リヨンとその周辺 ④ロックなGangloffさん!
Condrieu(コンドリュー)のワイン生産者、Domaine Mathilde et Yves GANGLOFF(ガングロフ)へ。
日曜日に関わらず、見学依頼を快諾してくださったのだ。
とはいえ、人任せの旅。「コンドリューの中でも、人気があるらしい」ということ以外、全くわかっていなかった。
道を尋ねながら、用水路沿いの、車がやっと通る幅の道路を進む。突き当たりに止まった古いメルセデスが目印だ。
カールした黒髪、Tシャツのワイルドな感じは一見、中年ロック・スターという風情のガングロフさん。とてもワイン生産者には見えない。が、握手をすると、大きな手はガサガサで、指先はワインに染まって、やはり、”農業をする人”のものだった。
出荷を待つワインが積まれた倉庫で、Condrieu、Cote Rotieを試飲しながら、説明を伺う。
ワイン作りは、ガングロフさんと奥様のマチルドさん、スタッフの3人で作るという。畑も小さいため、年間の生産本数はコンドリューが約8,000本、コート・ロティが約1万2,000本と少ない。希少価値もあるワインなのだ。
元々、ガングロフさんはアルザス出身だが、画家の兄弟が住むこの地でマチルドさんに出会い、定住したのが始まり。
くちかけたワイン農家を買い、改修しながら、一からワイン作りを始めたという。その前はワインを作ったことなどなかったというから、驚きだ。ブドウの収穫も、ブドウの熟成具合、天候などを見極めて行うという。小規模の畑だからこそ、可能なのだろうが。
初めていただいた、ガングロフのコンドリュー。
香り立つような甘さ、フルーティーさ。ミネラルな感じも強い。好きなタイプの白ワインだ。絶賛されているわけがわかる気がした。
樽で熟成中のワイン、タンクのワイン、そして澱引き前のワイン(写真左上のグラス)など、丁寧な説明を受けながら、いろいろ試飲させていただいた。
ワインに詳しくないので、気の利いた質問もできず、物足りない見学者だったかもしれないが。
気に入ったワインを購入すると、ラベル貼りから箱づめまで、ご本人がしてくださるので、なんだか恐縮してしまう。本当に手作りのワインなのだ。
今後、買ったワインを開けるたびに、この光景を思い出すのだろう。
ワインはもちろん、気に入ったのはラベルだ。
すべて画家のご兄弟(兄か弟か、伺うのを忘れた)による作品で、柔らかなタッチとスタイリッシュな感じが同居する世界がいい。
Vienneにあるというアトリエに行きたくなってしまったほど。
毎年、地元でジャズ祭りを開催し、数軒の生産者で作っているという記念ボトルをおまけにいただいた。
やはり、ミュージシャン。
将来有望視されるワイン生産者の一人といわれるガングロフ氏。
歴史や形式にこだわらず、自由に自分の流儀でワインを造る-その”ロックな”姿勢に、フランスワインの新旗手の台頭を感じた。
※醸造所兼自宅の裏山が畑の一部。
急な斜面の小さな面積。生産量が少ないはずだ。
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コメント
コート・ロティ、いいなぁ。思わず口が開いてしまいました。
これからの季節、ワインが余計に美味しくなる時期。美味しいお料理に美味しいワイン片手に!なんていいなぁ。
また、全てが手作りとは!ラベルまでも!凄い!
ぬくもりがあっていいわねぇ。
1度でいいからワインの村を訪ねてみたいなぁ。
購入したワインに合うお料理を作るのが楽しみですねぇ。
その時には、ブログに記載して下さいね。
投稿: ゆかりん | 2006年11月10日 (金) 19時31分
ゆかりんさん、こんにちは。
すごく感じの良い方でした。
全く期待せずにお伺いしたので、帰路、温かな気持ちに包まれましたよ。
この貴重なワインにあう料理。私が作るのですか!
ワインに失礼だ・・・。
投稿: farafel | 2006年11月11日 (土) 18時44分