« アンダルシア 冬の旅  ⑥ロンダのパラドール | トップページ | なぜラグー? »

2007年1月30日 (火)

いまさらながら、カルチャーショック!

Hitasu                                                            

                                                            

 紅茶に浸したマドレーヌを一口含んだとたん、幼年期の思い出に遡る―。

 読破困難と言われる、M.プルースト『失われた時を求めて』だが、このくだりはよく知られているのではないだろうか。(私も読んだことがありません)

                                                            
 
 紅茶にマドレーヌを浸す・・・。
 表面に油が浮いた紅茶を飲むのだろうか。私は嫌いだが、フランス人には抵抗がないらしい。Img_3524
 なにしろ、朝から丼みたいなカフェ・オレ・ボウルを抱え、パンやビスケットをジャバジャバ浸して食べる人達なのだから・・・。(注:私の知人です。フランス人全員がそうというわけではありません)

                                                            

 昨年末、仏人マダムのお料理教室で習ったBuche de Noel

 Gateau aux petits beurresという名前のこのケーキ、お菓子メーカー、LuTheというビスケットを使うのが必須条件だ。
 「他のビスケットでも試したけれど、これじゃなきゃ、だめ」
 普段はすべてに鷹揚なマダムが、これだけは、強いこだわりを見せた。そのTheを、一枚ずつ、ラム入りのコーヒーにひたし、ブッシュ型に積み上げていくケーキで、その工程はティラミスを思い起こさせた。

Img_3539
 仕上がりは、コーヒーを吸って柔らかくなったビスケットの風味がすばらしく、意外なおいしさだった。
 

 浸す食べ物・・・。

                                                            

 料理なら、オニオン・グラタン・スープ。スープをたっぷり吸ったパンが溶けたチーズと絡みながら浮かんでいる。P1000389

 フレンチ・トーストで知られる、パン・ペルデュも”浸す”調理法。

 パン屋で働く友人によれば、クロワッサン・ダマンドパン・オ・レザンなどはシロップやラムに、
 「Bien, bien, imbibez! trempez!(よーく染み込ませて!)」
 と漬けたものを焼くのだとか。

 ラムと言えば、ババ
 スポンジにたっぷり、ラム入りシロップを染み込ませている。シロップ漬けの瓶入りすらある。
 ナポリの街角で買ったときは、食べる直前にラムを振りかけてくれた。かみ締めると、ジュッと染み出す、むせ返るようなラムに酔いそうだった。

 とある料理教室では、焼きたてのスポンジに、オレンジジュースのシロップをたっぷり吸わせたケーキを習ったこともある。P1080354(写真右)。
 せっかく焼いたスポンジに、液体をぶっかける暴挙に驚いたが、そのしっとりとした仕上がりはなかなか良かった。

 
 せっかくカリッ、パリッと完成したものに、敢えて、水分を吸わせ、浸す習慣は、私の引き出しにはない。
 3年以上住み、料理を学んでも、カルチャー・ショックを受ける事柄は、まだまだたくさんありそうだ。

 ”浸す”文化も、そのひとつ。

 日本に帰国し、水分をたっぷり含んだ何かを食べたとき、プルーストのように、味覚を辿って、鮮明にパリの記憶がよみがえるのだろう。たぶん、きっと。

 

|

« アンダルシア 冬の旅  ⑥ロンダのパラドール | トップページ | なぜラグー? »

グルメ・クッキング」カテゴリの記事

食関連書籍」カテゴリの記事

コメント

なにしろ、朝から丼みたいなカフェ・オレ・ボウルを抱え、パンやビスケットをジャバジャバ浸して食べる人達なのだから・・・。(注:私の知人です。フランス人全員がそうというわけではありません)
↑ い~えFarafel さんのお友達だけではありませんよ~。うちの主人は青いチーズとかはさんだパンまで朝食のコーヒーにじゃ~ぶじゃぶ ひたして その後のコーヒーカップのすんごい事。。。(パンくずとバターっ気で(ーー;) 洗う人の身にもなっていただきたい!

浸すだけでなくてそのコーヒーしっかり結局飲みますからねぇ。。。

朝のカリっとしたトーストをはじめ、カリコリした歯ごたえの良いものは”そのまま”が好きな私には 信じられない じゃば ぴちゃ度 
歯でも悪くて、硬いもんだめなのかしら と結婚当初思ったぐらいです。ちなみに彼の歯は私よりよっぽど丈夫でした。

ババとかも大~好き ソースびしゃびしゃ派なんだと思います。やはりフランスの湿度の低さもスープ好き、ソース好きを育むのでは。。。

そういう彼が もっと ソース好きな従兄弟が 子供の頃、du jus du jus って催促していたのを思い出しては笑っている私の主人。。。
私にとってはどちらも浸すの大好きフランス人の!目ク○が 鼻ク○を笑うって感じのお二人ですけどね~(*^_^*) 

投稿: Mocha et Latte | 2007年1月30日 (火) 09時19分

こんにちは。そういえば浸すもの、沢山ありますね。以前半端なアンビべで、仏人シェフに残しちゃダメ!シロップ飲む?と迫られ衝撃的でした。ビスケットのブッシュ家庭的でおいしそうです。マダムのレッスン大好きです。日本ならマリービスケットでしょうか・・

投稿: kan | 2007年1月30日 (火) 10時17分

カリッとしあがったものを浸す・・・と言えば、カツ丼もそうじゃないですか?私は、カツとは別の方が好きだけど、日本人にはポピュラーですよね、カツ丼。

投稿: めめ | 2007年1月30日 (火) 12時30分

はじめまして、お邪魔します!
お菓子も良いけど『お肉』はいかがでしょう。
美味しい豚肉やさんを発見しました。
生産者の顔が見える安心・安全な商品です。
NHKでも放送されている豚肉なんです!
おすすめしますよ♪

投稿: あすか | 2007年1月31日 (水) 08時10分

ふぁらふぇるさん
明けましておめでとうございます。

久しぶりでごんす。
日本帰国後約1か月、やっと寄らせてもらうことができました。
うひー、長かったよー、ずーっと読みたかったよー。
これからもどうぞよろちく♪

さて、びしょびしょ文化ですが、
てんぷらそば、中でもかき揚げそばなどは、
その最たるものかもしれませぬ。
でも、日本人はどうもしょうゆ方面びしょびしょに
流れてしまいますな。
甘いもの方面びしょびしょへは、なかなか思いがいたりませぬ。
なんかあるんでしょうか、
たとえば、お饅頭を甘酒にびっしょり漬けて、
ぐちょぐちょにして食べる、とか。
想像しただけで、胸焼けしてきました。
それではまた~♪

投稿: はなもげら | 2007年1月31日 (水) 10時35分

Mocha et Latteさん、こんにちは。

ははは、ご主人もそうでしたか。
実は、私も、ボウルの中のことも書きたかったのですが・・・。代弁していただき、ありがとうございます。

du jus du jus!
かわいらしいですね。その光景を思い浮かべ、ほんわかしました。

投稿: farafel | 2007年2月 1日 (木) 08時28分

kanさん、こんにちは。

アンビベという言葉、なんだか、雰囲気が伝わってきませんか。

ビアン、ビアン、アンビベ~!

言いにくいけど。

私もマダムのお料理教室、大好きです。

投稿: farafel | 2007年2月 1日 (木) 08時31分

めめさん、こんにちは。

おお、そうでした。
カツ丼がありました。

久しくいただいていないので、思いつきませんでした。

こんな調子で、家の食事もどんどんワンパターン化しています・・・。

投稿: farafel | 2007年2月 1日 (木) 08時32分

あすかさん、こんにちは。

お菓子もいいけど、お肉もいいですね。もちろんです。

投稿: farafel | 2007年2月 1日 (木) 08時34分

はなもげらさん、こんにちは。

おひさしぶりです。
お元気そうで、なによりです。

そうですね、こういう話題、はなもげらさん向きでしたね。
タイムリーでした。

めめさんもご指摘の通り、カツ丼や天ぷら蕎麦がありましたね!
すっかり忘れていました。

言い訳すれば、和食のこの系統もあまり好きではないのです。
カツはカツだけで。
天ぷらは、できれば塩だけで、いただくのが好きなのです。

揚げたての海老天ぷらが、どんどんふやけていくのは、かなりやるせない気持ちになるのですよ・・・。

投稿: farafel | 2007年2月 1日 (木) 08時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/146440/13713269

この記事へのトラックバック一覧です: いまさらながら、カルチャーショック!:

« アンダルシア 冬の旅  ⑥ロンダのパラドール | トップページ | なぜラグー? »