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2006年2月18日 (土)

お皿の上の小宇宙  -Pierre Gagnaire-

 実は、ランチに行くのは好きではない。ワインがたくさん飲めないし(ワイン無しのフレンチなんて!)、第一、満腹になると、その日が終わってしまうではないか。

 でも、それがピエール・ガニェールのランチなら、話は別だ。

P1 その芸術的すぎる料理は賛否両論あるが、私は大ファン(なので8掛けくらいでお読みください)。何度でも行ってみたいと思わせるレストランなのだ。

 他の三ッ星に比べ、内装などはかなりシンプル。お手洗いもホテルと共用だし。料理が三ッ星なのだと思わされる。

 この日は、残念ながらムシュー・ガニェールは不在。本当に残念。

 Menu de Marcheという90ユーロの(三ッ星にしては)とてもリーズナブルなコースがあり、驚く。

 でも驚くのは早かった。

P2 ランチなので期待していなかったのに、おびただしい数のアミューズ・ブッシュから始まり、数えていられないほどの種類の料理が次々と運ばれてくる。
 
 プレゼンテーションも見たことがないものばかり。美しいのだが、何が何だかさっぱりわからない。以前来たときと、同じものは見当たらない(と言うより、前回何を食べたか覚えていないほど突飛だった)

 Le Menu du Marcheの献立は次の通り。
 
 Mariniere de coquillages au jus de concombre.(貝のマルニエ、キュウリのジュ添え)
 Mousseline de colinot, feuilles de haddock et oeuf en neige.(タラのムース、燻製に雪仕立ての卵添え)
 Mangue du Vietnam, poivrons verts et ananas au rao-ram.(マンゴ、緑ピーマン、パイナップルのラオ・ラム和え)
 Aspic d’oeuf de saumon au naturel, celeris rave.(イクラとセロリラブのアスピック)
 Creme glacee a l’artichaut ; saubrossade.(アーティーチョークのアイスクリーム)p7

 Bouillon de boeuf legerement fume.(軽く燻製にした牛肉のブイヨン)
 Somites de choux fleurs et gambas grilles de Madagascar.(カリフラワーの先端、マダガスカル産エビのグリル)(注:この日はホタテのバロティン)
 Toast de moelle.(骨髄をのせたトースト)P4

 ここまでが前菜。
 LE PLAT PRINCIPAL(メイン)

 Plat de cote effiloche aux oignons doux des cevennes,
 tranche de jarret fondante ; epinards et poireaux legerement moutarde.
 Bechamel de lie de vin et veloute de patate douce.
 (ほぐし肉のセヴェンヌ産タマネギ添え、やわらかく煮たスネ肉、ホウレン草とポワロ葱のマスタード和え、ワインのベシャメルとサツマイモのヴェルート)

 Quelques desserts.(デザートをいくつか、とあるがいくつかどころではない!)

                      

 「できれば、中心から、時計周りにお召し上がりください」。ずらりと並べられた皿を前に戸惑う私たちに、メートル・ドテルが教えてくれる。P3

  視覚、素材の味、香り、歯ごたえ、温度、舌触り・・・。きっとムシュー・ガニェールが考え、組み立てたストーリーがあるのだろう。

 フランス国内にとどまらず、世界中の食材・調味料を取り入れた一品、一品を途中、戸惑いながら、驚きながら、食べていく。「次は何だろう」。期待感も同時に高まっていく。

                      

 おいしいかどうか。そんなことを論じるのが陳腐に思えるほどの不思議な、そしてアートな小宇宙がそこには広がっている。

 この中に使われたテクニック、組み合わせ、そして食材や調味料のいくつかが、数年後、フレンチのスタンダードになっているかもしれない。大げさに言えば、”世紀の大発明”に立ち会っているような!

 ”進化する”料理。その先頭に立つピエール・ガニェール。あふれんばかりのイマジネーションが発するエネルギーにあてられたのか、数日たった今も頭から離れない。

  P6

ちょっと熱く語りすぎました・・・。チョコレートでもいかがですか?(重箱入りです)

                      

                      

P5

 ○Pierre Gagnaire
    6,rue Balzac Hotel Balzac
    TEL:01 58 36 12 50
    FAX:01 58 36 12 51
    http://www.pierre-gagnaire.com

※キッチンを見せていただいた。天才の下で働いている人たちがうらやましいばかり・・・。

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コメント

farafelさまへ

バルザックホテル、ピエール・ガニェールのレストラン。
次、パリに行くときには、絶対に入ってみたいです!
ランチでも予約しないと無理なのでしょうね。

お料理ももちろん、きれいに磨かれた数々のパン、
銅のお鍋もぴかぴかですね。
これを見ただけで、作り手の心意気を感じます。

投稿: nana (kinotable) | 2006年2月19日 (日) 07時48分

nanaさん、こんにちは。

ぜひぜひ、行ってみてください。(私が言うことではありませんが)
ただ、好みがはっきり分かれるのでお気をつけください。一緒に行った友人たちは「?」という感じで、ビミョーな反応でした。

正統派、革新派、贅の限りをつくしたレストラン・・・いろんな三ッ星があるのですよね。

投稿: farafel | 2006年2月19日 (日) 17時54分

farafelさん、はじめまして。
来週から約3週間、夫と2人、リュックを背負ってフランス旅行するのですが、ferafeさんのブログ、とても参考にさせて頂いています!!

こちらのブログを見て、Pierre Gagnaireに行きたくなり、ランチの予約をしましたが、3つ星レストランは初めてなので緊張しています。いくつか教えて頂けますでしょうか?
1.私はセーターとスカート、夫はシャツとズボンという普通の格好で行こうと思っているのですが、やはりもっとまともな格好で行く方がいいでしょうか?
2.このお店に限らないのですが、レストランやビストロでお料理の写真をしても大丈夫ですか?お店の方に最初にお断りした方がいいのでしょうか。
3.ランチは90EUROと思って予約したのですが、日本のとあるガイドにランチ・ディナー200EURO~と書いてあるのを見つけ、ちょっとびびってしまいました。。farafelさんのランチ情報は、今年行かれたものでしょうか?

初歩的な質問ばかりお恥ずかしいのですが、宜しくお願いします。

投稿: takapyona | 2006年3月 3日 (金) 11時16分

takapyonaさん、こんにちは。

はじめまして。
旅の参考にしていただけるなんて、光栄です。
さて、お問い合わせの①三ッ星への服装ですが、きちんとした服ならいいかと。男性ならジャケット着用とか。
普段着のセーターとジーンズ、スニーカーだと、「NO」とは言われませんが、周りのお客さまと違うので、居心地が悪くて、楽しさが半減するかもしれません。
ちなみにガニェールでは、ジーンズ着用のマダムがいました。ただ、お金がかかった、シックな着こなしでした。感じでした。

②は、私の場合、撮影していいか、一言断ります。ダメと言われたことはありませんが、食べ物を撮る日本人が珍しいらしく、見られるので恥ずかしいことは多いです。

③ランチは90ユーロでした。ご心配でしたら、お店に直接、お問い合わせになってはいかがでしょうか? 丁寧に教えてくださるはずです。

答えになっていますか?
楽しい旅を楽しんでくださいね!

投稿: farafel | 2006年3月 4日 (土) 04時23分

farafel さん

早速のご回答有難うございました!
大変参考になりました。服装や写真について不安に思っていましたが、教えて頂いたお陰で解決しました。これで安心してランチを食べに行けます☆

来週、トゥールーズから入り、アビニョン、リヨン、ディジョン等を周って最後にパリに入ります。Pierre Gagnaireでのランチとても楽しみです。本当に有難うございました。

投稿: takapyona | 2006年3月 4日 (土) 11時12分

takapyonaさん、こんにちは。

トゥールーズ、行ったことがないのです。
楽しそうなルートですね。
私も行きたい。

最近、雨が多いです。
フード付の服か、折りたたみ傘をお持ちください。
バックパックの旅、風まかせな自由な旅で楽しいですよね。お気をつけて、楽しい旅を。

投稿: farafel | 2006年3月 4日 (土) 14時27分

farafelさん、
旅行前に参考になる情報を色々教えて頂いて有難うございました。
(旅行中はやはり雨が多かったのですが、折りたたみ傘を持って行ったので助かりました。)

Pierre Gagnaireのランチ、行って来ました!
今回行ったレストランの中ではダントツのNO1でした。
お料理の美しさや味は勿論のこと、行き届いたサービスに感動しました。本当に行けて良かったです。

私のブログに勝手ながらfarafelさんのブログをブックマークさせて頂きました。
これからもよろしくお願いしま~す。

投稿: takapyona | 2006年4月 5日 (水) 10時53分

takapyonaさん、こんにちは。

ガニェールに行かれたのですね。
いいですねー。何度でも行きたいです。

評価が分かれる店なので、気に入られたようで、よかったです。(と、私が言うのも変ですが)

ブックマーク、ありがとうございます。
旅のレポートも楽しみに読ませていただきます。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: farafel | 2006年4月 6日 (木) 10時47分

farafel さん、こんにちは。
3月に行ったガニェールの記事、やっと書き終わったのでTBさせて頂きました。
前菜はfarafelさんの行かれた時とほとんど同じだったので、メニューの日本語訳を参考にさせて頂こうと思ったのですが、メインが私の時はお魚で、自分で辞書を調べても写真と全然違う訳になってしまったので、結局メニューの訳は断念しました・・・。フランス料理の訳って難しいのですね。

投稿: takapyona | 2006年9月13日 (水) 16時55分

takapyonaさん、こんにちは。

待ってました、です。

オススメしたものの、好き嫌いがはっきり分かれるレストランです。
気に入っていただき、とても嬉しいです(と、私が自慢するのもおかしな話ですが)。
美しい写真の数々、サービスの方との楽しいお話のやり取り(あのおひげのムシューは、さすが三ツ星!ですよね)。
私もまた行きたくなりました。

TB、リンクをいただき、ありがとうございます。
こちらからもTBさせていただきます。

投稿: farafel | 2006年9月15日 (金) 18時29分

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