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2006年10月12日 (木)

芸術の秋です。 -Transversal-

                                                                                           

P1080522 芸術の秋です。食欲の秋、でもあります。

                                                                                           

                                                                                             

 『料理通信』10月号の『ミラノ・パリ・東京 今訪れるべきガストロノミー・レストラン』で紹介されていたTransversal(トランスヴェルサル)へ。
 以前も同雑誌で取り上げられていて、一度行ってみたかったのだ。

 パリ郊外にあるMAC/VAL現代美術館の中にある。

 
P1080530  現代美術館のレストランにふさわしく、黒を基調とした、モダンなインテリア。庭に面していて、気持ちが良さそうなテラス席もある。
 キュレーター風のアーティスティックな、あるいはアカデミックな雰囲気を醸し出した人たちが談笑しながら食事している。いい感じだ。

 開催中の展覧会に着想した『展覧会の皿 plat d'exposition』というメニュがあるとのことだったが、ランチだったせいか、見当たらなかった。興味があったので、残念。

 もう一つ目を引いたのが、アラカルト・メニューの”Formule garde-manger(ガルド・マンジェ・食料庫)”。星付きレストランと同レベルの、クオリティの高い作り手による食材、ビオの野菜などを厳選し、アート的コンセプトのフィルターを通して調理する、という。
 ”本日の定食”やムニュもあったが、せっかくなら選び抜かれた食材をいろいろと試食してみたい。ガルド・マンジェから数品を選び、シェアしながら食べることにした。

P1080527  野菜、肉系、燻製系、乳製品、デザートの35種類の中から迷いながら選ぶ。
 結局、頼んだのは、燻製の老舗Safa社Saumon sauvage des baltiques(バルト海の天然サーモン)、Maison FaivreSaucisse de morteaux(モルトー・ソーセージ)、Joel ThieboaultラディJPierre ClotPommes de terre ecrasees(粗くつぶしたジャガイモ)、Anchois Frais Marines(カタクチイワシのマリネ)。

 真っ白なお皿に”川”の字のようにサーモンが並べられてきたり、皿の真ん中にチョコンとソーセージの端が載せられてきたり、そのプレゼンテーションはミニマルなアート、そのもの。驚き、ちょっと笑えた。P1080540

 選んだ品がシンプルなものばかりだったせいか、これらを料理と呼ぶべきかは微妙なところだが、厳選された素材だけに、どれもおいしいので、いいのだ。
 イエナのマルシェでも大人気のビオ野菜生産者、ジョエル・チエボーのラディに、クリスタルの塩がまぶされたバターをつけ、齧る。ひねた見た目だが、辛味、水気のバランスがよく、素直に素材の味を楽しめる。
 ねっとりとしたサーモン、ナイフを入れるとじわりと脂が染み出てくるソーセージ。バターの風味が効いた、ほくほくのジャガイモ。

 『上質素材を必要最小限の調理でサーブ。この手法は、荒素材をミニマルに加工し人間の本質を表現する、コンテンポラリーアートに立脚する』(引用:料理通信10月号P52)
 高級食材店で、おいしいものを買ってきて、家で食べているみたい・・・と思いながらいただいたが、罰当たりな発想だったようで・・・。

 フレンチのシェフの間でも、厳選した食材を見つけ出し、積極的に料理に取り入れるのは大きなトレンド。その調理法も、よりシンプルになっているのは周知のところだ。
 その見地からすると、トランスヴェルサルは料理だけで見ても、最先端を走るレストランといえるのかもしれない。
 素材を生かす料理に慣れている日本人には、いたって普通に見えるのだが・・・。これが、まさに、”コンセプチュアル・アート”というものか。

 
 芸術の秋です。アートとガストロノミーの交錯を試みる、不思議な世界へ・・・一度は、ぜひ!

 ※普通の料理(この日の定食は、Thon grille, coco de pimpolais de coco au Sate, cacahuetes et coriandre)もちゃんとあるので、念のため。写真はクリックすると、大きくなります。

                                                                                           

P1080561 ○Transversal
  MAC/VAL
    Place de la liberation
    94400 Vitry-sur-Seine
    TEL:01 55 53 09 93
    休:月曜日
    www.restaurant-transversal.com

 

 
 ○Atelier de Fumaison Safa
  130 rue de Rosny - 93100 Montreuil
  Tél. 01 42 87 20 20

 ○Maison Faivre
  http://www.salaisonsfaivre.com/

 ○Joel Thiebault
  http://www.joelthiebault.fr/

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コメント

farafelさん
うーーーむ、素材を活かす、皿の上に芸術を表現する、
これ全部、日本料理の手法やないですか?
(なぜか関西弁)
なかなか感動のレポートでした。
しかし、一皿の料理求めて、
94県まで走るあなたには、
もっと感動しました。
さすがじゃー。

投稿: はなもげら | 2006年10月12日 (木) 18時47分

はなもげらさん、こんにちは。

あそこは94県と言うのですか、知りませんでした。

いやいや、近くですよ、ほんと。
すぐそこは中華街です。

ラスト・スパート、行っとく?

投稿: farafel | 2006年10月13日 (金) 06時27分

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