かれる。甘酸っぱいアップル・ティは粉末で売られているもの。スーパーで、ピラフの素や、粉末スープなど、トルコ食材と一緒におみやげに買うと、小さな受け皿付きのチマチマしたチャイグラス・セットまで欲しくなってしまった。道具馬鹿っぷり、炸裂、in トルコ。

 

110 おみやげ屋さんが集まる、グランド・バザールへ。(写真右)
 チャイ・グラスはいたるところで売られている。
 好みの柄のグラスを見せてもらう。美しいカッティングを自慢するかと思いきや、店の人はいきなり、グラスを地面にゴンゴンとたたきつける。「やめて!」と叫ぶと、相手はニヤリ。どこでもチャイの盆を持ち運ぶ習慣だから、落ちても「割れない」ことが一番大切らしい。

 選んだら、値段交渉。トルコでは言い値で買ってはいけない。
 かなりしつこく値切ったつもりだったが(値段は忘れました)、翌日、同じようなものが、町中のスーパーで桁違いに安く売られているのを発見。

 店のお兄さんは「スプーンもつけますから、もうこのへんで勘弁してくださいよ〜」と困り顔だったが、あれも演技だったのか。こちらとしては、買い叩いたつもりだったのに。百戦錬磨のグランド・バザールの商人には、私のような観光客は赤子の手をひねるようなものなのだろう。

 しかも、帰宅後、開けてみると、受け皿とグラスの模様が全く違うではないか! この勝負、私の完敗。

Img_2


 

 ○BOOK-OFF パリ・オペラ座店
  29-31, rue Saint-Augustin
  75002  Paris
  TEL:01 42 60 00 66

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2007年2月25日 (日)

もうひとつのシェフ番付。

                                                                                                                              Img_4866

 ミシュラン2007年版の話題で盛り上がった1週間。
 話題の中心は、久々の女性3つ星シェフになったAnn-Sophie Picだったが、それぞれのレストランに、客足などの影響が出てくるのはこれからだろう。

 そんなことは先刻承知のごとく、ミシュラン発表前の19日、日刊紙フィガロは、もうひとつのシェフ番付ーー売り上げ高による番付ーーを、経済面の見開き2ページにわたり、特集していた。

 フランスの著名シェフの2006年度売上高をランキングした同紙の記事を少しだけ紹介。
   (調査:フィガロ、単位は100万ユーロ。サンドランス、パッサール、ピエージュは無回答。ミシェル・ゲラールは回答の時間なし?)
 
   1.Alain Ducasse    93  
 2.Joel Robuchon    60
   3.Laurent et Jacques Pourcel    37.5
   4.Philippe Legendre    34
   5.Pierre Gangaire    23,2
   6.George Blanc    22
   7.Paul Bocuse    19
   8.Pierre Herme    15
   9.Michel Rostang    15
   10.Michel Troigros    15
   11.Eric Frechon    14.5
   12.Jean-Andre Charial    12.5
   13.Guy Martin    10
    14.Guy Savoy     10
    15.Marc Veyrat    9.2
    16.Yannick Alleno    9
    17.Groupe B. Loiseau    7.8
    18.Jacques Chibois    6.8
    19.Ann-Sophie Pic    5.3
    20.Michel Bras    4.6

   1位は、当然、アラン・デュカス
 去る11日にはモンテ・カルロで、フランス料理界の重鎮、P.ボキューズの81歳の誕生日を、81人の有名シェフ81マカロンで祝う会を仕切った仏料理界の実力者。
 いまや、9カ国、21のレストラン、1400人の従業員を抱え、学校、ホテルなどもグループにおさめる、多角経営・多国籍企業の経営者でもある。

 テロ不安が続く地域、バスクのホテル、オスタペのからの撤退が話題になったばかりだが、エッフェル塔のレストラン経営権を買収するなど、さらに勢いに乗る2007年は1億ユーロを軽く超える?
 
 2位につけるライバル、ロビュションは、Fleury Michon, Legal, Sonyといった企業スポンサーとの契約、テレビ出演が売り上げの大半を占めるという。香港、ラスベガス、ニューヨークなど自分の冠付きレストランの視察を兼ね、1年の75%を飛び回るジェット・セッター。

 3位のローラン&ジャック・プルセル兄弟は、少し意外? モンペリエの2つ星の主たちは、監修するレストランが15店、そのうち6店のオーナーで、今年はさらに7店を開店するという。手広く展開しているのだ。週1パリ、2カ月に一度上海、四半期ごとに東京の店へ顔を出すという、こちらもジェット・セッター。

 同紙記者、F.シモン氏らによる記事によれば、これら著名シェフのように稼ぎ出すには、フランス国内にとどまらず、海外でもスターシェフとして、知名度、ブランド力を持つことが必要だという。

 ルイ・ヴィトン、ディオールといったフランスの高級ブランドに身を包んだ外国人客が、ファッションと同じように、レストランにも最高のフランス・ブランドを求める時代なのだ。
 確かに、レストランの星が多くなるほど、外国人客の比率は高くなる傾向がみられるかもしれない。

 
 シェフにとっても悪い話ではない。

 一度有名になれば。
 見習い時代は月に800、よくても1000ユーロで働いていたシェフたちが、例えば、3日で18,000ユーロという破格のギャラでパーム・ビーチのホテルに招聘されるようになる。
 中でも、シェフたちの夢の土地は、日本だという。
 ランキングの中で、唯一、パティシエとして、P.エルメがランク・インしているのも、日本での多店舗展開があってこそだろう。

 なにはともあれ、フランスのシェフは押しも押されぬ、"roi de l'export" (輸出部門の王様)に違いない。

 (参考記事:2月19日付フィガロ/economie)

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2007年2月23日 (金)

手抜きのススメ。

 

Img_4840

 Garniture Grand-Mere(ガルニチュール・グラン・メール)が好きだ。

 

 おばあちゃん風、という名のついたこの添え物。
 オリーブ型にトルネしたジャガイモ、焼き色をつけた小タマネギ、ボタン型にトルネした小シャンピニオンベーコンを炒め、パセリで和えたもの。

 素朴だが、なぜだろうか、私にとってはフランスを感じる料理だ。

 コルドンで、コート・ド・ヴォーの付け合わせとして、初めて教わった時は、小さなタマネギやシャンピニオンを目にし、いたく感激したものだ。(写真右)

 


P1000462_1

 ただし、下処理が面倒くさい。

 ニンニクの薄皮が剥きにくいのと同様、小タマネギの皮も剥きにくい。酢入りのぬるま湯に15分程度つけておくといい、と教わったが、不器用な私だと、とにかく時間がかかる。

 しかも小タマネギ、小シャンピニオンは、普通の店だと、いつも置いているとは限らない。小タマネギを求め、以前、数件の八百屋さんをハシゴした苦い経験がある。


 

 そこで、手抜きのススメ
 冷凍食品専門チェーン、PICARDの冷凍小タマネギと小シャンピニオンを使うと、あっという間だ(冒頭の写真)。こういう食材の冷凍食品があるのが、フランスっぽいところ。


Img_4841

 冷凍食品。

 最初は抵抗感があったが、使ってみると、できあがりに大差ない。しかも、気兼ねなく、たくさん使えるのが嬉しい(コルドンでは、処理に時間がかかるので、最小限の数しかやらなかった・・・)。

 作業が遅い私。便利なものは、どんどん利用し、時間を有効に使わなければ!
                              


 

 ※ブフ・ブルギニオンにも(写真右)。(見えにくいが)グラッセした小タマネギ、炒めたベーコン、シャンピニオンを、肉と合わせる。クルトンとトルネしたジャガイモを添えて。

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2007年2月22日 (木)

こんなの見つけました

 

 ミシュラン2007年版の速報が流れた21日。Img_0001_3

 ニュースでは、女性三つ星シェフに輝いた、Anne-Sophie Pic(Drome)が取り上げられていた。事前に流れた、エレーヌ・ダローズとの予想はハズレだった。これだから、わからない。

 とはいえ、ほとんど行ったことがないので、コメントのしようがない。なので、遅ればせながらの”シェフ・ネタ”を。

 こちらは予想通り、新・三つ星シェフに輝いたヤニック・アレノ(Le Meurice)を含む、有名シェフのカレンダー、Les Maitres du Goutを、雑誌『Cuisine Creative』の通販コーナーで発見。

 こんなものがあるのだ、知らなかった。

 ミシュラン発表前の時点で、3つ星6人、2つ星4人、1つ星2人、計28マカロン!のカレンダー。最新ミシュランだと、ヤニック+1、ヴェイラ-3、ウェスターマン-3(Drouandは?)で、何マカロン?

 人選の基準は不明だが、皆さん、なかなかの役者揃い。笑わせてくれる。(クリックすると、画像が大きくなります)

 もう3月も近いので、どうかと思うが、”シェフ・フェチ”なあなた(私か?)にオススメ。

 ○私には危険すぎるCuisine Creativeのサイト
  www.cuisinecreative.com

※追記:よく読んでみると、ちゃんと書かれていました(失礼!)。ガン患者のサポート団体”AVEC"へ売り上げの一部を寄付するドネーション企画で、発起人はル・サンクのシェフ、Phillippe Legendre。いいことしてるのに・・・。

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2007年2月20日 (火)

アンダルシア 冬の旅  ⑧マラガのGORKI

                                                                                                                        

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 旅は、ピカソが生まれた街、マラガでオシマイ。

 グラナダから遠回りをし、ヨーロッパ有数のリゾート地、コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)経由で入る。

 真っ青な空。太陽の光を受け、輝く海がまぶしい。

 本来なら、ビーチで読書でもしたいところ。冬なのが、本当に残念だ。途中、ガソリン・スタンドの売店で買ったヒマワリの種を食べると、ほんの少しだけ気分が盛り上がった。

 P1090992
 マラガ到着。
 街並みは南国情緒が漂い、かなりエキゾチック。スウェーデン人とドイツ人が多く集まる街・・・と聞いたが、この風景にひきつけられるのだろうか。

 

                                                            

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 ホテルの方のオススメのタパス屋、GORKIへ。

                                                            

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  おしゃれなレストランが集まる、賑やかな地域で、この店の混み方は特別だ。次から次へと、人が押し寄せてくる。
 予約を入れ、大通り沿いに出た怪しげな露店を一通りひやかした後、出直した。

 忘れずに、律儀に席を確保してくれていた。ホッ。 P1100017

 品目のあまりの多さに、メニュを見るだけで、時間がかかる。バゲット・サンド、オープン・サンド、クレープの数々。地元名物、マグロの燻製を美しく盛り付けたカナッペもある。
 ヒヨコ豆の煮込み、ホワイトアスパラガスのサラダ・・・。一品料理もかなりのバラエティで、迷う、迷う。P1100019

 タパス屋といえども侮れない、趣向を凝らし、丁寧に作られた皿の数々。
 ラフに見えるサービスも、実はかなり心配りが行き届いている。

 ロンダに向かう山中で、P1100022野生のアスパラガスを売る行商を見た。通り過ぎた後、「買えばよかった」と後悔したが、ちゃんとここで再会できた。パリで食べていたものより、さらにワイルドな感じ(写真右3番目)

 おいしさと居心地のよさが忘れられず、翌日もリピートしてしまった。

 椅子にありつけず、立ち食べしている私たちに、食べ終わった客が「どうぞ、どうぞ」と席を譲ってくれる。
 折につけ、人情の温かさにも触れることができ、感激しきりの旅だった。

                                                           

Img_4290 ○Gorki
  Calle Strachan 6
  Malaga 952221466

                                                            

 ※ピカソ美術館に行く手前の店、"La Exquisita"で買ったroscos de vino他、マラガ地方菓子(写真左)
  素朴な揚げ菓子だが、地元では有名な店らしい。美術館で手荷物として預けると、「誰かが食べちゃうかもよ~」と係のお姉さんたちに大層うらやましがられた。

  

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2007年2月19日 (月)

パエーリャ@Le Fogon

                                                                   

P1100113_2

 1年ぶりに、スペイン料理の店、Le Fogon(ル・フォゴン)へ。

  前回、食べられなかったパエーリャを。

 ムニュでは、数種類あるパエーリャから好きなものを選ぶ。
 4人だったので、野菜と鶏肉、ラングスティーヌと魚介の2種類にした。

                                                                   

P1100103 生のポティロンのアミューズに始まり、エイとロケットのサラダ他、全3品(忘れました)のタパスは丁寧に作られて、好感度大だ。

 
 熱々のパエーリャが鍋ごと運ばれてきた。
 スペインでは、意外にも、この姿でいただく機会がなかったので、かなり嬉しい。

                                                                   

  料理雑誌『Regal』no.15では、同店のシェフ、Alberto Harraiz氏を、”スペイン料理の名人芸”を持って、独自のスペイン料理を作り出す、と紹介している。

P1100106 同誌の中で紹介されたパエーリャは、Riz au lapin, escargots et vinaigre de Xeres(ウサギとエスカルゴのパエーリャ、シェリー・ヴィネガー風味)。ウサギから丁寧に取ったブイヨンで、米を炊き上げる。
 スペイン料理を代表する米料理も、シェフにかかれば、かなり個性的だ。
 
 でも、作り方は、遊ばず、名人芸で。"bomba de calasparra"というスペイン高級米を使い、ふっくらやわらかく、かつ、かすかに歯ごたえが残るような、微妙な加減に炊きあげるという。

 正直、そこまで注意せず、米は食べてしまったが、中がほんのり生っぽい、ラングスティーヌのジャストな火の入れ方は、日本人の私にはぐっとくるものがあった。

P1100118_2 お店の人は、相変わらず、感じが良い。
 満席で大人気の店だが、この日の客の約半数は、日本人なのには驚いた(我々も含めて)。おいしい店や話題の店の情報が本当に早い!

 「日本人客が多い店は、間違いない」
 そのうち、そんな定説がパリに浸透するのでは。

                                                                     

  ○Le Fogon
  45, quai des Grands-Augustins,
  75006 Paris
  TEL:01 43 54 31 33
  休:土曜昼・月曜日
  metro:St Mitchel/Odeon

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2007年2月16日 (金)

アンディーブ、ほろ苦デビュー。

                                  
Ijpg

 アンディーブの季節だ。

 小さな白菜のようなかわいらしい外見だが、シャキシャキと水分たっぷりの葉を噛むと、意外なほろ苦さが広がる。日本の野菜に例えると、近いのは何だろう?


普段は、超簡単レシピで我が家の食卓に登場する。
 ぷっくりしたアンディーブをざく切りにし、鰹節と醤油でいただいたり、はずした葉でディップなどをすくって食べることが多い。
                                  
                                  

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 少し手間をかける時は。
 一度さっと茹で、バターで焼いたものを、付け合わせに。
 ハムで巻いたものにベシャメルソースをかけ、グラタンに。
 仏人マダムの料理教室ではアンディーブのスープを教わった(写真右)


 おいしいのだが、最近、なんとなく、ワンパターン。


 旬到来につき、コルドンで習い、ずっとやってみたかったアンディーブ料理に挑戦してみた。

  Tatin d’endives au fromage de chevre, jus aigre-doux(山羊チーズ入り、アンディーブのタルトタタン、甘酸っぱいジュを添えて)

 実は、日本人にも人気のビストロ、L'Epi Dupin(レピ・デュパン)のスペシャリテのひとつ。
 コルドンでは、毎週、有名シェフを招いた”Chef Invite"という授業があるのだが、同店のシェフが実演した際、レシピを伝授してもらったのだとか。

                                  
Photo_13
   
 下茹でしたアンディーブを敷き詰め、中にシェーブルを詰め、焼く。
 本来は、タルトタタンのように、表面がキャラメル状になるはずなのだが、うまく焼き色がつかなかった。

                                  
                                  
 簡単に見えたからこそ、挑戦したのに大失敗。原因は、アンディーブの余分な水分だろうか。
 おそらく、もっとしっかり茹で、もっとしっかり水気を切るべきだったのだ。

 残念・・・。

 珍しく気合いを入れて作ったというのに、ほろ苦デビューに。リベンジはいつにしよう?
                                  
Photo_14

 ○L'Epi Dupin
  11. rue Dupin
  75006 Paris
TEL:01 42 22 64 56
FAX:01 42 22 30 42

 ※写真左が、シェフの作ったお手本です、もちろん。

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2007年2月14日 (水)

そのまんま、“cheese cake”?

Img_4631

 SECCOで買ったケーキ。
 その名もずばり、“cheese cake”

 日本語は外国語やカタカナ言葉に寛容だが、周知の通り、フランスでは、外国語をフランス語に転換するフランス語保護政策がとられている。(注)

 コンピューターはordinateur、e-mailはcourrier electronique(e-mailとも言う)、ゲームはjeux、ゴール・キーパーはgardien de but・・・という具合。

 そんな中で、あえて、チーズ・ケーキ
 gateau fromageと訳さないのは、「本来の“ガトー・フロマージュ”とは違うんですよ。アメリカのあれですよ〜」との意図からだろうか。

 食べてみると、日本人が慣れ親しむ、米国のどっしりとしたチーズ・ケーキとは違う。
 フロマージュ・ブラン(?)のせいか、酸味が強く、口当たりもふわふわ。
 塩味の効いたパート・ブリゼのサクサク感とで、すてきなバランス。
 

 さすが。
 “チーズ”ではなく、“シーズ”と発音するだけのことはある。
 アメリカンなお菓子を、律儀に、おふらんす流に翻訳してくれている・・・(嬉しいような、悲しいような)。

 フランス語に転換されることなく、流通する外来語も少なくない。
 アンテルネット(インターネット)、オットドッグ(ホットドッグ)、シューインガム(チューインガム)、アリ・ポッテー(ハリー・ポッター)、イ・ポッド(i-pod)、etc・・・。
 
 全く別物に聞こえる。
 フランス語が堪能な英語圏の人が、フランス風にこれらの単語を発音するときの違和感といったら・・・。

 フランス語は、本当に個性的・・・。

●Boulangerie-Pâtisserie Stéphane Secco
  20 rue Jean Nicot
  75007 Paris
  Tél : 01 43 17 35 20
  休:日・月曜日
  metro:Alma Marceau

 
 :フランス語の地位防衛策。外国語の氾濫を抑えるため、1994年にトゥーボン法という「フランス語の使用に関する法律」が成立。放送、広告、学会など公共の場におけるフランス語の使用を原則的に義務づけるもの。罰則もあり、3500語にわたる英仏言い換え集を作成するなど、徹底した取り組みが。(参考:http://www.daiwair.co.jp/topics-old_printable.cgi?filename=20010817&num=86) とはいえ、他言語と同様、若者言葉を中心に、フランス語も激変していると嘆く人も(私にはわかりませんが・・・)。

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2007年2月12日 (月)

なんじゃこりゃ?な食材 ⑫sot-l'y-laisse(ソリレス)

 
Img_4608  ソリレス(sot-l'y-laisse)。

 フランス語で、「馬鹿はそれを残す」という意味。

 なんとも、挑戦的な名のこの食材、鶏、鴨、七面鳥など家禽類の腰骨の付け根の窪みについた肉で、美味といわれる部位(参考:フランス料理用語辞典)

 慣れないとわかりにくいが、鶏の背の中央上にある丸い山がそれ(写真下左:見やすいように、背骨をカットしています)。平べったい骨にへばりついている。知らないと、モモ肉を取り外すことに気を取られ、鶏がらと一緒に捨ててしまう。
 だから、ソリレス。

 コルドンでは、家禽類をパーツに解体する実習が多く、そのたびにシェフが「ソリレスに気をつけて!」と注意していた。
 それなのに、スパッと半分に切ってしまうことも、少なくなかった。
 だから、ソリレス。

 スタージュ先で、鶏肉の切れ端からソリレスを取り出す作業をしたとき。
 「これ、ソリレス。知ってる?」
 「お前は馬鹿か?」と尋ねられたような気がして、「もちろん!」と必要以上に頷いてしまった。

 
 肉片から、ソリレスを包丁でこそぎ出し、周りの脂肪や表皮を取り除き、成形する。Img_4607_1Img_4603
 つるんとした丸い肉片だ。
 炒めた後、トリュフ入りのソースであえ、サラダ仕立てにしていた。

 フランス人は、このソリレスに目がないらしい。
 「おお、ソリレスだね~、いいね~」
 サービスのムシューが目を細め、しげしげと皿を眺めた。
 プレ・ロティ(ロースト・チキン)をするときは、スプーンですくい、きれいに取り出す人もいるらしい。
 
 確かに歯ごたえがよく、鶏一羽から2個しか取れない貴重品だが、個人的には砂肝のほうが好きだ(比較の対象ではないかもしれないが)。Img_4613

 
 英語では、chicken oyster
 日本語では?と調べると、見つけることができなかった。
 焼き鳥屋さんでは、ソリレスから取って、”ソリ”と呼ばれているらしい。
 日本では、モモ肉、胸肉、手羽、内臓系と部位ごとの販売が一般的で、ソリレスにお目にかかる機会も少ないからだろう。

 丸鶏を食べる習慣のある国の言語に存在する単語なのだろうか?

 ※今日はから揚げ用に小ぶりの鶏を2羽購入。よってソリレスは4個。
  大家族だと、取り合い必至?
  さっと炒めたあと、煮詰めたバルサミコ酢でからめて、アミューズに。

 ところで、映画『アメリ』に、ソリレスは登場するとか。どのシーンか、覚えていますか? 

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2007年2月 8日 (木)

パリジャン気分になれる店 -THOUMIEUX-

 牛肉が食べたい。

P1100145 日本だと、すかさず”焼肉”なのだろうが、パリの焼肉は割高だ。

 ならば、アントレコットを・・・と、シャンゼリゼ近くの行列の店、Relais de l'Entrecoteに行ってみようと思ったが、土曜日の夜だけにいつにも増して長蛇の列。道路に行列がはみ出している。
 向かいのChez Andreも「かなりお待ちいただかないと・・・」。

 こうなったら、なにがなんでも、ステーキが食べたい。
 家の近所に引き返し、以前から気になっていたブラッスリー、Thoumieux(トゥーミュー)へ。
 以前、『パリの老舗ビストロ~』のような豪華本に掲載されていたのを立ち読みしたのだ。
 
 創業1923年。
 ドアを開けると、奥行きのある広い店内に驚く。
 鏡張り、丸い照明、ポスターの類。いかにも、という感じだ。

 働いている人もほとんどが40~50代ではないだろうか。
 加えて、親切だが、押しの強いマダムもいらっしゃる。
 内容は覚えていないが、イブ・モンタンの映画『ギャルソン!』が頭に浮かんだ。
 気さくだが、心地よい、気配りのあるサービス。誰もが抱く”古き良きパリ”の世界なのだ。

P1100126 メニュも期待を裏切らない、トラディショナルなラインナップ。
 エスカルゴ、フォアグラ、オニオン・グラタン・スープ、タルタル・ステーキ、仔牛のレバー、カスレ、etc・・・。ウフ・マヨネーズ(ゆで卵のマヨネーズ添え)まである。

 最近、個性的な店に行くことが多かったので、気の置けないメニューに安心する。

 頼んだのは、前菜にポワロ葱のヴィネグレット・ソース添え(写真左上)
 皿一面に敷き詰められたポワロは、何本分なのだろうか。

P1100132 プラに、リムーザン牛のコット・ド・ブフ1㎏をシェアする。
 セニャンでいただいたが、脂が乗った肉は日本人好みではないだろうか。

 ソースも添えられていたが、塩とマスタードで十分だった。

                                                                                              

P1100134 骨髄と、山盛りのポテト・グラタン付き。かなりのボリュームで、グラタンはほとんど食べることができなかった。

 別腹のデザート。

 隣で新聞を読みながら料理を待つ、常連風ムシューのチーズの盛り合わせも魅力的だったが、さすがにそこまでは。

                                                
 タルト・タタンを。P1100143
 これもまた大ぶりだが、火が通されたリンゴゆえ、すっと入る。添えられたクリームをチビチビ付けると、またおいしい。

 
 大満腹、大満足。
 いろいろ言っても、こういうシンプルでわかりやすい料理が好きなのだ。

 
 客層は、フランス人が半数以上だが、観光客も多い、ツーリスティックなレストランでもある。
 ここにくれば、トラディショナルなフランス料理を食べることができるからだろう。

 誰でもウェルカム!的な気安さが心地よい。英語ももちろん通じる。

 今までは、日本から来られたお客様をラファイエット近くのAu Petit Richeにご案内していたが、これからはここも使える。
 
 
 ○THOUMIEUX
  79, Rue Saint-Dominique
    75007  Paris
    TEL:01 47 05 49 75
    FAX:01 47 05 36 96
    http://www.thoumieux.com

  ○Relais de l'EntrecoteP1100141
    15, Rue Marbeuf
    75008  Paris
    TEL:01 49 52 07 17

  ○Chez Andre
    12, Rue Marbeuf
    75008  Paris
    TEL:01 47 20 59 57
    FAX:01 47 20 18 82

  ○Au Petit Riche
    25, rue Le Peletier
    75009 Paris
    TEL:01 47 70 68 68
    http://www.aupetitriche.com

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2007年2月 7日 (水)

スタージュ続行中。

                                               

Img_4528 「Vas-y, vas-y(ヴァズィ、ヴァズィ)!」

 「行け、行けー!」とでも訳そうか。
 こぶしを握った腕を前後に振るジェスチャー付き。「ノロノロするな!」に聞こえる。

 連日、”煽られまくり”のスタージュが続いている。

                                             
 
 スタージュも3軒目とはいえ、相変わらず、”使えないスタジエール(研修生)”の私。
 ほんの少しだけ、作業のスピードはアップしたかもしれないが、まわりのキュイジニエの中ではいつも置いてけぼりだ。

 そんな中、心の救いは、アプロンティ(見習い)達。
 若くして料理の道を選び、学校の授業と、レストランの研修を交互に受ける彼ら。
 一緒に働いている同僚は、地方から一時間半かけて毎日通って来る、真面目な16歳!
 当然、家で料理をしたことがない人も多く、食材も知らない。ピエ・ド・ムトンとジロールを間違えたり。
 新米のアプロンティは私から見ても危なっかしいほどだ。

 今日はその中の一人が、サービス中に何かしでかしたのだろう? うるさ型のシェフに叱られ、オイオイと泣いていた。トーションで涙を拭きながら。慰める余裕のある人は、残念ながらいない。 
 前のスタージュ先でも、こっぴどく怒られ、涙ぐむアプロンティを何度か見た。

 無理もない。
 サービス中、オーダーがたて込むと、調理場はものすごい緊迫感に包まれるのだ。

 違う種類の皿を同時に仕上げようとすると、ほんの2,3秒のロスが、後々響く。
 オーダーを聞き取り、取り掛かる順番を頭の中ですばやく組み立てなければならない。

 「Combien de temps?(そっち、あとどれくらいで出来る?)」
 「5 minutes!」
 攻防する怒声が、肉と魚担当の間で飛び交う。

 皿の盛り付けは、数人がかりで。周りをきれいに拭かれた皿が、セルヴーの手に渡るまでの流れは、あっという間。まるで、F1のタイヤ交換の場面のようだ。
 

 こんな”てんやわんや”の中では、どうしても、言葉も動作も荒くなる。
 
 口が悪いシェフが相手だと、仕上がりが悪いものは”クソ”呼ばわりされ、ダメだしされる。
 鍋や容器が音を立てて乱暴に積まれる。
 言わなくていい言葉を発する。
 フランス語がわからなくてよかった・・・とこの時ばかりは思う。どんな暴言を吐かれても、傷つくことはないからだ。

 サービス後、夜用のアスパラガスの仕込みをしながら、シェフがポツリと言った。
 星付きレストランばかりを渡り歩いてきた人だ。
 「僕は、いまだに、時々、悪夢を見るんだよ・・・」
 
 
 調理場のプレッシャー。
 乗り越えて作った料理は、「おいしい、いやおいしくない」と周りから突付かれる。
 しかも、フランスには『ミシュラン』というやっかいな本まである。
 オーナーシェフになれば、経営も考えなければならない。Img_4540
 
 新米からベテランまで。キュイジニエの仕事につきまとうプレッシャーの大きさは計り知れない。

 
 それに比べれば、私の疲れなど大したことはないけれど、身体は糖分摂取を望んでいる。ムショウに甘系が食べたくなる。
 
 まかないで、普段なら手に取らない、チョコレートのムースを。
 それだけに飽き足らず、閉店前のフォションに駆け込み、エクレア&モンブランを。フォションお得意の”オサレ・エクレア”シリーズ冬ヴァージョン

 まだ、食べたい・・・。
 
 

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2007年2月 5日 (月)

アンダルシア 冬の旅 ⑦グラナダをぶらり。

Img_4128

                                                                      

 高速を走っていると、雪に覆われたシェラ・ネヴァダが見えてきた。
 目指すアルハンブラ宮殿は、もうすぐだ。

                                                                      

 グラナダ
 かつて、イスラム教徒によるイベリア支配の拠点として繁栄した古都。

                                                                      
 アルバイシン、アルカサバ、そしてアルハンブラ。スペインの地名によく見られる、"Al(アル)"で始まる単語はアラビア語が起源だという。

                                                                      
 
Img_4101Img_4203 言葉だけじゃない。

  町を歩けば、色濃く残るイスラム文化の影響を、肌で感じる。
  みやげ物屋がひしめく地区、アルカイセリアをひやかして歩けば、違う土地にいるような錯覚が。
 
 何軒か見かけたギターの店。アラビア語の”ヒタール”が語源なのだそうだ。

                                                                      

 そして、町を見下ろすように、丘に建つアルハンブラ宮殿は、スペイン=イスラム文明の歴史を今に伝えるモニュメントだ。

Img_4138  丘のふもと、ヌエバ広場からシャトルバスで向かう。
 チケット予約をしていたので、待ち時間は大したことはない。観光客が集中する夏場は大変だと聞いた。

 多くのモスクとは異なり、スペインのカトリック化政策で破壊されることなく、荘厳な空間は保存され、修復を続けつつ、今に残る。

 宮殿が水に映る様が美しい、「アラヤネスの中庭」
 「二姉妹の間」の天井、鍾乳石飾りの緻密さに圧倒される。
 建物の随所に施されたアラベスク模様やモザイク・・・。

 その幻想的な美に触れながら、悠久の昔に思いをはせた。Img_4147

                                                                      

 王宮を後にし、軍事要塞アルカサバへ。
 「ベラの塔」に上り、ぐるり周囲を一望。
 出発した広場が近くに見える。

 帰りは歩いて丘を下った。

                                                                      

 (参考文献:『地球の歩き方 スペイン』)

  写真はクリックすると大きくなります。
 

                                                                      

P1090979  ※空腹をこらえきれず入ったバル。ビールとタパス1個で1.5ユーロ!のお得なセットにびっくり。
  ヌエバ広場前の超ツーリスティックな場所にも関わらず・・・。もう少しおしゃれなバルでは1.8ユーロだった。これも安すぎ・・・。

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2007年2月 2日 (金)

Le Moulin de la Vierge、登場。

 パリを歩いたことがある方なら、おわかりだろう。

Img_4462  どこに行くにも、住所だけが頼り。
 目指す通りを見つけても、安心できない。番地の場所を地図で見当をつけておかなければ、一駅、場合によってはもっと、歩くはめになる。

 パリで一番長いと言われる、rue de Vaugirardは要注意。
 パリの外側を走る環状線近く、15区の端から、パリの中心にあるソルボンヌ大学まで縦断する通りなのだから。

 家の近所のグルメ通り、rue Saint Dominiqueも、結構、長い。
 エッフェル塔のそばのシャンド・マース公園近くから、東に伸び、サンジェルマン大通りまで。
 
 久しぶりに東側を歩くと、いつの間にか、Le Moulin de la Viergeができていた。知らなかった。

 パリに数店舗あるブーランジュリー。

 お料理教室のマダムに、「ここのタルト・タタンがおいしいわよ」と勧められて以来、14区のダゲール店へ、時々、足を運ぶように。
 しっかりと焼き色がついた、キャラメル色のリンゴ、パイ生地。
 薪釜で焼かれるパン、ヴィエノワズリも、同様に、色濃く焼かれている。私好みなのだ。

 加えて、歴史建造物といえそうな美しい内装がすばらしい。

 オーナーのBasile Kamir氏は、大学卒業後、コンサート興行やレコードの輸入業(ヴァージンのブランソン氏は幼馴染!)などを行う”業界のヒト”だったが、1975年にパンの道へ、華麗なる転身を遂げた。
 ”独学のパン職人”として、ビオの粉ルヴァン薪釜焼きにこだわったパン作りを続けるカミール氏は、J.L.プージョラン氏”Au Levin du Marais”T.ラビノー氏など多くのパン職人たちに影響を与えたと言う。(参考:Le guide des boulangeries de Paris)

 これからは、あの香ばしくてジューシーなタルトタタンを気軽に買うことができる!と思うと嬉しくなった。
 
 とりあえず買ったのは、定評のあるLe pain de campagne au levainで作られたパン・グリエとバゲット。
 古くなったパンをパン・グリエにして売る店が多いが、ここのはひと手間かけられているので買いたくなったのだ。ハーブやニンニクの香りがたっぷりのタプナードオリーブオイルつき。

 酸味の強い、ルヴァンのパンが好きなので、たまらない。ミネストローネと一緒に、カリカリ食べてしまった。(写真右下)

Img_4469 内装は、他店と同様の美しさ。一味違うのは、パン屋さんらしからぬ、暗めの照明。おもしろいが、焼き加減がよくわからないではないか! お店の方も、とても感じが良かった。

 最寄駅は、8番線のLa Tour Maubourgです。念のため。

 
 ○LE MOULIN DE LA VIERGE
    64 rue Saint Dominique
    75007 Paris
  metro:La Tour Maubourg
    http://www.lemoulindelavierge.com

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2007年2月 1日 (木)

なぜラグー?

 我家の定番料理、緑の野菜ばかりを使った前菜。

Img_4563

 下茹でしたインゲングリーン・ピースソラマメ絹さやといった、ありったけの豆類と、グリーン・アスパラブール・ノワゼットでからめ、削ったパルミジャーノを散らすだけ。
 緑の野菜、豆を、モクモク食べることができる。
 本当は、スナック・エンドウを加えたいところだが、近所の八百屋さんでは見かけないので、仕方がない。

 家では”豆のグリーン・サラダ”と呼んでいるが、”豆のラグー”が正解。
 

 10年近く前、銀座のワイン・レストラン、グレープ・ガンボでいただいたのがとてもおいしく、家で再現するようになったのだ。(懐かしい! 今でもメニューにあるのだろうか?)

 最初は、焦がしバターを使っているのを見抜けず、物足りない出来だったが、後日、何かの本で種明かしを読んだ。

 でも、なぜラグー?

 ラグーとは、”パスタのラグーソース”というように、本来、煮込み料理を指す言葉。
 でもこの料理は、煮込んだ形跡がない。
 当時から、「なぜラグー?」と疑問符のまま注文していたが、いまだにその由来はわからないまま。
 

Img_4561 私の中には、しっかり、”豆のラグー”として、インプットされてしまった。

 おいしいから、まあ、いいか。

 

 

 ※難を言えば、数種類の野菜を使うので、下準備が面倒くさい。家でもmise en place(仕込み)をしている気分になった。
  せめて、ソラマメは、皮なしの冷凍を使えばよかった・・・。

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